スタジオ考察

世の中には、スタジオと一言に言っても、リハーサルスタジオ・録音スタジオ・映像スタジオ・ダンススタジオ等様々なスタジオがあります。
もちろんどんな用途かによって、設備や建物の仕様は異なります。音楽スタジオと一言に言っても宅録をメインにするDTMのスタジオから、本格的なバンドのリハーサルを行えるスタジオまで規模も仕様も様々です。
前者であればどちらかというと、作りはオーディオのリスニングルーム的な再生する音の質にこだわったスタジオになりますし、後者であれば外部への音漏れをいかに無くすかという事に重点が置かれます。
今回私が作るのは、後者のバンドのリハーサルスタジオです。私なりに色々調べて勉強したこととスタジオの大体の仕様を書いておきます。間違いなどあるかも知れませんが何かの参考になれば幸いです。

1・音圧(dB)について

一口にバンドと言っても、これもまた様々なジャンルや楽器があります。JAZZからヘビメタまで楽器の構成や出てくる音質や音量もまちまちです。
某防音専門業者の調べたデータによると、JAZZバンドで105dB、ロックバンドで120dBの音圧になるそうです。dBといってもイメージが沸きにくいと思いますので具体的な参考を下記にあげます。
音の大きさ 音の対象(距離) 音の対象(距離)
130dB 生ドラム・ロックバンド(1m) 落雷・聴覚器官に影響が大きいライン
120dB テナーサックス・声楽プロ(1m)・ライブハウス ジェット機(200m)・新幹線鉄橋通過
110dB アルトサックス・ピアノプロ・声楽アマ(1m) ジェット機(600m)・自動車の警笛(2m)
100dB ピアノアマ・ボーカル・カラオケ 地下の構内・地下繁華街の音・犬の声(1m)
90dB ピアノ低学年・クラリネット・演歌 地下鉄車中・パチンコ店内
80dB 生ギター・ヴァイオリン子供・電話・セミの音 ボーリング場・機械工場の音
70dB テレビ中音量・掃除機・夕立・潮騒・声が大きい 新幹線内・乗用車・レストラン・工場
60dB 一般的な家庭の朝・普通の話し声 学校の授業・銀行内の音
50dB とても静かな環境のライン 静かな室内・図書館・博物館・事務所の音
40dB ささやき声・鼻息・小雨の音 昼の住宅街・コオロギの遠音
30dB かすかな声・洋服を着る音・静寂 夜の住宅街の静けさ・録音スタジオ
20dB やっと音として聴こえる程度・消しゴム 呼吸する音・雪の降る音・木の葉のそよぎ
10dB 聴こえる事の出来る限界 無音に近い
dBの具体的な例 ( )内は音源から距離
もちろん曲調にもよるでしょうから、これは単なる目安ですが実際私が練習スタジオでバンドの練習中(爆音のハードロックバンド)に実際に騒音計を使って測定してみましたが、やはりドラムが一番音が大きく、瞬間的なピークでは130dB/mに近い(120dBまでしか計れない機械だったので振り切っていた)音圧が出ている模様です。
私は自他共に認める音が大きいドラマーですので、設計を考える時は音源の音圧レベルを120dBで考えることにしました。
これを家の外に出るまでに60dB(出来れば50dB)まで下げることを目標とするわけです。

2・スタジオの防音とは?

よく勘違いされやすいのが、オーディオルーム等に使われる吸音材という物がありますがこれは吸音材であって遮音材では無いということです。
吸音材は音を反射させずに後に透過させるのが目的の物で、部屋の内部の音の反射をコントロールして音質をあげるためのものであり、いくら吸音材を多様しても外部への遮音にはならないのです。(厳密に言うと多少はなります)
対して、遮音材というのは音の振動エネルギーを空気や材料の内部構造で摩擦として熱エネルギーに変換し音のエネルギーそのものを小さくするのが目的の材料です。
音楽スタジオの防音を考える場合、後者の遮音性能を重視して設計を行わないと後で泣きを見ることになります。
スタジオ内部の音がデット(吸音率が高い)だとかライブ(吸音率が低い)だとかの調整はあとから、内装の調整で可能ですが遮音性能は建物の基本構造による部分が高いため、まずは遮音性能を十分に確保した設計をする必要があります。

