「しなちくじら日記」

2001年7月15日(日) 出会い
パンダ猫が欲しいと思い、猫の里親募集のHPをたまたま見ていて、しなちくの写真と出会いました。あまりの可愛さに一目惚れでした。
駐車場の片隅で何日か泣いていたのを、ペット禁止のマンションにもかかわらず、拾ってしまい、里親募集のBBSで里親を募集されていました。速攻でメールを出すと、次の日電話でお返事を頂きました。他にも数件問い合わせがあったそうなのですが、うちに決めましたということでトントン拍子に話が進んで、祝日の前日の7/19に引き取りに行くことが決定しました。
 ちゃんとワクチンの注射もしていただいて、大事に育てられていた模様です。FIGOというスペインのサッカー選手の名前を付けて貰っていましたが「しなちく」と改名させていただきました。拾い主さん、しなちくと出会わせてくれて有り難うございました。
 


○里親募集のHPに掲載されていた写真
          


2001年7月19日(木) 遭遇
 
 インターネットの里親募集で一目惚れした子猫を貰いに行った。ずっと八割れマスクのタキシードを着た白黒猫が欲しいと探していたのだが写真を見てあまりの可愛さに一目惚れしてしまったのである。その彼が我が家にやってきた。
 我が家には先住の猫が居る。茶トラの♂6歳である。彼は名前を「くじら」と言う。くじらは、はっきり言ってお坊ちゃまである。完全室内飼いの為病気はしたことないが非常に神経質で臆病かつ甘えっ子である。今まで一人っ子で家中やり放題だったのだ。そんな彼が新入りを受け入れてくれるだろうか?
 そこで、我々は考えた。まず中身のないケージを3日ぐらい前に買ってきて部屋に置いておくことにしたのだ。いきなり中身付きのケージを持っていったら、きっと彼はショック死してしまうに違いないと考えたからだ。案の定ケージがあるだけで彼はビビリまくりであった。そしてやっと彼が、これは調度品にちがいないと思い始めた今日運命の時がやってきた。
 しなちくを引きとってきて、そのしなちく入りのバスケットをいかにもこれは関係ないのよとケージの上に置いて、いつも通り彼の熱烈歓迎を受け、おやつの鰹節をあげた。ひとしきり食べ終わって満足した彼を、玄関に連れて行って彼のお気に入りの踏み踏み(彼は寝転がって足で踏まれるのが好きである)をしている隙に、妻がしなちくをバスケットからケージに移した。
ひとしきり踏み踏みが満足したところでケージの前に歩いていくと、嬉しそうに走って彼もついてきた。たったか♪たったか♪と走ってきた彼がいきなりケージの前でフリーズした。約2秒後シッポが3倍に膨らんだ。
 2匹は顔を見合わせたまま、銅像の様に停止している。沈黙を破ったのは、しなちくであった。
「シャーーーーー!」すかさずくじらが応戦する「カーーーーーーー!」
こうして、しなちくとくじらの愛とジェラシーの日々はスタートしたのである。
我が家に到着時の写真
          
想像してたのとは、模様の感じが大分違いました。以外と黒い部分が少なく、背中に白い部分があってなんだかお茶目な感じですが、そんな些細な事はどうでも良くなるぐらいやっぱり可愛い猫でした。とても度胸の据わった猫で、帰路でも鳴いたり暴れたりすることは一切無く、人見知りもせずに大人しくバスケットの中でいい子にしていました。くじらを貰って来たときは、ずーっと泣きっぱなしで大騒ぎだったのに較べて、対照的です。もっともくじらの場合は、生後1ヶ月ぐらいでお母さんのオッパイを飲んでいるところを引き取ってきたので状況が違いますけれども・・・・。



2001年7月20日(金)祝日

 猫というのは、本来砂漠に棲む動物で1匹ずつが縄張りを持ち集団生活をしない生き物である。そんなわけで、くじら君は今日も憂鬱である。とてもナーバスになっていて、抱っこはもちろん体を触るだけで、不快を告げる唸り声をあげる。
 しなちくは?と言えば、相変わらずケージの中だがこちらは大物らしく、昨夜も到着後、1時間もしないうちに大盛りのウンチをしていた。
 排泄というのは、動物にとっては一番無防備で危険な行為である。ウンコしている最中に敵に襲われたら、恥ずかしいとは思わないだろうが、為す術もなくやられてしまう。つまりリラックスして安心していないと、動物は排泄行為をしないのである。それなのに、いきなり大盛りだから、彼はよっぽどの大物であろう。

