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データ
タイトル True Love Stroy
Summer Days, and yet...
プレイ時間 24時間程度
(全ルートクリア)
機種 PS2 ストーリー ★★★☆☆
ジャンル エッチな話シミュレータ キャラクタ ★★★★★
メーカー エンターブレイン グラフィック ★★★★★
発売日 2003年 7月24日 サウンド ★★★★☆
定価 6,800円 ソフトウェア ★★★★☆
購入価格 5,980円 ゲーム性 ★★★☆☆
もっちり おなか(*´д`*)ほっぺ
総合評価 ★★★★☆
お気に入り度 (σ´▽`)σ yet...

本文
 敬虔、というかむしろ真性というに相応しいトゥルラーの皆様がたにおかれましてはイロイロと思うところがあるかと思いますが、個人的にはコレはコレでアリではないかと。

 システム的にあからさまな未完製品であった前作『3』を忘却の彼方に追いやって語るなら、TLSのシステムは良くも悪くも乱数に振り回されて、セーブ&ロードを多用しなければならないストレスの高いものでした。

 それが緊張感や達成感を得るための要素であったことも否定はしませんが、全体をみた場合、膨大なボリュームをカバーするための繰り返しプレイにおけるプレイアビリティが低いことは厳然たる事実といえるでしょう。

 この解決方法として、ソフトウェアリセットやクイックセーブ(RAM上にデータを保存)、メッセージ送りに履歴表示などを盛り込む方法もあったのですが、本作はよりお気楽方向に大胆なシステム変更がかかっています。

 結果は、良くなった部分もあり、悪くなった部分もあり、というところでしょう。プレイ負荷に関するストレスを緩和した結果、多少のヒズミも生み出していますが、全体のシステムデザインとしては優秀かと考えます。



 旧作の内容は周知のこととして端折ることにします。てなワケで、まず大きな変化はなんといってもゲーム期間の延長、それも恐ろしく大胆に、普通にプレイしていたらまずゲームオーバーにはならない程度に続く夏を堪能できます。

 それゆえ多少のロスに目をつぶって次々と日を進めていくプレイが可能になっており、タイトな攻略をしない限りセーブ&ロードの必要はありません。

 次に大きな変化は基本シナリオの完全なチェーン化。関連事項として『今日の目標』といわれる各ヒロインとの関係を進めるヒントの存在が挙げられます。

 『今日の目標』には『某と2回会おう』だとか『某とAかBかCで会おう』といったたわいのないものも多いですが、イベントレベルをまたぐときなどには固定イベント/条件が発生します。

 イベントレベルはおおまかにわけて0〜5の6段階が存在し、それは下校コマンドの『さそう』に対応しています。これはデートの内容にも反映され、4種類の寄り道デートと日曜デート(告白)にさそうことができます。

 下校会話の内容には同じように1〜5のレベルが存在し、各キャラとの『たわいのない話』によって経験値が上昇していく仕組みになっています。これは期間が延びて冗長になりがちなプレイに意味を持たせることに成功しています。

 また、本作の主人公はいくつかあるタイプから選択することが可能で、『ピュア』のように全ての会話レベルが1から始まる会話回収用のものから『パーフェクト』のように全ての会話レベルが5になっているものまで存在し、どれを選ぶかで難易度やプレイ期間が変化します。優秀なタイプは何度かクリアしないと登場しないので、繰り返しプレイに対する相応の対処にもなっています。



 この『今日の目標』には問題点があって、簡単にいうと同一イベントに遭遇しやすく、またキャラ毎の展開が似通って見えてしまうという結果を生み出しているのです。

 このあたり、もともと偶発的なイベントの積み重ねがウリなのに、背反するシステム構成によって本来の味が失せてしまっているのは残念なところ。

 もちろん、ヒロインごとに複数ルートが用意してありますし、シナリオとはあまり関係のない偶発イベントも用意はされていますが、ここらへんは逆に攻略情報が欲しくなる難易度になっています。

