"ドラマ演出"日誌(99年1-3月期)

99/01/01 新年のご挨拶

明けましておめでとうございます。新年早々アクセスしてくださってありがとうございます。このページを始めたときは、物好きな人が見てくれれば良いかな……くらいに思っていたのですが、実際には、1ヵ月に1000人くらいの人がこのページにアクセスしてくださっているみたいなので、ホントにビックリしています。

月に1000アクセスくらいは大した数字じゃないのかもしれません。しかし、ご覧の通り、このページはかなり読者を選ぶ内容だったりするワケです。(^^ゞ ですから、友人・知人にもあまり教えてないですし、教えたところで、「内容についていけない」っていわれるのがオチなんですね。

……にもかかわらず、アクセスしてくださる方がたくさんいるみたいなので、世の中何が起こるのか分からないもんです。まさか、どこかの物好きな人が一日に一人で30アクセスしている、なんてことはないと思うんですが……。

今年も、がんばって更新していくつもりなので、よろしくお付き合いください。


99/01/01 「いちご同盟」

原作:三田誠広
脚本:金子成人
演出:大森青児
出演:梨本威温、田渕帝次、黒須麻耶、三田村邦彦、星野知子、布施明、田渕幸一

梨本威温って初めて見る人だけど、なかなか良いですね。顔に一癖あって、目付きにインパクトがあって、しかも、表情が豊かでバリエーションがある。セリフも演技も上手いとはいえないけど、表情だけは天性の資質の良さを感じます。この手の才能っていうのは、努力や経験で身に付くものではないから貴重。顔の筋肉が柔軟なんだろうか。(ただし、セリフはかなり下手)

演出という観点で見ても、梨本の表情を撮ったカットがやたらと多くて、梨本の表情を中心にカット割りを組んでいるという印象を持ちました。各シーンの要所要所で梨本の表情アップが挿入されていました。表情の作り方自体は荒っぽい感じなんですが、シーンによって顔付きがガラッと変わるところとかに感心しました。特に、梨本と黒須麻耶(「美少女H」に出てた子)の表情が交互に写し出されるシーンが何度かあって、印象に残っています。

比喩的な言い方をするなら、梨本が6種類くらいの表情で演技しているのに対して、黒須麻耶は3種類、田渕帝次(野球解説者の田渕幸一の息子さん)は1種類の表情で演技しているという感じがします。ただし、安定感があったのは黒須麻耶の方で、芝居をきっちりコントロールしている感じがしました。梨本や田渕は演技にノイズが多いっていうか、目障りな部分がありました。まあ、2人ともドラマは初めてみたいだから仕方ないけど。

思春期の少年少女が死に直面するというストーリー(原作)はなかなか良かったんですが、それだけに、脚本・演出に関しては、もう少し工夫が欲しかったような気がします。セリフが説明臭くって、イマドキの中学生はそんなこと言わないんじゃないか、と思う部分がいくつかありました。まあ、俳優の演技がこなれていないから、そう感じるのかもしれないのですが……。

また、ステディカムを使ったと思われる映像も多く見られましたが、中途半端な感じがしました。その他にも細かいアイデアとかはたくさんあったのですが、それが有機的に噛み合っていないような気がして、そこが物足りないと感じてしまう原因なんじゃないでしょうか。ドラマ全体に一貫する演出コンセプトみたいなものが欲しかったように思います。

音楽の使い方も全体的に控えめで、民放のドラマに比べて音楽が掛かっていないシーンの比率が高かったんですが、「中学生日記」を見ているみたいで、成功しているとは言い難いですね。映像も含めて、もっとドラマ全体に詩的な情感みたいなものが漂っていれば、名作になっていたかもしれない……なんて思うと惜しいです。

……と、いろいろ苦言を呈してしまいましたが、細かいことを気にしなければ、良い感じのドラマです。黒須麻耶が胸を見せるシーンとかもグッときます。そのシーンも物足りないんだけど……。(しつこいねボクも)(^^ゞ 3日午前中に再放送されるので、興味のある方はチェックしてみてください。


99/01/03 「古畑任三郎 vs SMAP」

プロデュース:関口静夫
脚本:三谷幸喜
演出:鈴木雅之
演出補:佐藤祐市
制作:共同テレビ

やっぱり、2時間40分は長すぎましたね。(^^) 1時間半くらいだったら良かったかもしれないです。とはいっても、視聴率は32%みたいだから、とりあえずは成功なんでしょうが……。

演出という観点では、演技主導型ドラマの「古畑」を、演出主導型の鈴木雅之さんがどう料理するのかが見所だったといえるでしょう。第1シリーズの「警部補・古畑任三郎」に参加していた星護さんは、自分の演出スタイルに合わないと判断したらしく、第2シリーズには参加しませんでした。それだけに、星さんと同スタイルの鈴木さんがどんなコンセプトで演出するのかが気になっていたわけです。(^^)

で、フタを開けてみると鈴木さんらしい映像がバシバシ出てきて、結構感動してました、最初の15分くらいは……。ところが、ちっとも殺人シーンにいかないので、だんだんかったるくなってきたんですね。音楽とかも、鈴木さんの好きな二拍子系の音楽が最初は良い感じだったんですが、何回も繰り返し出てくるから飽きちゃいました。

「古畑」の魅力というのは、古畑と犯人との心理戦と、意外な結末(犯人のミス)だと思うのですが、今回は新しい要素を取り入れすぎて、本来の面白さが、かすんでしまったようです。田村さんの演技にしても、いつもの「古畑」とは若干芸風が違っていて、違和感がありました。

場面の数(種類)がやたら多かったのも、今回の特徴といえるでしょう。コンサート会場内のシーンがほとんどで、どこまでがロケで、どこからがセットなのかも良く分からなかったんですが、セット中心で場面数も少ない通常の「古畑」とは違っていました。動きのあるシーンや映像がやたら多かったのも、会話中心の「古畑」とは異質な感じがしました。

古畑とSMAPのやり取りにしても、緊迫感があったのは、食堂でキムタクとやり合うシーンくらいで、それ以外はいまひとつ盛り上がらなかったです。そもそも、動機からして面白味がないんですが……。ただ、鈴木さんは俳優の表情をコミカルに撮るのが上手くて、今回もSMAPの5人の表情は悪くなかったと思います。

三谷さんの脚本に関しては、小ネタはそれなりに笑えたし、面白かったです。梶原善が演じる弁当屋の名前が「梶善」だったり……。しかし、肝心の事件と推理の部分が弱かったです。ラストでキムタクを引っかける“四角い紙吹雪”の一件なんて、犯行のシーンの段階で予想できた展開だし、もうちょっとヒネリが欲しかったと思います。

ただ、笑いの部分に関しては、脚本には書いてなくて、SMAPの5人が撮影現場で考えたと思われるアイデアが多かったような気がします。三谷さんのことだから、もっと過激なギャグを書いて、現場で没になっているネタもあるのかもしれませんが……。

ちなみに、殺された被害者の役名が“とがしあきお”となってたけど、それってDA PUMPのプロデューサーと同じじゃん。関係あるのかな? (^.^)


99/01/04 「オーバー・タイム」

脚本:北川悦吏子
演出:武内英樹
企画:亀山千広
プロデュース:高井一郎
協力プロデュース:東海林秀文

う〜ん、これはちょっとツラクなかったですか? 冒頭のホテルのドアが閉まっちゃうところとか、全然笑えなかったです。ネタは新味に欠けるし、サンバのBGMも安っぽい印象だったし。その後のシーンも、ほぼ同じ印象。視聴率は高かったと思いますが、来週以降はツライかもしれないです。

全体的にコメディっぽいテイストに仕上がりなんですが、かといって、「GTO」や「ショムニ」みたいに吹っ切れてるわけでもないので、それが印象を安っぽくしているように感じました。とにかく、お見合いのシーンとかも、展開が読めてるから、印象がB級っぽくなっちゃうんですね。(^^)

唯一の救いは、セスナ機のシーン。どういう撮り方をしてるのかわかりませんが、気持ち良かったです。「協奏曲」のヘリコプターとかを思い出しちゃったけど、あれは夜間だったし……。

着陸してからの飛行場のシーンも日本っぽくなくて(ベトナムとか)、外国映画みたいでした。イトーヨーカドーがどうたら……というセリフも、北川悦吏子さんらしくて、さすがだなと思いました。設定とか雰囲気は「ロンバケ」に似ているので、またまた人気が出るでしょうかね〜?

ただ、ボクは北川悦吏子さんの最高作は、92年の「その時、ハートは盗まれた」だと思っている人なんで、最近の作品に対しては、どうしても既知感を感じてしまいますね。

武内英樹さんがチーフを務めるのは、「神様、もう少しだけ」に次いて2回目ですが、ボクと相性が悪いのか、見ていてピンと来ないですね。平均点はクリアしていても、突出した個性みたいなものが、ボクには伝わってこないんですよね。

「神様」のときも、ボクはセカンドDの田島大輔さんを絶賛してたから、もし武内さんがこのページを見てたら、ムッとしてるかもしれないですが、やっぱりダメでした。m(__)m


99/01/05 「救命病棟24時」

脚本:橋部敦子(飯野陽子、福田靖)
演出:岩本仁志(田島大輔、水田成英)
演出補:板谷恒一
プロデュース:河合徹
プロデュース補:榊原妙子

ボクがこのドラマで注目したいのは、「ナースのお仕事」「お仕事です!」の岩本仁志さんが、「天使のお仕事」ではなくて「救命病棟」に参加していることです。(ボクが「天使」に期待できない理由の一つも、そこなんですが……)

「ナースのお仕事」は、救急治療のシーンがカッコよくて、印象に残っているんですが、今回はその部分をバージョンアップした趣。……岩本さんとしては、その当時から、こういうドラマがやりたかったのかも知れません。その意味では、このドラマの着目点は、救急治療室のセットと、治療シーンのカメラワークに尽きるような気がします。

救急治療室のセットには、お金が掛かっているみたいですが、その巨大なセットの中を、自由自在に動き回るカメラワークがなかなか秀逸で、注意して見ていると、結構感動できます。(「踊る」の湾岸署のセットを連想しました)

カメラの動きから見て、「あきまへんで!」でおなじみの、ステディカムが使われていたようですが、臨場感を高めたい場合に、ステディカムは有効なのかもしれないです。

それにしても、岩本さんのカット割りは、センス良いですね。笑いの部分もネタ的にはそんなに面白いとは思わないのですが、カメラワークと役者の表情(演技)で、それなりに笑えました。この辺が昨日見た「オーバー・タイム」との違いでしょうか。治療のシーンも、動的なカットを細かくつなぎながら、要所要所に表情のアップを挿入していて、迫力がありました。

冒頭の鉄パイプを切断するシーンとかは、「ナースのお仕事」から続いていると思われる取材の蓄積の成果かな……。外科医が“肉体労働+工作”だっていうのが、良く出ていました。(^^)

ただ、脚本はイマイチですね。初出勤の途中で事故に遭遇して……っていう展開は、「研修医なな子」にソックリだし、松嶋菜々子と江口洋介のキャラクター設定も、「なな子」の佐藤藍子と保阪直輝にソックリ。

まあ、キャラ設定に関していえば、定番中の定番なんで、とやかく言っても始まらない気はするんですが、ドラマのコンセプトとしてはリアリティを追求しているフシも見えるので、キャラ設定にもリアリティが欲しかったです。通勤シーンを写したタイトルバックにしても、リアリティ志向でしょ……。

――セカンドディレクターには、ボクが注目している田島大輔さんの名前も見えるし、演出的には見どころが多い作品になると思います。演出補は「すばらしい日々」「美少女H2」の板谷恒一さんだし。……そんなんでワクワクしてるのは、ボクだけだろうけど。(^^)


99/01/06 「別れたら好きな人」

原作:赤星たみこ
脚本:梅田みか
演出:赤羽博
演出補:江口正和
プロデュース:都築博(テレ東)、川島永次
プロデューサー補:梶野祐司、松井洋子
制作:テレビ東京、ホリプロ

赤羽博さんは「GTO」や「お嬢様は名探偵」を演出した大物ディレクターで、江口正和さんは「ドン・ウォリー!」でサードDをやってた人。2人とも所属はAVEC(アベクカンパニー)だと思われるので、この作品も実質的にはAVEC制作と見ていいのかもしれません。

BGMを含めて、一昔前のホームコメディ風の演出で、古典的だけど分かりやすいドラマだと思いました。斉藤由貴のとぼけた表情で笑いをとるところとかも上手い。

派手や要素がほとんどないので、印象が弱いんですが、ドラマや芝居のリズム感を大切にしている演出だと思います。それが、ある種の分かりやすさ〜入り込みやすさを生んでいるんでしょう。その意味ではクオリティは高いと思います。

ただ、映像やセットはチープな感じがしちゃうので、ちょっと損してますね。(^^)


99/01/06 「天使のお仕事」

脚本:中谷まゆみ沢村一幸
演出:木下高男(林徹)
プロデュース:大賀文子、両沢和幸

脚本の沢村一幸という名前は、プロデュースの両沢和幸さんの別名です。「女教師」や「お金がない」「味いちもんめ」などは、両沢名義で書いているので、ペンネームとはちょっとニュアンスが違うみたいです。な〜んか紛らわしいですね。(^^)

木下さんっていうのは、ボクにはよくわからない人で、木下さんが演出したドラマで印象に残っているものってないです。「ハッピーマニア」にしても、平野眞さんが演出した回の方が面白かったし……。すみません。(-_-;)

このドラマにしても、見ていてピンと来なくて、笑いのシーンも、シリアスなシーンも、引っかかるものがないですね。――そうそう、ラストで観月ありさ達が唄っているところは良かったです。歌が。(^^ゞ

それから、「ナース」に続いて音楽を担当している鴨宮諒さんのBGMは、渋谷系〜ラウンジミュージック風で良いです。まあ、ドラマの中で効果的に使われているようには思えないんですが……。(^^ゞ

それにしても、修道院を舞台にしているのに、宗教的な深みとかメッセージ性がまったく感じられないところが、スゴイというか、日本的ですね。キリスト教の関係者が見たら不快に思わないかな……。「世紀末の詩」みたいなドラマが登場した後だけに、宗教的な問題に対する理解の浅さが気になります。


99/01/06 「お水の花道」

脚本:梅田みか
演出:平野眞
企画:清水賢治、鈴木吉弘
プロデュース:加藤正俊
音楽:大島ミチル
制作:フジテレビ、共同テレビ

タイトルを知った時の印象は悪かったんですが、見てみたら意外と面白かったです。

平野さんは「総理と呼ばないで」「こんな恋の話」「ショムニ」「ハッピーマニア」「板橋マダムス」などに参加していた人ですが、チーフ・ディレクターを務めるのはこれが始めて。――「こんな私に誰がした」に雰囲気が似ているような気もするのですが、平野さんが参加していたかどうかはわかりません。(^^)

特に特徴的だったのが音楽。共テレドラマでは恒例のオーケストラ系なんですが、「ショムニ」や「板橋マダムス」ほどド派手な感じではなく、昔のディズニー映画みたいなノスタルジックな曲調がメインになっていました。

