データ |
タイトル | ロストカラーズ | プレイ時間 | 12時間程度 (クリア) |
機種 | Win | ストーリー | ★★★☆☆ |
ジャンル | 80年代風ADV | キャラクタ | ★★★★☆ |
メーカー | 自転車創業 | グラフィック | ★★★★☆ |
発売日 | 2003年 2月23日 | サウンド | ★★★★☆ |
定価 | 2,800円 | ソフトウェア | ★★★★☆ |
購入価格 | 2,800円 | ゲーム性 | ★★★★☆ |
総合評価 | ★★★★☆ | ||
お気に入り度 | ★★★★☆ |
本文 |
"色"のもたらす腐食を防ぐため、結界によってモノクロ化された世界"クアイス"。この世界にあって色を取り戻したものは腐食のキャリア、通称"カラーズ"として"処分"されている。 主人公"レアル"は騎士団"パレット"の団長である。閉じた世界におけるレアルの主な仕事はカラーズの処分。彼はその仕事が認められ(つまり英雄になるまで殺した)、皇女"スフライト"と婚約するまでに登りつめたが、皇位継承の儀をおこなう際、カラーズとなってしまう。 当然、処分を受けることとなったレアルであるが、スフライトの助けにより一命を取り留め、彼女の"そうすれば色を戻すことができる"という言葉を信じ、3つのANOSの回収を手伝うことになる。ここまでが導入。 今回登場するANOSは4つ。そのうちの3つは"無色の結界"を生み出しているもので、もうひとつはレアルがスフライトに与えられたもの。余談だが"あのす"で砕かれたモノの欠片らしい。 この中でも未使用のもの、つまり、レアルがはじめから持つANOSは従来の機能を有しており、作中でレアルが経験したことの蓄積とシナリオのバックトラッキング(選択肢までバックログ可能と思いなせぇ)を可能にしている。 で、物語中で蓄積した情報を使い新たな道を切り開くというのが本作の遊び。具体的には、"記憶管理"メニューで経験したことを"選択"すると、選択肢をはじめとした任意の位置で分岐が発生し、更に世界が広がっていく、という寸法。 本作ANOS3は、純然たるループモノであったANOS1、線形シナリオながら記憶管理を使い分岐を制御したANOS2のおいしいトコどりのシステムになっている。 具体的には、拠点を設置し、結界の外を"循環の世界"と定義、そこで起こった事象を記憶できないことにすることで、シナリオ全体は線形でありながら行動単位でループする、という仕組。 そのシステム内で、幾度となく循環世界に訪れ、得た情報を拠点でまとめ、時に結界内部を探索することで先が開けていく感覚は安定した楽しさを与えてくれる。しかし反面、詰まりやすさも孕んでおり、総当り的な側面を持っていることも否めない。 ここはバランス次第ではあるものの、個人的にはちょっと難解だったかも。それこそ詰まったら数時間、場合によっては数日間、先に進めなくなる程度には。 加えて、自転車創業ファンの行儀は良ろしく、"ズバリ"な攻略を避けて欲しいなぁ、というつくり手側のお願いを守ってるんで、その際の詰まり具合はより深刻。いや、それはそれで美談なんだケド、歯応えを求めない向きには厳しい現実。 シナリオもそうだがシステムも含めた"過程"を大事にした作品で、軟弱化して久しいアドベンチャーゲーム市場からすると明らかに"ロック"な作品。そういう観点からなら実に"らしい"仕上がりだろう。それゆえにストーリー云々を語る必要は感じない。いや、これも"らしい"オチだったとは思うが。 ただパッと見アニメ調のキャラやおちゃらけを中心としたキャラ立てに"ひよった"という印象も。それも突き抜けていれば気にもならなかったが、浮いてしまった感が強く、コレなら浮動産のような質実剛健を目指して欲しかったと。 逆に、謎解きの方向性はスゴい質実剛健でまさにロックなんだケド。それこそ80年代(アドベンチャーゲームの)精神に溢れまくっているので"そこにシビれる! あこがれるゥ!"ような人生を送ってないと新鮮過ぎて"スゴいね、ビックリだね"とうなることに。って、自転車創業を知ってるくらいなら後者ということはない、か。
first edition : 04/03/21
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ひとこと | ラスターや画面書き換えによる擬似アニメーションも懐かしめ。 |