隋心院
ご案内
 正暦2年(991),仁海僧正が牛皮山曼茶羅寺を創建。その後増俊阿闍梨の時に,曼荼羅寺の子房として隨心院を建立し,親厳大僧正が,寛喜元年(西暦1229年)後堀河天皇より門跡の宣旨を賜り,以来隨心院門跡と称されている。現在は真言宗善通寺派大本山。
 この付近は小野氏の領地であった所であり,随心院は仁寿2年(852年)宮仕えを辞した小野小町の居住跡と言われている。
 古くからここ随心院の紅梅は薄紅色を意味する「はねず」の名で親しまれており,3月第4土曜,日曜にははねず踊りが催される。このはねず踊りは「百夜通い」の話で有名な小野小町と深草少将の物語を主題としたものであり,地元小学生が4人ずつそれぞれ小町,少将に扮して踊る。

拝 観 ◆拝観時間◆ 午前9時〜午後4時半
◆拝観料◆ 大人 400円 梅園料金別途 大人400円
 はねず踊り開催日 大人 1000円(はねず踊り・梅園・寺宝拝観料込み)
交 通 ◆JR・京阪山科駅から22A系統京阪バス小野下車徒歩3分
◆地下鉄小野駅から徒歩5分
URL ◆随心院のHP◆  http://www.geisya.or.jp/~zuisinin/


総門
小野小町の歌碑本堂と庭園奥書院 狩野派の襖絵


〜はねず踊り〜
はねず踊りはねず踊り今様
胡弓の演奏えんま堂狂言 土蜘蛛土蜘蛛が退治されるシーン


◆一口メモ◆

   日曜のはねず踊りは11時,1時半,3時の3回公演ということだったので,11時半頃に隋心院へ向かい,総門横にあるそば処「満寿亭 橘」でおそばを食べてから1時半の公演を見ることにしました。お蕎麦屋さんはお祭りがあるということで激混み状態でしたが,運よく狭間でそんなに待たずにおそばをいただくことが出来ました。ここは築300年以上の建物でおそばもおいしいので,ぜひ立ち寄ってほしいところです。
 はねず踊りが始まるまで時間があったので,梅園と本堂を見学。ここの梅はかなり遅咲きで,もうすぐ桜が咲き始めるというのに,まだ満開ではありませんでした。特に「はねず」と言われる薄紅色の梅は白梅に比べ咲くのが遅いようです。梅の木には和歌や俳句を読んだ短冊が吊られています。
 隋心院の建物は意外に広く,本堂から見る庭園は立派です。苔が青々とする頃にはさらに美しいことと思います。
 さて,はねず踊り。深草少将の百夜通いの物語が歌になっているのだけど,普通のお話では少将は百夜を前に死んでしまうのが,はねず踊りでは99日目の雪の日に少将が代役を立てたのを小町は知ってしまい,愛想を尽かして小野の里の子供達と楽しく余生を過ごすという話になっています。悲しいお話が楽しい話に変わっていて,踊りもかわいい感じです。
 はねず踊りの他に,今様,胡弓の演奏,えんま堂狂言の土蜘蛛が催されました。狂言は初めて見たのですが,えんま堂狂言は京都の4つの念仏狂言(壬生,嵯峨,神泉苑,千本えんま堂)の中でも唯一のセリフのある狂言なので,分かりやすかったです。土蜘蛛の魔力のため病に伏せる源頼光のため,家来の渡辺綱・平井保昌が土蜘蛛を退治するお話で,土蜘蛛が糸を吐く(投げる)のが面白いのですが,この糸の一部を持って帰ると災難や盗難よけになるということで私もしっかり持ち帰りました(笑)

2003.3.23訪