ドタバタ色を抑えて、メランコリックな要素を増やしたのは、賢明な選択でしょう。制作サイドはこのドラマを「スポ根」と位置づけているようで、「エースをねらえ!」とかを意識しているみたいです。

それから、一色紗英とかの顔のアップですが、顔に思いっきり照明を当てていて、マンガっぽいメリハリをつけていました。この手法は、今後もっと一般化するかもしれないです。一色紗英が久々に良い味出してたところにも、注目しておきたいですね。

脚本の梅田みかさんは、「別れたら好きな人」と掛け持ちですね。


99/01/06 「鶴亀ワルツ」

原作:里中満智子(『鶴亀ワルツ』より)
脚本:松原敏春
演出:門脇正美
制作統括:菅康弘二瓶亙
共同制作:NHKエンタープライズ21

管野美穂が良いですね。出演者に年寄りが多いから、なおさら目立っちゃいますね。(^^) キャラ的には「ソムリエ」に近い感じなんですが、若干抑え目という感じでしょうか。

脚本も面白いです。湯河原にある老人ケアハウスが舞台で、一見幸せそうに見える入居者だけど、実はみんな見栄をはっている……という設定。ひとり一人の性格設定や、エピソードが良くできていると思いました。――性格設定が不明瞭だと、コメディをやっても笑えないことが多いですから。

ただ、せっかく脚本が面白いのに、セットやカメラワークがいまひとつなのが残念。ロケにしたって、湯河原が舞台なんだから、もう少し工夫が欲しかったです。


99/01/07 「リング〜最終章〜」

原作:鈴木光司
脚本:蒔田光治
演出:福本義人西谷弘
演出補:森永恭朗
プロデュース:高橋萬彦
プロデュース補:室谷拡柳川由起子
企画:清水賢治、長部聡介
企画協力:蒔田光冶(東宝・テレビ部)

蒔田さんは、「銀狼怪奇ファイル」のプロデューサーで、「金田一少年の事件簿」でも協力プロデューサーとして名前を連ねていた人。日テレの人かと思っていたのですが、東宝に所属しているようです。転職されたのかもしれませんが。

福本さんは「世にも奇妙な物語」などで名前を見掛けていた人ですが、連ドラで名前を見掛けるのは、(ボクは)初めて。セカンドDの西谷さんは、このページでも何回か触れているように、ボクが注目している人です。(^^)

そんなこともあって、今回はそれなりに期待して見たのですが、映像にしても、演技にしても、ちょっと食い足りない感じがしました。全体の印象としては、低予算の深夜ドラマ(たとえば「NIGHT HEAD」「ブラックアウト」)みたいな感じで、話題の連ドラにしては、華やかさに欠ける気がしました。(^^)

この手のドラマというのは、序盤は状況説明がメインになるので、どうしても退屈になりがちなんですが、もう少し工夫が欲しかったですね。まあ、「眠森」も第1話の印象は地味だったし、物語が佳境に入ってくればまた印象も変ってくると思いますが……。

長瀬智也がエリート風の学者をやってるっていうのも、違和感ありました。(^^) これまでは、地方出身の貧乏青年、頭は悪そうだけど性格は実直……みたいな役が多かったから。それが、今回はまったく正反対の役だから、この先この違和感が解消されるかどうかが、重要になってくると思います。


99/01/07 「ママチャリ刑事」

原案・脚本:小松江里子(『今日もママチャリが行く』)
演出:松原浩
演出補:木村政和
プロデュース:伊藤一尋
プロデュース補:酒井聖博

演出はTBSの若手の松原浩さんですが、とにかく感性が若い!「踊る大捜査線」「ショムニ」など、過去の名作ドラマの演出をサンプリング感覚で取り入れていて、「元ネタはわからないけど、こういう映像、見たことある」って思う場面が多かったです。

オープニングの、赤い月をバックにしたオオカミの遠吠え、とかもどこかで見たことがあるけど、思い出せません。ひょっとしたら、元ネタはアニメかも?

登場人物を、幾何学的な構図で配置するのは、星護〜共テレでおなじみの手法ですが、微妙にずれているところが、新しいというか、パロディっぽくて良いですね。(^^)

まあ、ベースになっているのは、「パパはニュースキャスター」など、八木康夫Pの王道コメディみたいですが、そこがまた深いですね。表面的に「ショムニ」をパクッた、即席っぽいドラマとは一線を画していると思いました。

松原さん(と那須田淳さん)は、前作「青の時代」でも、かつてのTBS〜大映ドラマのオイシイところを、サンプリングしたような演出をしていましたが、これから注目していきたい演出家です。音楽の使い方も感性が若いし、「TBSのニューウェイブ世代」……と言えるのかもしれません。

それにしても、松原さんって、「踊る」の本広克行さんをかなり意識しているみたいですね。たとえば、幕引き風に画面が切り替わるときに、自転車のイラストが出てくるところがありましたが、その直後に、本物の自転車が画面を横切っていて、笑えました。(見てない人は、意味わからないかも)この辺の発想が、本広さんっぽいですね。(^^ゞ

この先、ネタ切れで飽きちゃう可能性もありますが、次週予告を見た感じでは、来週の佐野史郎も面白そう。佐野史郎の殺され方(死なないかも)も、発想がバカっぽくて、それだけでも、見る価値あると思います。お薦めします。(^^)


99/01/08 「天国に一番近い男」

脚本:越智真人
演出:生野慈朗
プロデュース:鈴木早苗磯山晶
制作補:森雅之
演出補:石井康晴

構成作家として知られる越智真人さんは、「ラブとエロス」ではセカンドライターをやっていましたが、今回はメインで書いているようです。

で、見た感想なんですが、これが結構面白いです。毎週、課題をクリアしないと死ぬという設定で、ゲーム(RPG)感覚を取り入れたドラマといえるでしょう。「世にも奇妙な物語」みたいなテイストもありました。「お前の人生それで良いのか」のところとか。

主人公のキャラ設定が、いつ死んでも良いと思ってる無気力男……なんですが、これが松岡昌宏のイメージと正反対なんで、違和感を感じます。本当は松岡と窪塚洋介の役を入れ換えた方が、しっくり来るような気がするんですが、まさか、窪塚洋介主演じゃ企画通らないだろうし……。(^^ゞ

脚本自体は、リアリズム志向というか、「僕が彼女に借金をした理由」(脚本:池端俊策)みたいな社会派コメディの要素もあるのですが、演出は結構ドタバタ風っだったりするんで、そこをどう評価するのかも、難しいですね。

ボク個人の好みで言えば、主役をもっと弱気そうな人にして、シリアス〜ファンタジー系の演出をしてくれた方が、嬉しかったですね。――あ、そうか、「リング」の長瀬と入れかわればベストかも。(^^ゞ

あと、BGMとか主題歌にスティールドラムが使われていて、これが結構新鮮でした。カリブ海系の音楽が劇伴っていうのも悪くないですね。昨年のTBSドラマは、視聴率的にも内容的にもボロボロでしたが、今年は頭から、意欲的な作品が並びました。視聴率がどう出るかは、分からないですけど。

――予断ですが、V6の坂本昌之と長野博が、ちょこっと出てきましたね。エンドロールにはクレジットされてなかったようですが。


99/01/08 「ケイゾク」

脚本:西荻弓絵
演出:堤幸彦
プロデュース:植田博樹
企画協力:蒔田光治
音楽プロデュース:志田博英
音楽:見岳章
演出補:麻生学
プロデュース補:壁谷悌之
制作:TBS

実際に見るまでは、何が出てくるのかさっぱり分からないドラマでした。(^.^)

西荻弓絵さんっていうのは、シリアス系のホームドラマ〜女性ドラマを書いてきた人。「スウィートホーム」「家族注意報」「シングルス」「39歳の秋」など。

一方、堤幸彦さんは、「金田一少年」「サイコメトラーEIJI」「ぼくらの勇気・未満都市」「ハルモニア」など、日テレ土曜9時枠を方向づけてきた人。

この2人がTBSの金曜ドラマを手がける……と聞いて、イメージがわく人なんてほとんどいないのではないでしょうか。さらに、今回クレジットを見てたら「リング〜最終章〜」で脚本を書いている蒔田さんの名前もあったりして。(^^)

で、フタを開けてみたら、土9でも通用しそうな堤ワールドの60分。(^^) 西荻さんらしさが出ていたのは、犯人の男がインポテンツだっていうところくらいでしょうか。

演出は、「EIJI」や「未満都市」に通じる作風で、一目で堤さんだとわかる世界。音楽の使い方とか、画面やシーンを切り換える時のタイム感など、ますます磨きが掛かっている感じです。TBSだろうが金曜ドラマだろうが、堤さんの演出は不変だということなんでしょう。「ハルモニア」最終回で印象的だった、無音シーンが長く続く演出も、またまた出てきました。(^^)

しかし、しかし、しかし……、映像はカッコ良いんだけど、とにかくストーリーが分かりづらい。ロケが中心のせいか、セリフの歯切れが悪くて聞き取りづらい。リアルタイムで見てて、事件の状況がちゃんと把握できた人って、あんまりいないんじゃないでしょうか。多分、家族とか友達といっしょに、おしゃべりしながら見てたりしたら、絶対分からないと思います。(^_-)

正直言って、効果音とか音楽がしつこい感じもあるので、もう少し芝居を重視した演出にしないと、ゴールデン枠のドラマとしては、視聴率的にもツライと思います。中谷美紀や渡部篤郎のコミカルな演技も、あまり生かされていないようなカット割りだったので、それもちょっともったいないと思いました。

カッコ良いけど分かりづらいというのは、タイトルバックにもいえることで、クレジットが読みづらくて、最初に見た時は、蒔田光治さんの名前に気がつきませんでした。まあ、そんなことまでチェックしている視聴者なんて滅多にいないから、どうでも良いことなんですが。(^_-)

どうでも良いことをもう一つ。(^^) 演出補の麻生学さんは「未満都市」「ハルモニア」でも演出補をしていた人なので、オフィスクレッシェンドの人みたいです。そういえば、今回はエンドロールにオフィスクレッシェンドのクレジットは入っていませんでした。


99/01/08 ドラマの新聞広告

今週は毎日のように、新聞にその日に始まるドラマの広告が載っているんですが、フジの広告はスタッフのクレジットもちゃんと載っていて便利ですね。セカンドD〜サードDの名前までちゃんと載ってます。

こういうところに、ドラマに対する局の姿勢が現れているような気がしますね。他局も見習って欲しいもんです。特にTBS。堤幸彦さんの名前を出さないなんて、失礼だし、時代の流れにも反していると思います。

映画「金田一少年の事件簿」がアカデミー賞でも取れば、扱いが変わってくるんだろうか?


99/01/10 「サラリーマン金太郎」

原作:本宮ひろ志
脚本:中園健司
プロデュース&演出:森田光則
制作:木下プロダクション、TBS

第一印象――設定が「GTO」みたい。第二印象――高橋克典は「ランデヴー」や「あきまへんで!」の時みたいな、しめっぽい役の方が良かったかな。第三印象――野際陽子の衣装&メイクが??? (^_-)

原作は読んだことないのですが、脚本が良くできていると思いました。(若干誇張してあるものの)会社内の登場人物やエピソードが結構リアルで、そういえばいるよなこういうヤツ……と、思うところがいくつかありました。保坂直輝のキャラクターも、この手のドラマでは定番の学歴至上主義者とは、一味違うみたいだし、好感持ちました。

それだけに、「GTO」みたいなマンガっぽい演出が、目障りな感じがします。森田さんの演出も、普段より歯切れが悪いような感じがしました。――マンガっぽくしようとして、上手くいかなかった……という感じ。(^^ゞ

24日の第3話に、故・芦田伸介さんが出るそうです。最後の仕事のようです。


99/01/11 「可愛いだけじゃダメかしら?」

脚本:岡田惠和
演出:今井和久
プロデュース:黒田徹也(テレ朝)、東城祐司(MMJ)
制作:テレビ朝日、MMJ

レギュラー出演者もスタッフも「音無可憐」と99%同じなので、同じ路線を予想してたのですが、実際に見てみたら、かなり違ってました。

音無可憐は内面があるのかないのか分からないキャラだったので、感情移入ができないんですが、このドラマの2人は、人前では派手だけど、実は地味な田舎者……という、感情移入しやすいキャラクター設定なので、ある意味では、180度反対のドラマだといえるかも知れません。

今井和久さんは、月8の常連演出家なので、さすがにアイドルの使い方が上手いですね。希良梨のキャラなんて、「GTO」の時よりも断然に魅力的ですね。――魅力的かどうかは個人の好みだとしても、希良梨の個性を活かすために試行錯誤した跡が感じられるんです。そこが「GTO」との違いなんです。また、榎本加奈子や山口紗弥加にしても、(個人的には)地味モードの時の方が魅力的に見えるんですが、そういうところに、今井さん〜月8の伝統を感じます。

ただ、ファスナーを一番上まで上げてるジャージ姿は、ちょっとウソ臭かったです。これは演出方針の問題でもあると思うのですが、このドラマは全体的にシリアスっぽい脚本〜演出になっていて、地味モードの時は特にそうですよね。だとするなら、地味モードの時のファッションとかもリアルな感じにしてくれないと、シリアスな演出との間に違和感が生じるんですよ。

それにしても、「音無可憐パート2」は笑えましたね。1年前のように、連ドラで見せられると、ちょっとツライところもあったのですが、こうやって一発ギャグ的に見せられると、バッチリですね。――「音無可憐」にストーリーは要らないっていうことなんでしょうか。

「音無可憐」以外のところは、そんなに笑えるわけでもないので、シリアスなシーンとのバランスの取り方が難しそうですね。「音無可憐」よりも若干上品な(?)笑いを追求しないと、違和感が生じてしまうと思うんですが……?


99/01/11 「オーバー・タイム」

今週も武内英樹さん演出の第2話。第1話にあった派手な演出やエピソードがなくなって、分かりやすくなりました。同居のシーンで笑わせて、個々人のエピソードはシリアスに見せる。BGMに歌モノを使うところなどは、永山耕三さん直系の演出ですね。

タイトルロールに「美少女H2〜死球(デッドボール)」の中沢純子の名前が見えたのですが、どこに出ていたのか良く分かりませんでした。冒頭の新聞社のシーンで、加藤晴彦にフィルムを渡してた女の子かな?

