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感想
解説
[タクティカルファイター][メディアリング][97/10/16][瞳成長鑑賞シミュレーション]

違うんだ! 信じてくれ!!
 『菊池志穂』が出演してるから買ったんじゃ無いんだ! 信じてくれ!!
………私、嘘をついておりました。
 でも、どちらかといえば『山寺宏一』、『千葉繁』に惹かれてるかも。テヘッ!

 というか、このゲームを何故気に留めたかと言えば、折り込み広告に載ってた主人公イラストの
『ビーチク』描写があったからです。こんなのを見たのは、PCエンジンの『パステル・ライム』以来だったので
その馬鹿馬鹿しさがどんなものか試してみたくなったんですよ。

お話は?
 ある雨の日、主人公『魁沼直人』のもとにひとりの少女が訪ねてきた。
 彼女の名は『榊瞳』。主人公が破門された『新進館』の館長『榊光次郎』の娘であった。
 彼女は、『新進館』が乗っ取られ、『館長』が行方不明になった事と、
『館長』から、自分に何かあった場合には主人公を訪ねる様に言われていた事を話し、
『館長』に続くただひとつの道、『S−グランプリ』に優勝出来る様に鍛えて欲しいと依頼する。
 主人公は、消えぬ『館長』を慕う気持ちと、『館長』が行方不明になったのとほぼ同時期に
失踪した父との関係を知るため彼女に力を貸す事を決意する。
 さぁ、君は15歳の少女『瞳』を3年の間に『S−グランプリ』で優勝させる事ができるか!?

 でも『瞳』、『瞳』と連呼してると、SFCの裏ソフト『SM調教師 瞳シリーズ』を思い出すなぁ…。

いきなりですが、ナンデスかコレは?
 電源ONして読み込み後、メディアリングのロゴムービーが起動したが何故か無音。
しかも飛ばせない! 嫌だなぁ。
 そんで、お約束のムービーが再生されたのだが、これが、荒い、動き悪い、音質悪いの3拍子そろってます。
…先が思いやられるなぁ。

 気を取り直してゲームスタート。
 プロローグでまたビックリ! 何と、口パクも目パチもしない1枚絵でしゃべってます。
あまつさえ音質悪いです。BGMもSEもヘボいです。おぢさん、眼と耳を疑いましたよ。

数値バランスが取れてないんじゃないの?
 このゲームは、1週間を1セットとして3年間の期間で『瞳』を育成して『S−グランプリ』に
優勝させるのが目的です。

 まず、『瞳』の育成メニューは以下の通り。
 トレーニング  :身体機能を向上させる事が出来ます。
          ランニングやマシントレーニング、精神鍛練の為の書道なんてものもあります。
 アルバイト   :各種メニューの実行と食事に必要な費用を稼ぐことが出来ます。
          ウェイトレスや道路工事、最終的にはコンパニオンから用心棒まで選択出来る様になります。
          筋力の低下するものが多い事とストレスの上昇値が異常に高いのが特徴です。
          特筆すべき点は、失敗すると収入が入らない事が挙げられます。
 セミナー    :受けるだけで知識だけでなく各種身体機能も向上させる事が出来ます。
          武道から気孔、栄養学に生物学、自己啓発に禅寺など、その範囲は広いですね。
 レクリエーション:『瞳』のスタミナとストレスの回復が出来ます。
          自宅休養とエステが選択でき、エステでは魅力を上げる事が出来ます。
 入門      :『S−グランプリ』でライバルとなる相手と闘い、3回勝利すると免許皆伝として
          奥義を授かることが出来ます。
          最初に選択出来る空手と合気道の他に裏新体操なんていう意味の解からないモノもあります。

 また、育成メニューの他に食事の管理もしなければなりません。これは、毎日の食事を烏龍茶や焼き魚定食、
ステーキ等の品目から選んで与えるのですが、これが何に影響するのかはさっぱり解かりません

 さて、ゲーム開始して数分で問題が早くも露呈してきたりします。
 まず、レクリエーションによるストレスの回復量が少なすぎる事が挙げられます。
 レクリエーションにより、スタミナはかなり回復するのですが、バイトしたストレスを下げる為に、
週2回は休養させないと追いつきません。スタミナは満タンなのに休養させるという
なんだか無駄の多い選択を余儀なくされます。

