■2002年回顧録 〜ダート編〜
 
 強い馬の定義とは
 今年一年、どのレースで何が勝ったなどと振り返っても仕方がないので、最近のダート路線事情について話してみたい。今年のダート戦線の主役を張った馬たちには、ある共通するものがあった。アグネスデジタル、イーグルカフェ、アドマイヤドン、ゴールドアリュールといった面々は、芝でも実績を残してきた馬であった。

 これまでの戦績を持ち出すまでもなく、芝の、しかもG1級の能力をもった馬たちであった。昨年のクロフネ、トゥザヴィクトリーなどもこのタイプである。中央、地方の垣根をなくし、統一重賞路線を整備しているにもかかわらず、ダート界を席巻しているのは、芝の馬。ここまでくるとダートの砂質に問題があるかもしれないと疑いたくもなる。

 しかし、短距離であろうが、長距離であろうが、ダートだろうが好走できる馬はやっぱり「強い」という形容詞がぴったりなのであろう。そういう意味でも、アガ・カーン殿下が「自分が手がけた史上最強馬はドバイミレニアムだ」というのも頷ける。来年以降もこの傾向が続くかもしれない。

【牧場長@@】