データ |
タイトル | マリオネットカンパニー | プレイ時間 | 24時間程度 /クリア |
機種 | DC | ストーリー | ★★★☆☆ |
ジャンル | ロボっ娘コンストSLG | キャラクタ | ★★★★☆ |
メーカー | マイクロキャビン | グラフィック | ★★★★☆ |
発売日 | 1999年10月17日 | サウンド | ★★★☆☆ |
定価 | 6,800円 | ソフトウェア | ★★★☆☆ |
購入価格 | 6,800円 | ゲーム性 | ★★★☆☆ |
ロボフェチくん具合 | ∞ | ||
総合評価 | ★★★☆☆ | ||
お気に入り度 | ★★★★☆ |
本文 |
突然ですが、あなたはロボフェチくんですか? 私はロボフェチくんです。 さて、いきなり脱力系カムアウトから始まったワケですが、それもそのハズ、 このマリオネットカンパニーはそういった歪んだ性癖を持った人間を メインターゲットにした作品だからです(断言) 物語の舞台は昭和40年代の日本を思わせるたたずまいをみせる近未来。 マリオネットと呼称されるアンドロイドが当たり前の様に存在する夢の様な世界。 主人公は、かつてマリオネット技術者を目指したことがある以外は、しがない サラリーマンの見本みたいな青年。 その主人公が廃棄されたマリオネットと不思議な出会いをする場面からこの物語は 始まります。 # この設定は卑怯だよぉ… 何故かそのマリオネットを放っておけなかった主人公は、師匠であり マリオネット技術者界の権威でもある天徳ゆうきのもとへ駆け込みます。 そしてゆうきの助言を受け自分でマリオネットの修復を行う事になりました。 半年後、見事にアンドロイドを蘇らせた主人公はひとつの挑戦を始めます。 アンドロイド技術者になる。その夢に対する挑戦を… ゲームの期間は10月1日から3月31日までの半年間。 その間にマリオネット技術者になる為の技術を身に付けつつ、件のマリオネットを 成長させる事が目的です。 このゲームには多くの数値情報があるのですが、システム上で本当に重要なのは 主人公の技量をあらわす工学レベルとマリオネットの人間らしさをあらわすKIZUNA値の2種類だけです。 前者は主に天徳ゆうき紹介によるパーツ作成のアルバイトで上昇させる事ができ、 後者はマリオネットとのコミュニケーションやイベント発生により上昇させる事が可能です。 こうして得た工学レベルと資金でエレメント(パーツの材料)を購入し、パーツを 組み立て、マリオネットに組み込む事でKIZUNA値の上限を上げる事ができます。 # 他に主人公の賃金(の一部)も資金になります。 もちろん、パーツを換装すればKIZUNA値の上限だけでなくマリオネットの 基礎能力を上げたり特殊能力を身に付ける事ができ、これはマリオネットにバイトを させる時の条件や賃金に反映されます。 さて、これだけを読んだだけなら結構単純そうに思えるかもしれませんが、実際の所は そうでもありません。 というのも、昨今のゲームが標準装備している親切な導入やシステムの説明と いったものが全く無しでスタートするからです。 他はそうでも無いんですが、マリオネットのパーツに関する数値情報があきれる 程あって目が回りそうになります。 # 大海に筏で放り出される…、ってヤツね。 なんせ全身で20箇所以上、種類にして100種を越えるパーツが存在し、 それぞれにエレメントの組み合わせが存在する上に、光沙(秋葉原みたいな町)に 足を運びさえすればそのエレメントが最初から買える状態にあるもんですから。 当然、資金も工学レベルも足りない序盤にできる事は限られているのですが、 この半端じゃない情報量は正直言って途方にくれます。 確かにゲーム開始間もなくKIZUNA値が頭打ちになり、これがパーツ作成の導入に なってはいるのですが、これだけでは不親切すぎます。 ただ、これはプレイした結果というより最近のゲームと比較して出てくる意見で、 このゲーム単体として問題視するかは微妙なところです。 しかし、だからといって「じゃぁ、別にいいやん」と言えるかって〜とそうでもなく、 実は前述の最初から全ての情報が与えられているという事の方が仇となるのです。 というのも、ヌルくプレイしたとしてもゲーム中盤には全てのパーツが作成可能& 組み込み完了している始末で、以降はパーツ作成の意味の多くが喪失するからです。 このバランスの悪さは他の部分にも言え、まずゲーム中盤にパーツ組み込みができる という事は、すなわち主人公の工学レベルが極まっているという事を示しています。 しかも、もうひとつの育成パラメータであるKIZUNA値もパーツ組み込みが済めば 程なく最高値まで上り詰めてしまいます。 これはゲーム期間の半分ないしは2/3で育成の必要が無くなり、残りの期間に 退屈な作業以外を残さないという最悪の結果を引き起こしています。 # もう残りの半分が苦痛で苦痛で… さて、このゲームには誉めるべき点も多いのですがその前にもう少し意見します。 まず前述のパーツ数の多さがイベントの発生条件やバイトの雇用条件にしか 利用されていない事が挙げられます。 これはマリオネットをミニ四駆やAT互換機の様にカスタマイズするという 自由度を喜びにまで昇華させる事に失敗している事を示しており、もうひと工夫 必要だったと考えます。 次に、光沙のパーツショップに入った時にエレメントの質が変動するのは問題です。 # エレメントにはA〜Eの5段階があり、これが入店時にランダムで決定する。 欲しいエレメントが欲しいランクになるまでパーツショップ入出店を繰り返すのは ストレスが溜まるだけで、なぜこんな腐った仕様にしたのか理解に苦しみます。 書き忘れていましたがこのゲームでは何か行動をする度に一定の時間を消費します。 で、帰宅や就寝までの時間をマリオネットとのコミュニケーション、光沙での エレメント購入、パーツの設計〜作成〜組み込み、主人公やマリオネットのアルバイト、 そしてそれぞれに必要な移動に使用する事になります。 さて、この時間の概念ですが、これはハッキリ言ってもっと簡単にできたハズです。 最小単位を15分として時間の使い方をユーザーに委ねるには、ゲーム期間の半年は 長すぎるのです。 もっと時間の使い方を大雑把にしてシステマチックにする必要があったと思います。 例えばパーツ作成パートとコミュニケーションパートを完全に分離したり、平日と 休日で時間の意味をガラっと変えたり、時間の流れを1週間単位にするとか、いくらでも やりようはあったはずですから。 次に、このゲームに登場するサブヒロインのひとり青嶋英子について。 この女性、主人公が昔付き合っていたという設定なのですが正直言って必要無し! ストーリーにほとんど干渉しないくせに後味の悪いエンディングだけが用意してある ってゆ〜半端さで浮きまくりです。 開発途中には何らかの意味を持っていたのかもしれませんが、ここまで存在価値が 無くなっているのなら消してしまってよかったと思います。 最後に思ひ出アルバムについて。 これはいわゆるイベントCGビューアなんですが、こいつが再プレイの意思を徹底的に 挫いてくれたんですよ。 というのも、ここに登録されるのは見た事のあるCGだけなんです。 いや、これだけなら当たり前の話なんですが問題はこの先。 実は、このゲームではマリオネットの髪の色、胸のサイズ、服を変える事が 可能なんです。 # ちなみに髪が3種、胸が3種、服が3種。 で、本当に見た事のある髪、胸、服の組み合わせしか登録されない…、と。 服や胸に関しては反映されないものもあるんですが、それでも1枚のCGについて 27パターンあるんですよ。 一応、セーブした時点でそれまで見たCGをアルバムに登録する様ですが、それでも 全てのCGを集めるには時間と手間がかかり過ぎ、少なくとも私のやる気はここで 消失しました。 ここはもっと寛容に、一度見たCGの全ての組み合わせが閲覧できる様にすべきだった ハズです。 ただでさえイベントCGが多いゲームなんですから出し惜しみする必要なんて どこにもありませんから。 さて、ちょっとのハズがかなり長くなっちゃいましたね… # バランス以外は無視してもいいんですがね。 で、次は誉める番なんですが、誉めるってもそんなにたくさん書くべき点があるって ワケでもありません。 って、いきなりダメ出ししているのかと言えばそうでは無く、大きな部分がそれぞれ 非常に良いって事が言いたいんですよ。 まず、そのベタベタな設定(最大限の誉め言葉) その中でも特に、感情の芽生え、人間との違い、死の概念の習得といったアンドロイドモノの古典ににのっとったストーリー運びやイベントの数々をしっかりと 盛り込んでいる点は好感が持てます。 また、マリオネットの空想する乙女が入りまくったキャラを活かす描写を多く 盛り込んでいる点も得点高いです。 # その乙女度は神崎あかり@大運動会を凌ぐ程。あと、乙女と言っても40歳ではありません。 なんつ〜か、オレもこんなアンドロイドに振り回されたりタックルされたり、キスを強制されてみたり、膝枕されたり、裸エプロンされたり、胸を触診したり、 (いつもの如く以下22行を削除)
マリオネットの声についてもときメモ2で楓子をあてて見事ブレイクを果たした(?)前田千亜紀嬢があてており、キャラとのシンクロ率が高い上におたんち〜んを筆頭とした 迷セリフの数々にクラクラモノです。 # 前田千亜紀嬢は英雄志願からの繋がりかな? その他多くも含め、様々な要素がこのゲームのイベントを本来以上に輝かせている事は明白で、その点は高く評価する事ができます。 また、バランス面での問題点で触れていますが、マリオネットをカスタマイズしていく 行為自体は非常に良い要素なんで、これを発展させたシステムの登場を強く望みます。 つ〜わけで、私のオススメする遊び方は、一度だけ、攻略本を見ながら、効率的に 望みのイベントを回収して遊ぶ事です。 おそらく一度クリアしたら2度目をやるのは苦行になるかと。私が根性ナシなだけかもしれませんが。 最後にひとこと、アンドロイドなら裸にしても大丈夫って前例を作った事は偉業です!
first edition : 00/03/19
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ひとこと | 続編に超絶期待! |
用語 |
■アンドロイド 人間そっくりのロボット。 ■ロボット 複雑精巧な装置による人工の自動人形。人造人間。 ■フェティシズム 性的倒錯の一種。異性の衣類・装身具などに対して、異常に愛着を示すこと。 ■〜くん 同輩または同輩以下の人の氏名の下に添える語。 例)兄くん ■ロボフェチくん アニメーション作品、アンドロイド・アナMAICO2010に登場した伝助。 転じて、アンドロイドを恋愛対象とできる性倒錯者の愛称。 |