データ |
タイトル | こみっくパーティー | プレイ時間 | 60時間程度 /ED、CG、音楽コンプ |
機種 | DC | ストーリー | ★★★☆☆ |
ジャンル | 同人賛美萌えSLG | キャラクタ | ★★★★★ |
メーカー | アクアプラス | グラフィック | ★★★★★ |
発売日 | 2001年 8月 9日 | サウンド | ★★★★☆ |
定価 | 7,800円(限定版) | ソフトウェア | ★★★☆☆ |
6,800円(通常版) | バグ補正 | −∞ | |
廉価 | 3,800円 | サポート | −∞ |
購入価格 | 6,800円(通常版) | ゲーム性 | ★★★☆☆ |
総合評価 | ★★☆☆☆ | ||
お気に入り度 | ★★★★★ |
本文 |
南さん萌え!
詠美ちゃんさま萌え! 由宇萌え! 彩萌え! あさひたん萌え! …我ながら情けない導入ではありますが、激萌えしたのもコレ事実。 正直、題材が題材だけに、プレイ前はかなり引いていたんですが、いざプレイを 始めるとこれがナカナカに面白いんですよね。 # アニメのしょっぱい仕上がりも引いた原因だが…、ありゃ本当に失敗だったな。 ストーリーは、美大を志望していた主人公が受験の失敗であっさりと夢を諦めて くすぶっているところから始まります。 そんな主人公を気遣う親友、高瀬瑞希の気持ちとは裏腹に、主人公の幼稚園からの悪友、九品仏大志は、 主人公をオタク産業を支配する器と勝手に認め、半ば強引にオタクの聖地、こみっくパーティー(通称『こみパ』) へと誘い出します。 そして、こともあろうに、こみパで『なにか』を感じ取った主人公はこみパへの参加を 決意するのでした。 ゲーム期間は4月頭から3月末までの1年間。 その間、毎月1回開催されるこみパに同人誌を描いて参加することになります。 こみパに参加するには、まず執筆する同人誌のジャンル、タイトル、ページ数、 表紙の色数を決定することから始まります。 次に、開催までの4週間なり5週間は1週間を単位としていて、1週間はそれぞれ 平日と休日に分けることができます 平日5ターン(月〜金曜日)の予定は月曜に立てます。 ここでは、主に表紙や原稿の執筆、運動、バイト、TV鑑賞が可能で、それぞれ、 同人誌の作成、体力増強、資金調達&出展センスの向上、作風の調整ができます。 原稿の執筆は、絵コンテ、筆入れ、仕上げの3段階に分かれており、順番に処理して いかなければなりません。 また、この作業はコマンド入力になっており、失敗すると同人誌のクオリティが 下がるのである程度の素早さと正確さが必要です。 しかしながら、基本的にアナログスティックを回転させればいいだけですし、 方向転換はあっても1度だけですから落ち着いてやれば問題はないでしょう。 まぁ、面倒くさいといえばそうなのですが、クリア条件を満たすだけなら特に頑張る 必要もないですしね。 土日、祝日は、午前と午後の2ターンに分かれており、表紙、原稿の執筆、バイト、 外出、電話、原稿依頼、休息を実行することができます。 外出では、街をぶらついてイベントを起こしたり画材屋で補助アイテムを購入する ことができます。 電話は知り合った女の子に電話をして会話をすることができ、ときにはイベントが 発生することもあります。 原稿依頼は、こみパで同人誌を購入したサークルに1ページを描いてもらうことが できます。 # 同人サークルは実在のサークル、人物が登録されています。 # # 私のようにそこらへんに疎い人間にとってはだからどうしたって感じですが。 ただし、自分のパラメータが低かったりジャンルや傾向が違うと断られる確率が 高くなるので注意が必要です。 休息はそのままで、減った体力の回復ができます。 もし体力が底をつくと時間のロスとなるので、体力が低い序盤においては重要な コマンドとなります。 こうして納期までに原稿を仕上げると自動的に印刷所に持ち込まれこみパとなりますが、 仕上げることができなかった場合は即ゲームオーバーとなります。 ただ、締め切りの週は修羅場モードと呼ばれる、体力ある限りブッ続け執筆モードが 発動するのでよほどのことがない限り原稿を落とすことはありません。 ただ、修羅場モードではアイテムを使用しない限り同人誌のクオリティを上げることができないので頼りすぎると販売部数に影響がでることがあります。 こみパ当日は、基本的にはこみパ開始イベント→割り込みイベント→フリーパート→ 割り込みイベント→終了イベントといった感じで進んでいきます。 ただし、状況によっては割り込みイベントが無い場合もありますし、そもそも ひとつのイベントで全てがスッ飛んでしまうこともあります。 この中で、フリーパートは3ターンで構成され、それぞれ売り子、移動、同人誌購入 のいずれかが選択可能です。 これらの中で、特に売り子や移動はイベント起動専用のコマンドで、同人誌購入のみ 原稿依頼の依頼先サークルを増やす効果があります。 とはいえ、同人誌購入を選んだ場合でも固定イベントが発生する場合はありますが。 こみパが終了したら大志による評価と販売部数の発表がなされ、次の同人誌の 内容決定をおこない、これを1年間繰り返すことによりエンディングとなります。 システムは原稿を執筆するアナログコントローラー入力が耐えられるかどうかが キモですかね。 私としては面倒くささはあったものの、脳汁を垂れ流しつつそれなりに楽しめたんで 全然OK、というか序盤からフルカラー、ページ数多めの原稿を効率的にアイテムを 使って仕上げるのが快感にすらなったくらいです。 # ま、これはなんかスイッチが入っただけで本来なら面倒なだけですが。 ほかは既読スキップのON/OFF機能がなかったのは致命的。 