Hillock カナダ便りNo27

『World Piano Pedagogy Conference
     世界ピアノ教育カンファレンスに参加して』


 WPPCがカリフォルニアのアナハイムHYATTホテルで2005年10月26日から29日の4日間行われた。
朝は8時から夜10時頃までぎっしりのスケジュール。このカンファレンスは今回で10回目を迎えるが始めて参加した。ヨーロッパ、中国、韓国等からの移民音楽家たちと出会ったアメリカを始めドイツ、カナダ、トルコ、ブラジルなど世界のピアノ愛好者と出会うことが出来、とっても楽しかった!




 WPPC発起人のBenjamin Saver氏(ベンジャミン・シェヴァー)はきっと私と同年代だと思うが髪の毛を
肩までたらし、ジージャンにジーパン、それもロッカーのような着こなし。最終日にはスーツ姿で決めたが、
Yシャツをズボンの外へ出し、高校生が制服を今風に着ているような、とってもユニークなキャラのディレ
クターでありミュージシャンである。これからも解るように彼の世界は広く、WPPCのプログラムも、変化に
富み興味深くとても参考になった。 印象に残ったプログラムからのメモノート。

*30分のレクチャー:
  @ ルビンシュタインに賞賛されたピアニストAnn Scheinの講座。ショパンのプレリュードはいかに
   イタリア歌曲の影響を受けているかについて話された。歌うことの大切さを知る。
  A デヴィッド・ボウイのピアニストを30年間務めたMIKE・GARSONは人間味にあふれ、とても好感が
   持てた。昔レッスンの時いつも先生が「リズム」「リズム」と注意したが・・と話が始まり、たいせつな
   のは基本になるPULSE(拍)が正確であること。その上に曲のスタイルとその人の感性により人に
   よって違うリズム感がうまれること。即興も自然に生まれてくるものであって決して強要してはなら
   ない。 「うーんなるほど」とうなってしまった。

*公開レッスン:
  初級から上級まで通算16回行われた。各レッスンには二人の教授が付きそれぞれの指導法を披露
  した。じっくりと生徒のイメージと解釈を引き出す教授と、「フムー」と考えている生徒を待ちきれず、
  どんどん自分のイメージを生徒に吹き込む教授。一音ごと細かにテクニックを指導する教授と生徒の
  表現したいことを引き出し、よりよく表現できるようにサポートする教授。全く違ったタイプの教授二人に
  出くわすと生徒はどうしていいかわからない様子だったが、自分にあったアドヴァイスをものにし進歩
  する様子が見えて面白かった。


*出版社・ピアノの展示:
  全米音楽指導者協会の時より規模は小さかった。ウィリスのブースで仲間の池田さんの楽譜を
  見つけたとき嬉しくて写真をとった。


Willis の社長KEVINと Hal Leonardの編集者Charmaine


*45分出版社からのショーケース(新譜の案内など)
  @ ブームになっているFaber夫妻によるPIANO ADVENTURESに行った。RANDALL・FABERは
   テンポがよく話がうまい。メモノートを見ることなく全てからだの中に消化されて詰まっているようだ。
   今風の音楽での教育が印象に残った。
  A グレンダによるギロック、オースティン、トンプソンの紹介。時代が変わるとギロックを知らない
   聴衆がある。ギロックを聴いた後の聴衆の目の輝きを見ると、これからもギロックを紹介していか
   ねばとグレンダは思ったそうだ。


グレンダのショーケース   グレンダと一緒に




ショーケースが終わってからのWillis のブース



 Bロシェロール先生のクリスマス音楽とジェローム・カーン作品のアレンジはすばらしかった。
   彼女のニューオリンズ・サウンドは聞いているものをまるで別の世界へ連れて行ってくれる。
   しかもシンプルな楽譜なので我々にも演奏するとが出来るのである。彼女が「ニュー・ギロック」と
   呼ばれたことにうなずいた。



ロシェロール先生に会いに LAに住むドラマーの息子さんJustinと
彼の友達のVanessa がやって来た。


*コンサート:
 Ann Scheinのショパンは華やかですばらしかった。しかも自由で気負わない演奏は聴衆を釘付けに
した。
Luiz Moura de Castrのリストは決して速いテンポではないのに生まれてくるリズムは生き生きとして
いた。そして聴く者をリラックスさせてくれた。一音一音を自分の耳で聴き味わっているのがよく分かった。
この後日本で講座と演奏会を控えていたそうだ。

Mike・Garson(Piano) とJim・Walker(Flute)のジャズコンサートも大いに満足した。ベートーベンや
ショパンをJAZZ風にアレンジしたものと自分のオリジナル作品。レザーのパンツ姿で演奏に望んだ。
「即興や新しいサウンドをクリエートするには過去の偉大な作曲家の作品をよく知ることがたいせつ」と
いった言葉が印象に残っている。この夜はこの後現代音楽のコンサートもあり終了は12時を過ぎた。

そのほか
*パネルディスカッション
*60分ミニセッション(有料)30人限定: しかし当日券はSOLDOUT!
*身体的問題へのアプローチ(腱鞘炎、緊張etc.) 等など
    興味深い話題でいっぱいだった。

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