データ |
タイトル | ときめきメモリアル3 〜約束のあの場所で〜 |
プレイ時間 | 70時間程度 /グッドエンドコンプ |
機種 | PS2 | ストーリー | ★★☆☆☆ |
ジャンル | ポリコギャル改 | キャラクタ | ★★★★☆ |
メーカー | コナミ | グラフィック | ★★★★☆ |
発売日 | 2001年12月20日 | サウンド | ★★★★☆ |
定価 | 9,800円(限定版) | ソフトウェア | ★★★★☆ |
6,980円(通常版) | ゲーム性 | ★★★☆☆ | |
購入価格 | 9,800円(限定版) | 総合評価 | ★★★☆☆ |
お気に入り度 | ★★★★☆ |
本文 |
ぶっちゃけ未完製品。それが素直な感想ですね。 確かに要素ゝをみればそれなりにまとまっており、製品として発売するのに不適切と いう類のものではありませんが、全体を通してみた場合、システムを構成する各要素の かみ合わせが悪い、つくり込みが甘いという印象を受けます。 例えば、今回作用された服装選択システム。 これは、旧作の容姿パラメータの代わりに採用されたシステムで、デート時の服装を プレーヤー自身が選択して女の子に評価してもらうというもので、ここをしくじると 最悪デート中止、逆に好印象を与えると序盤でも追加デートが可能になります。 # ポケットラブifのインプレッション機能を逆輸入。 このシステムの問題点はその評価基準にあります。 本作の服装はアクセサリー、上着、ズボン、履き物という4つの要素で構成されており、 それぞれにn種類程度が用意されています。 それを女の子が判定する場合、単純なプログラムでは、(アクセサリー×上着×ズボン ×履き物)種類の判定データを、(女の子の人数×季節の区切り×デート可能な場所)の 分だけ用意する必要があります。 例えば、各服装をn種類、女の子8人、季節区分を4、デートプレイスを30で 計算するとン百万という膨大な数になり実用的ではありません。 もちろん、これは最も単純な例ですから簡略化することも可能なんですが、今回は その対処をミスって判断基準が意味不明になった上に、決まったパターンでループを 組めば良いというお粗末なものになってしまっているのです。 服装選択システム以外にも追加デートや趣味コマンドといった新要素があるのですが、 追加デートは会話のバリエーションが少ない上に序盤を過ぎれば毎回のように発生して 全体のテンポを崩していますし、趣味コマンドも結局は追加デート用の会話ストックを 増やすことといくらかのプレゼントを用意する程度の役にしか立たず、あまつさえ料理の 存在は体力やストレス値を任意のタイミングでかなり回復できることでゲームバランスを 崩してさえいます。 # あとの効能は隠れキャラと隠れデートスポットの追加ね。 これがあのときメモの続編だと? 正直そう思います。 シンプルだけど斬新なシステムと圧倒的なデータ量、つくり込みが奇跡的なバランスで 成立した究極の箱庭。 その中で自由に空想を交えながら泳ぎ回ることができる、ウィザードリィの血を色濃く ひいた逸品。 それが私にとってのときめきメモリアルです。 しかし本作は、ストーリーをキャラ毎のイベントとして処理することでプレイ毎の ゆらぎを失ったガチガチのシステム、練りこみ不足のデータ、発売できるレベルに体裁を 整えるだけで精一杯といったデキで、ときメモという存在とは対極にあるとさえ思えます。 特に、イベントを単発式からストーリー式にし、イベント発生方式を単純化したのは、 そのイベント数の少なさと相まって繰り返しプレイを苦痛にすら思わせています。 もちろんそれには育成システムや好感度上昇のバランスも関係しており、プレイ方法で 抑止も可能ですが、大概の場合、それまでに数人のシナリオの1/3〜1/2をみている ことでしょう。 更に言えば、夏祭りやクリスマス、修学旅行をはじめとしたカレンダーイベントが 全員似かよったものになっているのも平坦な印象を与える結果になっています。 