2005年8月10日(水)から21日(日)にわたり、キューバの伝説ともいえるサルサバンドLos Van Vanが全国ツアーを行う。私たちは14日(日)の仙台・七ヶ浜国際村アンフィシアターでの公演チケットを購入し車での旅を決行。これは8月13〜14日の3日にわたるその記録である(写真挿入予定)。

 東京〜仙台へ 8月13日(土)夜〜14日(日)早朝

土曜日の西立川でのレッスンを終えて、立川のニッサンレンタカーへ予約していた車を取りに行く。私たちを待っていたのはP1クラスの白いマーチ。車での旅は2月の能登旅行以来なのでKitaちょっと興奮状態。新しいオモチャを与えられた子供ってこんなカンジ?まったく子ドモ〜〜。男って子ドモ〜〜。
ナビで到着地点を仙台駅に設定すると約400キロ、5時間の旅路だ。お盆の帰省渋滞のピークは通常所用時間の3倍だというから、15時間?!! Kitaがんばってね、、、。Aya免許ないからサ。

あると便利かな、と思ってミスタードーナツの商品ほしさに今日2回目のドーナツを購入し、2つ目の折りたたみイスを獲得。マーチの後部座席にのっける(結局使わないまま帰ってきたけど)。

所沢ICから高速に乗り東北自動車道に入ったのが22時。長い夜になりそうだ。眠気覚ましのBLACK&BLACKの板ガムは帰りまでもたないかも知れない。積んだCDも退屈しのぎにはなるだろう。リストはサルサ・ソン・R%B ・ブルース・ボサノバ・ゴスペル・小比類巻かほるベスト版。

Kitaの運転はとっても慎重。私が教官だったら2重マルあげるな。「もうちょっとテキトーでもいいですよ」というコメントを付けたいくらい。真面目なヒトなんです。
栃木あたりで突然大雨が降って来て視界がわるくなる。Kitaのハンドルを握る手に力が入る。行きは蓮田・那須高原・国見SAで休憩・仮眠をしながら左車線を中心にゆっくり行く。心配していた渋滞にはぶつからず車はずっと流れていた。大雨のなかでも右車線を130キロ以上?のスピードでカッ飛ばしていく車は多かった。まったくKitaの鼻の穴でも覗かせてやりたいよ。雨足は弱まったり強くなったりを繰り返して朝にはどこかに行ってしまった。

宮城県まで来ると田園風景が。

国見に4時には着いたので6時半まで仮眠をして、8時からやっている多賀城市の健康ランドへ。仙台南ICから有料道路に乗りかえて仙台港北まで行き、目的地に着いたのは7時55分。いいタイミングだ〜。ハンドルを握りっぱなしだったヘトヘトなKitaと睡魔と戦っていた小ヘトヘトなAyaは、とるものとりあえず健康ランドへ飛び込む。ゆっくり入浴して瓶牛乳飲んで休憩所で再び仮眠。車内の仮眠ってやっぱり寝ている気がしない。足は鬱血してくるし背中は痛いし。大地震にみまわれて車内で避難生活をしていた日本人家族のニュース映像をしばし想う。その後、キャンピングカーで毎年で夏休みを過ごしているアメリカの家族が石油価格高騰で「今年はあまり長期間過ごせそうにはないわ」とコメントをしているニュース映像を思い出す。

早朝の国見SAは仮眠する人々で満車状態。かき入れ時なのか箱詰めの桃が山積みの店頭。起きぬけの串カツ。

 仙台で夏遊び 8月14日(日)昼

元気が出て来たので出発。Van Vanのライブまでにはまだ時間があるので、会場からほど近い 菖蒲田浜海水浴場に行ってみた。Ayaはなんと海水浴12年ぶり!! 学生時代に友人と民宿に泊まるツアーに行った以来だ。思い出すなあ、海に必ずいる真っ黒なナンパ男たち。軽薄な時間。
Kitaも数年ぶりなので、砂浜を目の前にして何だか2人とも挙動不振になる。何をどういう順番にしていいのか分からナイ〜!! ソワソワしていたら海の家のおばちゃんに誘われて、1人600円で温水シャワー使い放題と貴重品預かりサービスを受ける。白く粉をふいた洗濯カゴを手渡されて、樹脂製の簡易テーブルに落ち着く。畳間に置かれた3人がけの黒いソファーでお母さんが乳児におっぱいをあげている。緑系のビキニを着た50代位の女性とダンナ、中学生位の娘が手製のお弁当を食べている。畳間に「荷物預かり所」と書かれたスペースがあって、いつ見ても下唇があんぐり開いている白いランニング姿のおじいちゃんが番をしてくれている。耳が遠いみたい。想い描くローカルな海の家がそこに実在していた。
ピンク色の大きいうきわをレンタルして、いざ海へ! 波をうけながら12年ぶりの海水浴を楽しんだ。