3・音の伝わり方

音の伝わり方というのは、大きく分けると「空気伝送音」と「個体伝搬音」の2つに分けることが出来ます。
前者は空気中を伝わって直接耳に届く音で、ギターやピアノやボーカルなどの比較的周波数の中高域のものが中心です。もちろんベース・ドラムなどの低音域も空気伝送音としても伝わります。
後者は、床や壁などを衝撃によって伝わる音で個体の物理的な振動を伴う音です。糸電話等はこの個体伝搬音の特性をうまく利用して音を伝達する仕組みです。
一般の住宅で言えば、空気伝送音は人の話し声やTVの音で、個体伝搬音が人が歩く音やドアを閉める音や床や壁を叩く音と言うことになります。
また個体伝搬音は個体を揺らすことで音が伝わるので、比較的低い周波数のほうが波長が長いため伝わり易いという特徴も持っています。コップに入れた水を細かく揺らしてもこぼれないのに、同じ力でゆっさゆっさとゆっくり揺らすとこぼれてしまうというのを想像するとわかりやすいでしょう。
スタジオの中で死ぬほどうるさいギターの音もスタジオの外にでて防音ドアを閉めてしまえば外では聞こえなくなり、代わりにベースとドラムしか聞こえなくなるのはこの音の伝わり方の違いによるものです。
スタジオの防音を考える際に問題となるのが、この後者の固定音(個体伝搬音)をいかにして止めるかという事です。
貸しスタジオなどで遠く離れたトイレに入っているのに、演奏している曲が聞こえたりするのはこの固定音によって伝わる音です。ドアや窓をいくら閉めても聞こえる音量は一緒です。逆に部屋を閉め切る事で外部の騒音が減るためにさらに鮮明に聞こえるようになったりするぐらいです。
これらはオーディオレベルでも同じ事が言えますが、オーディオは一度録音され人間に聞こえない範囲の必要の無い周波数は全てカットされ周波数的に綺麗に整理された音しか扱いません。
ところが生の演奏の場合、人間に不可聴の周波数やドラムのペダルを踏む振動等オーディオでは再現されない領域の音や振動まで考慮する必要が出てきます。
固定音は非常にやっかいで建物等の駆体を通して伝わる音ですから、極端な話しスタジオの内部が建物に物理的な接触をしている限り止めることは不可能と言うことになります。
また、不可聴の低周波振動などは不可聴なので外部に対しては大きな問題にはなりませんが、集合ビルやホームスタジオの場合スタジオ以外の場所で演奏中に不快な振動が発生することになり、最悪低周波振動によって体調を崩してしまう等深刻な事態になる可能性もあります。

4・浮き構造

固定音を止めるのに一番有効な手段は振動源のある部屋を建物から切り離してしまう事です。
部屋の中にもう1つ部屋を作り建物から浮かせてしまおう。というのが浮き構造です。
非現実的な感じがしますが、実際ほとんどのリハーサルスタジオがこの構造を取っています。通路からスタジオに入るとき一段上に上がるのはこの浮き構造のためです。
理想を言ったら完全に部屋が浮いている事が望ましいのですが、それでは部屋を支えたりすることが出来なくなりますので、建物との接点は緩衝材を介して最低限のコンタクトでということになります。

5・浮き床

浮き床を実現するのには、乾式方式と湿式方式があります。
前者はよくマンションなどで施工されており、ゴムの足の付いたフレームで上げ底を組んでその上に床を張る方式です。大がかりではなく施工も比較的短期間で済む為通常の住宅の遮音工事に向いています。通常の住宅で根太という骨組みを作ってその上に床を造作するのもこの手法です。
後者の湿式は厚めにグラスウールなどを床に敷き詰め空気層を作りその上に防水加工を施し、配筋をしてコンクリートの床をその上に作る方式です。かなり大がかりですが音楽スタジオは大抵この方式を採用しています。我が家もこちらを選択しています。床は部屋のサイズより一回り小さく作り、建物の壁とのコンタクトにはやはりグラスウールなどの緩衝材を挟んで行います。

