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データ
タイトル 神の記述 プレイ時間 10時間程度?
(クリア)
機種 GBA ストーリー ★★☆☆☆
ジャンル カードバトル キャラクタ ★★★☆☆
メーカー コナミ グラフィック ★★★☆☆
発売日 2002年 3月28日 サウンド ★★★☆☆
定価 5,800円 ソフトウェア ★★★☆☆
購入価格 2,480円 ゲーム性 ★★★★☆
総合評価 ★★★☆☆
お気に入り度 ★★★☆☆

本文
 もったいない。今回、この言葉にはふたつの意味があって、ひとつはゲットバッカーズ関連ゲームとして発売されたこと、もうひとつはCPUアルゴリズムの練り込み不足。

 前者は別にゲットバッカーズを貶めているワケではなく、純粋にキャラゲというくくりは、ソレに興味のないものにとっては足かせにしかならないということ。特に本作のようにただのタイアップのクセに広報でそれをウリにした場合は。

 後者はコンピューターゲームとしては致命的で、それこそ序盤のカードを組み合わせたデッキでエンディングまでいけてしまう。これはひとり遊びを前提にしている人間にとっては激しいマイナス。逆に、カートリッジが安価で入手できるならリアルカードを入手する必要や場所を確保する必要がないという利点はある。



 ゲームルールは陣取りカードゲームとでも言おうか。原則を簡単に述べると以下のようになる。

 移動力1のヘックス分、要は7つの土地がプレイヤーそれぞれに与えられ、そこで攻防をおこなうことになる。

 土地にはひとつにつきひとつのテリトリーが置け、これが主にカードの使用条件に影響を与える。これをサポートという。例えば赤1のサポートを持つテリトリーを置けば赤もしくは無色1のユニットやアイテムが使用できるという感じ。テリトリーは相応のコスト(AP)を支払うことで置換でき、このときサポートが切れたユニットやアイテムは破棄される。そのため、ゆとりのない行動はかなりのリスクを負うことになる。なお、サポートのカラーは4色+無色の計5色が存在する。

 カードはサポートを満たし、なおかつ必要APを支払うことではじめて使用できる。APは毎ターン5ずつ与えられ、テリトリーの配置やユニットの召還、移動、敵陣への転送その他もろもろの行動に使用する。カードの中には相手の行動に割り込むことができることもあるため、自分のターンをどれだけのAPを残して終了するかも駆け引きの重要なポイントとなる。

 カードのドローはターン終了後に自陣にいる自軍ユニットの数だけ補充されるほか、自ターンに1のAPを支払うことで1枚補充が可能。ただしターン終了時に5枚を越える分は破棄しなくてはならない。なお、デッキは40枚のカードで構成されライブラリアウトはなし。カードがなくなると破棄されたカードがシャッフルされ再度積まれる。

 勝敗はVPと呼ばれる数値が10を越えると可能な勝利宣言によって決まる。この勝利宣言をおこなうと相手のターンとなり、その終了後にVPが多い方が勝利となる。故に数ポイントの差では負けてしまうこともあるのである程度の防御手段と読みは必須。

 VPは戦闘で勝利した場合に破壊したユニットおよび装備アイテムから得られるほか、自ユニットが敵陣にいる状態でターン終了した場合にユニット数×2を得ることができる。

 敵陣への侵攻はユニットの転送によっておこなわれ、転送先は鏡合わせの土地になる。

 戦闘はふたつのユニットが同一の土地にあるとき起こり、結果は瞬時に反映される。計算は至極簡単で双方の攻撃力が相手の体力から引かれる。で、体力がなくなると問答無用で破棄、引き分け場合でも侵攻側のユニットが破棄される。



 とまぁ、文章にするとよく分からないだろうが、ルール自体はよくできているのではないかと思う。特に使用条件とコストの分離、VPと勝利宣言の採用に関しては他のカードゲームと違う思考、興奮を与えることに成功している。

 ただ、それだけにCPUの弱さが悔やまれる。特にコレがはじめての神の記述である場合、せめて中級者レベルまでは楽しめる、ドラマの発生するようなアルゴリズム、デッキを実装して欲しかった。

 それなのに初期デッキに毛が生えた程度のデッキでもカードの引きがとてつもなく悪いときしか負けることがないというのはいくらナンでもお粗末。そのくせこなさなければならない対戦数が多いのも激しいマイナス。



 まとめると、ゲームルール自体はオススメできるがゲームとしては単純作業になるのでオススメできない、ということになる。しかしながらリアルカードなしで各データの整理をやってくれるというデジタル対戦ツールとしては優秀だといえる。

 よって、興味のある人間とGBA、カートリッジ各2と通信ケーブル、カードを集める労力さえあれば、コンパクトで経済的な対戦環境といえなくもない。もちろんGBAは既に持っていてカートリッジは投売りで購入、という前提で。まぁ、対戦しまくるつもりならカートリッジくらい定価購入でもいいケド。

 もしくはルールに興味があるなら、その理解のために、というのもアリだろう。これならわざわざクリアせずとも序盤のみでモトはとれるハズ。

 う〜ん、いろいろ惜しいなぁ…

first edition : 03/10/02
ひとこと 自動化という意味ではゲーム機向けのカードゲーム。ルールはチェックする価値アリかと。

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