 そんな彼は、とにかく遊びたい盛りで遊びたくてしょうがない様だ。ケージの隙間から手を出して、あそんでー!あそんでー!と訴えている。ケージ越しに猫じゃらしで遊んであげると、狂ったように遊ぶ。ケージの外に出して遊ばせたい衝動に駆られるが、1mぐらい離れたところからくじらが、じっとこっちを見ているので、ぐっと我慢する。
 しなちくは、ワクチン済みということで引き取ったが、明日行きつけの獣医さんで念のためノミや耳ダニや他の感染症が無いか健康診断を受けるまでは隔離しておく事にしている。そのためしなちくを触ったら、必ず手を洗うというのを敢行している。明日無事健康診断が終われば、晴れて自由の身になりケージから出して貰える予定である。
 夜にはくじらも大分落ち着きを取り戻し、抱っこをねだる様にまで回復してきた。
明日はいよいよ、ご対面の予定である、どうなることやら・・・・。

2001年7月21日(土)
 行きつけの獣医へしなちくの健康診断に出かけた。もう既に顔を覚えられていて「あら新しい猫ちゃんですか?」と言われた。カルテを作るので、「名前は?」と聞かれて、「しなちく!」と答えたら、「ぷ・・・、可愛い名前ですね」と言われた。
 しなちくはここでも腕白振りを披露し、診察台の上で獣医さんの手にじゃれまくっていた。ここでも恐怖のあまり固まって動けないくじらとは好対照である。
 体重は1.25kg。ノミの糞らしきものが少し見られ、ノミが居るようだ。そのほかはとりたてて異常なし!と診断された。検便用のウンチを持ってこなかったので、後日持ってくることにして、ノミ駆除のスプレー薬を貰って帰宅し、早速スプレーした。

スプレーすると、早速一匹お亡くなりになったノミ君が居たので、ノミ取りブラシですいてあげた。
 検便が終わっていないが、いい加減もうケージに閉じこめて置くのは可愛そうなので、スプレー薬が乾いて落ち着く夜にはケージから出してあげることにした。
 夜、お待ちかねの時間がやってきた。ケージのドアをあけるやいなや、彼は凄い勢いでくじらめがけて突進していった。ドタバタの追いかけっこが始まった。双方共シッポを逆立てて、部屋の隅まで走っていって、しばらくにらめっこ・・・・・。
またどちらともなく、走り初めて今度は部屋の反対側でにらめっこ・・・。ときおりしなちくのパンチが炸裂し、くじらが唸りをあげる。
 とりあえず、今日の所は血を見るような事は無いようだ。2匹の激しい動きのためカメラで写真を撮ることすら出来ない。試しに広い場所で猫じゃらしを使って、しなちくと遊んでみる。

 速い!目にもとまらぬスピードで猫パンチ・猫キック・真空飛び膝蹴りが繰り出される。改めて子猫の元気に驚いた。くじらも子猫の時はそれなりに腕白だったが、しなちくのそれとは比較にならない。茶トラはやっぱりおっとりしているようだ。とにかく、しなちくの敏捷さと気の強さには驚いた。一度食いついた獲物は絶対逃がさないとばかりに、猫じゃらしを食わえたまま、「シャー、がうがう」と唸り声をあげている。
 約3時間にわたって、大運動会が繰り広げられ時間もおそくなったので、しなちくはケージにお帰り頂いて、本日ここまでとなった。相当疲れたらしく、2匹ともすぐ寝てしまった。
 毎日少しずつ外に出す時間を増やしていくつもりなのだが、果たして仲良く寄り添ってうたた寝出来る日は来るのであろうか?
くじらくん頑張ってね・・・・・。


