015話 円周率の魔力



パンパカパーン、パンパンパン、パンパカパーン♪

ドン、ドーン!

「いよいよ始まります世紀の大イベント、第164回 円周率暗唱大会!
先週の劇的な幕切れから はや1週間、今日のこの日を何度待ちわびたことでしょう!_(▽▽)_i」

チャララ、ラッチャラ〜♪

「さあ、積もる話はおいといて、早速、大会に移りましょう!
まず最初の挑戦者は…
スフィンクス星出身のブライオンさんです! ブライオンさん今のお気持ちは?」

ブラ「非常に興奮してます! 今日のこの日を夢見て、僕ちんは夜も眠れナイオン!」

「なるほど、それは大変ですね!(笑) それでは、さっそく挑戦して頂きましょう! ブライオンさん、どうぞー!」

ピーッ!

ブラ「もういいんですか?」

「早くやって下さい」

ブラ「す、すみません、それでは…、 え〜と、3.14....あれ?」

ピッ、ピッ、ピッ…

「おお〜っとブライオンさん、まさかの苦戦です! 無理もありません。円周率暗唱大会と言えば、
世界中の円周率マニアが夢に見る世紀の祭典!そのステージに立って冷静でいられる人はおりません!」

ピッ、ピッ…

「しかし、これはまずいぞ〜っ! スッカリおなじみになったこの大会の独自ルール、
20秒以内に次の桁を言うことが出来ないと失格になってしまいます!」

10! 9! 8! 7!

「出たー!死のカウントダウン!!幾人もの挑戦者が闇に葬られることを予感した戦慄の時!この恐怖にブライオンさんは耐えられるか!?」

6! 5! 4!

ブラ「あ〜うるさい!わかんなくなっちゃったじゃないかぁ〜!」

3! 2! 1! ゼローッ!

ピーッ!

「ブライオンさん、失格でーす!」

ブラ「ガックシ…」


「いや〜、ブライオンさん、残念でしたね〜。ぜひ次の大会ではリベンジに萌えちゃってください! それでは、次の方、どうぞ〜!」





次の方「3.1...」

「失格で〜す!」



その次の方「3...あれ? 3.11...あれれ〜!?」

「しっか〜く!」




「お〜っと、どうした事でしょう?これは予想外の展開! みんな緊張で数字が出て来ないようです!」


しょぼいなぁ〜_U=I=U_V(’*‘)V_(モク)_


「あぁ〜!前列のお客さんからもショボイなという声が漏れてます!!」


・・・・(・〒・)


「このまま今大会は終わってしまうのか〜!?」

猿麿「あの〜・・・」

「はい?」

猿麿「僕も参加していいですか?」

「ええ、この大会は飛び入りも歓迎してますんで全然OKですよ!」

猿麿「そうですか、どうも・・・」










「さあ、波瀾続きの今大会も、挑戦者は残すところあと1名となりました!!それでは紹介いたしましょう!
第164回 円周率暗唱大会、最後の挑戦者は、飛び入り参加の猿麿さんで〜す!」

猿麿「どうも」

「猿麿さんは飛び入り参加と言うことですが、やはり普段から円周率のトレーニングを?」

猿麿「いえ、別にそういうわけではないんですけどね」

「あはは、それじゃあ記念参加ですね? それもいいでしょう!(笑) まあ、思い出作りに楽しんでってください!」

猿麿「ええ、どうも」

「それでは記念参加の猿麿さん、はりきってどうぞ〜!」

ワハハハハハ!!


猿麿「スーッ、  3.141592…、え〜、あとは知らない」




_(▽▽)_i




_U=I=U_




V(’*‘)V




_(モク)_




シーーン・・・




「さ…_(▽▽)_i

「猿麿さん、優勝〜!(・〒・)/\(▽▽)_i」

ワァ―――――ッ!!!


「やった!V(’*‘)V」

「猿麿、すごい!_(モク)_」

「犬麿のおかげだな _U=I=U_」


ワァ――!ワァ――!


「さて、優勝されました猿麿さんには、素敵な賞品が授与されます」

おお〜っ!_U=I=U_V(’*‘)V_(モク)_

「今回の優勝商品は…

何と、円周率100万桁の冊子で〜す!!」

ワァ―――――ッ!!!


ブライオン「うらやましい・・・」



「猿麿さん、おめでとうございま〜す!」

猿麿「いや、どうも(・〒・)」

・・・・・・_U=I=U_V(’*‘)V_(モク)_










みそ「猿麿、おめでとう!」

モク「おめでとう!」

猿麿「ああ、ありがとう」

みそ「でも、まさか優勝するとは思わなかったね」

モク「モク、びっくりしちゃったよ」

猿麿「まあ、今回はレベルが低かったからね」

犬麿「しかし、優勝賞品はくだらなかったな」

猿麿「そうでもないよ」

犬麿「あんな物もらってどうするのだ」

猿麿「別に…、食後の暇潰しにはなるし(・〒・)」

犬麿「そうか? 犬麿なら、まだドッグフードでももらった方がいいがな」

モク「犬麿、犬みたいだね」

犬麿「例えばの話だ!犬麿が本当にドッグフードを食べるわけないだろう!」

みそ「またまた〜(笑)」

犬麿「何だと、コノヤロウ!_U=I=U/」

みそ「ご、ごめん、許して!V(’*‘;)V」

「ハハハハハ…_(モク)_(・〒・)」










---次の日---

バタン!

