子宮頸がん

 近年、子宮頚がんによる死亡率は年々減少しています。この減少の理由としては、早期で発見される症例が増えたことにより、進行した子宮がんが減少してきているということです。これにはがん検診の果たした役割が大きいのです。がん検診は必要ないという内容の本が一般向けで売られていますが、子宮頚がん検診の果たした役割は大きいと思います。

 *頚がん検診では細胞診を行いますが、痛みはありません。

子宮体がん
 子宮体がんは子宮の内膜から発生したがんで、子宮頚がんと比較して日本人には少ないがんですが、最近は本邦でも増加傾向にあると言われています。
体がんは頚がんと異なり女性ホルモンに依存するがんで、妊娠の経験のない方、肥満の方、糖尿病、高血圧、閉経後の方に多く発生しますが、最近は閉経前の方も増えている印象があります。
 症状としては異常出血が多くのの患者さんにみられますが、疼痛はあまりありません。閉経後に出血が見られた場合には体がん検診が必要です。(閉経後の出血は必ずしも体がんだけではありませが、病院で検査を受けられることをおすすめします。)

 *体がん検診では、子宮の中に細いブラシなどの細胞採取器具を挿入して細胞診をします。

卵巣がん


 卵巣がんは日本では子宮頚がんより少ない癌ですが、増加傾向にあります。卵巣は体の内部に存在しているため、子宮がん検診のように直接細胞を取ってきて検査をするということができません。出血や痛みを訴えることもあまり無く、おなかが出てきたなどの症状が最初の症状であることが多く、この時にはすでに進行していることが多いのです。現在、卵巣がんの検診として行われているのは、超音波検査による卵巣の腫大の有無のチェック、血液検査による腫瘍マーカーの増加の有無などが主です。しかしながら卵巣がんの場合、超音波検査、腫瘍マーカーが正常であっても、確実に初期に発見することは困難なのが現状です。このために子宮がんに比較して、卵巣がんの予後はいいものではありません。

 *子宮がん検診を受ける際には、同時に超音波検査を受けて卵巣の状態をチェックすることが大切です。

超音波検査について

 がん検診の際に行う内診検査≠ヘ、患者さんの体格(肥満など)や緊張してお腹の力が抜けないなどの場合には、正確な診断が出来ない場合があります。また小さな子宮筋腫や卵巣の腫大は分かりません。このため、がん検診の際には超音波検査を一緒に行うことをお勧めします。

 *当院は川崎市のがん検診の指定医療機関です。

 *20歳以上の方は、年齢が偶数の年に、子宮がん検診が受けられます。
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