 また、『今日の目標』が重要イベントを教えてくれるので、特定ヒロインのイベントをそこで停止することができるのも好みが分かれそうなところ。これを使用すればレアイベントの回収や全キャラ同時攻略も可能になっています。

 『今日の目標』は複数の設定で表示変更できるので最終的に参照するかどうかは個人の自由になりますが、参照しなければしないで難易度が上がるのであまりイジる気にはなれません。



 攻略に関しては、過去に出会った場所の履歴やよく話す話題などが記録、参照でき、ある程度プレイが進むと進行が随分と楽になります。ただ、これらの情報が次にゲームをはじめるとリセットされるのは残念なところ。もう少し情報管理をキッチリとして統計データを引き継げるようにしてあればと思います。まぁ、最終的には攻略本のお世話になるんですが。



 TLSの華、下校会話は基本的に旧作と同じ。ちょっとした目線の移動や表情の変化など、細かい表現が見事な効果を生み出しています。ただ、システム的には中盤以降急激に難易度が下がること、どの話題に関しても比較的寛容であること、特殊会話の評価が意外に低いことなど、バランス面でやや気になる点もあります。

 とはいえ、序盤のボス戦に似た緊張感や会話の楽しさは保たれていますし、難易度が下がったおかげで気軽にセクハラトーク決められるという利点もあります。



 あとはセーブデータ数が6ヶ所と少ないこととメッセージ表示関連が弱いこと(ちょっと切実)、CGモードの不親切さを除けば特に問題はないでしょう。って、結構問題アリなワケですが致命的ではないのでギリギリ通しということで。
# メッセージ表示は口パクをみてくれってことなんかいのう…

 確かに多少は歯がゆい部分があるものの、AだからB、BだからCという風にシステム構築に関する必然は充分に感じますから、これはこれでひとつの完成形といって差し支えありません。特に冷え切った感のあるコンシュマーギャルゲ事情やエンディングに見る開発人数を考えるとかなりガッツのある作品だと評価できます。



 グラフィックはキャラクタの柔らかい笑顔やライン、体操着やスク水の塗りなど妙なこだわりが見えて好感触。イベントグラフィックも豊富でクオリティも上々だといえます。特にもっちりしたラインとヘソ、ハミ出た部分など健全エッチ方向の加速度はかなりのもの。確かにTLSの文法からはハミ出しまくってますが、これはこれでいいんじゃないでしょうか、というかバンザ〜イ、バンザ〜イ!

 キャラデザの高山箕犀(きさい)氏は初めて目にする名前なんですが、以前からTLSシリーズに関わっている方だという話です。なんかたかみち氏とか好きそうですな。

 音楽も清涼感があり、キャラBGMも個性的。OP/ED曲にボーカルがないことに一抹の寂しさを覚えたりもしますが、これもTLSの文法に囚われなければ好き好きでしょう。



 7人のヒロイン、姉、男友達というキャラ構成にありながら、姉と数人のヒロイン以外にとりたてて関係付けがされてないことを勿体無くも感じますが、個々は充分魅力的なんでそれもヨシ。

 反面、やや口調が幼く、マニアックな趣味に走りがちな主人公はどうかと。肌色面積が気になる年頃のハズがむしろブルマに過敏な反応を示すのは覚醒しすぎというか。…でも、プレイヤー層と思考回路が似ているんで馴染むと凄まじい同化具合になったり。
# ホントは苦労人のハズなのになぁ…

 しかも、この主人公が『エッチな話』を極めたとき、本作はモノ凄い勢いで加速してゆきます。つか暴走だコリャ。下校会話で下着の色を聞くに始まるセクハラトークは「ホント、すごいよ、びっくりだよ」だ。さらに手をつないで『エッチな話』をしまくり、挙句の果てには電動(以下略)



 …ちょっと脱線しましたが、結局のところ、TLSという枠を外して単体の作品としてみると充分楽しめる内容になってるんじゃないでしょうか、てな感じで過去にとらわれず今を楽しむのが吉。その価値は充分にあるかと。