「ただ今なのだ!_U=I=U_」




ドロン!

モクモクモク!

『お呼びでございますか?ご主人様』

猿麿「ゴニョゴニョ…」

『かしこまりました、ご主人様』

「うわー、すごーい!V(’*‘)V_(モク)_」



「ぬぬっ!?_U=I=U_」 


みそ「これ、すごいねー!」

モク「驚きだモク!」

猿麿「こんな使い道があったとは、知らなかったよ」

犬麿「何をやっているのだ?」

猿麿「ああ、実はね…」

みそ「ふふふ…(笑)」


犬麿「なぬっ!?円周率魔人?」

猿麿「この本、開いたら出てくるから、試してごらん?」

犬麿「そんなバカな話があるものか」

猿麿「信じないなら別にいいんだけど…」

みそ「さるまろぉ〜、みそお腹すいたよ」

モク「モクも!」

猿麿「ああ、じゃあご飯の仕度するから待っててね!」

みそ「うん!」

猿麿「今夜はみんなの大好きなカレーだよ!」

「やったー!V(’*‘)V_(モク)_」

みそ「あ、みそ、じゃがいもの皮むき手伝うよ!」

モク「モクも!」

ワイワイ…



・・・・・_U=I=U_


「円周率魔人か…_U=I=U_」

「そんなモノいるわけないではないか!_U=I=U_」


・・・・・・・


「でも、一応開いてみるか… (パラリ)」



ピカーン☆


ドロン!

モクモクモク!

犬麿「うわ!」

『お呼びでございますか?ご主人様』

犬麿「おまえは誰だ?」

『円周率魔人でございますぞ、ご主人様』

犬麿「男にご主人様って言われてもなぁ」

『さあ、ご主人様、何なりとお申し付けください!』

犬麿「じゃあ、ドッグフード買って来て!」

『それは無理なお願いです』

犬麿「なぬっ!?」

『私は円周率に関するお願いしか聞けないのでございますよ、ご主人様』

犬麿「使えない奴だ…。おまえに願い事をした犬麿がバカだった」

『ショックなお言葉です、ご主人様』

犬麿「おまえにはもう頼まんのだ!」

トコトコ…_U =I=U_

『まあ、そう言わずに…。また気が向いたらご用命ください』






トコトコ…(・〒・ )

猿麿「あ、円周率魔人。ちょうど良かった!」

『何かご用ですか?ご主人様』

猿麿「え〜とね、ボンカレー切らしちゃったんで、近所のスーパーで小数第二位だけ買って来て♪」


!!_U=I=U_


『おやすいご用です。ご主人様』

猿麿「じゃあ、お願いね」

『かしこまりました。ご主人様』

トコトコ…( ・〒・)



 _U=I=U_



犬麿「なるほど、ああ使うのか…」



「おい、円周率魔人!_U=I=U_」

『お呼びでございますか?ご主人様』

犬麿「いかにも」

『ご要望は何でしょう?ご主人様』

犬麿「え〜と、ドッグフードを小数…」




『・・・・・・』




「・・・・・・_U=I=U_」




『・・・・・・』




「・・・・・・_U=I=;U_」




『ボンカレー買ってきます…』

「うぅ・・・_U=I=;U_」










--20分後--

「3.141592…ブツブツ…」

みそ「犬麿〜、ごはんだよ〜!」

モク「あれ?犬麿?」

みそ「犬麿、何やってるの?」

犬麿「12902196…ブツブツ…」

モク「犬麿?犬麿?」

みそ「大変だ!犬麿の頭がおかしくなっちゃった!」


猿麿「ああ、犬麿は円周率を覚えてるんだよ」

みそ「円周率を?」

モク「へえ〜」

猿麿「せっかく熱中してるんだから邪魔しちゃだめだよ」

「は〜い!V(’*‘)V_(モク)_」










--更に20分後--

「ごちそうさまぁ〜!」

「あ〜、おいしかった!」

「29317675…ブツブツ…」

みそ「犬麿、まだやってるんだね」

モク「今日はいつになく熱心だモク!」

猿麿「熱心なのはいい事だよ」



みそ「あれ?ところで円周率魔人は?」

猿麿「ああ、円周率魔人なら、3つ目のお願い聞いたから、さっき円周率の国に帰っちゃったよ」

モク「な〜んだ」

みそ「便利だったのに残念だね」

猿麿「しょうがないよ、出会いがあれば別れもある。この世に永遠なんて物はないんだから」

モク「またそのセリフかぁ〜」

猿麿「さ、わかったら居間でテレビでも見よう!」

みそ「は〜い!」

モク「犬麿、頑張ってね!」

「81420617…ブツブツブツブツ、ブツブツブツ…_U=I=U_」















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