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データ
タイトル どきどきポヤッチオ プレイ時間 14時間程度
/クリア
機種 PS ストーリー ★★★★☆
ジャンル ほのぼのファンタジー キャラクタ ★★★★☆
メーカー キングレコード グラフィック ★★★★☆
スタジオ最前線 サウンド ★★★★★
発売日 1998年 9月10日 ソフトウェア ★★★★★
定価 5,800円 ゲーム性 ★★★☆☆
購入価格 1,480円 ぺったん娘 ★★★★★
総合評価 ★★★★☆
お気に入り度 ★★★★★

本文
もうひとつの日常
 繰り返す日常の日々。
 でも、いつもと違う日常。
 それは、この作品がボクたちに見せてくれる夢。
 プエルコルダンと言う田舎で過ごすホンの1ヶ月間の夢。

 さて、クサい台詞で始まった今回の感想文はどきどきポヤッチオです。
 でもまぁ何ですよ、こんなクサい書き出ししたくなるような優しさのある 作品なんですよ、コレは。
# 世界観全体では殺伐としてますが。

 この作品は、プレーヤーが従妹のマリアがひとりで切り盛りしているパン屋を 夏休みの間手伝いに行く所から始まります。
 永遠に繰り返されるプエルコルダンという村でのひと夏にあなたは何を 体験するのでしょうか?
 …ってこれじゃメーカー紹介文だよぉ。


拝啓、スタッフ様へ
 まず、素直な感想を言わしてもらうと、スクリプターの皆さん、ご苦労様。
 エンディングを見ると8名がクレジットされていたのだが、それでも 千にも及ぶイベントを全て設定するのは骨の折れる作業だったと思います。

 次に、チビキャラを置いたデザイナーさん、ご苦労様。
 細かく動く25名に及ぶ村人のアニメーションは、なんつ〜か愛です、 溢れてます。

 そんでもって、かなりの力仕事をやってのけてると思われるプログラマも 大変だったと思いますよ。
 バックグラウンドで25名も村人が動いているだけでも大したものだと 思うんですが、オンメモリでやれるだけの事をやろうという姿勢や ディスクアクセス時間の短縮などは充分評価に値すると思います。
 プログラマ本人はどう思っているか解かりませんが、大したモノだと 思いますよ。いや、本当に。

 この作品の様な企画を考える人はきっといたと思うんです。
 でもね、開発する事を考えると非常にハードルが高くて、踏み切る事が 出来ないとも思うんです。
 しかし、この作品はその企画をうまくまとめている希有な存在だと思います。
 これで「入魂してないよ」ってしれっと言われたら大抵のソフト屋さんは やる気失うんじゃないかと思うんですがどうですかね?



出かけよう
 何だか話がそれちゃったんで元に戻しましょう。
 この作品は8月1日〜29日の間にプエルコルダンという村で過ごす、 ただそれだけの目的を与えられて放り出されます。
 一応、プレーヤーはマリアねぇさんの手伝いをしにこの村にやって来た ワケなモンですから、普通にやるならばしっかりとマリアねぇさんを 手伝えばいいです。
 じゃぁ、普通にやらなかった場合はどうかと言いますと、説明書にも 記載されている様に、マリアねぇさんの堪忍袋の緒が切れない限りは 何をやってもOKになっているハズなんで、女の子をストーキングするなり、 友達とつるんで遊ぶなり、新鮮なフルーツ等を食いしん坊するなり、 毒っぽいキノコを頬張るなり、好きにすれば良かです。
 なんせ、時間が経って腹が減るのと眠たくなる以外は行動に 制限を与えるモノはコレと言ってありませんから。

 まぁ、かく言う私もマリアねぇさんの笑顔を見る為に一生懸命 パンの配達をして、流れるもうひとつの日常に見を委ねていたワケです。
 最初は何処に誰が、何処にどんな収穫物があるかわからなかった プエルコルダンの村も、あっちこっちと走り周るうちに文字通り庭と 化してしまいました。
 どこに行けば何が採れるか? あと何日でいくら採れるか?  あの人は今の時間帯は村の何処をほっつき歩いているのか?  働いているのか? 遊んでいるのか? 起きているのか? それとも 眠っているのか? そんな事がわかってくる。
 でも、全てを窺い知る事は出来ない。25名の村人達は独自の 日常を送ってはいるが、完全に同じ毎日を繰り返しているわけでは無く、 一定の法則に従って日々を送っている。
 それに従い、プレイヤーは神の視点では無く、村人達と同じ視点で、 いや、村の一員として生活する。
 そして、彼等の日常の一場面に立ち会う。
 きっとそれらは彼等には当たり前の事で、自分の身の周りにあるにも 関わらず見逃したり、慢性化して感じなくなってしまっているモノ。
 そんな性質のモノは当たり前の様に享受してしまって別に何とも 思わなくても仕方が無いのだ。
 でも、プエルコルダンにいる間だけでもその気持ちはそこに顕在化する。  だから出かけよう、プエルコルダンに! って、結局こんな締めか…



基本的な戯れ方
 さて、変な語りを入れてたら内容説明が全然出来てませんね。反省!