 次に、初期育成メニューの数値に偏りが有り過ぎるのです。
 『瞳』には多くのパラメータが用意されているが、初期メニューで上昇させることが出来るパラメータが
あきらかに少ないのである。しかも、妙にテクニックの数値を下げるメニューが多く、全然テクニックが上昇しません。

 また、イベントの起こり方も釈然としないものが多く困りモノです。
 イベントにはふたつあって、週末に起こる『瞳』とのコミュニケーションイベントと
育成メニューを実行した時に起こるイベントです。
 前者は、数枚の『瞳』のCGに『今井由香』が声を当てているという、元気系『今井由香』だけが救いの
同居ベタイベントで、それはそれでいいかとおもえるのですが、問題は後者なんです。

 その問題というのは、私の感じた事でプログラムはどうか知らないんですが、
発生条件があるひとつのメニュー項目を一定回数実行すればいいだけなんです。
 そう、一定回数なんです! 『瞳』のパラメータは無視して、ただ何回コマンドを実行したかしか
見ていないとしか思えないんです!!
 あまつさえ、イベントといっても画面にフェイスが出て会話を交わした後に、戦闘が起こったり、
メニュー項目が増えたり、パラメータが上下するだけというお粗末な代物で、育成シミュレーションのお約束である
ヴィジュアルを完全に無視しています。
 ついでに言えば、声の入り方が中途半端やし…。これじゃアフレコ一回しかせずに変更や追加された台詞は
メッセージだけで処理しようとしていると思われても仕方がない状態です。

 話を戻して、そのパラメータの上下というのが曲者で、特にストレスの上昇なんかされた日にはどうしようもない
虚脱感に襲われてしまいます。なんせ不可避なんですし、その先にあるイベントへ進む為には自ら火中に
飛び込まないとならないのですから。
 ストレスの問題点は先ほども述べた下がりにくいだけでなく、コマンドの成否にも関係していて、
特にバイトが失敗は収入が入らない為精神的にかなりの打撃を受けてしまいます。

 ストレスは、バカンスを実行すれば解消されるのですが、その資金を捻出するにはそれなりにバイトを
しなければならず、当然ストレスが溜り、結局いたちごっこになってしまいます。
 また、バカンスには1週間の期間が必要になるため、グラフィックを眺めてみたい場合意外には
デメリットだらけという問題点もあります。まぁ、オマケとしてなら価値があるのですが…。

 しか〜し、このゲームでは、その様なパラメーターの伸び悩みやストレス値の不当な上昇を
解決する手段としてアイテムによるドーピングが行なえます。ってゆ〜か、行なわないと『瞳』が育ちません。
ふざけんな!!
 アイテムは、2ヶ月に一回くらい(?)のペースで変更されてるのですが、この時にストレスを減らすアイテムが
ある場合は稼ぎのチャ〜ンス! であり、レクリエーションを行なわず、スタミナ切れるまでバイトをさせて、
アイテムを買ってストレス下げつつパラメータを上げるのです。ハッキリ言ってこれが育成のメインと言って
問題ありません。

 ここまでの文章を読んでもらったのなら解かると思いますが、このゲームは育成シミュレーションのハードルを
全てぶち倒しながら進む
という快挙を遂げており、ある意味においては一見の価値があります。
クソゲー太鼓判を押しちゃいましょう!

で、実際どんな感じよ?
 こう、やる事は単調なんよ。ゲーム中の時間で1年もすれば、今まで言っていた不満が出尽くしてしまって
後は終わらせる為にやってるってイメージ。
 やること解かっちまえば、バイトをしながら、特定のメニュー項目を選びまくって、強くなったら入門して
奥義を奪う。ただそれだけの単純作業。それこそ、スナック片手に雑誌をめくりながらやるには最適だ

 戦闘については、『瞳』の闘いをただ見つめるだけ。必殺技ゲージが溜まりさえすればボタンを押すだけで
必殺技を打つ事ができるので、ボタンに手をかけておけば良いのだ。
 ちなみに必殺技を放つと敵が硬直するので、その後に技も入り易くたたみ込む様に勝てたりするのだ。
なんかバッチリだね!
 でも、ここにも問題点があったりする。それは、なんか一撃必殺っぽいのである。
というか、戦闘が『ボコスカウォーズ』並に乱数に支配されていて、育成の意味がここでも感じ取れないのだ。
同じ育成ゲームでも『プリズムコート』くらいまでなら、戦績が安定していると思えるのだが、
 10%も体力奪えず負けたかと思えば、ほぼ無傷で勝てる時もあるなんていうのはちょっと致命的過ぎると思うぞ。

