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データ
タイトル 久遠の絆 再臨詔 プレイ時間 20時間程度
/万葉TRUE, 再臨詔クリア
機種 DC ストーリー ★★★★★
ジャンル 輪廻NVL キャラクタ ★★★★★
メーカー F・O・G グラフィック ★★★★★
発売日 2000年 5月18日 サウンド ★★★★★
定価 5,800円 ソフトウェア ★★★☆☆
購入価格 5,800円 ゲーム性 ★☆☆☆☆
杵築大活躍 ★★★★☆
総合評価 ★★★★★
お気に入り度 ★★★★★

本文
 ’98年末に登場し私をあっちの世界へ連れ去った久遠の絆のセガハード移植版。

 単純に誤字の修正、操作性、音質、画質の向上だけなら、購入はともかくプレイは PS版でもう一度となるワケですが、そこはF・O・G、きっちりと追加シナリオを 用意して久遠漬けの生活を送らせる準備は万端。…降参です。



 細かい話はスっ飛ばして、とりあえずは万葉トゥルーエンドを目指してまっしぐら!
 っつても、私の場合、話の万葉萌えの沙夜って分配になっているんで、 どのルートを通っても胸が痛んだりするんですが、やっぱ積み重ねを考えると万葉かと。

 で、時間はかかったけれども、何かに取りつかれた様に読み耽る日々を過ごし、 万葉トゥルーエンドを迎えました。
# ナカナカ時間がとれんでしんどかったヨ…



 感想を言うと、PS版と比べ画面は格段に見やすくなっていますし、音も綺麗に なっています。

 しかし、CGにはソフトフォーカスがかかった様になっていて、それ程綺麗になった という感覚はありませんし、何より指が長く描かれ過ぎている事による手の表情の怖さや 桐子や栞のバストアップに顕著にあらわれている目の歪みがそのままとなっている事が 残念でした。
# あと、バストアップの切り替えも他に方法が無かったのかと思います。

 また、音の方はPS版と比べ綺麗にはなっているものの、キツいエフェクトが かかっており、ウチの環境ではちょっとイビツに広がり響いているという印象を 受けました。
# 音の分離はいいんですが空間性はPSの方が高かった様に思います。



 さて、次は追加シナリオだっ! と意気込みつつ、もう一度最初から始めたら、 ビジュアルメモリの液晶に写るはずの万葉が別のキャラになり、横に再臨詔という 文字が…
 ここで初めて久遠の絆久遠の絆 再臨詔が別モノであった事を知るに 至ったり。
 多少、情けなさを感じながら読み進むと、案の定初回では無かった選択肢が登場し、 その片方を選択する事で追加シナリオへ進む事ができました。

 その追加シナリオなんですが、前回のオマケシナリオの様なものでは無く、 シナリオ、イベント絵、バストアップを新たに大量に起こした、もうひとつの 久遠の絆になっています。
# 終わりまで4時間くらいかかった様な…

 内容について触れるのは無粋というものなんで、簡単に感想を書かせてもらうと 「久遠の絆から生まれた二次創作の集大成だなぁ…」って感じ。

 アンソロジーコミックやLove&Destroy、更に言えば、web上で 公開されたSS等に現われている、ユーザーの視点に近いレベルで制作者自らが 書き下ろした二次創作。
 選択肢や戦闘といった要素を全て省き、まさに一本の作品としてファンの為に 用意された作品であったと感じます。

 前半〜中盤の展開やまとめ方に多少の強引さは認められますが、基本的に良く まとめてあるのでひとつの救いの形としてアリだと思うのですが、終盤の展開には 落胆を覚えずにはいられませんでした。

 表層的な事を言えば、クドい反復描写や、岸上氏のものとは思えないCGがある事、 どうも収束しきれて無い様に思えるラストであり、内面的な事を言えば、 本編のほとばしりを感じられず「久遠ファンなら、ジュブナイルファンなら こんな感じにしておけばいいか?」という狙いすましている感覚であったりします。
# 「これって、魔人学園だっけ?」と思った瞬間があったくらい…

 まぁ、あくまで本編をメインに考えていますから、追加シナリオというオマケと して見れば非常に贅沢な仕上がりだと思いますし、全体を通してみて満足も していますが、なんとなく制作意図にF・O・Gらしさが感じられない、 悪く言えばいやらしさを感じずにはいられないものであったとも思います。
# 二次創作はファンに委ねて、ネタを提供して欲しかったところですね。

 久遠の絆を愛し二次創作モノにいろいろと目を通した人には、この感覚がある程度は 解ってもらえるのでは無いかとは思いますが、逆に言えば初めて久遠に触れる人、 二次創作モノを避けてきた人にとっては素直に楽しめるものなるのでは無いかとも 思えます。



 ちょっとツラい意見を書いていますが、本編はまぎれも無い名作ですし、愛あれば こその意見だと思って話半分で考えて下さい。
 まぁ、購入層の多くはファンだと思うんで無駄な心配だとは思いますが。

first edition : 00/05/28
ひとこと 先は長いけどガンバる。

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