データ |
タイトル | 大正もののけ異聞録 | プレイ時間 | 50時間以上 /2クリア |
機種 | PS2 | ストーリー | ★★★☆☆ |
ジャンル | 育成SLG + RPG風バトル | キャラクタ | ★★★★☆ |
メーカー | ガスト | グラフィック | ★★★☆☆ |
発売日 | 2003年 2月27日 | サウンド | ★★★★☆ |
定価 | 6,800円 | ソフトウェア | ★★★★☆ |
購入価格 | 6,280円 | ゲーム性 | ★★★★★ |
総合評価 | ★★★★☆ | ||
お気に入り度 | ★★★★☆ |
本文 |
時代は大正、場所は信濃、そこには急速な近代化とともに闇が払われ住処を失ったモノノケが集まりつつあった。 本作は、その信濃の地で百鬼夜行の戦いを繰り広げる5人の血の契約者の物語。 ゲームの骨子は7日ごとにおこなわれる百鬼夜行の戦闘に勝利し、最終的に全38種の天降勾玉を集めること。 その7日は6日の準備期間と1日の戦闘にわかれている。 準備期間におこなうことは4匹のモノノケで構成されるパーティの強化。 これはおおまかにモノノケカスタマイズ、装備品やアイテムの拾得、売買にわかれる。 モノノケカスタマイズは、経験点を使ったスロットの拡張とスロットにハメる装備、装備にハメる紋章の3段構え。 経験点は戦闘により得ることが可能だが、それによりパラメータが上昇するワケではない。 よって無駄な経験値稼ぎよりも、装備や紋章を充実させることの方が有効となる。 ちなみにスロットは数種類の形状から1種が選ばれ、最初は半分以上が埋まった状態からはじまる。 モノノケは変生によって別のモノノケに変化することが可能で、基本的に上位のモノノケの方がパラメータは高い。 ただし、前衛タイプのモノノケが後衛タイプになったり、特定パラメータが弱体化したり、スロット形状が変わったりと一概に強くなるとはいえない。 モノノケは野良との戦闘やアイテムを媒介とした魂宿りの儀により増やすことができるが、ここでひとつ残念なことが。 それは、これらのモノノケと地道に変生したモノノケの性能差がほとんどないこと。 つか、むしろ魂宿りの儀の方が寄代によりスロットタイプを変更できるので、より強いモノノケを生み出しやすい。 ここは経験点の持ち越しより、スロット形状の選択/継承やパラメータボーナスなどで育成の意味を持たせて欲しかった。 なお、変生、魂宿りで選択可能なモノノケは入手した天降勾玉に対応したものに限られるので、その入手順序はかなり重要である。 さて、モノノケカスタマイズ自体はひとつのメニュー扱いで比較的いつでも実行可能なのだが、肝心の装備やモノノケを増やす工程は1日1回の行動でまかなわれる。 方法は至って簡単。信濃全体マップ上から任意の場所を選ぶだけ。 で、内部の横スクロールマップで霊石拾い、アイテムの拾得/売買、野良モノノケとの戦闘、変生/魂降ろしなどをおこなうことになる。 霊石とはモノノケ用の通貨みたいなモンで、変生/魂降ろしやアイテムの加工や模造に使用する。 金子はイベントや戦闘報酬、はたまた拾得したアイテムを売ることで得ることが可能。また、増やすにはちょっとしたコツがある。 ここらへん、日々変わる特売や高価買取、ギャンブル性の高い予約品など、間延びしない工夫は見事。 箸休め、刺身のツマといった風味のイベントや、隙間埋めの感が否めない一般市民の扱いはどうかと思うが、全体的にはテンポが非常に良く、ついつい次の百鬼夜行までと思ってしまうのもがある。 それこそ短ければ30分弱、長くとも45分程度のループでサクサクと進むので、気が付けば2時間延長のワナ。平日のプレイはオススメできない程に。 戦闘は最大4+1対4+1のターン制で、対野良戦、対血の契約者戦、対ボス戦の3種類に分類できる。 対野良戦は準備期間や百鬼夜行で血の契約者を避ける際におこなう戦闘で、相手にボスや血の契約者といった要ユニットがいない戦闘。 