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データ
タイトル THE娘(はぁと)育成シミュレーション
〜お父さんといっしょ〜
プレイ時間 5時間程度
(1周)
機種 PS2 ストーリー ★☆☆☆☆
ジャンル 育成シミュレーション キャラクタ ★★☆☆☆
メーカー D3 PUBLISHER グラフィック ★★☆☆☆
悠紀エンタープライズ サウンド ★★☆☆☆
発売日 2003年10月 9日 ソフトウェア ★★☆☆☆
定価 2,000円 ゲーム性 ★☆☆☆☆
購入価格 2,000円 総合評価 ★★☆☆☆
お気に入り度 ★☆☆☆☆

本文
 いくらナンでもこれはないだろう、と。あれだけ過去に死屍累々と積み上げられた成功、失敗例があるというのに、それに何も学ばなかったのだろうか、と。

 いや、システム自体は別段フツーなんよ。プリメから適当に引いて2で割ったというか。だから相応のデータ量と配置さえ心がければそれなりに面白くなるハズ。安いつくりはシンプルシリーズの味とすりゃいい。

 でもな、イベント量が少ないのはまだしもやたらと淡々としてたり、パラメータが少ないクセにイベントやエンディングの条件がわかりにくかったり、それでいて単純作業を1プレイ4〜5時間も強要してエンディングだけ無駄に多くあるというのはいくらなんでもしょっぱ過ぎ。

 しかも、システムは最低限というよりむしろ不備に近い状態で、繰り返しプレイを強要する割にメッセージや育成画面の高速化に対する意識がない。大したデータ量でもないハズなのに発生する細かいディスクアクセス。その上週末の処理シーケンスが不恰好というのはつくりが安い以前の問題。

 まぁ、これもプレイ中はプログラマひとりで手が回らなかったんだろうなと思ってガマンしてたんだが、スタッフロールでプログラマの名前が3人も連なってたのをみたときは本気で呆れた。しかもスクリプターが別だと?!



 ふ〜…、サテ、とりあえず内容を説明しておこう。とはいえ、プリメの劣化コピーと書けばほぼ完了なのだが。

 プレイ期間は小・中・高、各1年の計3年。ナゼこうなのかといえば、この娘、卵から生まれて1ヶ月で小学生程度に急成長(一部の層から大ブーイング)、あとは毎年3月に3歳程度歳をとる(また大ブーイング)という設定。まぁここらへんは突っ込むところじゃないんで放置。

 パラメータは、体・国・数・美に信頼、疲労の6つが表面にあらわれている部分。コマンドはそれに加えて中学以降選択可能な部活、休日に選択可能なお出かけと買い物、買い物したものを与えるプレゼントで構成される。

 お出かけ、買い物には資金が必要だが、これは毎月、主人公の親から仕送りされるうちの1万円でまかなう。ちなみにお出かけでは対応したパラメータと信頼が増加(信頼は選択肢により減ることも)および疲労が減少する。プレゼントは主に運動機器、学習教材、リラクゼーションアイテムで、対応パラメータの増加(疲労は減少)と信頼が増減する。

 資金に関しては臨時収入等がないため、プレゼントは安いものを大量に、お出かけも\2,000のところを重点的にで問題ない。また、数値だけなら体・美を徹底的に上げてから国・数にかかれば余分な減りがなくなるので安定する。

 しかしながら、イベント分岐、エンディング分岐の条件(ある程度は部活かねぇ?)はサッパリなんで育成方針など立てられんという時点で育成シミュレーションとしては終わり気味。

 イベント画像も『おまけ』でみる限りはさほど多くないし、流してプレイしただけでも意外と埋まったので、複数回プレイは苦行以外のナニゴトでもない。しかも通してプレイするなら仮にPARを使うとしてもプレイ時間がそんなに変わらないというオマケ付き。全EDをみるのは余程の暇人、もしくはマゾだけだろう。



 確かに低予算でシミュレーションだのRPGだのをつくること自体に無理があるのはわかる。でも、コレの場合はちょっと別。既存のシステムをパクって大失敗、しかもネタになるほどの芸もナシでは弁護のしようもない。どうせなら世界観からなにからプリメそのままパチっとけっつの。例え志が低かろうと、そこまで恥も外聞もない姿をさらしゃ多少は溜飲も下がろうってモンよ。

 例えグラフィックが全体を映すほどにボロが出るヘタさで、音楽も音が硬くて種類も少く、ストーリーや設定が問題外でも、だ。

 …ゴメン、ちょっとウソついた。

 それがナンだ、楽しめる唯一のポイントが、高校生の娘が「今日はナニする?」と聞いてきたときにベッド(休養ともいう)コマンドを選ぶときだけというションボリ具合は。

 …ゴメン、ウソじゃないけど、ゴメン。

 マジメにやるならこどもと一緒にいっぱいのはじめてを追体験。購入層にコビを売るなら愚にもつかない萌えで茶を濁せば良い。結局どこを目指すかがわからんのも問題。ムダにプレイ時間だけ長くしようとしたのなら理解はできるが。

 せめて育成画面を高速化してプレイ時間を1周2時間程度にまで短縮できてりゃ耐えようもあったのだが、それすらできてないでは問題外。ボタン入力を読んで処理とばすくらい簡単やろ?



 見てのとおり今回は購入代金分をドブに捨てたも同じ結果に。これはシンプルシリーズに手を出す時点で覚悟は完了してるから別にかまわん。ただ、どの道散るならオモシロおかしく散りたいモンだ。サテ、次の地雷原でも探すか…
# 結局悪いのはわかって買ってる本人という寓話。

first edition : 03/10/26
ひとこと かのTHE美少女シミュレーションを楽しむ特殊な人種もいるらしいし、あるいは…

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