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現在の祇王寺は,法然上人の門弟良鎮によって創められた昔の往生院の境内であったが,いつのまにか荒廃してささやかな尼寺として残り,後に祇王寺と呼ばれるようになった。現在の祇王寺の建物は,明治28年に,京都府知事北垣国道が嵯峨にあった別荘の一棟を寄付したものである。 祇王は近江の国の白拍子。妹の祇女,母刀自とともに京都に出て,平清盛の寵を得た。しかし,加賀の国の仏御前という白拍子が,清盛に舞をお目にかけたいと現れた。清盛は門前払いをしたが,祇王がとりなし,仏御前を呼び入れて今様を歌わせると,清盛はすっかり仏御前に心移りし,今まで寵愛していた祇王を館から追い出してしまうのである。
清盛は仏御前が退屈をしているから,舞を舞って仏御前を慰めよと祇王に使者をよこす。祇王はしぶしぶ出向き舞を舞うが,都にこのままいてもまた辛い目を見るだけだろうと,この嵯峨の祇王寺にて母,妹とともに21歳の若さで仏門に入るのである。
そして,いつしか仏御前も世の無常を感じ,尼の姿となってこの寺を訪れることになる。
小さな庵内の仏壇には,大日如来を中心に祇王・仏御前・母刀自と妹祇女の4人の女性と平清盛の木像が祀られている。
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