マーチの後部座席にファブリーズしたバスタオルを干して、ライブ会場となる七ヶ浜国際村アンフィシアターへ向かった。そもそも東京公演ではなく仙台公演を選んだのは、新潟のサルサイントラよっしーにすすめられたからだった。会場が水を利用した開放的な舞台であること、仙台サルサ人の良さ、バンドとの距離の近さなどいろいろ魅かれる部分があった。そして何より2人とも夏休みの遊び予定をたてていなかった!花火大会も行けなかったし、パーっと東京を飛び出したかったのだ。

到着したら、ちょうどよっしー一行に会う。新潟から12人程で訪れているのだと! 新潟のラテンパワーも凄いなあ。会場では東京から来たフランクのサルサレッスンが始まっていて、よっしー一行は見学をすると言う。私たちは池袋のバビロン等でよくフランクさんのレッスンを見ているので、会場付近をドライブすることにした。

こんな天気のいい日に死んでしまった小鳥とワタシ
「おいしいコーヒー入れてます」とかいう雰囲気のよい喫茶店を目指して、あてもなく車を走らせる。地方に行くとよくあるよね、こういうお店。20分程うろうろして、リアルなかかしに遭遇はできたものの喫茶店はない。

リアル過ぎない?

図書館で借りた旅行ガイドを見ると、釜石駅そばに「プチトリアノン」といいうケーキ屋があるらしい。当てもないので到着地点を釜石駅にセット。ナビが大活躍だ。ここのレーズンサンドは菓子コンクール入賞作品だそうなので食べてみる。サブレの部分がコゲ感があって固めで、美味しい。六花亭のレーズンサンドよりも好みだ。Kitaも新聞読みながらのコーヒータイム。昨日の夕方まで東京にいたなんて思えない静寂だ。

レモンとメレンゲのケーキも食べました。

 七ヶ浜国際村アンフィシアター〜1 8月14日(日)午後

Giraldilla

「ライブ始まったよー」というよっしーからのメールで急ぎ会場へ戻る。19時からのVan Vanの前にLa Giraldillaと沖縄サルサバンドKa Chimbaの演奏があるのだ。七ヶ浜国際村アンフィシアターの舞台はまるで水の上に浮かぶ島のような円形型野外劇場になっている。観客の開放的な服装もVan Vanのライブを本気で楽しもうとしている感がうかがえる。
販売ブースでオリジナルのTシャツを売っているという情報を聞いていたので見てみる。女性用の少し腰の部分がシェイプしたサイズがあれば購入をしようと思っていたのだけど、あいにく用意されていなかった。立ち去ろうとしたら、「スタッフ用に作ったキャミを後日郵送というかたちで用意することができます!」とスタッフが元気に売り込んでくれた。背中がV字になったタンクトップだ、なかなかカワイイ。2000円だし安い。スタッフの一生懸命さもいい。記念になるし、購入予約をしてしまった。
演奏の合間にパーカッションのワークショップがあると聞いて、参加してみる。円形に並べられたパイプ椅子の前にいろんな形の太鼓が置かれている。以前一度だけ立川のパーカッション教室で習ったリズムを思い出そうとするが、さっぱり蘇らない。「好きにたたけばいいのよ〜」とアドバイスをくれた女性スタッフがどうやらワークショップの担当のようだ。勝手にたたく皆のリズムに合わせるように、中央に女たちが踊り出る。サンバとレゲトンステップで奏者を挑発。私たちもダンサーを挑発。たたき方やリズムを教えてくれるワケではなかったけど、なんか盛り上がって楽しめた。仙台パワーはたのもしい。

Ka Chimba

 七ヶ浜国際村アンフィシアター〜1 8月14日(日)夕暮れ〜夜

Ka Chimbaのライブ中に突然の雨! 機材が雨に濡れてしまうため一時中断になってしまった。空を見渡しても晴れる様子はない、せっかく仙台まで来たのに中止になったらどうしよう!? とそんな雨の中、CDのBGMに合わせてフランクさんたちがルエダを踊り出す。別の場所でもサルサを踊り出すカップル。雨が逆に気持ち良さそう。私たちもえーいっと飛び出して皆でステップ、ステップ。気持ち良い! 1曲くらいはVan Vanの演奏聞きたいなァと思っていたら、風上の空が明るくなって来た。そして数分して雨がやんだ。
Ka Chimbaがびしょぬれな服のまま、舞台に出てきて演奏を再開。夕焼けの空がきれいで、観客もより盛り上がる。皆の気持ちがほんとうに通じてしまったみたい。

