初心者のための長江文明講座>

 みなさん、中学校のころ、4大文明というのを習いましたよね?その中では、黄河流域が中華文明の発祥の地とされ続けてきました。長江流域文明に関しては、いくつかの書物の中で、言及がされてはいるものの、実証するものはありませんでいた。今からだいたい2500年くらい前の戦国時代に、現在の四川省の地に「蜀」と呼ばれる王朝が存在していました。しかし、その蜀王朝もやがては、後の始皇帝で有名な「秦」に併呑されてしまいます。このときに「蜀」文化は歴史の闇に葬られました。一体蜀王朝はどのように成立したのか?というのは、中国史の謎とされ続けていました。
 そんな中87年のある日に、成都市の北にある広漢という農村地帯で、目がとび出た奇妙な形の仮面が発掘されました。その後、さまざまな青銅器や、象牙の類が発掘されました。これらの出土品は、ちょうど《華陽国史》などの蜀王朝について記載した書物と合致するものであり、古代中国の地において、四川省一帯を中心とした文明が栄えていたことが証明されました。また、象牙が発掘されたことは、この王朝は、東南アジアの国とも交易があったことを意味し、アジアにおける、古代史、考古学が塗り替えられる発見として、現在研究が進められています。


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