「すばらしい日々」の妻夫木聡の名前もありましたが、これは多分、急患で運ばれてきた血だらけの患者でしょう。血で顔が良く分からなかったけど……。

それにしても、反町は新聞社の正社員じゃなかったんですね。どうやら、少しずつ登場人物のバックグラウンドが明かされていくような感じがします。第1話は、もろバブル〜トレンディ路線で見せて、第2話から徐々にテイストが変わってくる……というのが、このドラマの戦略なんでしょうか。


99/01/11 「ボーダー・犯罪心理捜査ファイル」

脚本:森岡利行
演出:上川伸廣(田中壽一、岡本浩一)
音楽:配島邦明(本当は「配」の上に草冠が付きます)
プロデュース:井上竜太、小泉守、下山潤
制作協力:イースト
制作著作:よみうりテレビ

上川伸廣(イースト所属)さんの演出が冴えまくっていますね〜。今ドラマ界で、サスペンス〜ホラー系が得意な演出家といったら、上川さんの右に出る人はいないんじゃないでしょうか。「渡部ストーカー」や「スウィートデビル」でも、その片鱗を見せてくれましたが、今回はパワー全開という感じで見せてくれます。

真上(天井)から、カメラがくるくる回っているカットなどは、「スウィートデビル」でおなじみのカットですが、その他にも「スウィートデビル」に通じる手法がふんだんに使われていました。今クールはサスペンス〜ホラー系のドラマが多いですが、怖さという点では、ダントツで「ボーダー」だと思います。

上川さんの演出で特徴的なのは、効果音の使い方で、何気ない足音とか、食器を置く音など、音に対して非常に敏感な演出をする人です。その効果音(音楽)と手の込んだカメラワーク組み合わせで、独特の恐怖感を生み出すわけです。また、音楽の配島邦明さんは、「世にも奇妙な物語」のテーマ音楽で有名な人です。

それと同時に、上川さんが素晴らしいのは、単に恐いだけでなく、映像に絵心が感じられるところです。「渡部ストーカー」で印象的だったのは、河相我聞の目を横からアップで撮るカットですが、今回も、屋外シーンなどで、光の使い方や、画面の構図などに、絵心が感じられました。

「金田一少年」「ケイゾク」の堤幸彦さんの影響も強いようです。堤さんと比べるとB級っぽい感じですが、そこが上川さんの持ち味だといえるでしょう。やはりホラーですから、ある程度のB級感覚が必要なんだと思います。

それだけに、冒頭の残酷な殺害シーンは必要なかったと思います。個人的には、あっても構わないんですが、あそこを見て引いちゃう視聴者もいたと思うので、もったいないです。TV局に抗議電話がたくさん掛かっていそうですが、そこまで考慮した上での話題作り戦略なんでしょうか?

あと、上川さんの演出が凄すぎて、他の2人が演出した回との間に、大きな差が出ちゃうんじゃないかという心配もあって、今後はその点も気になります。(^^ゞ


99/01/11 「美少女H2」

タイトル:第11話「ヴィーナスの微笑み」
脚本:近藤てつき
演出:熊谷拓雄
出演:黒須麻耶、緒沢凜、日野誠二

見ている時は、順番からいっても小林和宏さんかな……などと予想していたのですが、エンドロールを見たら熊谷拓雄さんでした。熊谷さんは、通常は演出補としてクレジットされていることが多い人です。演出をするのは、昨年11月のしし座流星群の話(主演:北川弘美)に次いで2回目だと思います。

2人の表情をていねいに撮っていたようですが、際立った特徴はつかめなかったです。映像処理は、もう少しノーマルでも良かったかな、という気がしました。最近の「美少女H2」の映像は、似通ったタイプが多いので……。

黒須麻耶は「いちご同盟」の印象が強力ですが、今回はカジュアルな感じにシフトしてました。でも、意志の強そうな感じが共通していると言えるかも。緒沢凛の方は、フツーっぽい感じを活かして、脇役系の定番女優になりそう。


99/01/12 「鬼の棲家」

脚本:山崎淳也(藤本有紀)
演出:本間欧彦(木村達昭)
プロデュース:小岩井宏悦
音楽:岩代太郎

これは究極のミスマッチドラマですね〜。脚本が「家なき子」で、演出が「白線流し」。(^_-)

脚本の山崎淳也さんは「家なき子」や「続・星の金貨」で知られる人で、今回も同様のスタイルを踏襲しています。それに対して、演出の本間欧彦さんと音楽の岩代太郎さんの組み合わせは、「白線流し」「WITH LOVE」でおなじみ。

今回、特に際立っているのは、岩代太郎さんの音楽で、いつにも増して格調高い仕上がりになっていて、これが大映スタイルのウソ臭い脚本と合っていないような気がして、最後までしっくりこなかったです。本間欧彦さんにしても、従来の自分のスタイルを通しているという感じで、大映みたいな劇画っぽい演出をする意志はないみたいです。

このドラマは、直前まで企画が二転三転したみたいで、当初はアメリカンホームコメディという話だったから、「鬼の棲家」というタイトルを見た時は、一瞬、頭の中が混乱しました。

まあ、混乱してたのはボクの頭だけではないと思いますが、脚本と演出のミスマッチも、意図的にねらったというよりは、企画変更の後遺症と考えた方が良いのかもしれません。

とはいっても、深田恭子を見てると、イマドキの高校生っぽいナマイキそうな感じが上手く出ていて、「家なき子」の安達祐実にはなかったリアリティを感じました。このあたりは、深田恭子本人の資質(しゃべり方)であるのと同時に、本間欧彦さんの持ち味といえるのかもしれません。

出演者で一番印象に残ったのは小橋賢児。コンプレックス少年の役が多い彼ですが、経験がモノをいうのか、今回は特に出色の出来。逆に今一つなのが中村愛美で、一見インパクトがありそうなのに、よくよく見ると薄味という感じがしました。「GTO」の時も、そう思ったんですけどね。

深田恭子の弟役の三觜要介(みつはしようすけ)は、この後の「救命病棟24時」にもゲスト出演していて、すっかり売れっ子ですね。年末の「天国まで響けボクのシンバル!」でも重要な役をやってました。


99/01/12 「こいまち」

脚本・演出:水島総
プロデュース:古江薫(関テレ)、都竹廣明井上文雄
制作:関西テレビ、リバース

土曜日とか祭日の午後に放送される、地方局制作の単発ドラマみたいですね。――地方が舞台で、1時間で一話完結で、そこそこ映像が凝ってるけど、全体としては古臭い……と。(^^ゞ

脚本が古臭いのは仕方ないとしても、映像〜音楽のセンスも古臭いから、手の込んだ映像があっても、どこかインパクトが弱いんですよね。(^^) あと、ロケシーンの色彩処理とかにも、もう少し技とか工夫が欲しいと思いました。

ところで、助監督の宮崎暁夫さんって、去年の秋にテレ朝で放送された「学校の挑戦」(主演:桜井幸子、制作:ABC、MMJ)でも、演出補をしていたけど、どこの所属なんだろうか? ……な〜んて、マニアックすぎるか。われながら。(^^ゞ


99/01/13 「お水の花道」

平野眞さん入魂の第2話。第1話よりも「ショムニ」色を強めた演出でしたが、圧巻だったのは、中盤の“財前直見 vs 一色紗英”の対決シーン。「ショムニ」のスタイルを極限まで推し進めたようなカット割り&音乗せの嵐。

多分、本家の鈴木雅之さんでも、ここまではやらないだろうと思われる徹底ぶりは、“ハードコア「ショムニ」モード”と呼べるかもしれません。

しかも、誕生プレゼントの時計を差し出した瞬間を境に、メランコリックモードにガラッと切り換えるあたりも、大胆かつクレバーな演出。最後まで「ショムニ」モードで押してたら、見ている方が疲れちゃったと思います。「平野さんは大技使い」という印象を持ちました。(^^)


99/01/13 「夜逃げ屋本舗」

脚本:大森寿美男
監督:原隆仁
プロデュース:西憲彦山本勉
制作:光和インターナショナル、日本テレビ
製作著作:光和インターナショナル

ドラマ制作の外注には消極的だった日テレですが、今回は著作権まで放棄して、映画のスタッフを総動員しています。日テレ系のスタッフの名前は、ボクの分かる範囲では、ほとんど見受けられません。

で、第1話を見た印象ですが、もう少し演出にリズム感とかメリハリが欲しいですね。裏の「お水」の後に見たので、ますますそう思ってしまいます。さらに「ナニワ金融道」と比較してみても、同じ印象が残ります。

ギャグの部分も、はずしてる場面が多くて、イマイチ笑えなかったです。映画の方も3作目で打ち切られているワケだし、その点をどうカバーするのかが重要になってくると思います。――とはいっても、そこそこは面白いんだけど……ね。(^^;

「こいまち」もそうなんだけど、スタッフのクレジットのところで、「記録」とか「T.K.」じゃなくて「スクリプター」となっているところが、映画畑の人たちが作った作品という感じがします。(^^)


99/01/14 「京都迷宮案内」

プロデュース:井土隆加藤貢…etc
演出:黒沢直輔
脚本:林誠人
制作:東映、テレビ朝日

これは、観光地系の2時間サスペンスを、そのまま連ドラにしたという感じのドラマですね。京都の名所がバンバン出てくるところとか。時代劇から現代ドラマに切り替わった枠なので、どんなモノが出てくるのか気になっていたんですが……。

新味には欠ける路線だけど、これで視聴率が取れるなら、無難な選択かもしれないです。

黒沢直輔さんは、去年NHKで放送された「結婚前夜」(脚本:野沢尚)でも、橋爪功さんと仕事をしていましたね。


99/01/14 「ニュースキャスター霞涼子」

プロデュース:五十嵐文郎山田高道
演出:山田高道松原信吾
脚本:関根俊夫
制作:木下プロダクション、テレビ朝日

う〜ん。これはツライなぁ。どうしても「ニュースの女」と比べちゃうけど、セットはチープだし、脚本は「はぐれ刑事」を中途半端にした感じ。チープなのはセットにかぎった問題じゃなくて、演出全体に言えることなんですが……。

ホテトル嬢をやってる女教師が、脅迫されて殺人に至る……というストーリーからして、古臭いというか時代錯誤的。しかも、その辺のエピソードを映像化しないで、セリフだけで済ませちゃうお手軽さ。

出演者は、結構充実しているので、その辺を活かして何とかならないもんでしょうか。

演出・プロデュースの山田高道さんは、NHKの「女たちの聖戦」でも、賀来千賀子さんと仕事をしていましたね。あれは結構面白かったんですけど……。(-_-)


99/01/14 「ママチャリ刑事」

今週も演出は松原浩さんだけど、第1話と比べて、アイデアの密度がかなり下がっちゃいましたね。笑えたのは、金田明夫さんがロッカーの裏で、ボコボコにされるところくらい。これは○○ネタかも……と、思えるようなところもありませんでした。(T_T)


99/01/14 「リング〜最終章〜」

これもツライな〜。物語はだんだん面白くなってきているんだけど、カメラワークとかカット割り〜音楽などに、上手さが感じられません。今期は「ボーダー」で、上川伸廣さんがスゴイ演出をしてるから、どうしても見劣りしちゃいます。


99/01/15 「白線流しSP」

(未完成)


99/01/16 「君といた未来のために」

脚本:大石哲也
演出:佐藤東弥
プロデュース:井上健鈴木聡

cobaの音楽が良いですね。タンゴとかフラメンコなども含んだ、ヨーロッパ耽美系のテイストで、独特のラビリンス感覚が斬新かつ魅力的です。

同じことは映像にもいえて、ダリとかのシュールリアリズムっぽい絵ヅラを、意識的に取り入れているようです。手法的には、過去の佐藤東弥さんの土9作品と、大きくは変わっているワケではないんですが、アレンジとか味付けが新しいと言えば良いでしょうか。

第1話は、テンポの良いラビリンス感覚をメインに、センチメンタルなテイストを加味していましたが、この先どういう方向に行くのかは、まだ見当がつきません。

フタを開けてみたら、「美少女H」の小谷美裕や、ジャニーズJr.の古屋暢一なども出ていて、ちょっとビックリしました。あと、蒼和歌子って、「BOYS BE…Jr.」に出てた子かな?

それから、プロデュースの鈴木聡さんって、「ぱっかぽか」「ひなたぼっこ」で知られるケイファクトリーの人だろうか?


99/01/18 「可愛いだけじゃダメかしら?」

第1話よりコメディ度がさらに下がった第2話(演出は今週も今井和久さん)。

これって、ティーンズ版「ランデヴー」みたいな世界をねらっているんだろうか? 女2人の友情物語っていうのが、ドラマの主軸になるみたいで、バカ話は「音無可憐パート2」に凝縮して、それ以外のシーンはしんみりとしたテイストが中心。

そうなってくると、安直なストーリー展開が目障りになってきます。――どうも、脚本と演出のバランスが上手く取れていないようです。できれば、「じゃじゃ馬ならし」(93年フジ、共テレ)みたいなテンポ感が欲しいですね。あと、岡田義徳が榎本が好きな男がどんなヤツなのかを気にするシーンなど、もっと余韻が残る演出をして欲しいと思う場面がいくつかありました。


99/01/18 「ボーダー」

今期のドラマの中では、これが最注目だと思います。(~o~) 今週は、「凍りつく夏」の江頭美智留さんが脚本を書いていたので、そこもポイントが高いです。

とにかく、上川伸廣さんの演出が冴えまくっていて、他の人にはマネのできない域に達していますね。単に恐いというだけじゃなくて、カット割りとかのセンスが絶妙です。中森明菜にしても、筒井道隆にしても、良い表情を捕らえていたと思います。

「美少女H」の緒沢凛は、血を抜かれるシーンがメインでセリフもあまりなかったので、ちょっと残念かも。(^_-)

来週は、アブノーマルな役をやらせたらハマリまくる藤原竜也が出演。演出が上川さんかどうか分からないけど、楽しみです。(^^)


99/01/18 「美少女H2」

タイトル:第12話「TOKYO BLACK」
脚本:山本郷史
演出:関卓也
出演:清水千賀、千葉れみ

脚本が良かったですね。オチ自体は予想通りだったんですが、「今までのは全部ジョーク」→「ハッピーエンド」で終わらせないで、そこにコンセプチュアルな意味付けを与えてるところが非凡ですね。

ヒロインのボランティア意識の死角に光を当てるのがドラマのテーマだったワケですが、最後まで見ないと、それ(テーマ)がわからないというのがミソですね。千葉れみの存在理由も一番最後に分かる……と。(^^)

山本郷史さんの脚本については、以前も高く評価したことがありますが、コンセプチュアルで構成力の高いホンを書く脚本家みたいですね。

――ただ、ボランティアに燃える女の子っていうのは、社会全体の中で見たら少数派ですよね。それを批判的に描くっていうのは、ちょっと弱いものイジメっぽくて、ボクは好きじゃないですね。もちろん、批判の内容自体は正当だと思うんですが……。(^^)

演出は、またまた関卓也さん。明るさが暗めで、粒子が粗いうえに、極端に色彩感を強調した映像処理をしていましたが、サスペンス風の脚本と上手くマッチしていたと思います。特に、夢の中で襲われるシーンの映像は、なかなか味がありました。ただ、今回は大半のシーンが英語だったんで、字幕に目を取られてしまい、映像に注意を向ける余裕があんまりなかったんですけど……。

清水千賀が主演するのは、トヨエツが演出した回に続いて2回目だけど、あの時もへんてこな映像処理がされていて好きじゃなかったんですが、今回はわりかし、すんなり見れました。ただ、この次は、もっとノーマルな映像で見たいですね。(^^)

それにしても、清水千賀って、えらく英語が上手かったけど、帰国子女なんだろうか。そういえば、旧年の夏くらいに放送された帰国子女の話も、関卓也さんが演出してましたね。


99/01/19 「鬼の棲家」

う〜ん……、これって、どうやら、イマドキの女子高生が前時代的な貧困に直面して成長するって言う物語みたい。……だとしたら、もう少し脚本にリアリティが欲しいです。ウソ臭いキャラやエピソードが多すぎっ!(……でも、小橋賢児は面白い!)