6・吊り天井

建物と浮き構造の部屋をコンタクトするのに、防振構造が必要となります。
ガッチリと固定物で固定されていたのでは、せっかくの浮き構造の効果が半減してしまいます。
このため吊り天井の金具には防振ゴムが入った物を使います。通常はオフィスの天井の様に軽量の金属フレームを組むのですが、これだと大工さんではなく軽天屋さんという別の職人さんが必要になってしまうのと、木材の方が余計な共振を抑える効果があるのではないかと期待して、木材で野縁を組む仕様にしました。天井裏にはグラスウールを敷き詰めます。
さらにその下に石膏ボードを2枚重ねで張ります。この石膏ボードも2層の継ぎ目が重ならないように、目違いで張り合わせます。
最後に内装としてオフィス等でよく使われる吸音性のあるロックウールの天井材で覆います。

7・浮き壁

浮き壁は浮き床と吊り天井を支えにして、建物から完全に切り離された状態にします。
壁の作り方は色々あるのですが、今回我が家では建設会社の得意な2×4の壁を浮き壁として作る事にしました。壁の中にはグラスウールを充填し石膏ボードを2枚重ねて仕上げます。

8・空気層

浮き構造にすれば、建物と浮き構造の部屋は接触さえしてなければ良い様な気がしますが実際にはそれではあまり効果はありません。もちろん防振という意味だけであればこれでも良いのでしょうが、音のエネルギーを効率よく消滅させるためにはある一定以上の広さの空気層と吸音材が必要になります。
どうして空気層が必要か?というのは色々調べたのですが難しくて良くわかりませんでしたが、空気層の大きさが大きいほど低音まで効率よく吸収するそうです。
ただし部屋のサイズがどんどん小さくなるので空気層のサイズは実際にはそんない取れる物ではありませんし、どのくらい取ればどの程度の効果があるのかも経験もなくわからないので、ここはスタジオの防音工事等で実績があるK社に見積もりを頼んだときに出てきた数値をそのまま頂くことにしました(図面断面図参照)。

9・素材の面密度

防音材としての性能は素材の面密度と密接なつながりがあります。面密度とは素材のu/kgの重さで、数値が大きいほど遮音性能は良くなるわけです。つまり重い素材ほど防音に効果があると言うことです。防音の性能を求めるのであれば必然的に重いコンクリート構造が良い事になります。我が家の場合は地下はRCと決まっていたのでこれに関してはほぼ理想的です。
ただし、工藤建設のKBB工法の場合RCの型枠として発泡スチロールを使用するため壁厚に対する面密度は下がる事になります。また、この型枠材の発泡スチロールは気泡が独立しているため吸音効果はほとんどありませんので、一見遮音効果が高そうでHP等にも遮音性能を唱っていますが、実際にはコンクリートだけの同じ壁厚の物と遮音性能は変わらないのでは?と思っています。
どちらかというと、KBB工法は気密性とか保温性・低価格を主眼においている工法ですので、遮音性能が同レベルであれば、そちらの効果を期待するべきでしょう。

10・換気

部屋はコンクリートの箱ですのでそれだけで、それなりの遮音性を備えるわけですが部屋として使う以上室内の換気ということが必要になります。
私はヘビースモーカーでありバンドの仲間もほとんどが喫煙者です。世間の貸しスタジオは大体が禁煙飲食禁止ですが、自分のスタジオぐらい自由にタバコや飲み食いをしたいものです。
そこで問題になるのが換気です。
換気をするということは外へつながる直通の穴をあけると言うことを意味し、せっかくRCでガッチリ作って、浮き構造にまでしたのに、換気口から音がジャジャ漏れでは意味がありませんので、ここもしっかりと防音をしなければなりません。
幸いなことに我が家はインナーガレージというものを作る予定ですので、スタジオの換気口の出入り口を外ではなくインナーガレージへ出すことにします。これによりガレージ内を巨大な空気室チャンバーとして使用することになり、直接外へ音が漏れる事を防ぐことになります。
もちろんガレージでエンジンをかけっぱなしでスタジオに入ると死んでしまいますので、これだけは注意が必要です。
また、換気システムも吸排気2系統用意し、どちらも専用の防音ダクト型消音チャンバー構造(車のマフラーのような構造)のものを5m程度(往復で10m)天井裏で引き回して極力外に音がそのまま出ないようにします。
換気口と似たようなもので、エアコンの配管がありますが、こちらは配管したあと周りを完全に埋めてしまいますので、あまり気を遣う必要は無いでしょう。
また電気などの配管ダクトも、直接天井を抜いて1Fからスタジオに入るようにはせずに、入り口のドアの方から横向きに回り込む形をとりました。これによって、住居部分への音の回り込みを抑える効果を狙っています。

