心に残るゲームたち

 

トップランディング

 昔々、まだポリゴンなどという代物が無かった頃。タイトーがあるゲームを発売した。その名も「MIDNIGHT LANDING」。フライトシミュレーターである。このゲームは夜の空港に着陸する旅客機のシミュレーターなのであるが、夜なだけに誘導灯とかぐらいしか表示されず、いわゆるほとんどワイヤーフレーム状態であり、非常に想像力を働かせて風景を補完しながらプレイするゲームであった。(これはこれでマニアには受けた)

 そして数年後・・・namcoがウイニングランを発売したのを契機に3D表示にポリゴンを使用するものが出現し始めた。そんな中MIDNIGHT LANDINの続編としてポリゴン表示を引っさげて発売されたのがTOP LANDINGである。

 ステージは全部で8面。東京や大阪、パリ、ダラスなど世界の主要都市に着陸をするわけである。・・・・が、筆者にはあまり風景の違いが分からなかった。って言うかそれくらいちょっとさびしい風景であったのだ(^^;。で、着陸のしかたによって減点方式で採点されてスコアを競うというゲームシステムであった。墜落したら一発ゲームオーバー。なかなか厳しい道のりである。

 しかし今となってはちょっとさびしいグラフィックであろうと、旅客機を操縦できるというシチュエーションには燃えた。(注;別にハイジャックしてまで操縦したいという願望はない。念のため) 
 1プレイ200円という高校生の財布にとってはかなり厳しいゲームであったが、大学受験のために通っていた予備校の夏期講習をサボってやりこんでしまうほどはまってしまったのである。

 このゲーム単に着陸するだけなのであるが結構難しい。最初の頃でこそ無風であるのであるが、ステージが進むにつれ、横風が加わり、最終ステージのあたりでは右から15Mの風だったのが突然左から15Mの風に変わるのなぞ日常茶飯事。私的にはかなり最後は運任せであった。(^^;しかも最初のステージは単なるセスナなのであるがステージが進むとB747なんかも操縦できてしまうのだ。B747クラスは期待の反応も鈍い。横風がくるくる変わろうものなら蛇行しまくり乗客酔いまくりな状況に陥ってしまいやすく面白いほど減点されてしまう。無事着陸できてもほとんど点数が残らないこともしばしばであった。
 しかし、B747といえば500人ぐらいは乗客が乗っているはずで、ゲームとはいえ墜落してしまうとなんとなく罪の意識にさいなまれてしまうので気合の入り方も変わってくるモンである。

で、ある日のこと、とうとうやりこみが功を奏してか最終ステージまで来た。
残ったステージは羽田。天候は晴れ。なかなかのコンディションである。

ステージスタート

 とりあえず横風が吹いているので微妙に風上の方向に機種を向ける。しかしココは最終面、絶対に風の向きが2回は変わるはずである。したがってあまり極端な方向修正はしないようにしつつ、進んでいく。滑走路までの距離が残り5000mになった頃・・・予想道理に逆風になる。しかしここでもあまり方向修正をせずに微調整にとどめる。1分ほど後にまたもや逆風。いつもならこのあたりでタコ踊りに陥りコースアウトとかするのであるが今回はうまく行ったようだ。どうやら今度こそ全ステージクリアーが出来そうだ。さていよいよ着陸、少し機首を挙げなければならない。操縦管を引き機首をあげようと力をこめる・・・・が動かない。

・・・・・・・・・!!!

なんと筐体の外から何ものかの手が差し込まれていて、操縦管をロックしている。


「ああああああぁぁぁぁっ。墜落するぅ。 機長やめてください!!


と叫ぶも無常にも画面には「CRASH!!」の文字が・・・・。
哀れ乗員乗客500名は天に召されたようだ。

筐体の外を見ると・・・・そこには同じ夏期講習に行ってる同じ高校のHが居た。
「おめ〜、講習も出んとこんなところに居ていいんか〜?(笑)」
とかのたまわっている。(注:この時間はまだ講習中であるからHもサボっていた

「#$)’#@〜)’&&’+}*++@!!!」


やっと初クリアーできそうだと思っていた私は言葉にならない叫びをあげるのみであった。


この数日後、私はどうにかクリアーしたのであったが、夏休み明けの模試の成績が墜落炎上していたのは当然の結果であった。