逆に、「家なき子」みたいにリアリティを捨象して抽象的なテーマ(善意は金に勝てるか、とか)を追求するのなら、演出の方向性が根本的に違っているっていう話になってしまいます。

動的なカットを細かくつなぐことによって、登場人物の目線〜心理を、視聴者に伝える本間欧彦さんの演出は、今回も素晴らしいのですが、それだけに残念な感じがします。


99/01/19 「こいまち」

脚本:浪江裕史
演出:小松隆志
出演:高橋由美子、高知東生、直瀬遥歩

先週に比べると、ドラマにテンポ感があって、演出の感覚が若々しくなりました。特に、ドラマの冒頭で、高知東生が乗込んでくる玄関先のシーン。あそこでカメラの長回しをやるという発想がユニークでした。

1話完結ものの場合、予算の関係上、オリジナルのセットは組みづらいそうなんですが、今回は、その制約を逆手に取ったミニ・ロード・ムービー仕立て。高知出身の高知東生が、妻を追いかけて高知県内を転々とする……というのはオイシイ。映像的にとても素晴らしいというシーンはなかったけど、舞台が次々に変わるから、飽きないで楽しめました。

小松隆志さんは、「きっと誰かに逢うために」「Tears」など、オフィスクレッシェンドがらみのドラマでよく見かける人ですが、(当掲示板での鬼頭理三さんの情報提供によれば)フリーの演出家だそうです。(^^)

ただ、先週の第1話もそうなんですが、ストーリー的には、ボクの理解の範疇を超えていますね。(笑)――良い歳した大人の無謀な恋愛物語なんだもん。「こいまち」なんてタイトルからは想像もつきません。いっそのこと「地方発・恋の暴走特急」なんてタイトルの方が良かったんじゃないかと思います。(^^ゞ

ちなみに2/2放送の第4話は、舞台が尾道で、演出が今関あきよしさんだそうです。


99/01/20 「お水の花道」

前半はショムニ・モード、後半は一転して、「はぐれ刑事・共テレ派」みたいな人情話でしたね。お笑いに終始しないというのが、このドラマの基本コンセプトになっているようです。でも、子供が出てきて、お涙頂戴……というのは、ちょっと芸が無さ過ぎ。

今週は土方政人さんが演出でしたが、ショムニ・モードの前半部は、全体的に出演者のリアクションが大袈裟すぎて、ボクはあまり笑えなかったです。笑いには、もっとクールな部分が必要だと思いました。

ボクの印象では、土方さんは、どちらかというと映像志向の演出家で、今回でも、路上のシーンで、背後に東京タワーが映ってたりするところに、土方さんらしさを感じました。(^^)


99/01/21 「リング〜最終章〜」

演出が西谷弘さんに代わった第3話ですが、さすが西谷さん、手の込んだカメラワークが冴えていました。――柳葉俊郎が車の方に歩いて来て、車に乗り込むカット。車の中から撮っているのが分かった時は、思わず声が出ました。(^^)

その他にも、子供が公衆電話から電話するシーンでの、足元のアップ。長瀬智也の目のアップなど、緊張感のあるカメラワークが、目に付きました。ただ、音楽(サントラ)は安っぽい感じがします。


99/01/21 「ママチャリ刑事」

演出がベテランの遠藤環さんになった第3話ですが、先週の第2話では激減していた小ネタが、今回は、またまた復活していました。「ジャニーズ」ネタとか、「金田一少年」ネタとか……。特に、京本政樹の病室の花に書いてあった料理番組名とかも可笑しかった。「昨日の料理」とか。(^O^)

さらに、痔を患う高橋克美のお尻に、モップが突き刺さるという大ネタも出てきました。ただ、2回も突き刺さるというのは、ちょっと中途半端。1回か5回にして欲しかったです。

どうせだったら、裏番組の「リング」もネタにして欲しいですね。(^_-)


99/01/22 「ケイゾク」

第3話。演出は金子文紀さん。多分、TBSの若手の人だと思います。

映像のテイストがノーマルな感じになっている部分が増えていたようですが、ボクは悪くなかったと思います。特撮っぽい部分とのメリハリもついていたし、堤さんの回とは違った生々しい感じ(バラエティっぽい感じ)がしました。……それに、結構アイデアも豊富だったし。(^^)

犯人引き渡しのシーンがラストシーンで、犯人とのドライなやり取りで唐突に終わる……というのが、このドラマの定型パターンのようです。しかし、安っぽい謎解きの後なので、なんかしっくりこないですね。(^_-)

大体このドラマに謎解きが必要なんでしょうか? 謎解きをなくして人間ドラマにしちゃった方が分かりやすいと思うのですが。


99/01/23 「君といた未来のために」

先週の第1話と大きな変化はありませんでしたが、やはり、ヨーロッパ風のラビリンス感覚が新鮮ですね。ヨーロッパ風のドラマっていうのは、決して新しくないんですが、テンポが良いっていうのがミソですね。

堂本剛のナレーションを多用するという選択も、正解だと思います。佐藤東弥さんは、新たな鉱脈を探り当てたかもしれないです。

そういえば、「去年、マリエンバートで」とかいう映画がありましたが、その辺のテイストも、今回の演出の参考にしてるんでしょうかね。ボクは見たことないですけど……。(^^) ――ところで、ドラマの中に出てくる映画は、架空の映画なんすかね?

東弥さんは今回、剛の表情をかなりていねいに撮っているようですが、「金田一」での経験〜蓄積がモノを言うのか、剛の使い方・活かし方が上手いなと思いました。正直言って、関西弁でまくしたてる部分とかは、ワンパターンなんですが、落ちぶれモードのところなんて、新境地開拓という感じで良いです。無精ひげでボソボソ話しているところとか。

今週はエンドロールに「協力:ケイ・ファクトリー」というクレジットが入っていました。(^^)


99/01/24 「蒼い記憶」

テレ東で日曜深夜に放送されている、ドラマもどき番組。監督は今関あきよしさん。

第1話から見ていたワケではないのですが、ストーリーがあるんだか、ないんだかさっぱり分からないドラマです。セリフとかもほとんどなくて、海辺とか道路をうろついてるシーンだけで、30分が成り立っているような感じ。

ドラマというよりはMTVに近いかも。セリフがあるシーンにしても、芝居を演出しようという意図は、ほとんど感じられないし。

ただ、映像と音楽の完成度は非常に高くって、それだけでも、一見の価値があると思います。海辺のシーンも良いんですが、ボクが注目したいのは、街頭などのシーン。アングルとか、微妙な色合いのサジ加減が絶妙で、今関さんの映像に対するセンスの良さが、よ〜く分かります。


99/01/25 「ボーダー」

演出が上川伸廣さんから田中壽一さんに代わった第3話。心配していた通り、演出のクオリティが下がっちゃいましたね。(^^) カメラワークなどは、結構がんばっていたと思うんですが、特に音楽〜効果音の使い方が平凡になってしまったのが残念です。

田中さんは「凍りつく夏」でも、藤原竜也と仕事をしているので、その辺にも注意して見ていたのですが、「凍りつく夏」での不気味な笑顔に匹敵するような要素も、見つけられませんでした。(^^ゞ ランボオの文庫本を手に持っているカットは、脚本には書いてないそうですが、な〜んか発想が陳腐。今回の藤原竜也に対する物足りなさを象徴する演出だったと思います。

好みの問題もあると思うのですが、もう少し笑える要素が欲しかったですね。まあ、「凍りつく夏」というのは、シリアスな部分と大映的なB級っぽさが両立した希有な作品だったんで、それと同じものを求めるのは酷なのかも。……演出って難しいもんですね。


99/01/26 「救命病棟24時」

第4話。先週に続いて、ボクが注目している田島大輔さんが演出していました。途中から見たんですが、痴呆のおばあさんが息を引きとるシーンは圧巻でしたね。

普通だったら、死んだところで悲しい音楽が流れてきたりするんですが、今回はその逆で、音楽がフェイドアウトしたところで、静かに死が訪れて、そのまま沈黙が数秒間続く……。その場に居合わせた人たちの表情にも迫力がありました。田島さんの演出が光っていた名シーンだと思います。


99/01/27 「お水の花道」

第4話。演出は平野眞さんに戻りましたが、演出は先週以上にシリアス度が増していました。ただ、そうなってくると、基本的なストーリーが陳腐な人情話なのでツライですね。

財前と一色の対立が第2話で解消しちゃったのが、もったいないです。サブタイトルにある、30女の焦燥感が物語の主軸から外れてしまうと、ギャグのインパクトが下がってしまうような気がします。


99/01/27 「鶴亀ワルツ」

先週の第3話に続いて今週も演出した後藤高久さんは、初めて名前を見る人。若い人なんじゃないかと予想しています。(^^) カメラワークとか映像のテイストに、フジとかのトレンディドラマの影響が感じられました。

ただ、笑いとか芝居の演出に、もう一工夫欲しかったですね。たとえば、TBSの戸高正啓さんだったら、もっと笑えたんじゃないかと思っちゃいました。(^^)

――それにしても、25歳の女が糖尿病の爺さんを好きになるっていうストーリーは、やっぱ、ムリがあると思うぞっ!


99/01/28 「リング〜最終章〜」

福本義人さんが演出した第4話。西谷弘さんが演出した第3話に比べると、カメラワークが今一つという感じですかね。まあ、来週は西谷さんで大島ロケだから、それが結構楽しみカモ。

ところで、怒った柳葉が長瀬をブン殴っていましたが、ボクが柳葉だったら、京野ことみもブン殴ってるカモ。(^^) 勝手に人の家に入り込んで、子供まで巻き込んじゃって……、サイアク。それにしても、INDEXも書いてないビデオを一発で見つける京野ことみって、うらやましいカモ。(^_-)


99/01/28 「ママチャリ刑事」

第4話の演出はサードDの那須田淳さん。ホラー〜テクノ系の音楽を、器用に使いこなしていて良かったです。カメラワークとかも4話中、一番手が込んでいました。ちょっぴり、共テレの平野眞さんに通じるセンスがあるようにも思いました。

今回は「踊る大捜査線」をネタにしていたみたいで、「踊る」をパロったシーンがたくさんありました。デビッド伊東の写真とか、署内においてあったぬいぐるみ(ピーポちゃん?)とか、捜査会議の部屋のレイアウトとか。

――この調子で、3人の演出家がアイデアを競い合っていけば、面白くなりそうな気がして、好感持てます。(^^)


99/01/30 「君といた未来のために」

演出が唐木昭浩さんに代わった第3話。「演出倶楽部」的には、結構問題作だったりして。画面の前で、何回もうなっちゃいました。悪い意味ではないんですけど……。ちなみに唐木さんが土9で佐藤東弥さんと組むのは「D×D」に次いで2回目。

cobaの音楽の使い方が控えめになり、佐藤東弥さんが1、2話で確立したラビリンス感覚やテンポ感が後退していました。「フッ」という女声コーラスで、アクセントをつける手法もなくなっていたようです。また、特撮風の映像も少なくなって、画面の色合いもノーマルな感じにシフトしていました。

その一方で、カメラワークは芝居を重視した感じになっていて、芝居の緊張感は高くなっていたと思います。特に、母親の自殺現場に行くシーンなどは、緊張感・情感があって、テンポ感を犠牲にしてでも、唐木さんが演出した価値はあると思いました。

堂本剛の表情アップにナレーションをかぶせるシーンも、増えていたような気がします。堂本剛という人は、リハーサルの時と全く同じ表情を本番で再現する才能があるそうですが、そんな剛の持ち味・特性を十二分に活かした演出と言えます。実際、表情に迫力があって、それを見てるだけでも1時間飽きないですね。

その他でも、サスペンス風のカット割りが増えていましたが、これは脚本自体がサスペンス風にシフトしてきたので、それに対応しているのかも知れません。ただ、唐木さんが2年前に上川伸廣さんとやった渡部篤郎版「ストーカー」に通じるものがありました。(^^)

ただ、コミカルなシーンは、1、2話以上にバラエティでの剛とカブっていて、違和感がありました。本人はやりたいのかもしれないけど、ドラマでは抑えてほしいですね。(^^)

余談ですが、「ひなたぼっこ」では“ケイファクトリー”と表記されていますが、このドラマでは“ケイ・ファクトリー”になってますね。(^_-)


99/01/30 「ご就職」

脚本:竹山洋
演出:村上佑仁
制作統括:一柳邦久浅野加寿子
出演:高橋英樹、加藤晴彦、かたせ梨乃

これは去年、BSドラマで放送されたものの再放送なんですが、BSドラマは45分枠なので、今回は2回分(90分)を75分に再編集しているようです。そのせいなのか、話の展開が唐突すぎて、違和感を感じるところがいくつかありました。

企画はもちろん、脚本も面白いし、出演者も良い味を出しています。周囲の脇役の性格設定なども手が込んでいて、さすが竹山さん……という感じです。加藤晴彦は「闇のパープルアイ」を見た時からずっと注目していたのですが、ここ数年の作品では一番持ち味が出ていると思います。「オーバー・タイム」でも評判が良いみたいだし、今年はブレイクするカモ。

ただ、演出に面白味がないです。カメラワークにしても音楽にしても、もう少しテンポ感がほしいです。まあ、こちらが鈴木雅之さんみたいな演出スタイルに、慣れすぎちゃったというのはあるんだけど……。

浅野加寿子さんは、昨年末の「必要のない人」もプロデュースしていましたが、あれも演出がイマイチだったんですよね〜。(^^)


99/01/31 「熱血恋愛道」

日テレ系で日曜のお昼にやってるジャニーズJr.のドラマ。タイトルが変わっただけで、「BOYS BE…Jr.」と大差ないですね。1、2話はオフィスクレッシェンドの大根仁さんが演出していましたが、先週は猪俣隆一さん、今週は木村ひさしさんと、「BOYS」の顔ぶれに戻っているようです。

天使と悪魔の要領でドラマに割り込んでくる、滝沢秀明と秋山純の掛け合い部分はそれなりに面白いのですが、ドラマの部分は、逆にワンパターンになってしまってツライですね。木村さんが演出するのは、「BOYS」を含めて、これが2回目ですが、1回目の方(生田斗真)が面白かったです。

今週の主役は今井翼ですが、「解雇されなくて良かったね〜」というのが第一印象。(^_-) 今回の役柄は本人のイメージに近い感じでしたが、第2話の松本潤が自分のイメージとは違うキャラにチャレンジしていたのとは対照的。ちょっと面白味に欠けました。このドラマは、ストーリーや演出よりも、配役のコンセプトに注目して見ている方が楽しめるかもしれないですね。

まあ、表情とかはていねいに撮っていたので、ファンの子とかは満足してるかも知れませんが……。


99/02/01 「美少女H2」

タイトル:第14話「TWILIGHT PARADISE」
プロデュース・脚本・監督:原田泉
プロデュース:羽鳥健一
撮影協力:小湊鉄道、富山小学校
制作協力:ROBOT
出演:(金子)絵里、エリ

