■2002年有馬記念に思う 〜まえけん編〜
 
 新たなる王者の誕生を期待して
 2002年を一言でいうなら、私は王者不在の年であったと思う。

 昨年暮れに日本の競馬は一つの節目を迎えた。2年の間王座に君臨してきた王者テイエムオペラオー引退し、王者の座が空位となった。昨秋にテイエムオペラオーを破ったジャングルポケット、マンハッタンカフェなどの若駒が一応新王者と騒がれていたが、どうも私は釈然としなかったのである。

 王者というのはあくまで圧倒的な強さを誇り挑戦者を迎え撃つ立場である。テイエムオペラオーしかり、1999年のスペシャルウィークしかりである。しかし、この2頭はまだ王者の座にあるというよりは、空位の王者の座を狙う挑戦者といったイメージがふさわしく、まだ王者という言葉がそぐわない感じがした。どの馬が新しい王者の座に立つのか。それが2002年を迎えた時点での私の楽しみだった。

 しかし、ふたを開けてみれば、マンハッタンカフェは天皇賞(春)を勝ち現役最強の座は勝ち取ったものの、日経賞で惨敗し滑る馬場はからっきしという弱点を抱えていた。一方のジャングルポケットも春は不器用さを露呈、一つも勝ち星をあげられず、夏前に戦線を離脱。マンハッタンカフェも凱旋門諸後、故障で引退し、アグネスデジタルも戦線を離脱。新しいスターとして期待されたダービー馬タニノギムレットも故障で引退。秋を迎える前に春の王者候補は全て消えた。

 そして、今週有馬記念を迎えるのだが、結局いまだに王者と呼べる馬が現れていない。圧倒的な強さで牝馬を制圧し新女王となったファインモーション、ふがいない古馬陣を尻目に天皇賞(秋)を勝った3歳馬シンボリクリスエスといった新星は出てきたが、群雄割拠の乱世といった感は否めない。群雄割拠の乱戦も面白いのだが、ここ数年圧倒的な強さを見せる王者が常に存在していただけにないか物足りない。

 そうなると今週の有馬記念を勝った馬が新たな王者となるだろう。競馬界の核となる新たなる王者の誕生を期待したい。

【まえけん】