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データ
タイトル Sakura
〜雪月華〜
プレイ時間 15時間程度
(コンプ)
機種 PS2 ストーリー ★☆☆☆☆
ジャンル 転生モノADV キャラクタ ★★☆☆☆
メーカー CIRCUS グラフィック ★★☆☆☆
プリンセスソフト サウンド ★★★★☆
発売日 2003年 7月31日 ソフトウェア ★★★★☆
定価 8,800円(限定版) ゲーム性 ★☆☆☆☆
7,000円(通常版) 総合評価 ★★☆☆☆
購入価格 3,980円(限定版) お気に入り度 ★★☆☆☆

本文
 いわゆる、悲恋を重ねる転生モノなワケで、普通なら(転生モノが嫌いでなければ)感情移入度も高いしそれなり以上にオモシロくなるハズなんだが、ところがどっこい、コレ、どうしようもない。

 理由は複数あるが、一番大きいのは転生の起点。ここで台無しならそりゃどうしようもないわ。

※.本文中にオレ(鷹久)の兄者と同姓同名の記述があるが断じて他人だ。あんなんと一緒するなら訴える!

 以降、過小評価モードを起動。読んで気分の良いモンじゃないので注意。



 さて、主人公、阿倍清明は実は平将門の息子、平将国である(ナガサパ略)。将国の母である葛葉は将門を討った藤原秀郷に仇討ちを誓い、将国を復讐のためだけに育て上げた。

 しかし、将国は偶然拾った記憶喪失の娘、雪(仮名)によって骨抜きにされてしまい、秀郷を討つことに疑問すら持ちはじめる。

 これにブチ切れた葛葉、雪が(ナゼが手元にあった)十握剣を封印している鍵だと知ると、将国など及びもつかない力で(え〜っ…)殺しにかかる。

 で、それに反抗されたことで更にブチ切れた挙句いろいろあって(思い出したらバカらしくなった)死亡。その際、将国と雪は転生ごとにブッ殺す方針に決定、秀郷には死ねない呪いをプレゼント(え〜っ…)。

 (茫然自失)…あ〜葛葉さん? アンタが狂ってるのは良くわかったケド、あまりに間違い過ぎてて突っ込むのも先に進むのもイヤになったんデスが、この責任はどうとってくれるんでしょうか?

 つか、最初からアンタが秀郷を屠ればそれでENDですよ? 十握剣も必要ないから雪も不要、将国も放っておきゃいいやん。そもそもナンで殺したい武人No.1の秀郷を死ねない体にしますか?

 しかもこの後延々と、もともと無関係だった雪の転生体をつけ狙ってるし。これを死亡時に思念が固定化したと好意的に解釈したとしても、ゲ・ン・ナ・リだ。

 それに将国、お前も心簡単に開きすぎ、頭も悪過ぎ。ここまで頑なに生きてたクセに痴れモノひとりにたかだか数日で心開くし、人探し程度の仕事に自ら東奔西走って。得意の式くらい使えやヴァカ! あと、ライター! 脳内設定はいいから作中で納得いく説明をせぇや! 音声収録後に気付いたとしてもモノローグ使うなりナンなりあるやろ?! ホンマ、怒るでしかし!



 (強制冷却)…いかがでしょうか? ワタクシ、ナニか変なことを言ってるでしょうか? もう、ホントにね、別の意味で涙が出てくるよ。

 しかもバストアップ中心にヘボ率の高いグラフィック、豪華だがミスマッチ感漂うキャスティング、極端な特徴をひとつ持たしただけで満足したようなキャラづくり、プレーンだがたまに不自由な文章、説明不足とご都合主義のオンパレード、とテキストや描画まわりに誉められるところはほとんどナシ。

 反面、デフォルト音量こそイマイチだが音楽はなかなかいい雰囲気で、システムに至ってはカスタマイズ幅が広く至って優秀。これでキーコンフィグがあれば文句ナシだった。(△:履歴、START/□:メニュー(第1選択肢をクイックセーブ)、SELECT:クイックセーブが理想)

 他にも、豊富な(でもちょっとシツコ過ぎる)システムボイス、各ヒロインの声優さんが歌うエンディングテーマなど、ギャルゲバブルを思い出させるこだわりもあるだけに内容がクタクタなのは残念。



 シナリオは平安、鎌倉、大正時代を舞台に、各時代を演劇で表現するというモノ。記憶の補完方法こそ違うが基本はごくフツーの転生モノ。時代考証がナンもなさそうなんは高等部の学生が脚本してるからとしよう。となるとギャグにしても笑えない転生の因縁も脚本の能力不足か? …なんて納得できるかよ!(急速再沸騰)



 攻略キャラはダブルヒロイン+サブヒロイン×4の6人構成。どれも薄味で食い足りない割に共通パートが少なく時間だけはかかるという困った構成。それこそソフト自体に葛葉の呪いがかかっているのではないかと疑いたくなるほど。

 ただ、サブヒロインは転生要素がやや薄いため、いくらか印象は良い。とはいえその存在の希薄さ(基本は頭数)、主人公を含めたオツムの悪さ、雪月華の脚本をネジ曲げ整合性を奪う所業、終盤ムリヤリ本筋に組み込まれることでおこる齟齬など問題は多い。…ホント、転生、不要!

 唯一、月島円ルートだけは(葛葉が登場するまでなら)普通のギャルゲチックな進行でそれなりに楽しめたりもしたのだが、Hit率1/6ではコストパフォーマンスは極めて低いといえよう。



 とまぁ、(いつものことながら)悪意全開で、これ以上書き続けるのもツラい状態なんでそろそろ締める。読んだ人、気分悪くしてスマン。

 要はシナリオに全ての咎が集約された駄目作品(バッサリ)。転生モノの先輩に学ばず、比べて秀でるところはナシ。よくこれでGoサインが出たモンだと逆に感心する。もう、葛葉より強力に封印決定、だ!

 だから、このテの絵や声優陣がだいだいだ〜い好きで盲目になれる自信がないならやるだけ損。買うなんてトンでもない。それこそ炎多留・魂をコンプする方が有意義な時間の使い方やで。いやマジで。(自分のことは棚に上げて)

first edition : 03/11/30
ひとこと サーカスとの相性が悪そうだとわかっただけでもヨシとするか。
あと、野川さくら嬢の株がホンの少し上がったのも収穫か。

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