 注意する事は、毎年2月に行なわれる『S−グランプリ』に出場すると。1回戦で惨敗しても、
宿敵『デュガール(CV.山寺宏一)』と会って愚にもつかないお話が聞けるので、
負けると分かっていても出場することくらいかな?
 まぁ、1週間無駄になるけど、最低でもカロチンクッキーをもらえるし。

 てな感じでやってると、3年なんてアッと言う間に過ぎ去ってエンディングですよ。

操作系について
 カーソルがなっとらん! カーソルを動かして決定するのがメインのゲームやのに、何でいちいち
デフォルト位置に戻るかなぁ? 以前の位置くらいグローバル変数にでも持っとけばいいやろうに。
ゲームプログラマならカーソルのルーチンくらい汎用性の高いもんつくっとけっつ〜の!
 それとアニメのON/OFFもバックアップしとけっつ〜の!

エンディングを迎えて
 エンディングは、トゥルーエンディングと、『S−グランプリ』で無残に敗れて学者になるという2パターンを観た。
前者はまぁいいとして、後者はとてもじゃないけど許せる限界を越えているといえる。
 だって、見たことも無い(登場させてない)キャラが、「お前は知識と教養があるから学者の道を進みなさい。」
とか言い放って、『瞳』が「はい!」と答えて終わりって、そんなん有りか? バッドエンドならもっと思い切って、
ノーマルエンドにするなら、もう少し気合を入れてもバチは当たらんと思うぞ。まぢでよぉ…。

フォローでもしますか…
 他人の悪い部分を指摘するのって楽でいいですねぇ。でも、そればっかりの人を見てると腹立ちます。
んで、どんなモンにでも評価すべき部分って言うものがあるし、レビューなんて出来上がったモノを対象に
あれこれ言う卑怯な代物なんで、こき下ろすだけなら書く価値なんて無いんですよね。
 てなわけで、フォローでもしますかね。

 とは言え、この作品は育成ゲームとしては成立していないのは前述の通り、よって、ちょっと他と違う、もしくは
ちょっと関心した部分を列挙してみる。

1.『瞳』の3年間の成長が見れる。
  これ、最重要。季節毎に代わっていくバストアップCGが、シャープに、背が高く、
 巨乳になっていくのは結構いいよ。でも、高校1年でB73はちょっと未発達すぎじゃないか?
  まぁ、バストアップCGはもっとある様に書いてあるけど…。
  ちなみに、魅力が上がれば上がるほど巨乳になります(Maxの91まで確認)が
 巨乳が魅力の全てでは無いと思うぞ。
2.チビキャラが可愛い。
  これ、結構お薦め。パターン数は少ないけれど、デフォルメ具合はいい感じで、これでシミュレーションRPGとか
 つくったら楽しいかもしれないと思えるほど愛を感じました。
3.『今井由香』ファンならちょっといいかも。
  音質は悪いものの、元気系『今井由香』には結構救われた気がする。
  でも、初登場時のシリアスタッチな感じとのギャップというか、背負うものの無さっぷりは気になるが。
4.オマケ要素としてコスチュームを集めて着せ替えが出来るのだが、このコスチュームが集まるのが楽しい。
  ホンの付加価値だから楽しいのであるが、特定のメニュー項目や入門を極めた証としてもらえる
 コスチュームは一服の清涼剤としていい感じである。
  まるで、衣更えした服の内ポケットから千円札が出てきた時の様な嬉しさがあります。

 まぁ、こんなとこかな?

ウ・ラ・ワ・ザ
グラフィック鑑賞:タイトル画面で上、下、左、右を5セット入力する。
判決
遊戯時間 7時間
物語   ★★☆☆☆
人物   ★★☆☆☆
絵画   ★★★☆☆
音楽   ★★☆☆☆
遊戯性  ★★☆☆☆
総合   ★★☆☆☆
ひとこと 『今井由香属性』なら+★?

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