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データ
タイトル THEスナイパー2
〜悪夢の銃弾〜
プレイ時間 6時間程度
/コンプ
機種 PS2 ストーリー  ★☆☆☆☆
ジャンル C級シナリオ + C級スナイプ ある意味 +★★★★★
メーカー D3 PUBLISHER キャラクタ  ★★☆☆☆
BESTMEDIA ある意味 +★★★★☆
発売日 2002年11月28日 グラフィック  ★★★☆☆
定価 2,000円 サウンド  ★★★☆☆
購入価格 2,000円 ソフトウェア  ★★★☆☆
ゲーム性  ★★☆☆☆
ある意味 +★★★☆☆
池田秀一  ★★★★★
総合評価  ★★☆☆☆
お気に入り度  ★★★★☆

本文
 着弾まで秒単位の時間が必要な(しかし無駄な弾道計算は不要の)スナイパーライフルを使いこなす元消防士、ハリー・C・スペンサー。
 前作で復讐を果たし逃亡者となった後のワンエピソード。

 2作目はハードもPS2となりあらゆる面&意味でパワーアップ。
 しかしスナイパーライフルの着弾にかかる時間(=ゲーム性)は据え置き。
 数秒〜数分のゲーム部に毎回同じOP/EDが流れるのも相変わらず。



 で、具体的にどこがパワーアップしたかっつ〜とですな…

グラフィックがパワーアップ
 特にプロローグでは数年前の自称クリエイター集団がつくりそうなモデリング。
 手なんか肉腫かと思うくらいブックブク。
 ガラス製と思われる机は厚みを感じられないし、狙撃マップのモデリングもPS1並。素晴らしい

難易度がパワーアップ
 標的を探すところから始まる流れは前作と同じだが、今回はターゲットの容姿がロクに提示されないまま逃げ惑う群集から探し出して射殺しなければならない面も。
 良く観察すれば走りのモーションが違うのだが、出現場所がランダムな上に小型テレビでは確認しづらいなどの問題が。素晴らしい

テキストがパワーアップ
 前作のシナリオも愉快は愉快だが、骨子がハリーの復讐なワケでオカシさの中にもスジは通っていた…、ような気がする。
 いやまぁ演出は完全にヤバかったが、少なくともエンディングあたりまではチープな復讐劇レベルだった。
 しかし本作は面数や登場人物が増え、それに伴いテキスト量もボリュームアップして、前作をはるかに凌駕するオカシさに。素晴らしい

 例えばプロローグで知り合ったスタンリーに紹介された店(キャンピングカーのオープンカフェみたいなん)の立地からいきなり異常。
 なんせコンテナ積んである未舗装の空き地にテーブル並べてあるし。裏路地からしか侵入できんし。ありえない

 銃撃戦が始まったら始まったで、応戦のために差し出されたのがスナイパーライフル。ありえない
 しかもそこでのやり取りが、
スタンリー
「使い方わかります?」
ハリー
「あまり馬鹿にするなよ」
CV.池田秀一
 というバカにされて当たり前のやり取り。ありえない

 もうここで値段分は笑えてるのに、最初の狙撃に成功したら、
スタンリー
「ヤッホー、あんた最高だ」
 目の前で人が死んどるっつの。ありえない
 いくら本シリーズにおいてマフィアは人に非ずという定説があるにしても、あ・り・え・な・い

 その後に起こるCIAへの場面転換もどっかの安アパートにCIAのアジトと表示されてズッコケ。
 謎の男、ガブリエルのトコもガブリエルのアジトと表示されて2度ズッコケ。
 しかも、CIA指示による狙撃を請け負うことになったクセに独断でマフィアを狙撃するのに始まるハリーたちの奇行は枚挙にいとまがない。

 中盤、狙撃メインで少し大人しくなったかと思ったら後半は抱腹絶倒、悶絶必至の展開をみせる。
 ハッキリ言ってこのテキストだけで確実に値段分は楽しめる。C級映画を2本観たと思えば、だが。
 また、キャラの独白テキストがまた珍妙で、電波だったり、行単位で内容がトンでたりの素敵具合。もうこれは天才の仕事かと。
 そしてキャストに池田秀一氏を配したのは神の仕業かと。おお、神よ!(スタンリーは良く神という単語を口にする)



 しかしながらそれを繋ぐゲーム部分は相変わらずの辛口。
 ヒットさせるだけなら前作より簡単になっているように思うが、ターゲットが解りづらいのは大問題。
 しかも分岐があるため、全ての面をプレイするためには最低2周をクリアする必要がある。
 分岐条件はそれまでの狙撃成績が反映されるのだが、これがわかるのが1周クリア後のため、妙な分岐で進んでいるとヘコむこと請け合い。

 ちなみに1周完了で裏トレーニングモード、分岐を全て埋めるとエイリアンモードが登場。

 裏トレーニングモードは通行人(全員マフィア認定)を時間内に弾数無制限で殺戮しまくる、めくるめく全9面。
 遠目にみると擦り殺されたアリのようなマフィアのみなさんが眩しい。その数最大38!
# 足元に同輩の死体が転がっているのに普通に歩いているマフィアさん達もスゴい。

 エイリアンモードは最大望遠でみたときのみ正体がわかるエイリアンをサーチ&デストロイという全10面。

 どちらもいくらかのイヤラシさとわずかな巧妙さが感じられる面があり微妙なバランスと相まって不本意にも結構楽しんだ。
 ただ、そのバランスを開発側からの挑戦と捉えるタイプの人間でないと耐えらないハズ。それこそ悪夢の銃弾にも成り得る。



 途中で何度かやりきれない気持ちになったことも事実だが、池田秀一氏に対する羞恥プレイは最強。
 また、マフィア虐殺モードや嫌な感じに習熟していく自分を楽しむことができたのもまた事実。
 そんなワケで、珍奇な御輿を担ぎたくなったらコレ、と胸を張ってオススメしよう。
 …全然オススメしたないように思えるのは多分気のせいだ。

 最後にエンディングで池田秀一氏の発したセリフが妙に面白かったので書き記しておく。

「オイオイ、やめてくれ」
CV.池田秀一

first edition : 03/03/08
ひとこと スタッフロールで誤字はどうかと思う。

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