笠置山
ご案内
 笠置山では弥生時代の有樋式石剣が発見されており,2000年前からすでに信仰の場となっていたことが分かる。661年には笠置山の巨岩石に,実忠和尚,良弁僧正が仏像を彫刻され,それを中心に笠置山全体が修験行場と栄えることとなった。
 平安末期の末法思想の流行とともに大磨崖仏は天人彫刻の仏として非常な信仰を受け,笠置詣でが行われるようになる。建久二年(1191),藤原貞慶(解脱上人)が興福寺から笠置寺へ移り,笠置山は信仰の山として全盛期を極めた。
 しかし,元弘元年(1331年),倒幕計画に失敗した後醍醐天皇を笠置寺に迎えたことにより,幕府方との攻防の末,火を放たれ全山焼亡。以降室町時代に少々の復興を見たが,江戸中期より荒廃し,明治初期には無住の寺となってしまった。
 現在復興が進み,大磨崖仏,巨岩,奇岩のある行場めぐりの周回コースが整備されている。この笠置山自然公園は,春は桜の名所として百選にも選ばれており,秋はもみじ公園の紅葉が美しく11月中旬にはもみじ祭りが行われる。

拝 観 ◆拝観時間◆ 午前8時〜午後5時
◆入山拝観料◆ 300円
交 通 ◆JR関西本線 笠置駅下車 
URL ◆笠置山自然公園のHP◆  http://www.joho-kyoto.or.jp/~kasagi/ENJOY/PARK/index.html



弘法大師を祀る大師堂

頭上に迫り出す巨岩

本尊 弥勒大磨崖仏

虚空蔵磨崖仏
全体像(高さ12m,幅7m,高さ9m)

太鼓石

アップダウンのあるコース

ゆるぎ石

蟻の戸渡り

貝吹岩から木津川の眺め

もみじ公園の紅葉

もみじ公園

ライトアップも行われる


◆一口メモ◆

 笠置山は京都から奈良の実家に帰る抜け道にあり,いつか立ち寄ってみようと思っていたのですが,実は紅葉の名所であったということを知り,11月の3連休に実家に帰る際行ってみました。
 木津川の橋を渡ってすぐに笠置山の入り口がありますが,ここから山頂の笠置寺まで歩くと1時間はかかると思います。車で行くのも相当狭い道ですが(^_^;)。駐車場(500円)に車を停めて上がっていくと,山門があり行場めぐりの入り口になります。大師堂を左手に歩いていくと,頭上に船の舳先のような巨岩が迫り出していてびっくり。さらに奥には 弥勒大磨崖仏があります。これは正月堂の横にありここの本尊なのですが,今は彫刻はよく見えず,ただの巨岩のように見えます。正月堂の右手を進んで行くと,虚空蔵磨崖仏がありますが,こちらの方が彫刻がはっきり見えます。
 この岩の裏の胎内くぐりの入り口をくぐると,別世界につながっているような不思議な感覚になります。苔生した太鼓石や,後醍醐天皇が合戦の時に幕府方を攻撃するために使ったゆるぎ石,巨岩の隙間を行く蟻の戸渡りなど,巨岩,奇岩が面白いコースです。結構アップダウンがありますが,1周30分くらいで周れます。
 最後のもみじ公園が,紅葉の見所。あと一息というところでしたが,結構赤く色付いている木もありました。
 木津川が下に見えますが,笠置山のふもとの川原はかなり広く,ゴールデンウィークから夏休みにかけて,多くのキャンパーが集まり,子供の水遊びする姿やカヌーで遊ぶ姿をよく見かけます。最近橋のふもとに温泉も出来たので,ますます人が集まるでしょう。

2002.11.2 訪