いやいや、スゴイもんが出てきちゃいましたね。ROBOTかぁ……、すっかり忘れていました。「IF〜もしも」「東京23区の女」「木曜の怪談」などで、エキセントリックな作品を残している製作会社です。だから「美少女H」にも、もっと早く登場していてもおかしくなかったんですが、すっかり油断(?)してました。(^^)

オンタイムで見ていたんですが、エンドロールが待ち遠しくって、いろんな演出家の名前が頭の中をよぎりました。下山天さんとか……。でも、まさか原田泉さんだとは思いませんでした。ROBOTのプロデューサーという認識しかなかったですから。

前半は音楽を一切かけないヒンヤリとしたテイスト。後半はBGMが入るようになって、最後に歌モノでクライマックスへ……。確信犯というか力技的な演出でした。それ以外でも、とにかくアイデアが豊富で、ドラマ3本分くらいのアイデアを1本に詰め込んだような密度の濃さでした。しかも、ひとつひとつの映像〜カメラワークに情感〜絵心が感じられるから、ストーリーそっちのけで感動してしまいました。(^^)

特に、小湊鉄道でのロケシーンには、ノスタルジックなのかエキゾッチックなのかよくわからない、独特の情感があって印象に残りました。ヒロインの親友役のエリという女の子の存在感も圧倒的。……エリの後ろから電車が迫ってくるカットとかは、トラウマのように脳裏に残りそう。(^^)

ドラマを見ていて連想したのは、上川伸廣さんのサスペンスタッチの作品、本広克行さんのともさかりえシリーズ、堤幸彦さんの「クリスマスキス」、実相寺昭雄〜円谷系の特撮作品(「美少女新世紀ゲイザー」とか)、岩井俊二さんのTVドラマ作品……など。

それにしても、今回の作品は、アイデアもさることながら、時間とお金の掛け方も尋常じゃないような気がしました。通常の「美少女H2」の倍くらいの時間とお金がかかってそうな気がします。(^^)

ただ、脚本はもう少し、シンプルで分かりやすくしても、良いかなとも思いました。まあ、30分の単発ドラマだから良いのかな。意味もなくゴチャゴチャしてるドラマはカンベンしてほしいけど、この作品の場合、少なくても演出に意味があったし……。2時間ドラマで同じことやられたら、ちょっと疲れるけど。(^^ゞ

ところで、クライマックスにかかった、60〜70年代歌謡曲風の曲が気になっていたのですが、「テレビドラマデータベース」の掲示板で、りくさんが『始皇帝暗殺』の主題歌(小室哲哉プロデュース)だと書かれていました。Ringの「PRIVATE PARADISE」のことでしょうか? ……土曜9時枠とか小室哲哉をバカにしてはいけないと、常々思っているボクとしては、ちょっぴり嬉しい情報です。


99/02/02 「こいまち」

脚本:尾崎将也
演出:今関あきよし
出演:櫻井淳子、林泰文、夏八木勲

林泰文っていう人は、大林宣彦監督に縁が深い俳優らしいですが、顔は横浜高校〜西武の松坂投手にソックリですね。(^^) 大林監督に縁が深いのは、彼だけじゃなくて、演出の今関あきよしさんや、舞台の尾道もそうです。さらに、ボクの推測ですが、脚本の尾崎将也さんも、過去に大林作品の影響と思われる作品を、いくつか残しています。(「Change!」「TOO YOUNG!」「お姫さまは制服がお好き」etc)

で、作品の仕上がりですが、他の回との整合性を考慮したのか、極端に派手なことはやってなかったです。それでも、画面の構図や映像の質感に独特の情感があって、シリーズ4話中でベストの出来。また、カメラワークもヒネリがきいてて、櫻井淳子や林泰文らの表情を的確に捕らえていました。

しかし、ストーリーに関しては、ちょっとピンと来なかったです。特に、櫻井淳子が夏八木勲を好きになるっていうのは、いくらなんでも無理がないですか?(^^ゞ せめて、内藤剛志くらいにしてほしかったですね。あと、「ダブル恋愛」っていうサブタイトルも、なんか「トゥナイト2」みたいで良くないですね。(^^)

大林監督の一連の尾道シリーズと比較しての評価については、難しいのでパスします。(^^)


99/02/04 「渡る世間は鬼ばかり」

川俣公明さんが演出した回というのは、他の回に比べて、笑いの要素を強調しているような気がします。ただ、それが良いことなのかどうかは、見る人によって評価が分かれるところでしょう。まあ、それ以前に、このページの読者で「渡る世間」を見ている人は、あんまりいないような気もするんですが……。


99/02/04 「Tears」

脚本:遠藤察男
主演:デビット伊東、藤森夕子、下川達平
制作協力:オフィスクレッシェンド

古くなって変色したみたいな映画フィルム――または、モノクロ時代の映画に合成で色付けしたような映像処理。(^^) 見始めて5分もしないうちに二階健さんだと分かりました。「少年サスペンス」でも、同じような映像処理をしていたから。(^^)

ただ、冒頭で机をたたくところとかは、面白かったけど、それ以外は今一つでしょうか。アイデアはいろいろとあるんですが、脚本とかみ合っていないような気がして。……派手な映像処理などを含めて、空回りしているというか、しっくり来ないんですよね。

いっそのこと、時代設定を昭和30年代くらいにしちゃえば、脚本も映像処理もしっくりするのかもしれないですね。(^^ゞ

この番組は、秋元康の企画なんですが、脚本〜ストーリーに関しては面白いと思ったことないですね。どれを見ても、貧乏臭い主人公の、安直かつ不自然な人情話……という感じがします。「渡る世間」の後に見たりすると、いろいろ突っ込みたくなります。(^^) もしも、脚本が橋田壽賀子センセエだったら、もっとリアルなドラマになってるカモ?


99/02/05 「天国に一番近い男」

ゲスト出演:天童よしみ、鈴木その子etc

第5話。いつになくカメラワークがカッコ良くて、演出はきっと戸高正啓さんに違いないって、思いながら見てました。(^^)――動きのあるカットが多くて、カメラを持って走り回ってる……という印象の1時間でしたね〜。序盤の銭湯のシーンも、カメラワークがカッコ良かったです。

戸高さんは「ラブとエロス」の屋外シーンでも、アクティブなカメラワークを見せてくれましたが、今回はそれをはるかに上回るアクティブさ。しかも、戸高さんの持ち味である分かりやすさは、ちゃんとキープされているから、さすがです。戸高演出の奥深さを実感させられました。(^^)


99/02/01〜05 「家族になろうよ!」

出演:早見優、山崎銀之丞、室田日出男、大空眞弓
脚本:江頭美智留
演出:山内宗信
制作:TBS、テレパック

お昼に放送している「愛の劇場」の新シリーズ。登校拒否に悩む小学生が、伊豆諸島の玉島の里親に預けられて成長していく……というストーリー。約1年前に同じ枠で放送されていた「風になりたい」(制作:松竹)が、大島に移住した家族のお話だったので、それの続編っぽい印象もあります。

「風になりたい」は、その後「先生知らないの」「PU-PU-PU-」に出演することになる倉沢桃子が出ていたりして(^^)、結構面白かったので、このドラマも気合いを入れて、1週間チェックしてみました。脚本が江頭美智留さんだというのも、気になる要因です。

玉島というのが実在する島なのかどうかは分かりませんが、タイトルロールを見たかぎりでは、八丈島や青ヶ島で撮影されているようです。正直いって、セットとかはイマイチなんですが、思っていたよりロケのシーンが多かったので、離島っぽい雰囲気は出ていました。子役がいっぱい出てくるので(5人だけど)、漂流モノっぽい雰囲気もあるカモ。(^^ゞ


99/02/01〜05 「しおり伝説〜スター誕生〜」

出演:相本久美子、渡辺美奈代、前田亜季、川崎麻世
脚本:塩田千種
演出:柴田敏行
制作:中部日本放送、C.A.L

このドラマの前に、同じ「ドラマ30」枠で放送されていた「命賭けて」(制作:毎日放送)というドラマも、飛び飛びで見ていたんですが、どちらも同じような印象ですね。――演出的には見どころはないけど、企画〜物語の面白さは、昼ドラにしておくのはもったいない、と。

前田亜季が出ているので、チャイドルマニアなら全話録画〜永久保存(!)なんでしょうが、ボクはそこまでしないです。(^^ゞ ただ、演出的にも、キャラ設定的にも、前田亜季の個性を上手く引き出しているので、見ていて面白いですね。

ストーリーも大映ドラマっぽい大仰さがあって、下手な連ドラより良く出来ています。なんせ、アイドル候補生の前田亜季には、出生の秘密があって、母親が3人もいるっていう話。……この企画、土曜9時枠で見たかったな〜。(^^ゞ

「命賭けて」にしても、援助交際や覚醒剤をやってる女子高生が、親にバレそうでバレない……という展開で、終盤まで引っ張っていて、「連ドラの王道だっ!」と思いました。

放送枠の増加のせいか、ゴールデン枠の連ドラの企画力が低下しているのに対して、ゴールデンに進出できない地方局や制作会社が作った昼ドラは、面白い企画が増えているような気がします。ただし、昼ドラの場合、演出はどれも今一つなんですが……。


99/02/06 「君といた未来のために」

第4話は、サードDの荻野哲弘さん。「P.A.」では派手な演出を見せてくれましたが、今回は「P.A.」ほど派手ではなかったですね。あと、脚本も、大石哲也さんから吉田智子さんという人に代わっていました。初めて見る名前です。

テンポ感とかラビリンス感覚が後退しているところとかは、唐木昭浩さんが演出した第3話とほぼ同じです。しかし、唐木さんが堂本剛など、俳優の表情をクリアな映像で捕らえていたのに対して、荻野さんは、全体的にモワッとした映像で、光の当て方にしても、顔の正面から当てるのを避けているようでした。

唐木さんが芝居重視/表情重視だとするなら、荻野さんは、画面の構図や映像的な雰囲気を重視しているといえるかもしれません。実際、色使いとかカメラワークは、佐藤東弥さんや唐木さんよりも派手好みですよね。川岸で、剛と仲間由紀恵が話すシーンとか。(^^)


99/02/07 「熱血恋愛道」

脚本:小原信治
演出:永井英樹
助監督:木村ひさし
出演:生田斗真、稲本美香、田中聖、長谷部隼、木村春香

永井英樹さんが演出するのは、「BOYS BE」の時に続いて2回目ですが、やっぱり良いですね〜。今回は、星護さんを意識したような演出でしたが、はっきり言って、その部分はどうでも良いんです。アイデアとしては、普通だから。(^^ゞ

それよりも、表情の捕らえ方の上手さ、表情アップを挿入するタイミングの絶妙さ、――これがバツグンなんです。カメラが人物に寄っていく感じとかも、臨場感があります。(^^)

永井さんは、普段は助監督としてクレジットされている人ですが、正式な監督デビューが待たれますね。(^^)


99/02/09 「鬼の棲家」

演出は本間欧彦さん。ドラマの終盤、三觜要介の表情を、かなりていねいに撮っていたのが印象に残りました。演出と脚本のミスマッチがあんまり気にならなくなりました。こっちが慣れてきたからかもしれませんが、音楽の使い方が若干変化しているような気もします。

――ところで、朝の連ドラ「やんちゃくれ」で、海部剛史の役名が「欧彦」となっているんですが、本間さんと関係あるのかな。(^^)


99/02/10 「はみだし刑事情熱系」

3日放送の前編が、「テレビドラマデータベース」で話題になっていたので、後編だけ見ました。(^^) 演出は共同テレビの星田良子さん。

通常の「はみ刑事」に比べて、アクティブなカメラワークが多くて、小型カメラで動きまわっているという印象がしました。ローアングルからのズームとかも多かったし、ステディカム(詳しくは「あきまへんで!」第1話の日誌を参照)を使ったと思われる映像もありました。

カット数も通常よりも多かったみたいで、短いカットをリズミカルに繋いでいました。引きのカットの間に、手元などのアップを挟み込む手法なども、フジ〜共テレ風という感じで、今期のドラマでいうと「救命病棟24時」に近い感じがしました。


99/02/11 「Tears」

このホームページの読者でもある鬼頭理三さんの演出。この番組は脚本が貧乏臭いので、映像までチープだと、低予算のAVみたいでツライものがあるんですが、今回は、ほぼ全編にピンク系のフィルターを使用していたので、ちょっとオシャレっぽい感じがしました。(^^) ただ、黄色系のフィルターを使ったシーンが何ヶ所かあって、そこだけ浮いてるような気がしました。

広角(魚眼)レンズを使った映像や、ピアノのBGM、ほとんどモノクロみたいな回想シーンなど、細かい仕掛けが多かったので、最後まで飽きないで見れました。特に、タクシー事務所や鶴太郎のアパートの全景を写したカットが、良いアクセントになっていたと思います。

火をかけたヤカンが沸騰しているラストシーンは、「エヴァンゲリオン」とかに出てきそうなスタイリッシュな演出でした。室内のテレビから「やじうまワイド」が流れてたりすると、もっと「エヴァ」っぽくなるような気がしますが。(^^)

ただ、アパート内の映像には、もうちょっと生活感が欲しかったですね。まあ、室内が中途半端に殺風景……というのは、この番組に共通する特徴なんですが。


99/02/13 「君といた未来のために」

演出が佐藤東弥さんに戻って、ラビリンス感覚が若干復活していたように感じました。cobaの音楽の使い方に、違いがあるんだと思います。「フッ」という女性コーラスも復活していました。特撮っぽいCG映像や、ストーリー展開に関係がないイメージ映像っぽいカットも、佐藤さんの演出回に多いみたいです。

人生を繰り返すにつれて、最初の人生のときには分からなかった、登場人物の内面(事情)が、謎解き風に明らかになるという脚本も上手いですね。今週で言えば、青木伸輔がお金を必要とした事情とか。

今週はサスペンス色が後退していましたが、単純なSFサスペンスになっちゃうと、個人的には面白くないので、これは良い傾向だと思います。(^^ゞ


99/02/14 「熱血恋愛道」

脚本:小原信治
演出:猪股隆一
出演:長谷川純、倉沢桃子、宮城俊太、中丸雄一

いや、いや、いや、いや……、今週は、いつになく手が込んだ映像が多かったですね。鎌倉ロケの部分も良かったのですが、それ以外でも、冒頭の公園のシーンとか、長谷川純が家を飛び出すシーン(ステディカム?)とか、アイデアが豊富で面白かったです。(^o^)

逆に言うと、出演者の持ち味を引き出すという要素が、あまり感じられない演出だと言えるかもしれません。出演者の扱いが匿名的(記号的)で、他のタレントと入れ替えてもほとんど問題が生じないような感じでした。うがった見方をするなら、長谷川純に俳優としての魅力や技量に不安があったので、映像重視の演出プランを採用したと、考えることもできますが……。(^^;;

共演の倉沢桃子は、このページでも何回か言及している子で、ボクは結構好きなんですが、このドラマに関する限り、良いトコがなかったです。髪型も変だし……、残念。(;_;)


99/02/15 「美少女H2」

脚本:?
演出:関卓也
出演:山口らら、田中千絵、金村直樹

徳島テレビ祭(?)に連動する形で、徳島ロケを行った40分の拡大版。関卓也さんが演出するのは、6回目くらいだと思いますが、いままでの中で、一番良かったと思います。

個人的には、山口ららにも田中千絵にも、さほど魅力を感じなかったんですが、表情を捕らえるカメラワークに緊張感があって、引き込まれてしまいました。心持ちローアングルで、微妙に画面が揺れているところなんかが、実に良かったですね。

共演の金杉直樹は、徳島テレビ祭のオーディションで選ばれた人だそうです。関さんは彼の表情もていねいに撮っていましたが、この先も芸能活動を続けるかどうかはわからないようです。そういえば、役名も同じ名前でしたね。(^^)


99/02/16 「救命病棟24時」

手の込んだアングルのカットを、細かく繋いで行く岩本仁志さんと比べると、田島大輔さんはもっとノーマルな感じに仕上げているようです。とはいっても、要所要所で、田島さんらしい緊張感のある芝居演出が見られて、特に、首相候補の政治家を病院に運び込んで、治療するシーンに感動した人は多いんじゃないでしょうか。

ただ、江口洋介が植物状態の奥さんに音楽を聞かせるシーンで、視聴者にも音楽が聞こえないっていうのは……? 田島さんらしい大胆な演出だとは思いますが、ちょっとハズしてたような気もします。一瞬、ラジカセが壊れているのかな……なんて思っちゃって、演出意図に気がつくのに時間がかかりました。(^^ゞ


99/02/17 「遠い親戚近くの他人?」

音楽が本間勇輔さんで、共テレっぽい演出をめざしたドラマのようですが、その点に関しては、今一つという印象ですね。本間さんの派手な音楽と演技・カット割りのシンクロ率が低かったです。この辺は、センスの問題というよりは、機材を含めた技術的な問題なのかもしれませんが……?

