導線を考える

我が家で盛り込んだ猫用の仕様の解説ページです。
でも、猫が予想通りに動くかどうかはわかりません


設計編

我が家には、現在猫が2匹いる。「犬は人につくけど猫は家につく」等と言うが、家を設計するにあたってこの猫達の事もだいぶ考えた。
我が家の猫は、現在の住まいがマンションであるせいもあり一切外には出ない完全室内飼育である。猫の場合は広いところを走り回りたいという欲求より、登ったり降りたり隠れたりするのが好きなので、完全室内飼育でもストレスにはならないらしい。また、他の猫からの伝染病や怪我・事故の確率が減るため室内飼いの場合寿命が長く20年以上生きたりもするそうである。我が家の猫は、長男が8歳で三男が1歳(次男は昨年病気で他界した)であり少なくともあと10年以上は生活を共にするつもりであるので、猫も快適・世話をする人間も快適に過ごせる様に猫仕様を考えてみた(あんまり大した事は考えてないか)。


1・導線


我が家は2Fがマンション風の居住スペースであり、寝室・浴室・リビング・キッチン・洗面所等生活に必要なものは全部2Fに装備されており生活の全ては2Fで行われる予定である。必然的に猫も2Fがメインの生活スペースになる。
我が家の猫達は人がTVを見ていればTVの前に、新聞を読んでいれば新聞の上に、寝ていれば顔の上に、トイレに入ればタンクの上に、お風呂に入っていれば湯船に手を入れて湯加減を確認しに来ると言う風に、ともかく人と同じ空間に居たがるので、洗面所と浴室以外の部屋へは全てドアが閉まっていても猫が自由に出入り出来る猫用の通路を設けてみた。
我が家は高気密高断熱住宅で居住エリアは24時間計画換気・空調を行う予定であるので、一年中家中大体同じ温度が保たれる様になるはず(そうだよね工藤さん)であるので、通路といってもドアなどは無く、壁に15cm×15cm(これ通れなくなるほど大きくならないでね)の穴を開けただけである。
ペットドアとして市販のペット用品で、壁や窓に付けるドアや人間のドアにペットのドアが最初から付いている物等も市販されているが、どれもデザインがいまいちで格好悪いし屋外との出入りドアでは無いので単なる穴で良し!ということにしてみた。ちなみに建材メーカーによっては、既製のドアに特注で穴を開けてくれたりペットドアを取り付けてくれる所もある。
我が家の猫通路は壁に穴を開けただけなのであるが、穴を開けた後の仕上げ等が必要でコスト的には既製のペットドアと同じぐらい値段がかかってしまうが、取り付ける場所を選ばない(てか作るんだから当たり前)ので壁から壁・廊下から寝室クローゼット・通路から物入れの中等色々な場所に好き勝手に配置してみた。猫の忍者屋敷のようである。獣医さんに連れて行くときに気配を察して逃げたら捕まえるのが大変そうだが・・・・。

2・空調


我が家は共稼ぎなので、日中は誰も家に居ない。このため現在のマンションでは猫達のためにカーテンを閉め切り夏はエアコンは点けず(あんまり暑いときはエアコンを除湿運転にして出かける事もある)換気窓を開けたまま、冬はホットカーペットの電源を入れたまま外出している。
マンションはコンクリートで保温性・気密性が高いので、それほど外気温に室温が左右されないが、それでも夏は相当な温度になり冬は冷え込む。
猫達が若いうちはそれでも頑張れると思うが、やはり年を取ってきたらこれはかなりキツイと思う。
そういう意味で、家を設計する段階で前述の様に高気密高断熱・計画換気・24時間空調で室温を一定に保つというのは外せない要素であった。なのでそうなる予定である。