11・防音ドア

もう一つ絶対必要なものは、入り口のドアです。
実際のレンタルスタジオなどで使っているドアはドアだけで100万円以上するので、ヤマハから出ているアビテックスという比較的安価な防音スチールドアをスタジオ側につけることにしました。
このドアの防音性能は40dBであり、120dBの音を80dBまで落としてくれる計算になります。80dbといえば電話のベル並の音量ということになり、まだかなりの音量ですので、さらに入り口をエアロック方式にして小さい部屋を作り、ここにもう一枚玄関用のスチールドアを取り付けます。このスチールドアの遮音性能が30dBですので合計して120dBの音量を計算上は50dBまで下げる事が可能となります。
このスタジオ前室のエアロックまでがスラブというコンクリートの仕切天井で覆われていて居住部分と音の切り離し対策となる予定です。
外に出るためにはさらに階段を上がってもう一枚本当の玄関ドアを開けないと外には出れないので、階段室を大きな空気層とみなすことが出来るため、入り口からの遮音はかなり高いレベルで実現されるはずです。ただしこれらは、ドアが閉まっている場合ですので、当然ながらドアを開けるときは演奏を控えるよう徹底が必要です。
また、施工時の仕様では床がコンクリートの打ちっ放しですが、残響性能の調整で床に別の仕上げをする可能性もありますのでその際ドアが開かなくなったりしない様にドア下面の取り付けはスタジオ床面から50mm程余裕をみて一段高くしてあります。

12・隙間について

防音を考える際に気をつけなければいけないのが隙間からの音漏れです。
石膏ボードの継ぎ目や壁と天井・床とのつなぎ目などに隙間が空いているとここから結構な音が漏れ出します。
また石膏ボードを2枚重ねにして遮音性能を高めようとしていますので、2枚が同じように重なって貼ってあったのでは隙間が通しで出来てしまいますので、こちらも互い違いに貼るようにします。
これらは必ずパテ埋めなどでシーリング加工を行う必要があります。大工さんには「潜水艦を作る気で密閉してね」と言おうと思っています。
電気の配線関係も、壁に埋め込みのコンセントを付けるとせっかくの防音の壁に穴を開けてしまうため、あまり良くありません。専用の防音用の埋め込みBOXも出ていますが、我が家のスタジオの場合は見た目が悪いですが、スイッチ・コンセント類は全て露出型のBOXにしました。これだと配線の線材が通る穴だけ開ければいいので性能低下は最低限に抑えられます(配線が終わったら穴はパテで埋めてしまう予定です)。