ただ、酒井法子の演技は、新境地を開拓していて印象に残りました。――演出は柴田岳志さん。脚本は「ケイゾク」も書いてる西荻弓絵さん。


99/02/18 「ママチャリ刑事」

第4話に続いて那須田淳さんが演出する第7話。どうやら、那須田さんが演出した回が一番手が込んでるみたいですね。ここはオカルトもどき、ここは漫才風の掛け合い……と、ひとつひとつのシーンの演出意図が明快なので、見ていて気持ちが良いです。――来週も那須田さんが演出するみたいなので、見逃している方にはオススメです。(^^)


99/02/19 「天国に一番近い男」

通常は演出補としてクレジットされている石井康晴さんの監督デビュー作。他の回と比べて、大きな違いはなかったみたいですが、全体的に小ネタが多かったのは、石井さんの意向でしょうか? たっぷり笑わせてもらいました。(^^) ただ、柔道のシーンは、迫力に欠けていたような気がします。(^^;;

しかし、しかし、ラストの人工呼吸のオチは、このドラマにしてはヒネリがなさ過ぎ。池内博之がやると見せかけて、峰岸徹がやる……くらいのヒネリがほしかったです。

ところで、このドラマは公式ホームページが面白いですね。出演者やスタッフのエッセイや、小ネタの解説など情報量も多いし、内容的にもTV誌より数倍面白いです。

エッセイを連載している窪塚洋介などは、かなり筆マメな人みたいで、「好きな映画のリスト」なんてものまで積極的にアップしています。こういう人は、そのうち自分のホームページとかを始めるんだろうね。(^^) このページの更新に四苦八苦しているボクなどは、うらやましい限り。彼の爪のアカとかをEメールで送って欲しいものですね、添付形式はbase64で……。(^_-)

ただ、このドラマの女性プロデューサー2人は、「いい男を集めた」と発言しているようですが、現時点では「集めただけ」という印象です。松岡&陣内コンビを別にすれば、出演者の持ち味を十分に引き出しているとは、いえないような気がします。窪塚洋介にしたって「走れ公務員」にゲスト出演した時の方が面白かったし。

来週は、裏番組に対抗してルパン三世ネタをやるようです。この手のライブ感覚っていうのは、21世紀のドラマの重要な要素になるのかもしれません。特にM1層(20〜35歳の男)をドラマファンに引っ張り込むためは、不可欠な要素かもしれないです。そういう意味では、今期のTBSドラマは、どれもがんばっていると思います。


99/02/19 「ケイゾク」

5、6話が伊佐野英樹さん、3、7話は金子文紀さんと、TBSのディレクターが演出した作品が続きました。個人的には、堤さんのスタイルを、どのように取り入れているかという点に注目していたのですが、ともに色使いなどはノーマルな感じで、分かりやすさを重視していたような気がします。

伊佐野さんが、中谷美紀の演技や表情をていねいに撮っていたのに対して、金子さんはノーマルな映像とエキセントリックな映像をシーンによって、使い分けているような感じがしました。堤さんのスタイルを受け継ぎながらも、それとは違う要素も感じられたので、ボク的には結構面白かったです。(^^)

特に今回の第7話は、前半部で、コミカルな要素を強調していて、興味深い試みでした。渡部篤郎が首を絞めるところとかは、やり過ぎという気もしましたが……。(^^ゞ 恒例になりつつある後味の悪いラストシーンも、派手に決めていました。間を置かずに次週予告に入るスタイルには、ちょっとなじめない部分もあるんですが、慣れれば快感なんだろうか?

ところで、ボクがこのドラマで一番注目しているのは、演出ではなくて視聴率なんです。なぜかといえば、このドラマの成績によって、今後のTBS(や他局)のドラマ制作の方向性が違ってくると思うからです。結果としては、第5話で初めて15%を突破。この調子でジワジワ数字が上がってくれれば、ちょっとした業界内美談(?)になりそうなんですが……。

堤幸彦さんは、4月からテレ朝土曜8時枠を担当されるそうですが、今年は各局で毒を撒き散らす役回りになりそうですね。(^o^)


99/02/20 「君といた未来のために」

冒頭、逮捕連行される際に嫌味を言う佐野史郎を、けわしい表情でにらみつける堂本剛――こんな表情を撮るのは、唐木昭浩さんに違いないって思っていたんですが、ラストのテロップを見たら唐木希浩だって! ……同一人物ということで、話を進めますね。(^^;;

で、結論から言っちゃうと、今週は土9史に残る傑作だと思います。剛が夢の中で母親と対面するシーン、父親に別れを告げるシーン、遠藤久美子が訪ねてくるシーンなど、名場面のオンパレード。芝居重視・表情アップ多用という、唐木さんの持ち味が十二分に発揮されていました。

今回は脚本も、派手なストーリー展開やサスペンス色がなくなって、心情描写に比重をおいた作りになっていましたが、演出面でも、メランコリックなピアノ曲を中心に、じっくり見せるかたちになっていました。また、遠藤久美子との対面シーンでは、芝居の抑揚と音楽の強弱を、きっちりとシンクロさせていて、すばらしかったです。

同じく唐木さんが演出した第3話と比べると、色使いが派手になっていて、詩的な情感を大切にした映像をねらっていたようです。特に海辺や港のシーンは、カメラワークも含めて、独特の情感が漂っていました。

剛の演技にも、バラエティっぽい部分が一切なくて統一観がありました。母親との対面シーンで、もらい泣きした人もいるんじゃないでしょうか。(^^) 俳優と演出家の美しい出会い……という感じですね。

ここ数日、ネット上で、このドラマの関する好意的な書き込みを多く見掛けましたが、第6話の完成度の高さを物語るエピソードといえるでしょう。「D×D」の失敗以降、土曜9時枠は、子供向けのドラマから、感動できるドラマへのシフトチェンジを、試みてきましたが、やっと鉱脈にたどり着いたという感じがします。


99/02/20 「チョコレート革命」

原作:俵万智
脚本:中園ミホ
演出:松田秀知
プロデュース:中山和記
共同制作:NHKエンタープライズ21、共同テレビ

ヘンテコなカメラワークが多いなって思って見てたら、共テレだったんですね。ちなみに、葉月里緒菜・緒方拳・中山和記(共テレ)という組み合わせは、「八月のラブソング」(96年よみうりテレビ)を連想しちゃいます。

松田さんに関しては、あまり強い印象がないんですが、このところ、「京都迷宮案内」「リング」と、松田さんの作品が続くので、注意して見てみようと思います。

ただ、ストーリー展開にムリがある上に、葉月里緒菜と緒方拳が恋に落ちるという設定に付いていけないので、個人的にはつらいドラマですね。(^^)


99/02/21 「熱血恋愛道」

先々週、絶賛(?)した永井英樹さんが、早くも3回目の登場。脚本に動きが少ないからなのか、演出面では派手なアイデアが多かったようです。山下智久と愛里の会話の部分では、カット割りに永井さんらしい緊張感があって、良かったです。(^^)


99/02/25 「リング〜最終章〜」

第8話はなぜだか松田秀知さんが演出。京野ことみの表情をていねいに撮ってるかな……という気がしましたが、気のせいかもしれないです。他の回と比べて、大きな違いはなかったように感じましたが、芝居の運び方やBGMが、これまで以上にスムースだったような気がしました。

……「気がしました」ばっかりで、スミマセン。m(__)m m(__)m m(__)m


99/02/25 「Tears」

脚本:遠藤察男
出演:大竹まこと、谷口紗耶香

「熱血恋愛道」の1〜2話を演出した大根仁さんが演出。最初の印象は「ケイゾク」を黄色くした感じだったんですが、見て行くうちに「傷だらけの天使」など、70年代のアクションドラマ(?)を連想しました。探偵事務所のシーンで、鉄筋工事の音が効果音として使われていたので、そう思ったのかもしれませんが。また、屋外のカットに、昔の東京みたいな、妙にレトロな趣があって、それも良かったです。

ただ脚本のせいなのか、演出(音楽?)のせいなのか、良くわからないんですが、芝居のテンポがかったるいんですよね。この不満に関しては、この回に限ったことじゃないから、ボクの方に問題があるのかなぁ……?

ただし、大竹まことと谷口紗耶香の2人は、存在感に味があって、別のドラマで、また見てみたいと思いました。シリアスな大竹まこと、イケてます!


99/02/27 「君といた未来のために」

第7話は脚本が吉田智子さん、演出が荻野哲弘さん。第4話と同じ組み合わせです。今回は、6話までに出てきた演出要素が混在してるような印象だったので、突出した特徴は感じられなかったんですが、全体的に画面が暗いのは第4話と同じでした。

特に堂本剛の自宅のシーンなどは、「電気付けろよ!」って言いたくなるくらい暗くて、第6話とかの自宅シーンと対照的でしたね。顔を撮るときでも顔全体に光を当てない……という話は第4話のときも書いたとおりです。唐木昭浩さんほどじゃないですが、これはこれで味があると思いました。

たとえば、お粥のシーンなんかは、唐木さんが演出してたら、もっとシャープで張り詰めた感じになってたように思いますが、荻野さんが演出すると、堂本剛の表情を含めてソフトな感じになるようです。

シーンが切り替わる際にヘンテコな映像処理をしていましたが、ボクが荻野さんのことを派手好みと形容する理由の一つです。(^^ゞ

予告を見た感じでは、次回は唐木さんっぽいんですが、順番から行くと佐藤東弥さんだし、でも、佐藤さんは最終回に回るだろうし……。さて!?


99/02/28 「熱血恋愛道」

脚本:加藤ナツコ
演出:猪股隆一
出演:小原裕貴、田中千絵、?

2月に入ってから、この番組も充実していますね。ストーリー的には面白くも何ともないし、滝沢&秋山の漫才もネタ切れぎみなんですが、演出はやたらと力が入っています。今回も、ひとつ一つのカットがていねいに撮られていて、絵心があったと思います。また、小さいアイデアも豊富でした。

特に印象に残ったのは「顔アップ連続2段つなぎ」とでも呼べる手法。小原裕貴の顔アップの次に、さらにアップ度を増した小原裕貴の顔アップを配置する手法です。――演出手法としては、目新しいものではないのですが、今回はこの手法を効果的に多用していました。

顔アップ以外でも、通常ワンカットで撮るような部分を、意図的に2つに割っていたりして、面白かったです。小原裕貴が階段を駆け登るカットとか。

猪股さんは、深夜枠の「shin-D」で、隠し撮り風のドラマをやっていましたが、こうした実験が、この先のドラマにどう反映されるのか、楽しみです。――あと、加藤ナツコさんは、「なっちゃん家」で脚本を書いていた人です。(^^)


99/03/01 「美少女H2」

タイトル:第19話「ラスト・シーズン」
脚本:加藤美知代
演出:有田晃之
出演:仲根かすみ、吉井怜、徳山秀典

有田晃之さんは、ボクのイチオシの演出家の1人なんですが、今回は、違和感を感じる部分が多くて、悩んじゃいました。(^^ゞ これを見て、感動した人がいても、ちっとも驚かないんですが、ボク個人の生理に反する要素が多かったという感じです。

仲根かすみが吉井怜の携帯に出て、徳山の誘いを断るシーンのカット割りなんかは、さすがなんですが、それ以外は、画面の構図にしてもカット割りのセンスにしても、今一つキレが悪かったような気がします。前日の「熱血恋愛道」の印象が残っていたため、そう感じたのかもしれませんが……。

で、その携帯のシーンの直後に『ソナチネ』(監督:北野武、音楽:久石譲)のメインテーマが掛かるところなんて、めちゃめちゃボク好みの世界なんですが、映像が音楽に負けてるような気がして、入り込めなかったです。(^^ゞ

ただ、加藤美知代さんの脚本は、携帯とか、縫いぐるみといった小道具を、巧妙に活用していて、感心させられました。設定作りが上手いという意味では、野島伸司(更に言えばシェイクスピア)に通じるものがあります。「聖者の行進」での広末涼子の携帯とか……。

ラストの決め台詞も面白かったのですが、仲根かすみの台詞まわしに、感情がこもっていないような気がして、ピンとこないまま終っちゃいました。(^^ゞ 台詞まわしがシックリこないのは吉井怜も同様で、その意味では、脚本・演出・演技という3者の方向性が、噛み合っていないのかな……なんて考えたりしました。

苦言ついでにもう一言。(^^) 徳山秀典もフツーの役だと面白くない!


99/03/05 「ケイゾク」

演出の今井夏木さんは、昔「中学生日記」に出ていたらしくて、このドラマでも婦警の役で出ているそうです。今回も、それらしき婦警さんを見かけましたが、あの人が今井さんなんだろうか?

