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データ
タイトル モナコGP プレイ時間 7時間程度
機種 PS2 ストーリー 評価対象外
ジャンル レース キャラクタ 評価対象外
メーカー SEGA グラフィック ★★★☆☆
3D AGES サウンド ★★★★☆
TAMSOFT ソフトウェア ★★★☆☆
発売日 2003年 8月28日 ゲーム性 ★★★☆☆
定価 2,500円 脳汁 止まらないよぅ…
購入価格 2,280円 総合評価 ★★★☆☆
お気に入り度 ★★★★☆

本文

昔遊んだ想い出の「車ゲー」、全てをブッチギって帰ってきた。

リアルレースゲーム全盛のこの時代に、ひときわ斬新なシステムが甦る。

 これらのキャッチが開発当初の構想からきたものか、出来上がっちまったブツをみてヤケクソでひり出したモノかちょっと興味はあるが、とりあえず言えることはひとつ、このキャッチにピクリときたなら楽しむ素養は充分である、ということだ。



 ベースとなるゲームは1979年に登場した古典的な縦スクロールレースゲーム。スーパーモナコGPの前身ともいえる作品であるが、いい歳したオッサンでも百貨店の屋上にあったような記憶がある、程度のマイナータイトルではなかろうか。

 一応、SC-1000版とサターンのSEGA AGES メモリアルセレクション Vol.2に収録されているモノがあるが、同日リリースのファンタシースターやファンタジーゾーンから比べると10年近い時間のズレがある。

 それゆえ、無駄な思い入れがない、もしくは思い入れの入る余地がない内容という点で本作は得をしているのではないかと思われる。



 基本的な内容はオリジナルと同じ。モードは点数制のアーケード、5コース×3難易度で構成されるグランプリ、タイムアタック、最大4人対戦のバーサスの4つからなる。

 更にアーケードはオリジナルに準拠したクラシックと、リニューアルアレンジでグランプリのコースを利用したオリジナル(ややこしい)に分かれている。

 正直、クラシックは今プレイするにはめまいがするほど理不尽でやってられないが、アレンジ版はかなりハッチャケてていい感じに。

 まず操作、上でアクセル、下でブレーキ、○でジャンプ(!)、×でアイテム使用、L1、R1でそれぞれ左右に45度カーブ(!!)、L2、R2で90度カーブ(!!!)。
# ジャンプはSC-1000版にあった仕様らしい。

 敵車や最強の車である救急車(!!!!)に当たるとスピン、コースアウトで仕切りなおし。で、アーケードではダメージ+残機制、グランプリではタイム制になっている。

 プレイ開始直後は慣れない操作系とワザと突っ込んでくる敵車、ジョーズよろしく時速300Km超で突っ込んでくる救急車や、それが蹴散らした敵車に玉突き衝突という展開が待っており、心の弱い人間ならここで折れて、ハイ、オシマイ。

 しかし、その壁を越えた先、いうなればモナコ・チャクラが開いた後には全く別の世界が待っている。まず、その壁を越えるための方法を説明書から抜粋しよう。


■ジャンプを駆使しよう!
 目の前に迫る敵車、背後から襲いかかる救急車そんなときはジャンプをすると、楽々とよけることができます。もちろん崖などのコースの谷間や障害物も、ジャンプで飛び越えることができます。
 また、ジャンプしてほかの車を踏みつぶすこともできます。これは対戦レースでは特に重要なテクニックなので、しっかりマスターしましょう。

■スターを取ってスピードアップ!
 スターを取ると得点を獲得できるだけでなく、車をスピードアップすることができます。また、MAXスピードのときにスターを連続で5個取るとさらにスピードアップでき、本来の車の限界を超えたスピードで走行できます。このMAXスピードを越えた超加速状態では敵車にぶつかってもダメージを受けず、逆に敵車をはじくことができます。
 敵車をよけながらスターをたくさん取り、早く超加速状態になるのがレース攻略の基本になります。

■追突コンボを狙え!
 スターを取って超加速状態になると、敵車をはじくことができるようになります。敵車を連続してはじくと追突コンボとなり、オリジナルモードでは得点が増加、グランプリモードではリミットタイムが回復します。
 超加速状態になって敵車に追突しまくれ!


 なんというか丁寧にしてヤケクソ、そんな感想がピッタリの説明ではあるが、実際に初歩的なミスをなくし、ガンガン敵車を踏み潰し超加速、追突コンボをバリバリ決められるようになると俄然面白くなってくる。

 天敵である救急車も気合避けや巨大化アイテムでの弾き飛ばしを併用すればグンと負け率が減る。あまつさえ高速マシンの超加速は救急車を寄せ付けず、時に追い抜くまでに至るからタマらない。いや、実際に追い抜くのはブロックされる確率が増えるのでカンベンして欲しいケド。

 加えて連続コーナーをカットばしているときのトランス感覚はレースゲーより音ゲーのそれに近く、やがては更に複雑なコースを欲するほど。もう、脳汁が、溢れて、止まらない。この奇妙なプレイ感覚、理屈抜きでイっちゃってるトコはまさに安物ソフトに求めているモノ。これは貶めているワケではなくオーダー通りの仕上がりであるという意味で。

 ひそかに期待していた対戦モードは、分割画面の狭さ、プレーヤーのウデがある程度揃わないといけないこと、アイテムのランダム要素により理不尽に輪のかかることなどあまりポジティブシンキングできない内容。特に2人程度では片方ブッチギリの展開になりがちでシラけてしまうことも多く、モトローダーを期待したら肩透かしを食らうだろう。
# 2人対戦を数回こなしただけの感想なんであまりアテにはならんケド。

 ともかくプレイ開始直後に訪れる微妙ささえ耐え抜けば充分に応えてくれる内容。タイムアタックでノーミスを目標にするもヨシ、頭を空っぽにしてアーケードのオリジナルをプレイするもヨシ。過去の理不尽な仕様をうまく仕立て直した逸品。時代を1周した新しさを感じたいなら。

first edition : 03/09/01
ひとこと いろんなところが紙一重。

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