やはりここは、個別イベントを増やし、イベント画像チックな表現をした方が随分と メリハリが効いて印象が良くなったことでしょう。 また、イベントの内容もどこかでみたことがあるようなものだったり、人の生死が やたらと関係したり、妙に鬱入っていたりと釈然としないものがありました。 たかがギャルゲのイベント内容で、という意見もありますが、ただでさえストーリー 寄りになって頻発する上に内容がそのありさまでは気分良く遊べないのも事実。 正直、もうちょとなんとかならなかったのかと思います。 以上のように本作は、ときメモとしてだけではなく、一作品としても問題点の多い 仕上がりになっているといえます。 では良いトコなしか? といわれるとそうではありません。 特に、トゥーンレンダリングされたポリゴンキャラの仕草だけは凄まじい破壊力を 秘めているのです。 モデリングが特別良いとは思いませんし、モーションなんか手打ち丸出し。 # 冗談抜きでMG版まじかるで〜と、もしくはポリコギャル。 それでも、ちょっとした動きとともに頬を赤らめたり、告白の際に不安を体で表す サマは胸をズッキューンと鷲掴みにされてしまい、とりあえず全キャラクリアまでは 遊んでしまいました。 また、アルバムの代わりに採用されたモノローグも、ヒロインの存在感を増すことに 貢献していたと思います。 これは特定のイベントや選択肢に対してヒロイン視点のメッセージが登録されるもの ですが、テキストオンリーという安さの割に萌え度は高く、思わずコンプリートしたく なる点もポイントが高いと思います。 光るところは確かにある。それだけに全体のデキがイマイチなのは残念でなりません。 ゲームファンドの仕組みは知りませんが、ホントにこの程度の完成度で発売しなければ ならなかったのでしょうか? 今回は大掛かりなシステム変更をしたんで、前作までのノウハウを活かすにしても、 その範囲がかなり限られるハズです。 その上でときメモと呼ぶに相応しいレベルのモノをつくるのに、その期間はあまりに 短かいと言わざるをえません。 実際、データ面での組み合わせ等を考えると、かなりの労力を費やしているだろう ことは感じられますし、手抜きをしたとはとても思えませんしね。 コンシュマーギャルゲはもう流行らない。これは事実です。 しかし、自社の看板ソフトといっても過言ではない作品を、それを支えたユーザーごと 切り捨てるようなやり方は気に入りません。 大切にすべきはリスクを覚悟した投資家ではない。 # 投資家≒ユーザーであることはこの際関係ありません。 そんなことも理解していない企業があるのかと思うと悲しくなりますね。 話を変えて声優さんについて。これは、無名の人を集めたにしては安定していたかと。 特に町井美紀嬢@渡井かずみの脱力一歩手前のボイスと、優しい響きをもった関西弁を 駆使する川口宰曜子嬢@相沢ちとせのイントネーションはかなり気に入りました。 この川口宰曜子嬢は大阪府出身ということですが、私はそのことが逆に意外でした。 というのも、そのイントネーションが独特で、実際には耳にかかったことのないもの だったからです。 あえてムリヤリ表現するとすれば神戸圏の関西弁と舞妓言葉を合わせたような感じ。 ただ、これがサバサバとした性格の相沢ちとせというキャラにバッチリとハマっていて、 好感度が高かったです。 最初にも書いたように、私はこれを完成品だとは思いません。 ただ、ときメモとしては半分のレベルにも達していないものの、昨今氾濫している パソゲ移植のギャルゲと比べれば圧倒的にゲームであろうとしており、また品質も高いと 思います。 ですから投げ売り品を話のネタに、程度の気持ちならオススメしてもいいでしょう。 ただ1プレイ8〜10時間は覚悟しなければなりませんが。 # EVS2の隠語チェックだけなら数時間でOKですよ。
first edition : 02/04/13
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ひとこと | ポリコギャル? 発売日の昼休みに買いましたが何か? |