クリストファー・ドイルみたいな派手な映像もありましたが、これは今井さんの演出プランというよりは、物語の方向性が変わったことに対応した変化と考えた方が良いみたいです。ただ、今井さんは、「あきまへんで!」の時も、「東京ラブストーリー」や「101回目のプロポーズ」のパロディをやってたので、もともと思い切りの良い演出をする人なのかも知れません。


99/03/06 「君といた未来のために」

第8話。演出は順番通り佐藤東弥さんでした。第5話の時も書きましたが、ストーリーに関係のないカットバック(イメージ映像)が多くて、特に今回は、テープの逆回しがやたらと多かったですね。(^^) 堂本剛の表情もいつもよりもコワイ感じ。

物語の方は、再びサスペンス色が強くなっていました。そのせいか、室内のシーンの色使いがド派手だったですね。選挙事務所のシーンは真っ黄色だし、ラストの方で、佐野史郎が医者とグルになって内藤剛志を騙すところでは、人物のバックが真っ赤だったり。


99/03/07 「熱血恋愛道」

桜井翔って、名前とか顔とかは、何となく見覚えがあったんですが、ドラマでちゃんと見たのは初めて。特に上手いとも、スター性があるとも思わないんですが…、妙に好感が持てたのは、単にこっちの主観的な好みの問題なのか。それとも、永井英樹さんの表情の撮り方が上手いからなのか。……そんなことを考えながら見てました。(^^)


99/03/08 「ボーダー」

最終回。先週の予告を見たときはどうなることかと思いましたが、思ったよりも、まとまっていました。関係者の苦労がうかがえます。m(__)m

ただ、どうしてもいっておきたいのは、配島邦明(配の上に草カンムリが付きます)さんの音楽のこと。なんか安っぽくて、毎週、これじゃ「ママチャリ刑事」だよ……なんて思いながら見てました。この最終回にしたって、上川伸廣さんの演出や、永島敏行の演技は悪くなかっただけに、音楽(と脚本)が悔やまれます。

このドラマの人間描写って、安っぽい心理学の本に出てくるモデルをそのまま引用している…という感じで、まったく深みが感じられませんでした。飯田譲治さんの「沙粧妙子」は、ドラマ内で描かれる悪意にちょっぴり共感できる余地があって、それがリアリティや恐怖感を生んでいたんですが……。

その他にも、いろいろと問題の多いドラマでしたが、上川さんの演出は良かったと思います。一見B級っぽく見えて、決してB級じゃないところが上川さんのスゴイところで、カット割りとか、表情を捕えるセンスに強い美意識を感じます。


99/03/08 「美少女H2」

タイトル:第20話「最後のデート」
演出:小林和宏
出演:片瀬那奈、?、小谷美裕、中沢純子

これもクリストファー・ドイルみたいな映像。部分的には面白いと思えるシーンもあったんですが(街を歩いているカットにモノローグ風の会話がかぶさるところとか)、全体的にはピンと来ない演出でした。そもそもこの脚本に、クリストファー・ドイルが必要なんだろうか、と思っちゃいました。

クリストファー・ドイルっていうのは、一本足打法とか振り子打法とかと同じで、形だけマネするのは簡単だと思うんですよ。でも、モノにするのは難しい……。どうしても、自己満足っぽく見えちゃうんですよね。(^^)

このところ、「美少女H2」は面白くないです。脚本にしても、映像にしてもパターン化してて新味が感じられないです。たとえば“美少女Hみたいな映像”と書けば、それなりのイメージが湧いてくるでしょう。(^^)


99/03/09 「こいまち」

タイトル:「適切な関係?」
脚本:浪江裕史
演出:笠置高弘(関西テレビ)
出演:戸田菜穂、河相我聞、下川辰平、岸部一徳

上記4人の出演者はボクが好きな人たちなので、結構期待しながら見ました。戸田菜穂は、久々に(?)明るい感じの役で良かったのですが、一番オイシイところは下川辰平さんに持ってかれちゃいましたね。(^^)

脚本的には、今までの中で一番無理がないように感じたのですが、役者が好きだからそう感じただけなのかもしれません。ただ、我聞ちゃんはちょっと伸び悩んでる感じですね〜。ボクとしてはもっとコミカルな役とかをやってほしいんですが、あんましそういう機会はないみたいですね。

このドラマで、笠置さんが演出するのはこれが始めてですが、全体を通して、余韻を重視していたような感じがしました。ひとつのシーンから別のシーン(またはCM)に移る際に、一呼吸おいているケースが多かったようです。


99/03/10 「お水の花道」

個人的には今一つ物足りないドラマです。脚本は手垢にまみれたエピソードが多いし、ショムニ・スタイルの演出も、ちょっと飽きました。で、今週は演出補の都築淳一さんが演出していたのですが、ショムニ・スタイルを抑えた演出をしていて、それが新鮮で、ちょっと印象に残りました。

今クールは、演出補(AD)の人が、腕試し的に1本撮るケースが多いですね。2月の後半から3月にかけてかなりのドラマで見られました。これらの作品が評価されると、演出家(監督)に昇格できて、評価されないと、そのままADでキャリアが終わっちゃうワケです。そういう意味では昇格試験というシビアな意味合いもあるようです。しかし、このところ忙しくて、すべての作品にコメントする元気がありません。今回の「お水」にしても、ボーっと見てただけなので、細かいところまではコメントできないです。(^^ゞ

「お水」といえば、これの2〜3週前にやった木村剛が出てくる回がわりあい好きでした。土方政人さんが一色紗英の表情をていねいに撮っていて、久々に一色紗英の良いところを見れた気がしました。


99/03/12 「日本アカデミー賞授賞式」

結果的には「愛を乞う人」が圧倒的に強かったですが、ボクが注目していたのも、その作品に出ている野波麻帆だったんです。なのに、なぜか助演女優賞だけ「カンゾー先生」に持っていかれちゃって残念でした。

といっても、ボクは「愛を乞う人」は見てないんです。ただ、去年「LOVE&PEACE」(日テレ土9)を見てから、ずっと気になっているコで、NHK水10の「必要のない人」でも、存在感に味があるところを見せてくれました。タレントとしては田中麗奈に勝てないけれど、性格俳優としては野波麻帆の方が上だと思っています。


99/03/12 「ケイゾク」

サブタイトル:「二つの眼球」

さっき最終回(第11話)を見たんですが、残念ながらこの作品のピークはこの第10話でした。(^^)

この回はサブタイトルからして「エヴァンゲリオン」みたいで、結構ショックでした。以前この日誌でも書いたように、「エヴァ」において傑出しているのは、物語でも人物描写でもなくて演出だと、ボクは考えています。

「エヴァ」の演出というのは、“余韻の美学”みたいなものを極めているところがあって、それが視聴者の感動とか探求心を生んでいるんだと思います。シンジくんの「血の臭い…、消えないや」というセリフで終わっちゃうところとか、様式美の極みという感じがします。

この回でも、後半の泉谷しげるのエピソード部分では、そうした“余韻の美学”がキレイに決まっていて、見終わった後しばらく現実に戻れないような感覚が残りました。このドラマの特徴である、後味の悪い唐突な終わり方とか、堤幸彦さん独特のタイム感なども、ある意味で「エヴァ」の演出に通じるコンセプトだったんだ……なんて考えてしまいました。まあ「エヴァ」の完成度には、かなわないんですが……。

そのことは別にしても、この第10話は、映像的にも最も凝っていた回で、オープニングでの朝倉との対決シーンとか、その後の病院のシーンでの構図のカッコ良さとか、見どころが多かったです。


99/03/13 「君といた未来のために」

第9話の演出は、これで3回目の唐木希浩さん。どうやら、昭浩から希浩に改名したと考えて良いみたいですね。

堂本剛が父の内藤剛志と和解するシーンとか、森で紙飛行機を飛ばしている母親を見つめるシーンとか、唐木さんならではのシャープな演出が堪能できました。このドラマの3人の演出家の特徴を強引にまとめるなら、シャープな唐木さん、ソフトな荻野さん、ラビリンス感覚の佐藤さん……という感じでしょうか。(笑)

このドラマの場合、ほとんど堂本剛の表情を見ているだけでOKという感じなんですが、やはり、唐木さんが撮る堂本剛が、ボクは一番好きですね。もちろん、遠藤久美子や佐野史郎、内藤剛志も良いんですが…。あと「古時計」のマスターの篠井英介も。

ところで、トンネルのシーンは、「ケイゾク」と同じロケ地だって、他の掲示板に書いてありましたが、ボクはそういうことに鈍感なんで良くわかりません。(^_-)

さて、次回(明日)はいよいよ最終回。スケジュールに制約の多い連ドラとしては、珍しいくらい企画・脚本・演出・出演者が美しく調和している作品なので、最後もキレイに終わって欲しいですね。


99/03/14 「熱血恋愛道」

演出:木村ひさし
出演:村上信五、河野由佳

「熱血恋愛道」はもともとカット数が多いドラマなんですが、この日はいつにも増してカット数が多いな…と思ってたら、木村さんの演出。そういえば、同じ木村さんが演出した「BOYS BE…」(主演:生田斗真)もカット数が多かったような記憶があります。

で、今回はバスケットのシーンに注目。細かいカットを複雑につないでいて、撮影〜編集の苦労がしのばれます。しかも、いくつかのカットは早回しになっていたみたいで、不思議なタイム感が感じられました。

特にすごかったのがダンクシュートの場面。ジャンプするカットの直後にボールを押し込むカットが続くんですが、ジャンプしてからシュートするまでの時間(1秒くらい?)が削除されているから、CDの音が跳んじゃった……みたいな感覚が生まれていました。大多数の人にとっては、どうでも良いことかもしれませんが、ボクは5回くらいテープを戻しちゃいました。(^^)――本来あるべき物がないことから生まれる奇妙な感覚……。音楽にたとえるならダブに通じるものがありますね。

ただ、表情を捕らえたカットとかは今一つでした。


99/03/15 「美少女H2」

タイトル:第21話「18歳のウソ」
演出:森淳一
制作協力:ROBOT

う〜ん、これはROBOT制作だったんで、かなり期待してたんですけど、個々のカットに違和感を感じることが多くて、どうもピンと来なかったですね〜。たとえば、真上から撮ったカットとか、演出としての必然性が、ボクには感じ取れなくて、単に手の込んだことを試してる…という感じでした。同じことは、壁に飾ってあったラモーンズとかU2のジャケットとかにも言えることで、作り手の自己満足に過ぎないように思います。

脚本にしても非現実的な要素が多すぎて、ついていけなかったです。ボクの目から見て、一番マトモに見えたのは刑事の人だけど、あの場面で「ゴメンゴメン」とは言わないでしょう。かつて「未成年」を見たときも思ったことですが、大人を極端に悪者に描いてるドラマって好きになれないですね。

作風は実験的といえるのかもしれませんが、作風と作品の評価は別次元の問題だと思うんですね。水川あさみにしても、あまり魅力的に見えなかったし…。


99/03/16 「テレビ、翔んだ!」

アメリカンホームコメディみたいなドラマでしたね。橋田寿賀子って、実は三谷幸喜とかとスタイル的には近いのかもしれないです。ドラマの大部分が3世代同居住宅のセット内で進行するからなのか、単発ドラマにしては随分豪華なセットでした。(^^) 演出は細野英延さん。

最後の方に出てきた佐藤藍子は久々のドラマという印象を受けましたが、今回のようなマンガっぽいキャラの方が似合う人ですね。そういえば、同じオスカー所属の大河内奈々子も裏番組の「こいまち」最終回で良い味出してました。


99/03/17 「天使のお仕事」

久しぶりに見たんですが、今回はほぼ全編シリアスモードになっていましたね。演出は林徹さん。ボクは去年の「お仕事です!」では、林さんが演出した回が一番好きだったんですが、この日も、結構良かったです。

カッシー弟が出ているシーンで、芝居とカット割りの緊張感がキレイにマッチしていて、引き込まれました。やや変則的なアングルとかを使っていても、ドラマや芝居の展開と違和感がないというか。

ボクの場合、カッシー弟って、兄と違ってあんまり好きになれないんです。なんか柄が悪そうで。(^^) でも、今回はちょっと気弱そうな表情も垣間見れて、わりかしすんなりと見れました。


99/03/19 「ケイゾク」

最終回。今週も堤幸彦さんが演出。先週に比べると、ちょっと物足りない感じもあって……。たとえば、鈴木紗理奈が撃たれるシーンは、いかにもこれから撃たれますよ…っていう感じになっていて、ドラマのリズム感に新味が感じられなかったです。渡部篤郎が撃たれるシーンなんかにしても同じような印象が否定できません。

ただ、最後の“映画・ケイゾク”とかいうのは、なかなか悪意が感じられて良かったです。先週の泉谷しげるに比べると、中途半端な終わり方だったんで、ちょっと首をヒネっていたんですが、最後の最後に大笑いさせてもらいました。

やはり「ケイゾク」は笑って終わりたい…ということなんでしょうか。「じゃじゃ馬ならし」(93年?フジ・共テレ、演出:星護)のラストで「パート2」のニセ予告が出てきたのを思い出しました。(^^) でも、先週もそうなんだけど、こんなことばっかやって、TBSのお偉いさん達に怒られるんじゃないかと、つい心配になっちゃいます。(~_~;)

――そろそろ、堤さんにもニックネームが欲しいような気もします。ツッシーとか、ユッキーとか。(@_@)


99/03/20 「君といた未来のために」

今期イチオシだったドラマの最終回。演出はもちろんチーフの佐藤東弥さん。結論から言うと、脚本・演出とも食い足りない感じが残りました。一番気になったのは、映画館で親子3人が対面するシーン。真行寺君枝のセリフがしっくり来なくて、ちょっと白けちゃいました。他の掲示板でも同じような意見が多かったようです。あと、cobaの音楽がしっくり来ないシーンも多かったです。

真行寺さんは第6話(演出は唐木希浩さん)でも堂本剛と対話するシーンがあったので、ビデオを見直してみたんですが、そこではそんなに違和感がないんです。だとすると、真行寺さんの演技力の問題というよりは、演出の問題なんじゃないかという気がします。実際、映画館のシーンでは真行寺さんのセリフにだけエコーがかかっていましたが、これがウソ臭い印象を生んでいるんじゃないでしょうか。真行寺さんに後光がさしてるCG処理も、ちょっと安っぽかったですね。さらにピンク系のフィルター処理も安っぽい感じがしました。

佐藤東弥さんは1、2、5、8、10話を担当していたんですが、5話くらいから急に色使いが派手になったような気がします。映画館のロビーが真っ黄色なのも、サスペンスタッチの第8話ならOKなんですが、最終回でやられると、人間ドラマの部分がウソ臭くなっちゃいます。ひょっとしたら円谷プロのウルトラシリーズとかを意識した演出なのかもしれないですが(97年の「D×D」もそんな感じだった)、最後まで違和感が残りました。

ビデオを見直していて思ったんですが、やはり唐木さんが演出した回は、色使いが上品な感じがしました。

脚本面から見ても、金田一少年じゃないんだから、映画館で母親にあそこまで謎明かしをしゃべらせる必要はなかったように思います。むしろ、2000年を迎えた父と子が、母親の遺体の前で「3人で映画を見たがっていた母さんの思いが時間の繰り返しを生んだのかもしれない」と推察する……くらいの展開で良かったような気がします。

