データ |
タイトル | THE宇宙飛行士 | プレイ時間 | 15時間程度 <SECRET> NORMAL : 6/8 RARE : 2/8 |
機種 | PS | ストーリー | 評価対象外 |
ジャンル | '80s懐古型慣性ACT | キャラクタ | ★★★☆☆ |
メーカー | D3 PUBLISHER | グラフィック | ★★★☆☆ |
AMEDIO | サウンド | ★★★★☆ | |
発売日 | 2002年 8月29日 | ソフトウェア | ★★★☆☆ |
定価 | 1,500円 | ゲーム性 | ★★★☆☆ |
購入価格 | 1,500円 | ’80s | ★★★★★ |
総合評価 | ★★★☆☆ | ||
お気に入り度 | ★★★★☆ |
本文 |
ムーンランディング、エクセリオン、アストロロボSASA、バルーンファイト… ’80年代前半は、重力と慣性を使い、自機のままならない操作系をゲーム性とした ソフトが多く存在しました。 # ここでは仮に慣性ゲーと定義します。 近年では、パイロットウイングスが直系、電流イライラ棒、くるくるくるりんが 傍系として存在しますが、その絶対数は非常に少なくなったといえるでしょう。 # パイロットウイングスはグレーゾーンと捉えることもできますが、一応。 その原因として、開発規模の大規模化や物理シミュレーションの進歩にともない、 慣性ゲーが要素のひとつとして取り込まれたこと、ユーザの操作系に対する嗜好の 変化などが挙げられると思います。 その考え方だと、本作は15〜20年前の操作系をゲーム性とした客層の予測できない リスキーな商品、となるのですが、それだけに、このような作品をSIMPLE1500 シリーズの節目となる100作目に発売することを評価したいと思います。 # 本数で数えると(多分)99本目ですが… なんせ、どこかでみたような題材や内容にかたよりがちな同シリーズにおいて、 本作はオリジナル作品であるといいきれるだけのものになっているのですから。 # あとはTHE推理くらいかな? オリジナルっポイのは… ゲーム内容はミッション遂行型3Dアクション。 船外作業服を着て、ミッションごとに指定されたフィールドにおもむき、月程度の重力 もしくは無重力下で指定の作業を指定の回数おこなうものです。 作業内容は、レーダーで黄色く表示されているポイントまでいき、通過する、○を押す、 破壊するの3種類で、空気残量か機体耐久力が0になるか制限時間切れでゲームオーバー。 空気残量は時間経過で、機体耐久力は各種地形や未確認生命体からの攻撃によって 減っていき、有限個数の補給物資によって回復できます。 ミッションは、リング通過、観測機の再起動、鉱物の採取、観光船の修理、探査ロボの 制御回復、未確認電波発生源の確定、遺跡調査隊の救出、資材ポッドの回収、危険生物の 培養器破壊の計9種類を順番にクリアしていくことになります。 1度クリアしたミッションは、微妙な状態変化や、やり込み要素であるシークレットが 発生するようになるので、反復プレイにも耐えるようになっています。 このシークレットには、NORMALとRAREの2種類が存在し、クリアボーナスや ランキングに反映される仕組みになっているのですが、NORMALかRAREかは ランダムの疑いがあるため、ランキングの意味はちと微妙。 で、溜め込んだクリアボーナスで、装備を改造/購入しながら、より難易度の高い ミッションに挑戦するというのが基本的なゲームの流れです。 なお、全てのミッションをクリアすると、制限時間内での目標達成をクリア条件とする 4つのチャレンジミッションが追加されます。 これは、デコイの破壊や逃げるように動くバルーンをキャッチするといった内容で、 オマケ要素としてはそれなりなんですが、ミッション数が少ないのと、高低差を利用した ミッションがないのがちょっと残念。 # 1,500円相手に贅沢な話ですが。 操作方法は、↑↓で前進後退、←→で回転を基本とし、R1で上昇、R1+↑↓で 前方滑走、後方滑走、R2で下降、Xでホバリング。 # パイロットウイングスのロケットベルトが比較的近いです。 L1/L2でアームパーツの切り替え、L1+L2で強制的にノーマルハンドに 切り替え、○でアームパーツごとのアクション。 アームパーツは4種類あるのですが、ミッションに不可欠なのはノーマルハンドと レーザーの2つのみ。 あとは、SECRET収集に使う程度の利用価値しかありません。 アナログスティックは左スティックが方向キーに対応している程度ですが、本作では それで正解、というか、私の場合、方向キーでないと制御できませんでした。 