データ |
タイトル | トレード&バトル カードヒーロー | プレイ時間 | 凄く |
機種 | GB(カラー対応) | ストーリー | ★★★☆☆ |
ジャンル | カードゲーム | キャラクタ | ★★★★☆ |
メーカー | 任天堂 | グラフィック | ★★★☆☆ |
発売日 | 2000年 2月21日 | サウンド | ★★★☆☆ |
定価 | 3,800円 | ソフトウェア | ★★★★★ |
購入価格 | 1,480円 | ゲーム性 | ★★★★★ |
総合評価 | ★★★★☆ | ||
お気に入り度 | ★★★★★ |
本文 |
いや、非常によくできてますよ、このゲーム。 私はこのご時世において、カードゲームには無知で、やったといってもカルドセプトが せいぜいという人間なんですが、それでも充分に楽しめましたから。 # って、カルドセプトは純粋なカードゲームじゃないし… ゲームの内容は、110種類あるカードのなかから20or30枚でデッキを作成し、 タイマン勝負をするというもの。 勝負は3戦のうち2戦を勝利したものが勝ち。 勝利条件は、相手プレーヤーの分身たるマスターのHPを0にすること。 敗北条件は、自分の分身たるマスターのHPが0になること。 ゲームはターン制で、1戦目と3戦目の前には先攻後攻を決めるじゃんけんを おこないます。 対戦形式は、基本的にジュニア、シニア、プロの3種類で、それぞれ、マスターの HPとデッキ枚数、使用できるマスター(=技)の種類が違います。 また、マスターの種類は守備重視のホワイトと攻撃重視のブラック、ローテーション とバウンシールドという技を主体としたワンダーの3種類があります。 # ジュニア:HP 3、デッキ20、マスター使用不可 # シニア :HP 5、デッキ20、ホワイト、ブラック # プロ :HP10、デッキ30、ホワイト、ブラック、ワンダー 手持ちのカードは6枚までで、それ以上になった場合は使うか捨てるかの2択。 ドローするカードがなくなった場合は、その場で引き分けとするか、決着をつけるかの 選択になります。 # さらに手持ちのカードが無くなった場合は…、たぶん引き分けでしょうね # ブラックマスターならそこからでも勝てますが、サテ? 手持ちのカードは、毎ターン3つずつ補充されるストーンを消費することで場に 配置することができます。 # ストーンは、他にも相手マスターから奪い取ったり、マジックで増やしたり、自分の HPを犠牲にしても得られます。 配置できる場所は、マスターの左右および左後方、右後方の4ヶ所。 マスターは最前列中央という攻撃を受けやすい場所にいますが、攻撃力2までの攻撃を 無効化する能力があるため、そうそうダメージは受けません。 主だったユニットの攻撃力は2以下に設定されているんで、マスターにダメージを 与えるには、レベルアップによる攻撃力の強化やストーンを消費する必殺技の使用、 もしくはマジックカードの使用による補助や直接攻撃が必要となります。 また、ユニットには前衛、後衛の種類があり、それぞれに適した位置にいないと その能力を発揮できないため、様々な方法で自分/相手のユニットの位置をずらすことも 重要になります。 さらに、ユニットはレベルが変動し、能力がかわるときにHPが全回復しますし、 高レベル時にスーパーカードというものを使えば、一発逆転が可能なほどの攻撃力を 有することができます。 要は、ストーンを蓄え、的確にユニットを配置、レベルアップさせ、特技や魔法を 駆使して相手マスターを打ち倒すゲームなのです。 このゲームで、私が一番感心したのは、そのシンプルさです。 そのルール自体もそう複雑なものではないのですが、それ以上に数値の扱いが非常に シンプルなのが印象的です。 まず、マスターのHP。 これは、多くても10まで、最低3という少なさ。 次に、ユニットのHP。 これも最低では1、最高でも6程度。 更に、ユニットの攻撃力。 これは、最低では1、最高でも8程度。 これらの数値が、加減算だけで全て計算できるのですから。 確かにデッキの構成をおこなう場合は、数学レベルの能力があった方が良い でしょうが、基本的には加減算のみ。 このシンプルさは、ファイアーエムブレムの制作会社であるISならではという ところでしょう。 # スタッフは違うでしょうが。 また、チュートリアルの親切さも特筆モノでしょう。 これは、最近の任天堂販売の作品に良くみられる傾向ですが、ストーリーモード自体が チュートリアルを兼ねているというヤツです。 そのため、一本道感覚や、入手カードがあからさまに操作されているのが気にかかる こともありますが、少しずつステップアップしながらルールや闘い方を覚えることが できるのですから、それは仕方ないことですね。 こういった対人対戦を前提につくられているゲームに私が求めることに、「単体の ゲームとして、CPUと闘っていて面白いか?」というものがあります。 特にこのようなカードゲームにおいては重要視されることですが、このゲームは その点においても見事にこたえてくれています。 本作のCPUは、定石を教えてくれる師匠であり、手ごわいデッキを使うライバルで あり、時には自分の思考の範疇を越えるドラマティックなコンボの使い手であったり 様々な役割や展開をみせてくれます。 そのために、カードがある程度集まるまで、そして集まった後も緊張感をもって 闘うことができます。 # 必勝デッキとか組めれば別ということですが。 まぁ、このようによくできたゲームではあるんですが、不満がないわけではありません。 特に大きな不満は、GB共用であることによる処理のもたつきです。 これは商売上仕方がないとはいえ、本作のプレイアビリティを徹底的に下げている ことは間違いありません。 ひとつひとつのレスポンスの微妙/強烈な遅延はストレスの原因や操作ミスを招き、 せっかくの面白さを(一部では在りますが)損なう結果となっていました。 これは、できればCGB専用にしてほしかったところですね。 また、キャラデザがあまり可愛くないのと、メッセージに毒が混じっているのも いただけません。 前者はおもくそ主観で、他の人がみれば違った感想を持つかもしれませんが、 それでも、あの絵柄ではドットに落とすのは楽かもしれませんが、メディアに載せる 場合に人目を惹かないんじゃないでしょうか。 後者は多分少しプレイしてもらえばわかるんですが、読んでいて気分が滅入るような メッセージが平気で書かれているのはちょっと… パソコンを調べて「パソコンです。インターネットは できません。」みたいに 意味がないくせにやたらとダウナーなメッセージを読まされては、ねぇ… このテイストはゲーム全体を覆っていて、正直いって、あまりいい気分はしません でした。 ポケモン等の王道路線との差別化のためかもしれませんが、少なくとも王道路線の方が 数段似合っていたと思います。 基本的なストーリーが王道路線なんですから、変に逸れない方が良かったと思います。 あとは、エンディング後のカードを収集/合成するための作業がツラいですが、 それはしょうがないですからあきらめるしかないですね。 先に2度もいいましたが、このゲームはホントに良くできています。 ゲーム本編全てがチュートリアルという間口の広さと、短時間で1対戦が終わる バランスで、まさに携帯機のために存在するようなゲームなんで、1日のあいだに ちょっとした空き時間ができる人に特におすすめできると思います。 # まぁ、頭を少しでも使うゲームは好かんという人には別ですが…
first edition : 00/11/28
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ひとこと | カードコンプへの道はまだ見えず。 |