13・残響性能について

音がいいスタジオ・音が悪いスタジオの違いは、その部屋の残響性能の違いと思って間違いないでしょう。
しかし一言に残響性能といっても個々の周波数別の性能があり、さらに好みの問題やどういう目的で残響性能を設定するか?等これもまた様々なアプローチがあり非常に難しい問題です。
録音スタジオなら余分な反響をさせないで忠実に楽器の音のみを録音出来る様にデッド(残響時間が短い)に、リハーサルスタジオであればある程度迫力や臨場感を出すためにライブ(残響時間が長い)に設計すると言われていますが、流行や好みがあるためあくまでも一般論であり、それ以外にも中音の抜けがいいとか低音が響くとか周波数帯域による残響性能のバラツキもあり、最終的には使う人の好みと言うことになります。
ただ幸いなことに、残響性能に関しては部屋の内装などで後加工が可能であり、使ってみて気に入らなければ直すことが可能ですので設計段階である程度の方向付けさえしてあれば所詮素人ですのであまり神経質になる必要は無いと思います。(手間と時間とお金を節約するならよく考えた方がいいですけど、狙った性能が一発で出せるなら音響建築のプロになれます)
例外は部屋の形ですが、これすらも部屋が狭くなっても良くてお金さえ出せば変えようと思えば変えられます。部屋の形状で言えるのは真っ直ぐな平らな向かい合った壁同士が平行に並んでいると残響性能的にはよろしく無いということです。一番悪いのが壁が平らな真四角の部屋ということになります。ただこれも実際には機材や家具を置くのでそんなに神経質になる必要は無い気がします。
図面を見て貰うと解るとおり我が家のスタジオは結構いびつな形をしています。天井も換気扇の配管が通る下がり天井などがあるので、向かい合った一直線の平らな壁というのはありません。ですから、部屋の形状的には良い線ではないかと思っています。
次に残響性能を決めるのは天井・壁・床の材質です。個々の材料には全て吸音率というものがあり、何をどのくらい使っているか?によって計算上部屋の残響時間の算出をすることが可能です(面倒なので計算してませんがそのうち計算してみます)。
我が家のスタジオはリハーサルスタジオであり、ある程度ライブな状態を狙っていますので残響性能的には中間な感じに仕上げたいと思っています。
我が家のスタジオの施工時の仕様は必ず向かい合った壁は片側が”吸音面”で片側が”反射面”という組み合わせになっています。
反射面は通常の内装用のつるつるしたビニールクロスで、吸音面はグラスウールをボード状に固めた物にガラスクロスを張り合わせたマグボードという吸音材を使用します。
天井は吸音面として考えオフィスの天井などに使われるロックウール系の吸音ボードで仕上げ、床面は反射面としてセルフレベリングコンクリートの打ちっ放しとしています(タバコが落ちても火が出ない様に土足仕様)。
あとは使ってみて、ライブ過ぎるなら吸音材で吸音面を増やす、デッド過ぎるならなどを使って反射面を増やす等で調整しようと考えています。周波数別の調整も専用の吸音材などがSONEX等から出ていますのでこちらで調整しようと思っています。
部屋の表面積に対する吸音面積で言うと、ほぼ半々の50%になっています。一般的なオーディオルームの理想は15%〜22%程度が良いとされているので、それよりはかなりデッドな残響性能になるはずです。
残響性能を設計する段階で1つだけ言えることは、あまり最初からデッドに設計するとライブにするのには手間とお金がかかるという事ぐらいです。吸音するのは以外と簡単(極端に言えばカーテンでも効果大)ですが反射させるのは面倒(お金がかかる)ですから。

14・スタジオの安全性について

バンドリハーサルスタジは完全防音・防振を目指して設計される空間です。
このため災害時に地下室に閉じこめられた場合など良くある話しのように救助を待つ間壁を叩き続けていて、その音を聞いて生存者の存在を知り救助隊が助けにやってくるということは、個体伝搬音を止めてしまう防振構造のため効果は期待出来ません。
RC構造でしかも小さめの箱状の建物ですので大きな地震でも崩れると言うことは考えにくいですが、鉄製のドアがゆがんで開かなくなって閉じこめられる可能性は大いにあります。
我が家のスタジオも設計時この問題は設計士さんと再三検討しました。
本来であれば出入り口以外の非常脱出経路を確保するべきだと思います。ただ、これも防音上マイナス方向の要因となりますし開口部や設備にかかる費用・設置するスペースの問題等障害が多く、結局我が家では非常脱出経路は確保していません。設計時にもこのことは了承済みですという書類に判子も押しています。
ただ、やはり外に出れないまでも、最低でも外部の人に内部に人がいることを伝える手段を何か考えなければいけないと思っています。スタジオの内部にドアを壊すことの出来る斧などを装備しておくことも考えています。
これらは今後の課題の一つです。人間死んでしまったら終わりですから。