データ |
タイトル | ノイエス | プレイ時間 | 11時間程度 /ED4種 |
機種 | PS | ストーリー | ★★★★☆ |
ジャンル | ノベル + 育成SLG | キャラクタ | ★★★★☆ |
メーカー | エスコット | グラフィック | ★★★☆☆ |
発売日 | 2000年 2月10日 | サウンド | ★★★★☆ |
定価 | 5,800円 | ソフトウェア | ★★★☆☆ |
廉価 | 2,800円 | ゲーム性 | ★★☆☆☆ |
購入価格 | 2,980円 | 総合評価 | ★★★☆☆ |
お気に入り度 | ★★★★☆ |
本文 |
この世界ではない世界。 近世の欧州に近い雰囲気を持ちながら、より科学が進歩した世界。 ある日、森の監察官をつとめる青年―サイアス・バイン―が、森にうち捨てられている 少女型アンドロイドを発見、保護したのですが、その制作者、所有者が不明であった為、 サイアスが管理をする事になりました。 このアンドロイドは、有機型アンドロイドと呼ばれる希少な種類であったのですが、 それ以上に驚くべき事は、彼女は常識を超えて人間らしく、また人間になる事を望んで いるという事実でした。 もちろん、サイアスにアン(と名付けたアンドロイド)を人間にする様な力が あるはずも無く、また、奇跡を信じる程に敬虔でもありませんでしたが、架空の生物で あるはずのユニコーンとの出会いや、アンの成長を見るうちに、その心も少しずつ 変わっていくのでした。 このゲームの期間は1年。 そのうち、プレーヤーの行う事は、サイアスとアンの予定を1週間単位で組む事、 4週間に1回のメンテナンス、縦書き形式のノベル画面を読み、たまに出る選択肢を 選ぶ事の3点。 サイアスの予定は、本業である森の管理を行うか休むかだけを選べば良いだけですが、 アンの予定はそうも行きません。 序盤こそは、森の管理+αの選択肢しか無いものの、物語が進めば、様々な依頼や アン自らが望む時間の使い方が増えていき、正直言ってどれを選べば良いのか悩む程に なります。 また、それぞれの選択肢には必要な日付が設定されており、その組み合わせも 悩みの種になります。 次にメンテナンスですが、これは、アンが1週間の予定を巧くこなせた場合に ユニコーンが持ってきてくれるメンテナンスコアと呼ばれるものを使い、 アンの任意のパラメータを上昇させたり、ストレスや疲労を取り除く事ができます。 ノベル画面は、ウエストアップや一枚絵に縦書き文章をかぶせる形の画面で、 縦書きである事と、サイアス以外がフルボイスで喋る事以外は、特筆するべき点は ありません。 何とも言えない雰囲気、儚げと表現するのが一番しっくりくるんですが、 それが全体をつつんでいて、プレイ感覚は淡々と、けだるさすら感じます。 とは言え、これは、グラフィック、サウンド、世界観といったものがかもしだす味であり 、不快なものではありません。 # ただ、少しプレイを躊躇する事はありますが。 そんな雰囲気の中、善人と呼べる人、視野が狭く自分の事しか考えられない人、 脛に傷持つ人、悲しみを抱えながら生きている人、死にゆく人…、膨大なイベントの中、 様々な人と交わり、時に微笑み、時に苦悩するアン。 淡々と、しかし確実にアンに何かをもたらして過ぎていく日々。 アンドロイドを題材とした作品として、痛みがやや強くはありますが 、真摯な姿勢には頭の下がる思いがします。 # 楽しくコテコテなマリカンとは対照的ですな。 話は変わってゲーム性について単刀直入に書きますと、ズバリ攻略本が欲しい。 とにかく何をどうすればわかわからない上に、アンを人間にする以外の目標が 設定されていない事がいたずらに難易度を上げています。 # 多くの人は、初回はバッドエンド直行じゃないかってくらい。 かなりいい感じで進んでて、「さて、アンは人間になれるかな?」なんて思ってたら、 森の管理の仕事を怠っていたからダメってのは、ちょっと…。 電撃PSの攻略Stationに載っているのを偶然みかけたら、森の開発という 裏パラメータがあって、それが一定値を超えていないと駄目みたいですが、できれば、 そこは明示して欲しかったですね。 あと、細かい事を言えば、キャラクター原案をされている方は、かなり魅力的な絵を 描かれると思うんですが、実際のグラフィックは設定無視やクオリティのバラツキが 目立ち、ガッカリせざるをえないのも事実です。 # 数を優先っていうのはわかるんですが…。 せめて、ウエストアップのクオリティだけでも一定ラインで統一されていれば、随分と 印象が違ったと思うんで、その点が残念でなりません。 また、サイアスのポジションがイマイチ良くわからないのもどうかと思います。 主人公っぽいけど、システムはアンドロイドを主眼に据えている為、どちらかと言えば 登場人物のひとりである感が強く、少なくともプレイヤーと重ね合わせる事を前提に つくられたキャラとは思えません。 # 選択肢の起点ではありますが。 容量が許さなかったのだろうとは思いますが、このキャラには声をあてて、 プレイヤーキャラとの差別化をはかって欲しかったと思います。 # 凄い私見ですが、物語的にはその方が正しいと感じます。 全体に丁寧につくり込まれていますし、純粋なファンタジーとして、童話として、 抜群の雰囲気を持っていますから、ほほえましいだけ以上のアンドロイドモノを 欲するならば、それなりに満足する事ができるんじゃないでしょうか?
first edition : 00/05/14
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ひとこと | 藤田淑子さんのマライヒ声が聴きたいならコレ。 |