1000hit/陽宮様/「とある日の喫茶店にて」
1000hit(陽宮様:一回目)リクエスト作品
「とある日の喫茶店にて」
―その日は平和な一日の昼過ぎだった。
「…俺はホットコーヒーで」
「なら俺は牛乳な。」
―俺は、その日ギガノと喫茶店に行った。その日は、何も無い日のはずだった。
―ある町の喫茶店―
「…で、話っつーのは何なんだ?ドチビ。」
「チビ言うな」
「まぁまぁ、抑えとけって。」
「抑えられるか」
「ま、いつもの事だしな。いい加減我慢しやがれって。ドチビ特攻隊。」
「誰がだッ!!黙ってりゃぁ良い様に悪口を垂らしやがって!」
―俺達はいつもの会話をしていた。日常茶飯事の様に話題はギガノの身長の事から始まった。
「それで?今日の用件はなんだ?」
「アンタは…自分のやる事が間違っていると感じた事は無いのか?」
「なんだよ、いきなり。」
「俺はどうも自分のしている事が許せる事だとは思っていない。アンタはどうなんだ?」
「俺は…俺もだ。世界を守るためなら何をしても良いとは誰もそんな事は言っていないし、してもいけないと思う。」
「…ま、しかし、俺等にはそんなことを避ける事は不可能だ。」
「そりゃな。俺等は神ではないしなぁ…そんな事が出来るのは神様くらいしかいないんじゃね?」
「…だよな。課せられた運命は誰にも変える事は出来ねぇ。故に、俺等は一種のゲーム盤に乗っかっているんだ。
そして、そのゲーム盤の上に俺等はいて、それを神が動かしている。…そんな物だよ、人生っつーのは。」
―ギガノが珍しく意味深な発言をした。その言葉は、何処かで聞いたような言葉だった。
「良いか、烈火。お前や俺達の人生は初めから定められていたんだ。」
「…。」
「ただ、それを産まれた瞬間に全部忘れちまう。そして、0から人生が始まる訳だ。」
「なるほどね。…で、親父は何を言いたいんだ?」
「お前の人生だ。どう過そうがお前の勝手だ。しかし、これだけは覚えておけ。
“課せられた運命は誰にも変える事は不可能と言って過言ではない。故に、我々は一種のゲーム盤に乗っているのである。
そして、そのゲーム盤の上に我々は存在し、それを神が絶えず動かしている。このような事を、人生というのである。”
…時を司る神が人間だった頃、死ぬ前にこの世に残していった書物の一文さ。
言いたい事は、お前が好きに生活すればいいさ。死ぬまでに後悔しない様にな。」
「…俺には、自分より強い者と共に生きる事と言う夢がある。それを果たして改めて帰ってくるさ。」
「…っか、烈火!」
「…ん?」
―その時、いきなりギガノが目に入ってきた。
「はぁ…良かった…。」
「ん?何がだよ?」
「いや…このまま瞬きしないでいたらどうし様かと思ってさ…。」
「良く言うよ、ドチビに心配されなくたって別に結果は変わらねーから。」
「なんだと…?人が折角心配してやってんのにな、その態度はなんだ!」
―また初めの繰り返しと差ほど変わらない状況になってしまった。もうこれではどうしようもない…。
「はいはい、分かりましたって。ドチビ+α。」
「なんなんだよ!?“+α”って!?」
―+α…今考えたらそれは多分、彼が魚人族(アクエス)だからじゃないかと思った。
「おーい、烈火達?」
―と、そんなどうしようもない状況に現われたのはファル…いや、ファル先輩だった。
「やっぱりここに居たか。…どうやら山賊がこっちに攻め入ってきたらしい。こちらも応戦してあげなくちゃ…。」
「…たくっ…なんでこう言う時にやって来るんだかなぁ…。…でも、山賊どもは、確実に生かすぞ!おい、ドチビも手伝え。」
「誰がチビだたぁ!?ふざけてんじゃねーぞ!!」
「…ま、そんな事より…誰が多く倒せるか、競わないか?」
「え、やるの…?ま、付き合ってあげますか!」
―そして、マスターに代金を支払うと、3人の少年は慌てた様子で外へ出ていった。
1000ヒットリクエスト小説です。
リクエストしてくれたのは、陽宮さんでした。
テーマは「烈火かドチビギガノの小説」と言う事で書かせて頂きました。
…以外と1人より2人にしようとする傾向にある水鏡は結局、二人両方とも乗せてしまいました(ぁ
そして最後にファルを少しだけ…。
途中、回想シーンの烈火の父さん、長台詞ご苦労様でした。
ギガノと言うキャラクターは本当にいじり易いキャラクターなんですけどね…デリケートなのが珠にキズなんですね…。
それに比べて、烈火はオールマイティに働いてくれるんでやりやすいです。
なお、この小説は陽宮様のみに捧げる小説です。
他の方は、転載・保存を禁止致します。
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