| ウェストマウント・ピアノ・スタジオでは12月に生徒だけのピアノ・パーティーがおこなわれます。 生徒だけの主な目的は、いつも保護者の大きな期待を背負っている生徒の精神的負担を少しでも軽くすることと自立です。 昨日はほぼ同じ年代のピアノ生徒のグループ2つとバイオリンとギターの1グループが演奏をしました。 参加した4歳から13歳の25名の中でどうしても親と離れることの出来なかった生徒一人を除いてみな自分ひとりで参加しました。 もう一日上級生徒のための日が設けられています。 私の生徒は一つ目のグループに参加しました。約1時間の間、どの子も騒ぐことなくとてもおとなしくお友達の演奏を聞いていました。順番はくじびきで決まり、自分の番が来るとさっさと準備をし、曲目を言って演奏をしました。 中にはお辞儀の出来ない子、演奏曲目を自分で言えない子もありました。 ほとんどがビギナーだったので約半分の生徒は先生と連弾をしました。 先生のひくピアノの音はとてもすてきで刺激を受けてしまい、家に着くや否や、同じ音が出せるかピアノをひいてみました! 生徒はこの土地に住んでいるのですが、移民の人が多く、ベルギー、オランダ、ポーランド、インド、日本そしてカナダと国際色豊かです。 その上8人の先生の生徒たちが集まったので、子供の個性はもちろん、それぞれの先生の違った指導法が手に取るようにわかりました。 |
| ・鍵盤に手を置いて指を上げないで、やさしい音でひく。 ・テクニックより歌うことを大切にひく。 ・教則本に添って正確にひく。 ・リズムのバイタリティーを大切にひく。 ・腕全体を使ってしっかり音を出してひく。 などなど |
| それぞれの先生によって一番大切にしていることがよくわかりました。 またそれらを見聞きすることで、自分が指導する上で忘れていたことや、小さい子供だからとあきらめていたことでも可能であることを認識することが出来ました。 選曲もこれだけの先生が集まるといろいろで、ジャズ、クラシック、唱歌、ポピュラー、民謡、そして教本の種類もバラエテイーに富んでいました。 今回は曲を練習したのも2〜3週間、生徒によってはその場の即興で参加しました。1時間足らずのピアノ・パーティーでしたが、私にとって、とても心に残る発表会でした。と言うのは、会が終わり一週間後のレッスンでどの生徒もパーテイーの感想を話してくれるのです。自分がピアノを人の前でひいて自信をつけたことはもちろん、ほかの生徒のこともちゃんと見ているのです。 音楽で遊ぶレッスンをしている4歳になったばかりのSちゃんは、いろいろなものに興味があり、レッスンの間、次々動き回りじっとしていないのですが、昨日は1時間の間、一番前に座りじっとお友達の演奏を聞いていました。最後になって自分の番が来たら物怖じせず「きらきら星」をひくというのです。その上、客席ではなくピアノに向かってお辞儀をしてみんなを笑わせてくれました。私が強弱、速遅をつけて即興で「きらきら星」を弾くと左右各3本の指でそれにあわせてうまく演奏しました。次のレッスンでは「とっても面白かった」と満足げでした。 なかなかピアノとなじめなかったCちゃんはぴかぴかスパンコールのついた靴を買ってもらったので「キラキラキラキラきれいな靴」とみんなに歌ってもらって「ドシラソファミレド」をひきました。そしてギロックの「スナック」もひきました。次のレッスンでは、S チャンみたいにピアノを弾きたいといいました。 以前にもまして仲良くなれたことや、いつも笑わないと思っていたCちゃんは、実は嬉しいときは鼻の上にしわを寄せることがわかりました。 6歳のJちゃんはレッスンに来るときいつもお母さんと一緒で、昨日も一緒だったので、ひとりで演奏できるか心配しました。しかし本番では順番が来ると、ひとりでピアノのところへ行き、「ブラザー・ジョン」と「ワルツ」をしっかりしたリズムとタッチでひきました。うまくひけないとフラストレーションがたまり、レッスンがつらくなってこの後しばらくお休みすることになっていました。 次のレッスンの時Jちゃんもお母さんも皆の演奏に大変感激し、レッスンあきらめないで続けようと思うと言ってくれたのですごく嬉しくなりました。 8歳のPちゃんは3ヶ月前に始めたばかり。「サンタクロースがやってきた」と「空飛ぶカーペット」をひきました。 初心者にしてはほかの子より少しお姉さんだったので簡単な曲をひくのを嫌がるかな?と心配しましたがペダルも使ってピアニストのようにひきました。 次のレッスンでは、「Sちゃんは楽譜が読めるの?」と尋ねました。Sちゃんの演奏はほかの子供たちにも何かを感じさせたのでしょう。Pちゃんは楽譜を読むことにより意欲を増しました。 5歳のL君はF♯とGを 鈴の音のように「ジングルベル」に合わせてひきました。 そして少しどきどきしましたが「ボート」もオクターブ上がるのを忘れずにひきました。次のレッスンの時お母さんが「先生と一緒にひいたジングルベルの楽譜はありますか?」と尋ねました。残念ながら楽譜はないのですが、L君はこれを気に入って家でもひきたかったのでしょう。L 君は「僕だんだんピアノわかってきた」と言って、出来ないところを繰り返して練習しました。来週クリスマス休暇でオランダへ帰るのですがレッスンへ来たいと言いお母さんを困らせました。 日本から1年だけモントリオールへ来ているYちゃんとNちゃんも参加しました。Yちゃんは「ブルース列車」と「ジャズ時計」耳で聞いて覚え楽譜なしでひきました。小さな柔らかい手で3度の重音がひけるか心配でしたが、心配をよそにとってもしっかりひきました。 Nちゃんには「サマータイム・ブルース」を勧めた時、この曲の歌詞を教えました。すると3連音符の難しいリズムもすいすいとひけるようになりました。「ガラスの靴」もお母さんとYちゃんが横でダンスを踊ってくれてからリズムが見違えるようによくなりました。後から皆にほめてもらったので同じ日本人として、そして彼女たちとピアノを通して異国の地で出会えた事をとっても嬉しく思いました。 |
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そしてもう一つ嬉しかったのは、ピアノオールザウエイも入れてギロック10 曲が演奏されたこと。マーサ・ミアーとロリンも数曲演奏されました。 ほかの先生方もギロックとその仲間の作品を気に入って使ってくれるようになりました。
これらの作品を紹介することができてとてもよかったとしみじみ思いました。 カナダでもどんどん広がってほしいです。 キャサリン・ロリンは「LIFE TIME LIBRARY」と名づけて、生徒が練習した曲は生涯に残る楽譜コレクションとして大切にするように教えるそうです。コピーで簡単に複写できる時代ですが、自分が楽しんだ音楽はほんとうの楽譜を持ちいつまでもたいせつにしてほしいからです。それぞれの曲には作曲者の思いと、そして演奏した者の歴史が宿ると思います。 出版に携わる者として、「LIFE TIME LIBRARY」は作曲者の生活を守り、出版社が今後新しい作品を紹介し、私たちの音楽の世界を広めるためにも大切なことだと思いました。 |