寂光院
ご案内
 大原寂光院は推古天皇2年に,聖徳太子が父用明天皇の菩提を弔うために建てたのを開創とする。平清盛の娘で,高倉帝の皇后,安徳天皇の母である建礼門院徳子が余生を送ったところとしても有名な尼寺である。
 壇の浦の合戦で,建礼門院は幼い安徳天皇を抱いて入水したが,敵方の源氏に捕らえられた。都に戻った建礼門院は寂光院の傍らに庵を結び,安徳天皇と平家一門の冥福をひたすら祈ったといわれている。そんな建礼門院を哀れんで後白河法皇が寂光院に訪れたのが平家物語や謡曲で有名な「大原御幸」である。
 旧本堂は飛鳥・藤原・桃山の三時代の様式からなり,内陣および柱は飛鳥・藤原・平家物語当時のもので,外陣は慶長8年に豊臣秀頼が修理したものであったが,平成12年5月9日,放火により本堂付近から出火,木造こけらぶき平屋建の本堂は全焼した。
 本堂には聖徳太子が用明天皇の菩提を弔うために作ったと言われている,国の重要文化財で本尊の六万躰地蔵菩薩立像が安置されていたが,建礼門院座像,阿波ノ内侍張り子座像とともに焼損した。真っ黒に焼け焦げた本尊の胎内には,5〜11cmの地蔵菩薩の小像3417体や,教典五巻,香袋など,本尊本体と一括で重文指定されている貴重な品々が17個の桐箱に入れて納められており,無傷で保護された。

拝 観 ◆拝観時間◆ 午前9時〜午後5時
◆拝観料◆ 500円
交 通 ◆市バス,京都バス大原から徒歩20分  
URL ◆寂光院のHP◆  http://www.jakkoin.or.jp/index-j.html



雪の大原の里

寂光院門前

三段の滝 玉だれの泉

汀の池

南蛮鉄の雪見灯篭


◆一口メモ◆

 雪の大原の里は静かで趣があります。大原では三千院,寂光院が有名ですが,幹線から少し奥に入った静かな寂光院は私のお気に入りです。
 寂光院の本堂は2000年5月に何者かの放火により焼失しました。火事から1年半が経ちましたが,本堂の代わりに小さな仮本堂が建てられており,類焼した千年の松も当時の姿を残したままで痛ましい感じがしました。放火の犯人は見つからぬまま,寂光院は復興のときを待っていました。

2002.1.6 訪