Hillock Canada Diary No29

『楽譜ってなんだろう?』


 はじめての企画「ギロックのプレゼンテーション」を我が家で行いました。
一人でも二人でもいいのでピアノの先生に来てもらってギロックを聞いてもらおうという試みに京都で友の会を始めたときと同じく4人が集りました。

挿絵1

ずいぶん前に中学校の非常勤講師仲間だったMIKAさんに「こぶとり爺さん」の紙芝居を作ってもらいました。これをこちらの友人にフランス語に訳してもらったものがやっと日の目を見るときが来ました。 GENYにこの物語を読んでもらい、そのバックにギロックの曲を流しました。
おじいさんがほっぺのこぶをゆらゆらゆらさせながら山から柴を担いで下りて来ると雨が降り出しました。この場面には、「はじめてのギロック」から「東洋の市場」を使いました。左手のスタッカートがおじいさんの足取りと雨の様子です。鬼たちの宴会の場面にはミラーの「インディアンのダンス」
おじいさんが鬼たちと踊り明かしたところは「リオのカーニバル」

鬼がおじいさんの「こぶ」を預かっておこうとはぎとりました。ほっぺたがとっても軽くなって喜んで家へ帰りました。ここではかろやかな「道化師たち」等など、どの場も雰囲気が出て朗読もピアノもとっても楽しんですることができました。もちろん見ている人もパーカッションを一緒に打って大いに楽しんでくれました。

挿絵2

 そのあとギロックの曲をいろいろ演奏して意見を交換しました。まず驚いたのは、生活習慣の違いなのか4人の誰もがとっても積極的に自分の意見を言うのです。自分の順番を待ってましたとばかりにしゃべるので話のテンポがどんどん速くなっていきます。「ゆっくり話してくれないと会話についていけない」と何度も頼まねばなりませんでした。
こんな集まりは大変有意義なのでこれからも続けたいと言うことになり、
次回は、「ピアノピース・コレクション1」から「聖日」を課題曲に取り上げスタッカートについて話し合うことになりました。そして各自選んだスタッカートを使う曲をそのほかに一曲持ってくることになりました。

集ったうちの一人MがGENYに「"聖日"コピーさせて」と頼んでいるのです。GENYは困った顔で私を見たので、Mに「どうして楽譜を買わないの?」と尋ねました。すると「この楽譜を買ってもこのレベルの生徒がいないし売れないから。それに初見ではちょっと自信がないから」と言うのです。驚いてしまい「楽譜は自分が勉強するために持つのと違うの? 使った後、生徒に売るためではないよ。それに楽譜をコピーする事は法律で禁じられているよ」と言うとしぶしぶ楽譜を購入することにしました。

横でOが「皆わかってるけど、コピーするのよね」と言いました。そして「コピーで練習するのと楽譜を持って練習するのでは心構えが大きく違うのは知ってるけど・・・」と。するとGENYは「使わない曲が入っていても、生徒が楽譜を読めるようになったら興味を持って、他の曲はどんなのかな?って自分で楽譜を読むようになるので、楽譜を持つ事はとってもたいせつなことだ」と意見を出しました。

一つ一つの音楽には情景と物語があります、例えば同じスタッカートでも場面によって違ったひき方が生まれてきます。いろいろな音色を経験するためにも、たくさんの曲と接する事はとってもたいせつなことだと思います。ギロックはそのためにたくさんの小品を書いたのです。

私たちは楽譜は貴重なコレクションになることを知って、コピーでその曲だけと取りくむのではなく、感性を深めるためにも、それに関連したほかの曲へも興味を示し楽譜を見るゆとりが生まれないものかと思いました。
なぜ楽譜を持つのか、楽譜の持つ役目はなにか?と改めて考えた一日になりました。

Hillock 2006 February

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