データ |
タイトル | ドラゴンナイツ・グロリアス | プレイ時間 | 18時間程度 /ED5種 |
機種 | PS | ストーリー | ★★★★☆ |
ジャンル | 青春群像RPG | キャラクタ | ★★★★☆ |
メーカー | パンドラボックス | グラフィック | ★★★☆☆ |
発売日 | 1999年11月18日 | サウンド | ★★★☆☆ |
定価 | 1,980円 | ソフトウェア | ★★★☆☆ |
購入価格 | 1,980円 | ゲーム性 | ★★★☆☆ |
総合評価 | ★★★☆☆ | ||
お気に入り度 | ★★★★☆ |
本文 |
定価¥1,980で新作ソフトをリリースするという、漢気溢れるこころみで
一躍脚光を浴びた本作。 # その後は散々でしたが(03/01/05追記) 制作は、ラストハルマゲドンで有名になった飯島建男氏率いるパンドラボックス。 この会社、バンダイ系列で優良RPGを始め多くのソフトを出しているので、 狭い範囲でそこそこ有名な会社だと思います。 ちょっと切ない昔話をしますと、実は私、飯島氏って嫌いだったんですよ。 なぜかと言われると、楽しみにしていたラストハルマゲドン for MSXの 度重なる発売延期と、完成版のバグの多さ、これでもかと言わんばかりのディスクアクセス、 最後のどんでん返しによる失望という経験をしたからなんですね。 実際、多くの問題はプログラマのせいなんでしょうが、この頃の私にそれを考える頭が あるワケは無く、その怒りが一番名前の出ていた氏に向けられたってワケです。 # しばらくブクタッター(エイリアンの名前)がトラウマかつ禁句だった程。 しかし、それから数年、フと手にとったソフト―ソウル&ソード―との出会いが、 その凝り固まった怒りを溶かします。 それぞれに意匠や工夫をこらしたクエストを魅力的なキャラが彩っているという、 位置付けこそ佳作ですが、非常に心を打つ一本でした。 # 続編のトラバースは…、スンマセン、途中で止まってます… なんでこんな話をするかといえば、本作の購入動機のひとつに、ソウル&ソードの 流れを感じたからなんです。 さて、実際にプレイしてみて、ソウル&ソードの流れがあったかと聞かれれば、 応えはノーです。 # チャランとポランがチャランポというキャラに統合されて登場している事と、 この世界が、ソウル&ソードの世界が近い存在であろう事くらいです。 正直、システムは仕方が無いにしても、世界観がもう少しクロスしている事を 期待していたんで、少しガッカリでした。 勝手な期待が裏切られたところで、このゲームの説明をしますと…、 ある世界に、ドラゴンナイツという常勝無敗の騎士団を擁する、カグランテス大国が あります。 何者にも屈しない強さを持ちながら、侵略戦争を戒めたドラゴンナイツは、 退役後も安定した生活が保証されている事もあり、国中の男達を魅了してやみません。 片田舎に住む主人公―ダイク―もその例外では無く、ドラゴンナイツの入隊試験を 受ける為に旅立とうとしています。 仲間との出会い、厳しい訓練、楽しい休日、デート、最終試験… 果たしてダイクはどんな青春群像を描くのでしょうか? システムを簡潔に説明すると、基本的なストーリー展開はビジュアルノベル画面で、 クエストが発生したら、ダンジョンやフィールドマップに切り替わり進んでいき、 最終的に25のエンディングのいずれかに到達します。 戦闘は、最大4人パーティで構成されており、パッと見はドラクエタイプですが、 前衛、後衛がある事から、ヘラクレスの栄光やエストポリス伝記に近いでしょう。 特徴的な点としては、キャラクタにはTP(テクニカルポイント)を消費する事で 使用できる必殺技があり、これを特定の順番で出す事で連鎖していく事でしょうか。 # 基本的には魔法と同じですが、使用するTPが少なく、主に対象が単体です。 これは、1ターン目でAと言う通常攻撃を出したら、2ターン目でBという技と いう風に連続して威力のある技が出せるというもので、通常攻撃の弱さから、 常用する事になります。 # TPはレベルアップ時に回復するんで、バリバリ使って大丈夫です。 プレイ感覚は、操作系が心持ち重いですが、ストレスが溜まる程ではありませんし、 ストーリー展開にビジュアルノベルを採用する事により、フラグ管理が簡略化され、 制作を容易にしつつ、プレイアビリティを向上させる事に成功していると思います。 絵については、イラストを見る限り、田中久仁彦氏と弘司氏を2.5で割ったという 感じですが、バストアップではもう少し違った印象を受けます。 全体としては、さほど不満には思わない程度でしょうか。 また、マップやチビキャラの方は結構丁寧だと思いますよ。 ストーリーはエンディングが25種ある事からもわかる様に、自分の選んだ行動により 様々な展開をみせてくれます。 仲間との親交を深めるも良し、出会った女の子との恋愛に生きるも良し、はたまた バッドエンドを迎えるもまた良しといった感じです。 そのサポートの為に、前回クリアした時のパラメータや一部のアイテムを持ち越す事が 可能になっていますので、新しい展開を探したり、エンディングの回収が比較的容易に なっています。 # ちょっと条件がキツいものもありますが。 他に、多くの分岐、ミニゲーム、おまけシナリオ、ごちゃちるというファニー& ブラック系のミニストーリーと盛り沢山の内様に仕上がっており、操作系がちょっと ひっかかる点やグラフィックの泥臭さを補ってあまりあるものに仕上がっていると 思います。 1プレイにかかる時間が短い事もあり、RPGから遠ざかっている人には いいリハビリになりますし、これから続くパンドラマックスシリーズとの連動の 先頭となっている本作、身を削ってモノづくりをする漢気に共感できる人は 是非手にとって見る事をオススメします。
first edition : 00/06/09
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ひとこと |
新作としてのコストパフォーマンスはそこそこ。 |