3・トイレ


我が家の猫達は、人間の便座の上にまたがって用を足したら流して出ていく、なんてことは出来ないので(流さないまでもそういうふうに躾る事は可能だそうだ)、残念ながら猫用の砂を入れたトイレが必要である。
現在はマンションで置くスペースも限られているので、リビングのパソコンデスクの下と倉庫状態になっている4畳半の部屋と2カ所に設置している。
共稼ぎで日中は誰も家にいないので人の顔を見るとホッとするのか、奴らは家に帰ってきて我々がご飯を食べているとトイレに入る。これは結構しみる。
それからトイレ砂は、比較的長持ちするのと、消臭効果が高いのでシリカサンドというものをつかっているがこれがくせ者で、猫の手足にはさまって部屋中に散らばってしまう。つぶが結構なサイズと固さなので裸足で踏むと痛いし潰すと粉々になって掃除が大変である。これもなんとかしたい!
なので、洗面所に猫のトイレを作ってみた。洗面所に半間弱の観音開きドアの物入れを作りそこを上下に分割して、下段に猫のトイレを設置出来るスペースを設けた。上段は通常の物入れでタオルや洗剤などを仕舞うスペースである。猫のトイレへのアクセスは、廊下側から猫通路によって行う設計である。
トイレの設置スペースは、猫のトイレのサイズよりも奥行きを持たせ、人工芝などを敷いて出入り口を小さくする事などで少しでもばらまく砂の量を減らそうという作戦である。この辺は実際の運用が始まってから猫砂も含めてカットアンドトライで最良の道を探す予定である。ともかく人間の食卓から遠いところにトイレは移動した。

4・食べる


現在も猫の食事はキッチンの前の冷蔵庫の前であるが、おそらく新居でもキッチンが猫の食事場所になるはずである。猫はお皿からくわえて外に出して食べたがるのでどうしても、床が汚れてしまう。水もこぼす。そのため床材の選定には、濡れても平気で汚れが付きにくく掃除が簡単な物を探した。
本当はキッチンはタイル貼りにする予定だったのだが、コストが安くないのとシステムキッチンの下等見えないところもタイル貼りになってしまうため、もったいない!ということで店舗等でよく見かける黒い大理石模様の硬質ビニルタイルをキッチンの床に使ってみた。

5・くつろぐ


猫はひなたぼっこが好きである。日だまりで平和そうにくつろぐ猫を見ていると心が和み、耳を折ってみたり、ヒゲを引っ張ったりしたくなる。
また猫は窓から外を見るのも好きである。
我が家は2×6という工法のため、壁厚があるため必然的に窓枠が猫が座るのに十分な広さが確保されている事になるので、何処の窓でも猫が外を見るのには十分な広さがある。
さらに一番日当たりの良さそうなリビングの窓際の壁一面に、腰ぐらいの高さの収納兼作りつけカウンター家具を作ったので、そこであればどんなに長く伸びて寝ていようと平気なはずだ。
猫はそれぞれお気に入りの場所があり、何もすることが無いときは必ずと言っていいほど、お気に入りの場所でボケーっとしている。おそらくそのカウンターの上がそうなるのではないか?と予想しているが、気に入るかどうかは猫次第である。

6・引っ越し


冒頭でも書いたが、猫は家が大好きである。だから引っ越しというのは猫にとっては大変な出来事である(人も大変だけど)。捨てられたと思ってしまう猫もいるらしい。
三男は家に貰われてきたときも一週間ぐらい物陰から出てこなかったり(子猫だったけど)、実家に連れて行ったらパニックを起こして、垂直の壁を駆け上がり天井に頭をぶつけて落下してきて、ストーブの上を駆け抜けて開いていたドアから外に逃げていって、探すのに苦労した・・・・
という様な性格なので、慣れるまで相当の時間を要すると思われる。引っ越しの最中にダッシュして居なくなってしまう可能性もある。
可愛そうではあるが引っ越しが終わるまで、地下かどこかの部屋に閉じこめることになるだろう。ともかく注意が必要だ。あとは、もう慣れて貰うしかない。しばらくは缶詰いっぱいあげるから、我慢してくれ。

ということで、色々考えてはみて設計に反映はしてみたものの、所詮は人間側の都合と勝手な思いこみなのかもしれない。あとは実際に猫達が使ってみてどうか?ということなので、それは完成してからまた報告することに致します。