index / Impression
データ
タイトル Kanon プレイ時間 17時間程度
/コンプ
機種 DC ストーリー ★★★☆☆
ジャンル ビジュアルノベル キャラクタ ★★★★★
メーカー Visual Art’s グラフィック ★★★☆☆
key サウンド ★★★★☆
NECインターチャンネル ソフトウェア ★★★☆☆
発売日 2000年 9月14日 ゲーム性 ★☆☆☆☆
定価 6,800円 UGooO! ★★★★☆
購入価格 6,800円 総合評価 ★★★☆☆
お気に入り度 ★★★★☆

本文
ストーリー
 親の仕事の都合で海外か雪国かいずれかに引っ越さねばならないという、有り体に 言ってありがたくない2択を迫られた主人公。

 私なら、せっかくだからってことで海外にいくんですが、本作の主人公は即答で 雪国にある叔母の家に居候決め込むことに決定。
 ここで外人ギャルとパッツンパッツンでボインボインな日常に胸膨らませていた 私の期待は見事に裏切られてしまいました。嘘ですが。

 で、問題の新天地ですが、実はそこ、幼少のころに長期休暇を利用して短い間では あるが住んでいた時期もある場所だったりします。
 ただ7年前を境にぱったりと訪れなくなってる上に、そのころの記憶があやふや だったりするんですが。

 で、その雪深き土地での新しい出会い、そして埋もれた記憶にまつわるお話しが 展開していくってワケです。



システム
 ま、簡単に言ってビジュアルノベルですな。
# 訴えられる?

 機能的には、既読文章の高速スキップやバックログの表示、ボタン押下による 音声スキップ、メッセージ速度や音声ON/OFF設定など、基本的なことは押さえて あるんで特に不満はありません。ただ、キャラクタ毎の音声ON/OFFはできた方が 良かったとは思います。
# To Heartでやってたことくらいはやってもらいたいわなぁ…



キャラクタ
 これは、イイ、非常にイィー!
# ガンパレード・マーチに激ハマり中…

 バリバリに尖がっているキャラではあるけれど、どこか透明感がある上に全員が ボケボケで主人公と一緒にツッコみ(いじめ)甲斐があるところが特に。

 おかげで終盤に至るまでの会話は非常に読んでいて楽しめました。

 また、ヒロインのひとり(というかメインヒロイン?)である、月宮あゆに至っては ネタの基本は反復ということを再確認させてもらえました。うぐぅ〜



シナリオ
 先程も書いたんですが会話については非常に楽しめました。

 しかし、それとは逆に各シナリオ終盤に起きる起承転結でいえば転の後半から 結に至る部分のテキストが饒舌過ぎて拒否反応を起こしました。

 なんていうんですか装飾過多でゲップが出たというか…、喫茶店で紅茶を頼んだら バタークリームでコテコテのケーキが付いてきたようなそんな気分でした。

 ま、これは個人の好き嫌いだけの問題ですが。

 ただ、そのために饒舌な文章がひとりの少女を不幸に貶めるための呪いの言葉で あるという認識が芽生え、本来ならばヒロインの立場で感情移入すべき部分でノれず 非常にしらけた気分で文章を送っていたのは事実です。

 また、本作のオチは、願えば叶う力、すなわち奇跡というものに頼っているんですが、 コレが腑に落ちなかったのもしらけた原因でしょう。
# 本作を完全なファンタジー作品だと認識できていなかったのも大きいですが。

 う〜ん、なんていうか唐突な上に遠いんですよね、存在が。
 シナリオ的にそうなるのは理解できても、心が置いてきぼりを食らって結局「夢オチとどこが違うの?」っていう疑問に辿り着いたりして。

 不幸が起きて奇跡がそれを救いましたで感動できるほど純真じゃありませんぜって ことになるんでしょうかね、やっぱ?
# これなら、王大人が助けてくれたって方が素直に感動できるんよなぁ…
# ↑あ、なんか、コレ、欲しいぞ。

 あと、あるヒロインを取ったら他のヒロインが裏で不幸になってるってのは キツいですね、やっぱ。



音声
 PC版からの最大の変更点である音声追加ですが、これは結構効果的だと思います。
 ただ、キャラと声が合っているかどうかは微妙なところでしょうか。
 演技自体は問題ないですから、私のようにDC版が始めてという人間には違和感無く 入り込めるでしょう。



総括
 感動させるためにキャラを不幸にさらすってのは、ジャンルを問わず常套手段であり、 それに拒否反応がでるのは珍しいんですが、なんかコレに関してはダメでした。
 ただ、前述のように○痴っポイ少女たちとの会話は純粋に面白かったんで、そういう キャラをオモチャにしたような方向性が好きなら楽しめるかと思います。

first edition : 00/10/14
ひとこと 絵は下手ですが慣れると大丈夫です。塗りの人が頑張ってますし。

index / Impression