色彩

 

   
太陽の光をプリズムに通すと、色々な色に分光されます。


   
 上の図に、上下を反転させて もう一つのプリズムを書き足してみました。


   
  この上下のプリズムをレンズとして考えてみると、レンズに近い所に
 紫色の焦点が出来て レンズから遠い所に赤色の焦点が出来る事が
 お分かり頂けるでしょうか?
 紫色よりレンズ側に焦点を結ぶのを波長の短い「紫外線」、
 赤色よりレンズから離れて焦点を結ぶのを 波長の長い「赤外線」と 
 呼ぶのも この図で理解して頂けたらと 思います。

   
 さて、この波長の図の上に眼球の絵を乗せて、赤色と緑色を眼の底に
同じくらいにボケて見えるようにした状態が 一番視力が出る状態です。
(ただし、この図は皆さんに分かりやすいように大げさに描いてあるので
眼の中でこんなに大きく前後差が出るわけではないのです。)

 
 赤と緑の市松模様は どちらに焦点が合うのか チカチカしますね。

  眼に有害な紫外線と言うのは 眼の中でも比較的に前の方を痛めやすく、
 反対に眼の底に熱光線の赤外線を集めると眼の底の光を感じる細胞が火傷して、
 虫眼鏡で太陽の光を集めて黒い紙を燃やすように 眼を痛める事があるのです。 
 強い陽射しの日に外出する時は やっぱりサングラスが必要ですね。
 

左の図は24色の色相環と呼ばれる物ですが、
前の光の波長の図と比べて おかしな事に気が付きませんか?

紫から赤にかけて 本来ならば色は ないはずなのですが、
「赤紫」は人間が作り出した合成色と言われています。 



注意を呼びかける時や、安く容易に食事を取れる
看板に使われているこの色は有彩色の中でもひときわ
目立つ存在の色。
赤外線に近く 温度を表す色として使われる事が多い。
日の丸は日光の赤、以前のソビエト国旗は
労働の血や汗、大地の赤だった。
国別によって赤の認識は違う。

眼に感じる色温度と言う物がある。
暖色 寒色といわれるように 見た感じで暖かさが違い
色彩学者 ヨハネス-イッテンでは 2度から3度違うと
説明されていた。

神が創った色の対比。
虎や女郎蜘蛛など単独で行動する
窮めて殺傷能力の強い動物が持つ色
無益な殺生を避けるため警戒色あるいは
攻撃色とも呼ばれる。
有彩色の中で最も発光色素と呼ばれる
黄色と、色相環では反対側の有彩色の紫を
無彩色の黒に変えて 対比にして強調した。
衝突防止の役割に使われる事が多く
工事現場の注意を呼びかける部分に使われる
事が多い。

どうしても天地創造を考えさせられる色。

釣りの世界でも、魚食魚ブラウントラウトを釣るのに
金黒のルアーを襲わせて釣るのは有名。
眼の中には 錐体と呼ばれる 赤、緑、青を
感じる細胞と、明るさを感じる桿体と呼ばれる細胞がある。
これらは明るさによって自動的に感度が変わるが
薄暮の明るさによって得意分野が変わって
大変明るい時間には 青に比べて赤の方が明るく
感じるが、暗い時間帯には青の方が赤に比べて
明るく感じるようになる。これをプルキンエ現象というが
左の駐車禁止の標識は非常に優れた標識だと思います。

黄緑

曇天のスキー場で一番目立つ色。
無彩色の白から灰色にかけて明度の対比で考えれば
黒と言うことになるが、黒は後退して小さく見えるように
なる。
逆に、有彩色の中でも発光色素の黄色も考えられるが
先述のプルキンエ現象も影響してか、少し青側に傾いた
黄緑の蛍光色が 最も強く見える。

「眼が疲れたら遠くの緑を見て」 と言われることがある。
分光すると赤から紫の中間的な色だが、植物にとっても
葉緑素と言う位だから光のスペクトル中から選び出すに
は一番大事な色に違いない。
ちょうどサッカーのゴールキーパーが得点されないために
立つ位置のようだ。
秋になって広葉樹は緑から 赤外線側に黄色くなって
赤く染まって散っていく。

以前 蛍光灯に緑のパラフィン紙をかぶせて数時間経って
別の部屋に行くと あらゆる物が皆赤く見えて、しばらく
元に戻らなくなってしまった。後に知ったが、これを残像
補色と言うらしい。

 上記プルキンエ現象によって 夜間でもこの標識は
発見され易く、また、強烈な刺激を与える事は無く
安心させる効果があります。

 また、地球は何故青いか、白人の眼は黒人と同じ
メラニン色素なのに 何故青いか
といった不思議があります。
 これは例えばレンブラントの絵に見る
雲間から もれ出る線のような陽光を
レンブラント光線と言いますが、
空気中の水蒸気に反射して見える線を
科学的にチンダル現象と呼びます。
 色素の中の波長の長い部分を淘汰して行って
たとえば牛乳に水を加えていくと青く見えるとか
遠くの山が緑から次第に青くなって霞んでいくのも
この現象だと呼ばれています。

 文化を表す色として古代紫 江戸紫などがあります。
時代時代を反映する色とも言われ、歌舞伎の助六の額
の鉢巻の色が元禄時代の粋を表す江戸紫と言うそうです。

 この紫と言う色は 夕闇迫る時間頃から
明度彩度とも低く 怪しい色となり、色情を表す色となります。

HOME