 プレーヤーは、叔父の家に住み込みでマリアねぇさんの手伝いをします。
 手伝いの内容は、パンの配達と材料の用意。
 パンの配達は、毎日4〜7人程度に直接手渡しし、材料は雑貨屋で 買ったり、村の周りにあるモノを採取、加工する事によって入手します。
 材料の調達の為に、マリアねぇさんはチップスと言われるお金を プレーヤーに預けるのですが、お釣はお駄賃としてもらえるので、 どれだけ材料を採取、加工するかがお金を溜めるポイントになります。
 とは言え、お金を溜めてもプレゼントを買うくらいしか無いんですが、 村人全員にサンタさんゴッコもできるんで、溜めまくるのも面白いでしょう。

 村人とのコミニュケーションの基本はあいさつです。
 あいさつは□ボタンですることができ、これだけで村人と仲良く なれます。やっぱ、あいさつは大切です。
 他のコミニュケーション手段は、採取したフルーツや花、もしくは 店で買った物をプレゼントしたりする事でもOKです。

 先程、特に目的は無いと言いましたが、やっぱりつくる側はガイドを 示す意味も含めて、恋愛の要素もからめて来ています。
 キーワードはズバリ初恋
 私は、チェインだけしかクリアしてないんですが、無垢な感情の交流 とでも言いますか、プラトニック以前の感覚? そんな感じを受けます。
 いま、ココを読んで「オレにはそんなん入れへん」とか思った人!
 そんな事はございません。
 プエルコルダンでは、プレーヤーはまだ子供です。
 村の大人は、プレーヤーを子供として扱い、ワルガキどもは仲間として、 女の子は同年代の男の子として、そして、もっと小さい子はお兄ちゃんとして プレーヤーを扱ってくれます。
 プレーヤーはただそれに順応すればいいだけです。
 子供の頃に、くだらない遊びをやって来た人ならだれしもそれを 思い出す事は可能では無いかと思うシチュエーションもあります。
 ダラダラと目的無くあたりを徘徊するなんてそれの最たるモノだと 思いませんか?
 逆に現役の子供の方が、この作品の世界には入りにくいんじゃないかとも 思います。
 年取った人間だからこそ解かるノスタルジーっつ〜んですか?  そういったモノが土台にあった方が楽しめる部分があると感じるんです。
 でも、こんな書き方すると幼児プレーみたいだなぁ…、根幹にあるモノは 大差無いのかもしれないが。



特にお気に入りなふたり
 キャラクタでどうしても紹介しておかなければならないのがふたりいます。
 ひとりはリリィ。パン屋コロッセオの向かいに済む雑貨屋ホロホロの 長女で、プレーヤーをお兄ちゃんと呼ぶおしゃまさんなのだが、この子の おしゃまさんぶりはハッキリ言ってオレ体験キャラ上では敵無し!
 この子とマリン川背さんとのコントは頬が緩みっぱなし、 っつ〜ワケで観れ! ブラジャ!
 余談ではありますが、最初にリリィの声を聞いた時「コレは丹下嬢がハマるなぁ…」と 思ったんですが、それは浅はかな考えでした。
 今はリリィの声は間宮くるみ嬢しか無いと断言できます。スッポリはまってます。
 そんなワケで、何となくゴメン!

 そしてもうひとりはフォルカー。彼はぶっちゃけた話、プエルコルダン版 スナフキンです。
 とは言え、ライフスタイルや醸し出す雰囲気がと前置きしなければなりませんが。 まぁ、なんつ〜か憧れです。



収拾付かないから強制的に締めるわ
 何か、関係無い事ばかり書いちゃいましたが、箱庭ソフトが好きな人やワーネバが あまりに自由すぎて駄目だった人なんかには面白いかな?

 ゲーム中の1日が約30分、フルで遊ぶと15時間程度かかるのが難といえば 難ですが、それに見合う楽しさもあると思うのでゼヒ。

first edition : 99/03/31
ひとこと よわむしがなく〜 まけいぬがほえる〜
はたらけはたらけ〜 ばしゃいぬのように〜
ぴしぴしぴし

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