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データ
タイトル ひみつ戦隊メタモルX プレイ時間 16時間程度
(コンプ)
機種 SS ストーリー ★★★★☆
ジャンル パロディ系骨太ADV キャラクタ ★★★★★
メーカー 毎日コミニュケーション グラフィック ★★★★☆
フェイクラフト サウンド ★★★★☆
発売日 1998年 4月23日 ソフトウェア ★★★★☆
定価 5,800円 ゲーム性 ★★☆☆☆
購入価格 5,800円 自↓信
総合評価 ★★★★☆
お気に入り度 ★★★★★

本文
 最初、雑誌でみたときの印象はただのロリっ娘ゲーム、だった。いや、この頃はまだあんましスレてなくって、シルキーリップは知ってても、フェイクラフや遠藤正二郎氏のことは知らんかったし。

 まぁ、それが正しい成長かと問われたら問答無用でNo! というか、メタモルブレスレッド使ってこんな自分に成長した日にゃ目も当てられんよなぁ、としみじみ…(泣)



 本作を簡単に説明すると、魔女っ娘モノと戦隊モノをブレンドし、宇宙刑事を添え、ついでにたっぷり毒を盛りました(でも標準よりは全然ヘルシー)、って感じ。

 なんせ、敵がクーデターにより失脚した皇帝で、戦闘力不足を補うために農奴を機械化、その名もグミーン、語尾もグミーン。…素敵ですわ。

 味方にしても、キメ技であるカラードジェネシスは善性を目覚めさせるという完全無欠の洗脳技、ある意味ロボトミー化。…さらに素敵ですわ。

 実際こんなのはまだまだ序の口で、本編、設定その他もろもろをひっくり返せばコンシュマーでの発売が絶望的になること必至の内容。サスガ、カルト作家によるカルト信者のためのカルト作品、である。



 さて、メタモルVとは、能力の大半を失った全身タイツのオヤジ宇宙刑事シャトナー(CV.若本規夫)がその穴を埋めるべく現地(地球)人で組織した代理刑事である。

 構成員は、かもめ第三小学校に通う小学生(4年生女子)。彼女たちは銀河警察連邦から支給されるブレスレッドで成長し、宇宙からやってくる脅威と戦っていた。しかし、先の戦いでリーダーを欠き、その機能を失っているのが現状である。

 カラード特性、それは個人の持つ資質を色であらわしたもの。

 物語は主人公、新条咲慧がかもめ第三小学校に転校してくるところから始まる。彼女のカラード特性はレッド。リーダーの資質をあらわす色。そのことは彼女が2代目メタモルレッドとしてスカウトされるに充分な理由であった。

 当然、突飛な話に戸惑い嘲笑する咲慧であったが、侵略者アドニス皇帝が尖兵、ダンディ男爵の襲撃を受け、否応なしに戦いの渦中に引きずり込まれていく。

 …てな感じで始まる本作は、外観から想像もつかない骨太なキャラ描写とケレン味たっぷりの演出、質実剛健なパロディ、適度な脱力要素で構成された上質の娯楽作品。



 ゲームの方は6話構成のアドベンチャーで、シルキーリップでみせた1話完結方式を採用。当然、OP、Aパート、アイキャッチ、Bパート、次回予告、EDまでのフルセットを実装。

 ストーリーは基本的に自動進行し、分岐も視点が変わる程度のもの。そのためプレイングはALISという感情入力(冷静、強気、弱気)や肯定/否定といった意思表示(入力が任意でわかりにくいが…)で仲間の信頼度を上げること、もしくは必殺技の発動条件となるキーワード回収がメインとなる。

 とはいえ、戦闘自体は通常技/必殺技/超必殺技を選ぶだけで進行し、負ける要素も皆無。なので、キーワードはあくまでネタ、グラフィック、敵のくらい反応を楽しむためのオマケだったりする。



 グラフィックはシナリオの毒を表したようなアクの強さこそあるが、高解像度モードを使用することで原画を美しく再現している。

 声優陣も大谷育江嬢、冬馬由美嬢、根屋美智子嬢、中村尚子嬢、鉄砲塚葉子嬢、若本規夫氏など、メインだけでもかなり豪華。

 サウンドに至っては、OP、EDの歌詞に全く負けず、むしろ見事に調和したものだと感心。加えてBGMもゲームに華を添える存在として見事。サスガに宮内信子さん(遠藤氏の連れ合い)の仕事は的確だ。

 ただ、システムは所詮音声重視のアドベンチャー系で本編に関しては凝りようがない。とはいえ、全クリ後のメタモルランドなどのオマケもあるので相応のクオリティは誇っているといえるだろう。


 基本的な部分にタルさを感じるが、全体をみた場合の品質は高いといえる。その独特のたたずまいと内容で人を選ぶが、吐いてモトモト、一度は口にする価値はあるだろう。

first edition : 98/09/21
rewrite : 03/01/22
ひとこと PS版の追加要素は魅力だが、基本的には SS版 > PS版かな? 両方持ってるケドな〜。
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