本作は、残念なことにストーリーや設定というものが存在していません。 いえ、正確には公表されていません、といのが正しいのですが。 プレイしていてわかることは、主人公が企業からの依頼を受け成功報酬を得ている キャプテンと呼ばれる存在であること、オペレータを一部露出が激しい少女が担当して いること、ショップにいけばこれまた一部露出の激しい女性がいることくらい。 あとは、ミッション途中に入るオペレータからの通信によって、断片的な情報が入って きますが、とても充分とはいえません。 各ミッションで起こっている事件は裏で繋がりがあるようですし、主人公の設定も うまくいけばそのクルーを含め、非常に魅力的なものになりそうですから、なおさら 説明のないことが残念でなりません。 説明書のスペースが足りないのならまだしも、他のSIMPLE1500シリーズの 広告を入れているくらいなら、ストーリーくらい書いてくれてもバチは当たらないと 思うのですがね。 慣性ゲー創世記の1983年に放映されたアニメ、銀河漂流バイファム。 そこに登場したロボット、ラウンドバーニアンは全身いたる所に搭載されたバーニアや スラスターによって姿勢制御をおこない、架空のリアルをひとつ押し進めたメカニックで あったと認識しています。 作中、ラウンドバーニアンは戦闘だけにとどまらず、障害物の撤去、宇宙船の修復など 主人公が操作するロボットにおよそ相応しくない用途に使われていました。 何でこんなことを書いているかというと、本作をプレイしてフと思ったんですよ、 観光船の修理や資材ポッドの回収といった無重力ミッションはまるでバイファムの世界 そのものだ、と。 # 船外作業服はウェアパペットそのものだし。 無限に広がる大宇宙、そこに立っただけで股間が縮むような感覚、過減速を誤れば 二度と帰ってくることのできない緊張感。 バイファムの少年たちがはじめて宇宙にでたときの気持ちがわずかながらわかるリアル。 もちろん本作は様々な制限からあらゆる面がチープですし、上下の概念は常に固定です。 また、ゲームである以上、危険はありません。 それでも、バイファムという原体験があったとしても、そこに感情の生まれる余地が あったのは、ひとえに空間を再現するための操作性や箱庭のつくりこみが充分であった からだと考えます。 # 操作に対する反応とSEのマッチングも良好でした。 重力圏でのミッションは、比較的広い空間を浮遊しながら進めるものと、坑道や宇宙船、 遺跡をさまようものにわかれます。 当然、前者の方が動きに自由度があるため単純な爽快感は高いのですが、後者は後者でサイレントデバッガーズの閉塞感、エアが残り少なくなったときの緊張感、そして どこにも接触しないで動けたときの達成感が混在しており、どちらも違った面白さで 楽しませてくれました。 マップは使いまわしもありますが、配置や登場順序がキッチリと押さえてあるので あまり気にならないと思います。 難易度は基本的に簡単なのですが、ミッション7と8だけは、あることに気付くまで 難儀しました。 # 特にミッション8、あれはちょっとやられました。 あと、戦闘についてですが、これはオマケたいなモンで、間違っても死ぬことは 考えられないレベル。 ここらへん、もう少し凝って欲しかった気もするんですが、本作のシステムでは、 シューティングとしての面白さを期待できないのも事実。 多分、変に凝るよりかは良かったのだと思います。 冒頭にも書いたように、本作は慣性ゲーの正統後継者といえる内容です。 ですから、ままならぬ操作系をゲーム性として受け入れられるかどうかが、楽しめるか どうかの分かれ目になると思います。 それこそハマれば値段以上に遊べ、さもなければ数分で封印されることでしょう。 ちなみに私は、旧ザクに乗った新兵程度だった操作技術がゲルググに乗ったシャア並に なるまで遊び倒しました。 ともあれ、相性問題が激しい作品ですから、今回はあえて誰にもオススメしません。 ただ、パッケージを持って’80年代の風を感じた’70年前後の生まれの方なら、 ダメもとで買ってみるはアリです。 # キーワードは’80年代アクション、バイファム、マイコン投稿ゲーム。 最後に、無理だとは思いますが、個人的には上位機種で続編の発売を希望します。 今度はアナログ入力専用、シューティング要素アリでゼヒ。 # というかバイファムで…、でも、バンダイは絡まない方向で…
first edition : 02/09/03
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ひとこと | 主人公もオペレータも俺の妄想設定ではロボっ娘です! SFですからっ! |