ドラマの後半30分は後日談に費やされていて、そのこと自体は間違っていないと思うんですが、その割りには密度の薄いエピソードが多かったのも残念です。遠藤久美子とのシーンにしても、意外性が無さすぎて、何かもう一つ、感動できるような隠しネタがほしかったですね。それ以外でも、仲間由紀恵が田舎に帰るというのも安直な終わり方だし、小嶺麗奈のシーンなども説教臭いセリフが耳障りで、なくても良かったんじゃないかと思っちゃいました。

そんな中で唯一良かったのは、佐野史郎との再会シーン。子供向けっぽいメッセージ色が強くなる中で、あのシーンがドラマの後味を引き締めていたと思います。だって、時間の繰り返しから抜け出せたからといって、それで万事がハッピーエンド…というワケじゃないでしょう。この最終回がイマイチなのは、その部分が甘いからだと思います。

……な〜んて、悪口ばっかりになっちゃいましたが、最終回も2回も見ちゃったし、なんだかんだいってハマってました。あと、仲間由紀恵がサヨナラするシーン。よ〜く見ると雨が降っていますね。川の水面を見るとわかります。(^^)


99/03/20 「兄弟」

すみません。ビデオの中でまだ眠ってます。m(__)m


99/03/21 「熱血恋愛道」

演出:猪俣隆一
出演:松本潤、千葉れみ

出演の2人は、ボク好みのクセ声系のコンビなので期待したんですが、千葉れみの方は押さえ気味の演技〜演出だったんで、やや拍子抜け。ただ、松本潤の方は、妙に演技に貫禄が出てきて安定感がありました。喫茶店での座り方とか、いろいろ工夫してたみたいです。

猪股さんの演出も、ここ何回かの中では一番オーソドックスでしたが、松本潤の演技に比重をおいた演出をしたということなんでしょう。カット割りとかは、相変わらず冴えまくっていて、音楽の使い方も含めて見ていて飽きないですね。脚本も単純明解だから、「水戸黄門」みたいなもんだと思えば、そんなに気にならなくなりました。

そういえば、猪股さんが演出した回というのは、海が良く出てきますね〜。


99/03/22 「卒業旅行」

脚本:吉田紀子
演出:古賀倫明
出演:藤原竜也、徳山秀典、鮫島功、河村彩、川平慈英

沖縄観光ドラマ+アイドル(青春)ドラマという感じ。観光ドラマとしては良く出来ていたのではないでしょうか。映像(色処理)もキレイだったし、手の込んだカメラーワークも、うるさくならない程度に抑えてありました。

藤原竜也はナレーションも含めて、演技過剰、ニュアンス過剰。舞台用の演技を引きずっている感じ。だいたいこの人は、バラエティなどでもリアクション過剰な感じなので、それが長所にも短所にもなる…ということなんでしょう。ナレーションに関しては、すでに脚本の段階で説明過剰という感じだったので、そこに藤原のニュアンスが加味されて、かなりうっとうしかったです。(^^)

ナレーション多用のドラマっていうのは、脚本家の文学的な力量が問われるスタイルだと思うんですが、このドラマの場合、ナレーションからそうした味わいを感じることはできませんでした。単に説明過剰という印象が残ります。

徳山秀典は、昨年末の「美少女H2」の時に、反町隆史の影響を指摘したんですが、今回はそれを裏付けてくれるような演技でした(笑えます!)。おかげで「あの指摘は正しかったんだ」と、すっかり自己満足モードに入ってしまいました……。(^^)

鮫島功は、可もなく不可もなく……という感じ。ただ、年が近いせいか3人ともノビノビと演技していたみたいで、そこのところは良かったんじゃないでしょうか。演出のコンセプトもその辺にあったんでしょう。

ちなみに、藤原と徳山は「世紀末の詩」第6話で共演していて、その回も演出は古賀倫明さん。さらに藤原と徳山は、それぞれ1ヵ月くらい前に「世界ウルルン滞在記」にも出ていたから、ほとんど同じようなスケジュールで仕事してるんですね。……というワケで、このドラマも、気心の知れたメンバーで撮ったという感じなのかもしれないです。

余談ですが、「だんご3兄弟」を歌うシーンを見て、いつロケやったんだろうって思っちゃいました。(^^)


99/03/22 「オーバータイム」

2回出てきた公園のシーンは良かったですね。セピア系の映像処理は、かなり時間をかけて調整したんじゃないかと思いました。特に根拠はありませんが…。また、江角マキコの表情にも、いつになく(失礼!)味があったような気がします。(^^ゞ

結婚相手の前で堂々と抱き合うラストシーンも、なんか新しい感じもするし、話題提供という意味でも良かったんじゃないでしょうか。……まっ、よ〜く考えると意味不明なんですけど…。あの3人の行動は。(^_-)


99/03/22 「美少女H2」

タイトル:第22話「夢のかなう場所」
脚本:金子ありさ
演出:熊谷拓雄
出演:田中千絵、緒沢凜、東根作寿英

映像のテイストが、いかにも「美少女H」という感じで食傷ぎみ。BGMがないシーンが多いな…と思っていたら、最後に、緒沢凛が口ずさむ「上を向いて歩こう」とか、S&Gの「明日に架ける橋」とかが出てきました。なるほど、そのための伏線(演出)だったんだと、妙に納得しちゃいました。(^^)

最後に出てきた小池栄子。やっぱ存在感ありますね〜。美少女H組の悪役専門メンバーという感じになっていますが……。ボクは買ってます。(^^)

4月からは「美少女H3」が始まるようですが、ここ2ヵ月くらいは「熱血恋愛道」(の演出)の方が面白いんで、期待と心配が半々くらいですかね〜。


99/03/23 「鬼の棲家」

お決まりとはいえ、あまりに御都合主義的な展開に拍子抜けしていたんですが、最後の方に出てきた酔っぱらいのオジサンが小岩井宏悦Pだった……。雑誌で数回見ただけなので、確証はないんですが、多分小岩井さんで間違いないと思います。

演出的には、あまり印象に残る場面はありませんでした。強いて言えば、江波杏子さんがサイコロを振るところかな。(^^ゞ


99/03/23 「ここでキスして。」

第4話。基本的なストーリーは面白いと思います。話が進むにつれて2人の関係や病気のことが明らかになっていく…というコンセプトもオシャレだと思います。ただ、芝居のテンポがかったるいですね。台本が悪いのか、演出が悪いのか、音楽の使い方が悪いのか、演技が悪いのか…、特定できないんですが。

3、4話を演出した若松央樹さんは、最近の「熱血恋愛道」で、AP(アシスタント・プロデューサー)としてクレジットされている人ですね。


99/03/24 「お水の花道」

最終回。財前直見と一色紗英が横断歩道ですれ違うシーン。良かったですね〜。いっそのこと、あのまま終わってくれた方が良かったくらい。――それだけ。(^^)


99/03/24 「はみだし刑事情熱系」

最終回。ゲストが森廉なんで見ました。(^^) 「怪奇倶楽部」仲間の前田愛と、2ショットがあるんじゃないかと期待してたんですが、それはなし。最近は三觜要介とかが人気あるみたいですが、やはり子役といえば森廉だと思いました。

演出は一倉治雄さん。冒頭の法廷シーンなんか特にそうなんですが、フジ〜共テレっぽいカメラワークが目に付きました。ちょっと前に星田良子さんが演出してましたが、その影響なんでしょうか。そういえば、森廉も共テレ作品に縁の深い子役です。


99/03/25 「リング〜最終章〜」

演出は福本義人さん。ビデオを見てしまった高校生で山崎裕太、新山千春が登場していましたが、ボクは彼らの友達役で出ていた倉貫匡弘、田口寛子が気になりました。2人とも、同じ高橋萬彦Pがプロデュースした「勝利の女神」に出ていた子ですが、こんなところに過去の絆(?)が反映されているんですね。倉貫匡弘は、やはり高橋Pの「それが答えだ!」にも出ていました。

まあ、矛盾とか謎がいろいろと残る結末でしたが、脚本の蒔田光治さんはかなりがんばったんじゃないでしょうか。よくここまで、ストーリーを膨らませたものだと、感心してしまいました。黒木瞳が終盤、ラジオで高校生たちに訴えかけるシーンなどは、往年の特撮映画を連想しましたが。(^^)

後半、松田秀知さんが何回か演出しましたが、松田さんの回が一番良かったような気がします。音楽も含めて、登場人物の心理描写が上手かったです。西谷弘さんが抜けちゃったのは、次クールの「ナオミ」の準備が入ってきちゃったからかな?


99/03/26 彼氏彼女の事情

金曜6時半にテレ東でやってたアニメの最終回。監督や脚本に「エヴァ」の庵野秀明の名前があったんで見てみました。今までちゃんと見ていなかったんで、ストーリーがわからないのは仕方ないんですが、それ以前の問題だったようです。(^^)

「エヴァ」の最終2話と同じような感じで、絵コンテ風の静止画に意味不明のナレーションがかぶっているだけ。ストーリーらしいものもなくて、実写のカットもいくつか含まれていました。……それでも、やっぱカッコ良いんですよね。「なんだかんだ言っても、アイデアは豊富だなぁ」なんて思いながら、意味不明の映像を30分間見てしまいました。(^^ゞ

サブタイトルが「14DAYS」となっていたんですが、こういう、どこからパクってきたんだか分からないけど、何となくカッコイイ……という感覚は、誰でもマネできそうで、実は難しいのかもしれません。「蘇える金狼」の本広克行さんは、このアニメをチェックしていたんだろうか?


99/03/28 熱血恋愛道

出演:今井翼、橘実里
演出:若松央樹

いつもとテイストが違うので、誰が演出なのか最後まで見当がつきませんでした。若松さんは先週までAPとしてクレジットされていた人で、shin-D「ここでキスして。」の3〜4話を演出していた人です。

オープニングなどで、「ハッピーマニア」みたいなコミック風のカット割りが見られましたが、今井翼というのは実はアニメ顔だったりするんで、妙にマッチしていました。ただ、それ以外は全体的にいまひとつという感じ。

会話のシーンとかもノリが悪いし、ラストの泣きの部分も芝居が学芸会みたいで、ちょっと……。今井翼のセリフがこなれていないのは、いつものことだとしても、演出面でもうちょっと何とかならなかったのかという気がします。ただ、共演の橘実里は結構演技の素質があるみたいなので、名前を覚えておくことにします。(^^)


99/03/29 美少女H2最終回SP

ストーリー的にも演出的にも目新しさは感じなかったんですが、清水千賀を撮ったカットに気合いが入っていて、圧倒されちゃいました。(^^) 関卓也さんは「TOKYO BLACK」でも清水千賀を撮っていましたが、きっと関さんのお気に入りなんでしょうね。

相手役の小池栄子は、キャラ設定が中途半端だったせいかいまひとつでした。半年前にやったSPの時は、良い味出していたんですが……。


99/03/30 学校の怪談・春のたたりSP

片岡Kさんが演出した“親子版ゴースト”が印象に残りました。過去の片岡さんのドラマは「オレってセンス良いだろ!」と、耳元で囁かれてるみたいで、いまひとつ好きになれなかったんです。「3番テーブルの客」の時も「恐れ入ったか凡人ども!」というようなコメントをしていて、なんかいやだな〜と思った記憶があります。ところが、今回はいつになくオーソドックスな作りになっていて、違和感なく見れました。

ところで、ロケに使われていた学校は、「それが答えだ!」(97年フジ共テレ)と同じところなんじゃないでしょうか?


99/03/31 世にも奇妙な物語'99春の特別編

「パパラッチ」
星護さんというと、コメディの印象が強い人ですが、「世にも」では「壁の小説」など、サスペンス〜ホラータッチの作品を手がけています。今回はラストのオチを含めてかなり良い出来だったんじゃないでしょうか。特に、目が真っ赤になっているキムタクのアップがすごかったです。(^^)

「親切成金」
高丸雅隆さんは、小椋久雄さんがチーフを務めた「ニュースの女」「殴る女」でセカンドDをやっていた人ですが、それらの作品では、小椋さんとの違いがいまひとつ良くわかりませんでした。で、今回の「親切成金」でも、ほぼ小椋さんのスタイルを踏襲していたようです。だから、小椋さんに近い志向を持った演出家という風に解釈して良いのかもしれません。

最後に伊藤裕子とくっつくというのは簡単に予想できたのですが、あの終わり方はまったく予想外でした。ああいうさりげない描写で余韻を残して終わるところは、典型的な小椋スタイル。これからは小椋−高丸スタイルと言うべきでしょうか。(^^) ――高丸さんは「それが答えだ!」で萩原聖人と仕事をしていました。

「協力者」
で、こちらが本家本元の小椋久雄さんの演出。サスペンスタッチで最後にドンデン返しがあるように見せかけておいて、最後にハートウォームに終わる……と、ちょっぴり意地悪なコンセプトでした。ラストの作りは「親切成金」と同じなんですが、最後の永作博美の表情が良かったですね。小椋さんのドラマは、感情表現がストイックなのでボクは好きです。


99/04/02 春の惑星

演出は井下靖央さん。このドラマが“TBS卒業作”らしいです。緒形憲の芝居のテンポ感と、いしだ壱成の芝居のテンポ感が、良い感じでシンクロしていて印象に残りました。ただ、ラストのカラスのシーンは、何が言いたいのか良くわかりませんでした。(^^)

このドラマは北区でロケしていたみたいで、街並みの風情に新鮮味を感じました。また、ローアングルを多用していたのも印象に残ったんですが、屋内シーンを含めてオールロケだったかもしれません。しかし、それを確認するためにドラマを見返す余裕がありません。(^^ゞ


99/04/03 海峡(1)

映像に雰囲気がオシャレなのが気になっていたんですが、疲れていたので、途中で眠ってしまいました。目が覚めたらエンドロールで、演出が藤田明二さんだと言うことは確認できました。というワケで、それ以上はコメントできません。m(__)m


99/04/04 熱血恋愛道

出演:錦戸亮、前田亜季

演出は久々の大根仁さん。後半、錦戸亮が郊外の住宅地を走っていくシーンが良かったです。ハンディカムっぽいアクティブなカメラワークもセンスが良いと思いました。大根さんは「Tears」(主演:大竹まこと)でも、住宅地のシーンを情感豊かに撮っていました。(^^)

錦戸亮は、去年「びんぼう同心御用帳」を見た際に目に留まった子で、同じ木曜日に放送されていた「ひとりぼっちの君に」の濱田岳、「ラブとエロス」の後町優太らとともに、“木曜の子役3点セット”で記憶していました。ただ錦戸の場合、外見は小学生だけど実際は中学生みたいで、テロップで84年生まれと出ていました。


99/04/04 目撃者

で、その“木曜の子役3点セット”の中でもインパクトNo1の濱田岳が、また偶然同じ日に2時間ドラマに出ていました。共演の浜田雅功、蟹江敬三、石川太門、演出の清弘誠さんと、「ひとりぼっちの君に」と同じメンツが揃っていましたが、ドラマとしては濱田岳だけで持っているという感じでした。具体的に説明しなくても、見た人なら分かってもらえますよね。(^^)

石川太門は、やはり清弘さんが演出する「グッドニュース」にも出るみたいだし、ちょっと前の浜田雅功のバラエティにも出ていた。人脈作りが上手いっていうことなんでしょうか。(^^)



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