2001年7月22日(日)
 2匹の関係は第2段階に突入した。昨日までは、しなちくが追いかける専門だったのだが、今日は往路と復路で追いかけてる立場が入れ替わっていたりする。両者とも必要以上に興奮している様子もなく、唸り声や威嚇のシャーの回数も激減している。ただくじらとしてはまだ触られるのは嫌なようで、接触があると唸り声を出す。しばらく走り回って疲れると、お互い顔を見合わせながらゴロンと床に転がって休憩する。ひたすらそれの繰り返しである。タフな物だ。

 しなちくはというと。とにかく、くじらのシッポで遊びたい様だ。生きてる猫じゃらしなのだから、しょうがないのだが。どこにいても何をしていても、くじらのシッポを狙っている。くじらは知ってか知らずか、シッポをパタパタさせて誘っている様な感じすら受ける。
夜になって、ひょっとしてくじらは遊んであげているのでは?と思える光景を目にした。くじらが食事をしているところに、しなちくが遠くからくじらのシッポめがけて飛びかかっていった時である。驚いて飛び上がるか?と思っていたくじらが、落ち着いた様子でしなちくに向かって「うー・・・」と戒めるように唸り声をあげたのである。それを聞いたしなちくは、少し残念そうな顔をして少し離れた場所で大人しく、くじらの食事が終わるまで見ていたのである。

単なる偶然で親の欲目(?)かもしれないが、くじらが逞しくみえた瞬間である。なんだか心配するほどのことはなく、猫同士は以外と上手くやっているのかもしれない。

2001年7月23日(月)
 とうとう2匹の関係は第3段階に突入したようだ。追いかけっこは相変わらずしているが、完璧に遊びになったようだ。唸り声や威嚇音は殆ど発しない。そればかりか2匹でもつれ合って猫キック・猫パンチの応酬をしている。

接触しても唸り声が出なくなった分アクションが派手になって、部屋中物をひっくり返したりとてもにぎやかである。しなちくは、くじらが歩いていくと必ず後ろをついて回り、隙あらばシッポに飛びかかろうとしている。くじらも横になっているときなら多少しなちくが飛びかかって来ても適当にあしらっている。
 くじらは今まで一日家でゴロゴロしているだけだったので、この数日の運動量はかなりのものだろう。暑さもあってか多少へばり気味になってきた。それがリラックスを助ける一因になっているのかもしれない。
さらには、夜帰宅してご飯をあげると、2匹で仲良く1つのお椀でご飯を食べていた。
ここまでくれば、残る最終段階もすぐだと思われる。最終段階は2匹で一緒に寝ることである。今はしなちくはどんなに眠くても、寝ているくじらの近くにいくと遊びたい様で、あそばれるとうるさいので、しなちくが来れない高い場所へと行ってしまう。季節的に暑いのでなかなか難しいかもしれないが、もうすこししなちくがくじらのシッポに飽きたら、2匹が寄り添って舐め合いながら寝る日もそう遠くないだろう。

それにしても、君たち仲が良いのは結構なのだが、朝の6時から走り回るのはやめてくれないか?それから、しなちく君、出きれば夜中に足をかじったり手をかじったり、鼻をかじったり、脇の下を舐めるのもご遠慮願いたいのだが・・・・。

2001年7月24日(火)
  くじら「お!なんだ?やんのか?」
 
しなちく「突撃ぃ〜!」  
  くじら「どーだ馬鹿野郎、俺様に勝てるとおもってんのか?」
くじら 「あだだだだ・・・・。ちょっとタンマ・・・・痛いってば」  

2001年7月25日(水) 融合

とうとう2匹が寄り添って寝ている場面を目撃しました。これからは、こんな光景が当たり前の様になってしまうのかもしれませんが、なんかやっと一安心です。(たれぱんだは、重いと苦情を言っていますが・・・。)このカゴに2匹で寝るのもちょっと無理がありますね。
 本日しなちくのウンチを持って検便に行って来ました。異常なしです。ただし蟯虫やサナダムシ等は検便で調べられないので、ウンチに白い虫の卵など無いかどうかチェックするようにとのことでした。

 タイトルにジェラシーの日々と書きましたが、実際にはくじらが嫉妬でいじける様なことは無く、今では立派にお兄ちゃんしてます。

 ちょうど丸一週間の日記でしたが、2匹は無事仲良しになりました。これ以降は、面白い写真や事件があった時だけ不定期ですが日記続けていこうと思います。