笑傲江湖


内容紹介  登場キャラ紹介  江湖の状況紹介  個人的な感想


 

内容紹介

 主人公岳不群は、武林(※注1)正派、五山の一つ華山派のボスであり、多くの弟子を抱えている。“紫霞功”という武術を使いこなし、一角の人物として、一目置かれる存在であり、“君子剣”と異名をとる剣の達人である。

 しかし、この岳不群という人物は、“君子剣”との異名を持っているが、その野心は誰よりも高く、いつの日か、天下の覇者となる野望があった。

 福州福威鏢局(※注2)、林家に伝わる『辟邪剣譜』を手に入れたものは、天下一になれるという。そこで岳不群は娘の岳霊珊と二番弟子の労徳諾を林家近くに埋伏させるが、青城派が福威鏢局を惨殺したさなか、『辟邪剣譜』の手がかりは何もつかめぬままだった。ただし、その後、福州福威鏢局の林平之を弟子とし、『辟邪剣譜』の行方を追い求める・・・

 彼には令狐沖という一番弟子がいた。日ごろの行いが悪く、謹慎を命じたのはいいが、令狐沖は謹慎期間中に謎の剣術をマスターしてしまう。この剣術は、あろうことか岳不群の剣術を遥かに超えていた。この令狐沖は福州福威鏢局のボス林震南の死を見取っている。それゆえ、岳不群は、『辟邪剣譜』は令狐沖の手にあると疑う・・・ボスより腕の立つ弟子なんて邪魔者でしかない。

『辟邪剣譜』はいずこへ?岳不群の野望は?

こんな紹介でよいのだろうか・・・
※注1:
いわゆる武術の達人たちが活躍する世界のことです。

※注2:
物騒な中国では、道中、山賊の類がたくさんいます。鏢局とは、運送業兼護送業みたいなもので、主に山賊たちに顔のきくような人が輸送を担っていました。顔が利くので、山賊には襲われることはないので安全に輸送できるというわけです。

主要登場キャラ紹介

画像は2001年に中国中央電視台が放映したものを利用しました。



この物語の隠れ主人公。“君子剣”と異名を持つが、“スーパー偽君子”であることはいうまでもない。目的(天下一)になるためには手段を選ばない。彼の夫人寧中則がかわいそう。



この物語最強、っていうか、恐らく武侠小説全体を見渡しても、こいつに勝てるやつはいないんじゃないか?と思うくらいの達人。いろんな意味で危ない人なので近づいてはいけません!町でであったら逃げてください!


福州福威鏢局、林家の生き残り。まあ、現実の世界だったら、他人の生き方にとやかく言いませんが、小説の世界のなので、あえて言います。「お前の生き方間違っている!」


この人危ないキャラクターです。どこにでもいますよね、こんな人?ボスのお気に入りで、寵愛を受けていることをいいことに好き勝手する人って。でもこの人が愛してしまった(!?)のは・・・

江湖の状況紹介

 派閥が多すぎてわからないという人のために簡単な江湖の状況説明です。

まずは初期状態ですが、2つの対立が存在しています。
  1. 五岳剣派を中心にした正派と魔教こと日月神教の対立
  2. 川西(現四川)青城派と福州福威鏢局の対立
五岳剣派は図で説明すると以下のようになります。



中盤は、正派、魔教それぞれの内部での覇権争いが中心です。
  1. 華山派・岳不群と、嵩山派・左冷禅の五岳派内での覇権争い
  2. 現魔教教祖東方不敗と、前教祖任我行の覇権争い
後半は各派閥が入り乱れて覇権争いを繰り広げます。

個人的な感想

 金庸小説の最高傑作との誉れ高い『笑傲江湖』です。やっぱりこれは面白いですよ。私も一番好きです、この作品。
 何が魅力的といわれても一概には言えませんが。この作品は次から次へと、これでもかというくらい、わけのわからない個性的なキャラクターが登場します。まさに奇人変人大集合と言ってもいいでしょう。

 その中でも、やっぱり東方不敗はすばらしいです。よくもまあ金庸さんもこれらキャラクター考えてくれました。魔教のボスが、ただ武術の達人だったらきっと他の小説と同じだと思うんだけど、この物語では、“自宮”して最強の剣術を手に入れたという、その発想には、ただ頭が下がるだけです。

 そして、最初から最後まで物語の鍵を握ると言ってもいいのが、岳不群です。普段は善人のふりをしていますが、己の野望のためなら手段を選ばない。暗殺なんて当たり前、ついには○○までしてまでも天下一になろうとする。私にはこの物語の主人公はこの岳不群に見えます。

 


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