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データ
タイトル スウィートホーム プレイ時間 失念
/クリア
機種 FC ストーリー ★★★★★
ジャンル 洋館脱出ホラーRPG キャラクタ 評価対象外
メーカー カプコン グラフィック ★★★★☆
発売日 1989年12月15日 サウンド ★★★★☆
定価 6,500円 ソフトウェア ★★★★★
購入価格   980円 ゲーム性 ★★★★★
総合評価 ★★★★★
お気に入り度 ★★★★★

本文
 ゲームで初めて恐怖(マジビビり)を体験したのはいつか?

 私の場合、後のバイオハザードの原点でもあり、洋館脱出モノRPGの金字塔でもある本作をプレイしたときだと記憶しています。

 正直、映画の内容がショボく、みどころが派手なだけの下品なスプラッタシーンという現実は、原作付きタイトル=クソゲという図式が成り立っていた当時においてどれほどのハンデになったか想像もつきません。

 しかし、そういった中で本作は、オリジナル(この場合は映画)を見事に消化し、あまつさえゲームとして昇華させた稀有な作品だといえます。

 本作の内容を簡単に説明すると、洋館(間宮邸)という決して広くはないマップに有限個数のアイテムを配置し、5人のキャラを最大3人までのパーティに分割しながら、お互いの進路を確保して進んでいく、トップビューのパズル&サバイバルRPG。

 ファミコン時代の作品らしく、様々な理屈を放り投げたシステム至上主義の漢らしい作風。

 間宮邸は非常に入り組んだ形状をしており、プレイヤーはパーティ構成やキャラ固有アイテム、館内に配置されているアイテムを駆使してゲームを進行させることになります。

 汎用アイテムの所持数は、武器1つとその他2つ、合計3つのみ。

 よって、イベントアイテムを持ち歩くために回復アイテムを置いていかなければならなかったり、消費するのみで補充されないアイテムの使用に頭を悩まされることになり、特に私のような貧乏性の人間は心理的にかなり追い込まれることでしょう。まぁ、実際はかなり余裕があるんですがね。

 また死んだキャラは当然生き返らず、不利な状況が更に不利な状況を生み出していきます。

 ちなみに固有アイテムには誰でも使用できる代替アイテムがあるので手詰まりになることはありませんが、当然そのアイテムを持ち歩く必要がでてきます。

 戦闘では、あるパーティがなかまコマンドを使うことで他のパーティに制御が切り替わり、合流することで共に戦うことができます。

 よって、複数のパーティが寄り添うようにして移動しているうちは安心ですが、逆に別行動をとらなければならなくなったときの不安は計り知れません。

 恐怖の演出は他にも多く存在し、例えば重苦しい音を立てて開く扉、徐々に真実が見えてくる日記、突然起こるポルターガイストイベント、淡々と大きくピッチを上げて鳴るエンカウントSEなど様々。

 これらのいくつかはバイオハザードに受け継がれているのは興味深いところでもあります。

 ここまでは前面に恐怖を押し出して書きましたが、本作の物語自体は非常に悲しい終焉を迎えます。

 これは紙の上ではチープこの上ない物語ですが、実際にプレイすることによってもたらされるゲーム媒体ならではの感情。

 それこそ貧弱なファミコンというハードで、そしてファミコンというハードだからこそ心を掴むことができたのではないかと考えます。

 この感想を書いている時点で本作は既に過去のもので、プレイすることはナカナカかなわないと思いますが、ゼヒとも一度システムとその優秀な演出に触れてみることをオススメします。

first edition : 98/11/12
rewrite : 03/01/15
ひとこと ゲーム史的にもちょっとした1本であろう。

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