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瀬田川は琵琶湖に注ぎ込む川がたくさんある中,唯一流れ出ていく川であり,琵琶湖の水量を調節する重要な川である。瀬田川は京都府に入り,田原川と合流し,名前を宇治川に名前を変える。
琵琶湖からの豊富な水を蓄え,ゆったりと流れる瀬田川だが,石山にある鹿跳橋の付近は,両岸が迫って川幅が狭まり,水の流れも急に激しくなり,川面には奇岩があちこちに顔を出す瀬田川景勝地の一つとなっている。
瀬田川右岸の立木山を七百数段の石段で登ったところには立木観音がある。昔空海が,瀬田川の対岸に光り輝く霊木を発見し,瀬田川を急流のため渡れないでいると,突然白い鹿が現れて空海を背中に乗せて渡してくれ,霊木の前まで来ると白い鹿は観世音菩薩に姿を変え,感激した空海が,立木に等身大の観音像を刻んだといわれている。鹿跳橋の名もここから来ている。
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