Hillock カナダ便り vol.13 迷子になった花ちゃん


 8月と9月、夏休みで旅行するため愛猫花ちゃんを子供たちに預けました。子供たちはこの7月に新しいアパートへ引っ越したばかりでした。 アパートの外へ出していたのですが2〜3時間したらいつもちゃんと帰ってきたそうです。

 ところが花ちゃんはこのアパートになじめなかったのか、毎晩夜遅くまでニャーニャー鳴きっぱなし。2週間が過ぎて花ちゃんはやっと少しおとなしくなったのですが、その二日後の夜、出て行ったまま帰ってこなくなりました。
アパートの近くを子供たちは毎晩歩いて探し回りました。私も何時間も歩いて探し回りました。
hana
1:写真 花ちゃん

この近辺一円に花ちゃんの写真と説明を書いたビラを貼って歩きました。
野良猫を保護する施設にも行きました。車にはねられた動物を収集する施設にも問い合わせました。
新聞にも4回載せました。何軒も電話があったし、近くの子供たちも似た猫を見たと言ってくれるのですが、まだ良い情報がありません。 日本へ帰っている間に、ひょっとして100kmの道のりを帰ってくるかもしれないと思い、花ちゃんが住める猫小屋を作ってもらいました。これをベランダに置いて待っています。

花の家
2:写真 花ちゃんの家

 ケベックの友人が無くし物をしたときは、イタリアのパドヴァにある聖アントニオ寺院にお祈りしたら願いを聞いてくださると教えてくれました。毎日お祈りしていたのですがお祈りをするたびに悲しくなるので、歌を作って歌でお祈りをすることにしました。日本へ帰ったときも、一人でも多くの人の声が聖アントニオ様へ届くように花ちゃんの歌をいっしょに歌ってもらいました。みんな快く歌ってくれました。とっても嬉しかった。
   《花、早く帰ってきて  花、早く帰ってきて  川を渡り、森をぬけて、丘を越えて
   花、早く帰ってきて  花、早く帰ってきて  川を渡り、森をぬけて、帰ってきて花!》

 ピアニストのU・Sさんに京都で会ったとき、この聖アントニオ寺院と迷子になった花ちゃんの話をしました。なんとUさんはこのパドヴァの教会の近くで育たれそうです。《花ちゃんが早く帰ってきますように》という私のメッセージをお母様にFAXし、この教会へ届けてもらえるようにお願いしてくださいました。お母様が教会へ行ってくださったとき厳かなミサが行われていたそうです。

 R子さんは花ちゃんに羽根がはえて空を飛んで帰ってくるイラストを描いてくれました。Kちゃんはいっしょに涙を流してくれました。Nさんは《猫たけ》の話をしてくれました。T さんは飼い主を追いかけて京都から東京まで三ヶ月かけて旅をした猫の話をしてくれました。Yさん、Oさんは子供さんといっしょに花ちゃんの歌を時々歌ってくれているそうです。Iさんはペットのガンちゃんがいなくなったときの話をしてくれました。Gさんはキティ・ワルツを弾いて花ちゃんのことを思っていると言ってくれました。その他、いろいろな形で励ましてもらいました。たくさんの人の心のあたたかさに触れることができ、とても勇気付けられました。

 12月に入りモントリオールは雪が積もり、夜は−20度をを超える寒さになってきました。でも、私は笑顔と幸せを運んできてくれた花ちゃんが必ず帰ってくることを信じて待っています。花ちゃんが帰ってきたら近所の野良猫をみんな集めてウェルカム・パーティーをしなくては! 2003・DEC.8   HILLOCK

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