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データ
タイトル モンスターサマナー プレイ時間 30時間以上
(104種収集完了)
機種 GBA ストーリー ★★☆☆☆
ジャンル モンスター収集RTS キャラクタ ★★★☆☆
メーカー ERTAIN グラフィック ★★★★☆
発売日 2004年07月15日 サウンド ★★★★☆
定価 5,000円 ソフトウェア ★★★★☆
購入価格 4,500円 ゲーム性 ★★★★☆
チビキャラ ★★★★★
総合評価 ★★★★☆
お気に入り度 ★★★★☆

本文
 あえてミもフタもない表現をすると、モンスター収集要素を付加したシンプルなRTS(リアルタイムストラテジー)となる。

 が、この場合の"シンプル"とは決して"劣化"の意味ではなく、携帯機の性能にあわせた推敲といえるだろう。

 なんせ1戦闘にかかる時間は短いときなら3分、長くとも30分程度。ひとつふたつのつばぜり合いで勝敗が決まるサクサク構成。更にいえば戦闘開始前のデッキ構築で戦局がほぼ決まる詰め将棋的なゲーム性なんで、複雑そうだからという理由でRTSを敬遠しているような人にうってつけ。



 このデッキは画面上に表示されるキャラクタ(の種類)を制限するための仕組みでもあり、登録できるユニットはレベル1を1種、レベル2以下を2種、レベル3以下を2種の計5種。レベルは強さの指標みたいなモンで、数値が大きいほど強力かつ鈍重な傾向がある。

 当然対戦相手もこの制限を受け、基本的にデッキがオープンであることから、ストーリーモードのゲーム性のほとんどは対策デッキの構築となる。思い通りに戦局が運べばしてやったり、そうでなければぐんにゃり。ここを楽しいと思えれば本作をプレイする価値は充分にあるといえる。

 ユニットは召還コスト(MP)や速度、竜・魔・獣の属性、歩行・飛行・水上といった移動能力、物理、魔法、直接・間接、炎・氷・雷・地といった攻撃方法、それらに対する耐性を組み合わせてバラエティを出しており、その総数はなんと104種類。

 もちろんそれらが一堂に会することはないが、それでも画面上には10種40体(max.50強?)を越えるユニットがゴチャキャラバトったりはする。



 戦闘の流れは、基本的にマスターがMPを代価にジェネレーターからユニットを召還し、チームごとに進軍。中立や敵軍のジェネレーターを確保しつつ、勝利条件(敵マスターの戦闘不能、特定地点への移動)を満たせばクリア。

 この際、ジワジワと溜まるAPを空いているジェネレーターに突っ込み、モンスターやジェネレーター自体を強化することも可能、というか防戦のときは結構必須。

 と、数行で説明が付くシステムはシンプルというに相応しいが、ステージごとのバリエーションは結構豊かで、かつ全体のバランス調整もしっかりしている(機族(ゴーレム系)やカラス子天狗の性能には考慮の余地がありそうだが)ので問題はない。というよりむしろこの程度まで絞り込んでくれた方がコンシュマーゲーマー的には嬉しい。

 また、ユニット持ち越しでの2周目はユニット能力のイニシアチブでガシガシ進むもヨシ、強力なユニットを封印して苦戦するのもヨシといったアンバイ。2周してユニットをコンプリートすると(受身では)やることがなくなるが、それまで30時間程度は存分に遊べるだろう。



 とまぁ、佳作というに相応しい仕上がりだと思うのだが、いくつか残念な点もある。特にイラストは味がありすぎて敬遠する人間が続出した(そもそもそこまで人がいねぇとかは言わない約束)ことは想像に難くない。プレイしてると意外とスグに慣れるんだが…

 このあたり、2Dであることを強調しながらイラストやグラフィックがギャフン気味だったちっぽけラルフに似てるなぁ、とか思ってたら制作はnew関係であまつさえラルフのスタッフいる始末。この事実から、アーティンってグループの儲けで趣味のソフトをつくる会社? な〜んて思っちまったわ。

 話を戻そう。そのイラストのギャフン具合を除けば他は結構いい感じ。眺めているだけで嬉しくなるようなチビキャラ、あからさまにスーファミ時代の響きがするサウンドはオッサンのハートをゲット。ちょっとばかりオウガ好き好き光線が眩し過ぎるが、そりゃご愛嬌で。



 1戦闘が短いとはいえ途中セーブ機能がない、攻撃されることでスィッチが入り逃げを忘れるCPU、デッキのメンテがやや面倒、テキスト下端の処理が雑、老人の顔がせっかくだからか赤すぎる、など気になる点がないわけではないが、決定的な問題点でもなく、基本は前述のように丁寧につくられた佳作。

 サックリ短時間で遊べる上、勝利の快感やモンスターの増加といった細かい見返りがあるので最後まで飽きずに楽しめる。最初の方で述べたようにRTSを遊んだことがないなら入門用として充分に応えてくれるだろう。って、ワタシも実はRTSは敬遠派なんで本格的というのがよくワカランかったりするのが、トホホというやらヤレヤレというやら。

first edition : 04/08/30
ひとこと やや小粒なれど美味。結構オススメ。赤い爺さんにトラウマがなければ。

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