敵を全て倒しせば戦闘終了という単純なモノ。 ただし、モノノケは複数の魂を持っており、モタモタしていると体力満タンで復活&攻撃されてキビシい状況になる。 対血の契約者戦は、百鬼夜行の夜におこなう戦闘で、ライバルである血の契約者が参加するもの。 血の契約者はターン内の任意のタイミングでアイテムの使用や霊技の使用、攻撃が許されており、戦闘の流れを大きく左右する存在で、それゆえモノノケを全て倒さないと攻撃を通すことはできない。 対ボス戦はイベント戦。血の契約者からアイテム使用能力や霊技を削ったものだと考えれば良い。 ただ、霊技の変わりに特殊技を持ってたり、血の契約者より頑丈だったりと、強さはかなりのもの。 戦闘で重要な要素として、場の属性と深度、モノノケの属性、霊技ゲージが挙げられる。 場の属性は無地水火風の5種、深度は7段階あり、モノノケの技やアイテムで随時変わっていく。 これはモノノケの属性や特殊技J.M.S.の発動条件、効果に深い関わりを持つ。 モノノケの属性は地水火風の4種、それと無聖魔の耐性が大きな特徴。 それぞれ地<水<火<風<地の力関係があり、パーティ構成やモノノケカスタマイズに重要な意味を持つ。 特にワザと弱点属性を上げる技を使って相殺技を使ったり、傾いた場の深度を振り切って無に戻したりと、モノノケカスタマイズによる対策やその場その場での臨機応変な対応が求められるのは面白い。 総じてパーティ構成を突き詰める戦略と百鬼夜行の戦いにおける戦術、どちらに重点を置いても手応えのある内容。 最後の連戦を除けば優等生的なバランスに仕上がっており、ユルい思考を好むタイプから広く楽しめるだろう。 確かにデータ不足の初回プレイでは難しく感じることもあるが、2周目以降なら能力を半ば無視したギャルパーティすら成立させることも可能。 また、難しく感じても育成期間を長くとって装備を充実させればクリアはできるハズ。要は諦めないことが重要。 しかし、当然ながらそれなりの苦痛が伴うのでこのテのゲームがニガテならやめておいた方が無難かもしれない。 初回プレイはデータ収集をメインに雰囲気を楽しみ、2周目で実践。 ここまでで50時間前後は楽しめるだけの内容には仕上がっている。 ただ、3周目以降は単属性パーティでのクリアや混浴イベント網羅など自らに課題を与えないとチとツラく感じるだろう。 # 始めたら始めたでズルズルやってしまうとも思うが。 これはストーリー構成がザッピングになっているため、プレイを重ねるほどイベントがカブったり終着点が収束していたりすることに起因するかと思われる。 # 鴨居、鈴音クリア時点の評価なんで、もしかするともっと広がりがあるかもしれない。 そういう点では、ストーリー、イベント、エンディングに厚みを持たせ、経過がそれぞれに影響を与えるようなつくりになれば面白そう。 世界観は別として、システムを継承した作品はゼヒともみてみたい。 それにしても、これで発売初週の売上がう7千本程度とは…、いくら大作ラッシュだったとはいえ不当とすら思える売れてなさ具合。 あまつさえバグを承知で売っていたアレの方が数十倍売れてるのをみると思わず涙がでる。 確かに人型キャラを中心にしたユニットなど見てくれ中心に不満はあるし、荒削りな部分もあるが、総合すれば良作と呼べる仕上がり。 # あと、ソフトリセットがないのもちょっとマイナスか。 特に従来型RPGのゲームループに飽きている、もしくは戦闘に心地良い緊張感を持ちたいならオススメできる。 わずかな思考さえ煩わしいと思わないなら充分アリの選択だろう。
first edition : 03/04/06
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ひとこと | 60歳オーバーの妙なネコマタ娘(?)からショタまで、煩悩系に応えます。 |