■蛇足のキャラ雑感
・楠瀬緋菜
 本作のメインヒロインだが、告白編ではギャルゲヒロインにあるまじき登場の仕方をする。キャラは犬系で思わずかまってしまいたくなるタイプ。とにかく可愛い。そしてとにかくぷにぷに。

・向井弥子
 ひとつ年下の幼馴染。中学が違ったため4年ぶりの再会となる。気が強く会うと悪態ばかり、挙句の果てには鉄拳や蹴りが炸裂することも。しかし終盤になると圧倒的な幼馴染属性を発揮しプレイヤーを転がりまわすオイシいキャラ。

・桐屋里未
 マウンテンバイク乗り。自称困った人(実際困った人)である神谷菜由様よりある意味深刻に困った人。この年代のある一点を誇張したらこうなる、的なキャラであるためギャルゲ層には特にウケが悪いハズ。キャラテンプレートは悪くないのでエンディングで日和ってもよかったんじゃなかろうか。あと断じて歌は下手だ。「わたしのかぁれのくちぐせぇ(棒読み)」

・篠坂唯子
 「デムパ、以上!」と終わってもいいくらいの不思議さん。しかも受信だけかと思ったら動物中心に絶賛送信中。ちょっと違った意味で目と耳の離せないキャラだと本気で思わせたことからするとモニタからも電波が届く模様。もしやトンチな感じのBGMかっ?! あと『おさかなのうた』は奈々子解体新書の『サンマのうた』を超えたかも。必聴。

・神谷菜由様
 るり編で覚醒しました(大報告)。えぇ、もう菜由様とルリねぇの奴隷になりたいですよ、マジで(大告白)。にしても、ふたりがかりとはいえプレイ中(いろんな意味)の悶絶具合はギャルゲ史上屈指の内容。るり編終盤で変なフラグが立った主人公には萎えたがそれでも本作イチ押しルート。あとTLS伝統のカラアゲ好き。

・有森瞳美
 先輩ヤバい、マジヤバい。まずエロい、そして可愛い、料理もうまい、ついでにエロい、それに頭いいし、性格もいい、からかったときの反応なんか正気を失うほどヤバい。とにかく萌える、萌えるなんてもんじゃない、転がりすぎて畳がすり減るくらい萌える。それこそ仲良くなったら至福のときが待っているが、TLS伝統の転校キャラなのでシナリオ展開はイマイチ。スゴいがあと一歩。

・隠しキャラ
 ちょっと気になるモブキャラが実は隠しキャラ。複数の名前を持つため『隠し』としか命名できない前代未聞のヒロイン。そもそもその存在自体がギャルゲ界のプロビデンスブレイカーだからそれも当然。(ギャルゲにしては相対的に)普通であることを強調していたTLSシリーズの象徴ともいえる存在のため、全てのお約束を身もフタもないセリフで一蹴していく。それこそ神風イベントすら。でも代わりのイベント絵が一番エロい。エロいといえば電(以下略)

・ルリねぇ
 主人公の実姉。自分勝手で理不尽で弟を絶対服従を強いるが締めるところは締める男前。そしてナニよりエロい。作品的には弟の精神的な保護者であり生活的な依存者であるが、それよりナニよりエロい。エロすぎてサドすぎて最高。なお、菜由様とのタッグは2000万パワーズを超え、スカウター破裂は必至。それこそ弟くんになりたいダメ人間が続出するほど。ここまで言えば分かると思うが、いわゆるTLS伝統の実姉妹=作中最強。



 ん〜、こうまとめてみるとナンだね、シリーズのお約束も多少取り込みながらもキャラ的な魅力はしっかりと押さえているのは見事。それを支えるストーリーやその見せ方に残念なところもあるが総じて萌え分補給には絶好の内容。そしてなによりエロい、って結局最重要ポイントはソコかぁっ!?

first edition : 03/09/18
ひとこと 今日をいつでもやりなおせるRと2を希望。モチ、テキスト表示をテンポアップして。

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