このせいで最初は半分のキャラだけクリアしてやめようかと思ったくらいです。 ストーリーの方は題材に反して非常にオーソドックス、すなわち王道。 また、展開も全キャラさほど違いはなく、プロローグから4月のこみパまでに出会い、 10月〜年末にかけてお互いの気持ちを確かめ合い、ひと悶着あったあとエンディングで ハッピーエンドという流れになっています。 ただ、だからといってつまんないかといえばむしろ逆。 コテコテのキャラで構成された本作の場合、むしろこれくらいの方が明快でいいと 思えるくらいです。 攻略対象キャラは、高校からの親友、高瀬瑞希、こみパスタッフ、牧村南、同人の神に 愛された天才、大庭詠美、人情、根性の頼れる関西女、猪名川由宇、技巧派創作同人作家、長谷部彩、印刷所のロリっ娘、塚本千紗、コスプレ腐女子、芳賀玲子、 DC版の追加キャラで無敵の天然格闘娘、御影すばる、人気アイドル声優、桜井あさひ、心臓を患う中学生で、主人公のパトロン、立川いくみの合計10人。 この中でも特に、本を売ることにこだわり魂を捨てた大庭詠美、その旧友であり 師匠的存在である猪名川由宇、このふたりの関係が軸になっているシナリオは非常に 堪能できました。 ただ、このふたりのシナリオではエンディングに到達したキャラに対してのみ救済、 もしくは解答が示され、もう一方のキャラは現状維持となってしまうため後ろめたさも ありました。 それを反省点としたのかどうかは解りませんが、DC版の追加キャラ、御影すばるの シナリオでは、このふたりについても補完してくれていたのが嬉しかったです。 まぁ、最後の方が多少蛇足と思えなくもありませんが、基本的に面白いシナリオに 仕上がっていると思いますよ。 この他のキャラについても個々の魅力で充分に萌えることができる点は 特筆モノでしょう。 特に牧村南、長谷部彩のふたりは、可愛い&エロ風味の発言で何度も&何回転もそりゃもうゴロゴロと転がってしまいましたから。 逆にこみパともともと関係のない瑞希が腐女子化していくところや、もともと 腐女子であるところの玲子なんかは…、ちょっと、なぁ…、とかゲームの設定やのに 引いてしまいましたケド… また、男キャラも負けてはいません。 主人公の悪友、九品仏大志は、自己中心的、神出鬼没、純度100%のオタクだが、 締めるときにはしっかりと締め漢を魅せてくれますから。 正直、全登場キャラで好きなキャラを挙げるとすればこの大志がダントツで1位 だったりします。 ここまでなら結構好きなゲームとしてまとめることができるんですが、本作には非常に残念な点が多々あります。 まず、音声のレートが低く割れまくっていること。 特に、こおろぎさとみ嬢と倉田雅代嬢の高音部は聴き慣れていることもあって その差が耐えられないレベル。PCエンジンでもここまでかってなくらい。 確かにフルボイスとなればそれなりに容量は食うと思いますが、もう少しなんとか ならなかったモンなんですかね? 次にバグの多さ。 私の場合、読み込み時に15秒ほど止まる、完全にフリーズする、リセットがかかるという致命的なバグが2〜3時間に1度くらい起こりました。 また、ビジュアルメモリの内容を全部消されたという噂もよく聞きます。 さらに、本作をプレイ中にDCが昇天されたという噂も… # 雑多なアクセス(=高負荷)により云々…、っていうマユツバモノですが。 しかし極めつけはそのあからさまなバグをメーカーが認めず、あまつさえ以下のような 表記で逃げていることでしょう。
ビジュアルメモリーを別の物と交換してみる。
コントローラーを別の物と交換してみる。 Dreamcast本体を別の物と交換してみる。 各機器の端子を接点復活材等にて清掃する。 ゲームソフトを別の物と交換してみる。 ソフトに傷が付いてないか確認する。 ふざけんな! 過去を振り返れば、商品交換にかかるコストをケチって「それは仕様です」で済ませた どうしようもないメーカーはありました。 しかしここまで酷い対応は初めてです。 全てのハード、ソフトを交換してもダメだった場合どうしてくれんにゃと問いたい、 問い詰めたい、小一時間問い詰めたい。 確かに商品交換をすれば大赤字。 できれば回避したいというのは誰しも思うだろうが、メーカーがそれをやることは 許されないことです。 しかし、今回のアクアプラスの対応は数回の発売延期の末致命的バグを残した ソフトを流通に乗せ、あまつさえ、全てのクレームを握りつぶすという最低のものでした。 # GD−ROMにパッチがあたるとでも思っていたのだろうか? PS版To Heartが充分評価に値する移植だっただけに今回の結果は残念で なりません。 もし本作をプレイしたいのであれば、私は問答無用でPC版をオススメします。 # って、大抵の人はPC版→DC版(積んどく率高し)だわな… まぁ、それもパッチ当てても動かない可能性はあるらしいですが、少なくとも DC版よりは安心して遊べると思われます。 ただ、御影すばるシナリオをプレイしたいというのであればそれは仕方がありません。 専用のビジュアルメモリを用意してDCをいたわりながらプレイしましょう。 そして、どんなことが起こっても笑って済ませる覚悟だけはしておきましょう。 本作をプレイして責任を取れるのは自分だけらしいですからね。 最後に、文章だけ読めば怒っているように思われるかもしれませんが、実際はあきれて哀れんでいることだけ追記しておきます。
first edition : 01/10/15
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ひとこと | 本作をプレイして同人っていいかもと思うのは気の迷いです、多分。 |