Hillock カナダ便りNo22

『セカンダリー・スクール・コンサート04-11-26』

 家の近くにセカンダリー・スクール(中学1,2,3年と高校1,2年)がある。
 《ケベックの学校は6-5-3あるいは6-5-2-3制》
 この学校には音楽コースがあって、年に何回か生徒のコンサートがあり、聴きに行くのを楽しみにしている。ソロのコンサートのとき、管弦楽器の生徒が多いのに気づく。そして、クラシックにもましてガーシュインに始まり、H・ハンコック、D・エリントといったジャズのナンバーが多く選択される。毎年コンサートには第一線で活躍しているジャズプレーヤーがゲストでやってくる。1部は学生の演奏、2部はプロの演奏が楽しめる。

 昨夜は一部がGROOVY・ BRASSというアルトサックス、トランペット、トロンボーン、エレキ・ギター(リズム&ベース)そしてドラムの6人のバンド。 はじめ皆緊張して視線がかたっまてしまってたのでどうなるのかと思った。トランペットの生徒は最年少なのか、吹く前からトランペットをいじりまわし落ち着かない。彼らのオリジナル曲3曲、緊張もほぐれてきたところで教師とバンド・コーディネーター(プロ・プレーヤー)が生徒に加わってジャムセッション。これはとってもいい刺激を生徒に与えると思った。
 各メンバーが曲の紹介を担当し、おしゃべりと演奏の両方を経験する。なにより、プロのプレーヤーの前で演奏するのは生徒に緊張と喜びと誇りを与えると思った。とても大切な経験だと思う。ギロック・フェスティバルと似ていると思った。 ハラハラどきどきしながらもそれぞれの生徒の演奏する姿や個性を楽しみながら聴いた。大きな拍手でアンコールのとき、なんだか自分の子どもが演奏しているときのような緊張感と喜びでいっぱいになった。終わってから彼らはみんなに取り巻かれ人気者になった。

 2部のM・ジャズ・アンサンブルの演奏が始まった。ドラム、コントラバス、トランペット、トロンボーン、クラリネット、ピアノ、サックスという編成。いつものピアニストが風邪でダウンしたので急遽代替ピアニスト。難しいリズムの上、多い音数。どうして一日でこんな難曲をこなしきれるんだう????と私はただただ感心するばかり。
1部のサウンドとは大きく違い、整った音とすばらしいテクニックでなめらかな音楽の流れだ。あまりの完璧さにか1部でキャーキャーピーピーとはやし立てていた凄い声援も下火になった。そして私はというと少し眠たくなってきた。曲ごとにリーダーが説明し観客はそのトークでしばしば笑っているが(残念、何を言っているのかわかなかった!)音楽のときになるとどうも気持ちが平坦になってしまう。 何が原因?国際的なグループだというのに、こんなにすばらしいテクニックで演奏しているのに、不協和音がとっても面白いサウンドなのに、なぜ? 選曲かな…?と思ったけど、最後の『ジングル・ベル』はすばらしいアレンジだったにもかかわらず、何か満腹にならない。どうしてだろう? 音楽ってなんだろう?といつもの疑問が浮かんだ。 曲のすばらしさ、演奏技術の豊かさ、解釈の面白さなど必要な事は数多くあるが、良くも悪くもその内側にある人間臭さや人生も、そしてグループのときは人と人のかかわりも大きな影響を及ぼすのかもな…?と思った。 たとえしまらない音がしても、大きな夢の詰まった生徒たちの演奏は深くすがすがしい印象を与えてくれた。

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