データ |
タイトル | DT Lords of Genomes | プレイ時間 | 20時間以上 (カード171種類) |
機種 | GB(カラー対応) | ストーリー | ★★★★☆ |
ジャンル | カードゲーム | キャラクタ | ★★★★☆ |
メーカー | メディアファクトリー | グラフィック | ★★★☆☆ |
GAME STUDIO | サウンド | ★★☆☆☆ | |
発売日 | 2001年 5月25日 | ソフトウェア | ★★★★☆ |
定価 | 4,500円 | ゲーム性 | ★★★★☆ |
購入価格 | 4,500円 | 総合評価 | ★★★★☆ |
お気に入り度 | ★★★★☆ |
本文 |
携帯ゲーム機がGBからGBAに世代交代をしていた頃、比較的ひっそりと発売された本格カードゲーム。もとは64DDとの連動が予定されちたのはちょっぴり有名な話。 現在でもiモードで商品展開がされており、公式掲示板や2chのスレを追っている限りでは、発売2年以上が過ぎた今も新旧のDTマスターが多数存在している(ようにみえる)ことからカルト作品であるといえよう。 ゲームの方はGBという貧弱なハードで再現するにはかなりの本格派。実のところを良く知らんのだがマジック系といっていいだろう。 プレイヤーたるDTマスターは自ターンにデッキからカードを引き、セルを場に出し、そのコストを払ってユニットを生成/強化後、ユニットのスピード順に攻撃を実行する。このときコストが残っていればバトルカードを使い戦闘に介入できる。なお、コストはターン終了時にリセットされるので出し惜しみをする必要はない。 カードはセルやユニット以外にエキップ、エフェクト、バトルといったものがあり、ユニットの強化、直接攻撃、バトルフェイズにおける一時的強化など総計にして200種類以上が存在する。 ちなみにセル(属性)は7色(種類)存在し、無色以外はカード使用コストに影響するため2色程度でデッキを構成するのが無難とされている。 勝利条件は相手マスターのCP(体力)が0になるかライブラリアウト(デッキを使い切ること)。敗北条件はプレイヤーの(以下略) デッキは40枚のカードで構成され、手札は7枚。回転はターンのはじめに手札を捨てることで早めることができるが、同時にライブラリアウトの危険もともなう。このあたりのバランスはナカナカいいアンバイ。 CPU対戦をヌルくプレイした程度での感想で恐縮だが、全体的にややカウンター系のカードが少ない印象を受けた。どちらかというとユニットの強化やバトルカードの使い方に重点を置いたつくりかと。 速攻デッキをつくると1プレイの時間は短く、仮に膠着状態に陥ってもライブラリアウトが比較的早めなんで泥仕合になるほどではない。そういう意味では携帯機らしい仕上がり。 ただ、携帯機というか非力な8Bit機であることからCPUがあまり賢くないので、1人プレイではやや食い足りないのも事実。そこはストーリーやカード収集、コンセプトデッキの作成など積極的に楽しむ姿勢が必要になる。 ストーリーを楽しむもヨシ、フリーバトルを繰り返すもヨシ、本作最大のウリであるハイパーテキストにより紡がれる世界を堪能するもヨシ。方向さえ決めてしまえば比較的楽しみの幅は広いといえるだろう。 そもそもDTとは、宿主細胞で特殊な酵素を生成する寄生ナノマシン。これを操る宿主はDTマスターと呼ばれDTセルを用いメモリーセルからユニットや兵器を生成したり、ときには自然現象までも(擬似的に)再現できる能力を有する。 カードには対象に関するエピソードやウンチク(ハイパーテキスト)が記述されていて、それらが複雑に重なり、絡み合いストーリーを紡ぎ出している。その膨大なテキストからピースを探し集めて時に推論を交えて読み解いていく作業は好きな人には堪らないだろう。 ストーリーモードにしても推奨年齢高めな内容で、いきなりできたばかりの彼女があっけなく死ぬというトばしっぷり。もちろんその死は物語に大きく関係していて、決してただ死んだというワケではないが。 ここで描かれている薔薇6号事件は、序盤のカード収集手段でありながら、ハイパーテキストのひとつでもあり、作品構成として実に面白い形式をとっている。 ゲームモードはベーシック、プライマリといったカードバトル以外にじゃんけんをモチーフにしたカードファイブというモードがある。 文字通り開示された5枚のカードを使い相手が次に出すカードを予測しながら進める戦略性の高いゲームだが、ルーレット形式でいくらかのランダム要素が加わるため決して作業にはならない。 2〜3分程度で1ゲームが終わり、勝てばカードが手に入る仕組みで、そのお手軽さからついついプレイしてしまう魅力がある。CPU戦では相手にあわせたカードを選べばほぼ勝てるので気持ち良く遊べるのもポイント。 また対人戦では激しい読み合いが展開され、誰でもスグに楽しめることから、本編よりも盛り上がってしまう可能性もあったり。 単純にゲームとして見た場合、携帯ゲーム機のシステムとして、またその入手難度からカードヒーローにはとてもかなわない。反面、比較的本格的なカードゲームをリアルカードなしで対戦できるのはコスト面で優秀だといえる。また、ゲーム全般、特にカードファイブやテキストを読む行為は短時間に自分の都合でおこなえるので、電車通勤などに最適でもある。 他のカードゲームとの住み分けにしても、任天堂の、しかもお子様向けハードであるGBで残酷表現に挑戦したという点で歴史的に面白い作品だといえるだろう。そういう観点で興味があるなら保護しておくことをオススメする。カートリッジ2本と同レベルの対戦相手が揃えば文句ないが、比較的安価で入手できるので気軽に保護するのもアリだろう。
first edition : 03/09/01
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ひとこと | より本格的なルールで強力なCPUと対戦してみたいところ。 |