そしてそして、いよいよ生Los Van Van!!! 夜がきてライトアップされた舞台に歌声が響く。彼らの演奏が仙台をキューバにしてしまった。最初は公演疲れか、リハなしのためか、コロがうまく入っていなかったけど、雨から開放された観客の喜びがVan Vanに届いたのか、「お、仙台のヤツらはイケてる!」という風にティンバのLabameraがニッカニッカ笑い出し、ボーカルのRiveraと観客が手を振り合ったりして、次第にハートが入ってくる。BOMBA BOMBAな曲もめっちゃ好きやけど、唯一の女性ボーカルValdesがしっとりと歌い上げるDespues de todo(全てが終わった後に)がとっても印象に残っている。男性ボーカルがメインの所はバンドの後ろにひっこんでしまってValdesの独壇場になるけど、コロの部分に合わせておもむろにフロントに出てきて唄い出す最初の一声が芯を捕らえていてズキンッ。他の公演は見てないけれどCDよりもずっとのっていたValdes。皆ただただVan Vanの音に身をまかせ、酔いしれていたのでした。

アフターパーティ in Shaft 8月14日(日)〜15日(月)未明
アナウンスでは何度も「水を張ってあるプールを乗り越えて舞台に上がるのは止めて下さい」と忠告していたのだけど、ライブの最後は、RiveraのMC→フランクさんの通訳「女性だけ ステージに あがっテ くだサーイ」を合図に女性全員ステージへ! 入り乱れてBombaしました。皆で同じBombaをやったら大平洋にだって漕ぎ出せそうな勢いだった。凄カッタ〜。
ライブの後、ボーカルのRiveraに頼んで購入した彼らのCDにサインをしてもらうと、スペイン語オンリーなんだけど「この後アフターパーティとか、あるのカ?」と聞かれたようなので、Shaftの地図を渡した。私と、同じくサインを求めたミホという女性を交互に指差して「あなたタチ 行くの?」「行く!もちろん!」と言っておいた。もしやメンバー連れ立って来るのかも???
期待しつつ23時からのアフターパーティへくり出す。初対面のミホという女性と少し話をしたら、彼女も東京からVan Vanを観に来たのだという。しかもそれを思い立ったのが当日の朝!なんだって! ちょっと羨ましい、そんな性格。東京公演行けなかったからどうしても観たかったんだって。彼女もキューバにも行く程のラテン好きなのだそう。
Shaftはバーなので、タバコとお酒と汗といろんな臭いが混じって空気ワルかったけど、フランクさんのDJで皆おもいおもいに楽しんでいた。サルサだけでなく、ヒップホップ、メレンゲ、レゲエ、バチャータなど色々選曲している。東京のサルサクラブとは違う雰囲気。終了は29時だけど、私たちは夜中に帰らなくてはならないので、2時位においとまする。Van Vanにも一度会いたかったけれど。サンキュ、仙台。いいぞ、仙台!
Shaft/よっしーと。
帰路 8月15日(月)未明〜
今日の夜、レッスンの時間までに帰らないと! 渋滞の不安のあるなか、帰路を急ぐ。助手席の私は眠気で悪いと思いながら舟をこいでしまって、気付くと国見SAに入っていた。夜があけるまで車内で仮眠をとる。早朝、車から出てみると同じように朝をむかえた家族やグループがたくさんいた。バイカーもけっこういた。でも高速に出てみると車は多いけれど流れている。
バンバンのライブからアフターパーティまで着替えをしていなかったので、身体がべたつく。この交通量だと東京には昼過ぎには着きそうなので、途中温泉に寄ることにする。高速を下りてからあまり迷わず行けそうなのは那須高原温泉卿。那須ICで下りて手頃な立ち寄り湯を探す。すると那須高原の手前で「お菓子の城が温泉をオープン!」と書いた看板に出会う。お菓子の城の奥に古民家風の建物があり、朝一番なので車もまばら。「行ってみるか!」と飛び込んでみたら、これがとっても快適だった。入館料もテーマパーク程はしないし、内装はクリやヒノキの無垢材を使った清潔な造り。迷ってしまう程の種類はないけれど、木の匂い漂う内湯と外湯、カモマイルが入ったソープ類、民家風の木組みをいかした天井がリラックスさせてくれた。浴場を出て別室の暖簾の奥にはマッサージルームが。温泉に行くと必ずマッサージ機を3回は使う私。腕も加圧してくれる最新式のマッサージ機で庭園を見ながらのひとときは格別でした。
すっかりリフレッシュして出発! 途中佐野SAで定番の佐野ラーメンを食べて東京に。
かなりタイトなスケジュールでしたが、夏休みを堪能した私たちでした。
お菓子の城温泉 那須山源泉風呂