| 2004年モントリオール・ジャズ・フェスティバルで二つジャズピアノのコンサートへ行った。 ひとり目はC.C.。300人から400人収容の歴史を感じるしゃれたホールで行われた。 舞台へ現れた途端、後ろの席に座っていたカップルから「太ったな!」、隣の席からは「その辺にいる普通のおじさんみたいやな」と聞えてきた。言いかえればとっても親しみが持てるということだ。 ピアノに向かうや否やC.C.は客席のほうを向き、話し始めた。「演奏している間は飲食やおしゃべりはやめてください、それにいびきはかかないようにお願いします。演奏中は少しの物音でもナーバスになってしまうので・・・」としょっぱなから皆を笑わせた。 そう言えば数年前、日本であるピアノのコンサートへ行ったとき、後ろのほうの席から大きないびきが聞えてきた。周りの人は誰もそのイビカーを起こさなかったのかしばらくいびきが続いた。小さなホールだったのでピアニストに聞えるのではないかと、私までどきどきしてしまったことを思い出した。 コンサートでは一曲ずつその曲について説明があった。自分に孫ができたことを話して「チルドレンズ・ソングス」を弾いたので、20年ほど前に始めてCDで聞いたときとはまた違った気分で、ほのぼの優しい気持ちになった。 聴衆参加の場面もあり、ピアノのメロディーに続いて歌ったり、ハーモニーを皆で作ったりと、とっても楽しい2時間を過ごした。 アンコールはC.C.が奥さんといっしょに登場し、彼のピアノをバックにスタンダードナンバーを歌った。人が仲良くしているのを見るのはとっても気持ちがいいものだ。こっちまでハッピーな気分になれる。「いいないいな人間っていいな・・」と歌いたい気分でホールを後にした。 二人目はK.J.。3000人収容のメインホールで行われた。ドラムとベースとピアノのトリオ。 「ケルン・コンサート」をCDで聴いて以来K.J.を神様のように思っている子供といっしょに待ちに待ったコンサート。 K.J.は2004年度Jazz-Festivalのマイルス・デイビス賞の受賞者だ。 まずはじめに舞台で受賞の紹介があり、そこへ小柄なK.J.が現れたときはどきどきしてしまった。 トリオの演奏が始まったが、なんとなくノリの悪い雰囲気がただよった。 40 分ほどたってこれは私だけが感じているのだろうか・・と思っていた矢先、K.J.が演奏をやめ、ピアノ中央の音を何度も鳴らし共鳴する雑音の出場所を探しだした。気になって集中できなかったのだろう。調律師も出てきてピアノを触りだした。その間客席から咳が聞えてくると「咳をするなら今がチャンスだよ、今日の曲は静かなものが多いから演奏中は音をたてないで!」と皆を笑わせた。それからもう一曲弾いて3人とも舞台の袖に消えてしまった。客席からは、呼び戻す拍手が鳴り止まない。 しばらくして、20分のインターミッションを取ると言うアナウンスが入った。その間関係者がピアノを取り囲んで働き出した。 ここぞとばかりに子供は憧れのピアニストが触れたピアノの写真を撮った。 |
| たくさんの人が舞台の下からこのピアノを取り囲んで、調律師の仕事を見守っていた。 そして演奏が再開された。美しいピアノの音と独特のハーモニーに耳と心を奪われた。しかし客席の中には目を閉じて心地よく揺れている人(?音楽に沿わず?)もあった。 憧れのピアニストを生で聴いた満足感でホールを出た。 二つのコンサートを聴いて、ピアノを演奏することって何だろう、音楽って何だろう、人はなぜ音楽を聴きにいくのだろうと考えさせられた。音楽にはいろいろな場面がある。 だから自分は背伸びをせず自分に与えられた能力をピカピカ輝かせるよう努力し続けようと思った。 屋外ではいたるところでパフォーマンスが行われていた。 |