"ドラマ演出"日誌(98年10-12月期)


98/10/08 「渡る世間は鬼ばかり」

それにしても今回は、しょっぱなからブッ飛ばしてますね〜。(^^) 岡倉のおばあちゃんは死んじゃうし、赤木春恵は、いつにも増して鬼みたいで、泉ピン子を追い出したかと思ったら、手のひらを返したように良い人なっちゃうし。(~_~; いやー、ドラマチック〜!

このドラマを単純な嫁と姑のドラマだと思ったら大間違い。とにかくすべての登場人物に、一癖も二癖もあって、無限にドラマが続きそうなマンダラ的な世界。また、ラジオドラマの系譜に連なるという意味でも貴重なドラマ。

井下靖央さんを中心とする演出も、徹底してますね。ポイントはオールセットでロケは一切ないっていうところ。カメラや照明もノーマルだし、すべてのエネルギーを役者の演技に集中させようという意図が伝わってきます。前クールに日テレでやってた「お熱いのがお好き」は演出が良くなくて、楽しめなかったんだけど、やっぱこれと比べたら、演技のテンション、ドラマのメリハリ〜リズム感が全然違うや。(^^)


98/10/08 「眠れる森」

野沢尚さん(脚本)のドラマって、相変わらずかったるいですねェ。(^^) 「ドラマ」誌に掲載された脚本を読んだときは、そうでもなかったんだけど、映像化されるとかったるくなっちゃう。

で、中江功さんの演出なんですが、回想シーンの映像処理を2パターン作って、使い分けてるのが上手いな〜と、思いました。ただ、事前に台本を読んでいたせいか、台本のイメージを超える要素は、あんまりなかったよう思いましたね。(~_~;; ただし、あの台本、かなり演出に対する指定が多かったような気がします。決定稿だから、既に演出家のアイデアも入っている台本なのかしれないですが。

ところで、キムタクのシーンに、台本にない要素が多いように感じました。特に感心したのが、森での中山美穂とのシーン。ハンモックに寄りかかって嫌味を言うところとか、雨が目に入って、パチクリするところとか。あと、ラストシーンで、「ちゃんと勉強してるでしょ」とか言うくだりも、全く脚本にないセリフなんですが、キムタクのアイデアだったら、かなりセンス良いですよね。ただ、そうした工夫が、ワンパターンって批判される原因なんだろうけど。


98/10/09 「PU-PU-PU-」

吉田健さんの演出が逆効果。親子関係のドラマのはずなのに、アメリカのサーフィン映画のB級コピーみたいな、L.A.ロケのせいで、コンセプト不明になっている。たとえば、冒頭の10分くらいで描かれた3人の性格設定が、L.A.に着いてからのエピソードでグシャグシャになってる。――第1話で早くも設定が破綻しているという、貴重な作品。(^^)

ただ、那須真知子さんの脚本自体は、そんなに悪くないような気がする。空港での三宅健と母親の会話とか、森田剛と安達哲朗の兄弟関係(この2人顔が似てる!)とか、興味をそそられました。3人の演技に関しては、過去の作品と比較すれば、努力・成長の跡が見えるので、大目に見てあげようか。(^^)


98/10/09 「あきまへんで!」

ステディカムと呼ばれる新型カメラ(小回りが利くけどブレない)を使ったというカメラワークは良かったけど、中村玉緒のギャグとかにはイマイチ笑えなかった。演出的には同じ福澤克雄さんが演出した「スウィートシーズン」の方が、まだ統一感があった。


98/10/11 「BOYS BE …Jr.」

演出:猪股隆一
撮影:唐沢悟堤幸彦さんの片腕として、ドラマアカデミー賞・撮影賞を
       何度も受賞しています)
制作協力:オフィスクレッシェンド

先週の第1話が良かったんで、掲示板の方にも「美少女H」のジャニーズ版……なんて書いたんだけど、今週はイマイチだったかな。脚本のせいか、全体的にシリアスなトーンが強くなって、遊び心が後退しちゃった感じ。おかげで、脚本のつまらなさばかりが目に付いちゃった。オチは最初っからバレバレだし。ジュニアの歌の部分もドラマの雰囲気から浮いてた。

でも、来週は「美少女H」の仲根かすみが出るみたいだし、「美少女H」ともども、今後も注目していきたいと思っています。1話完結ものだから、回によって出来不出来があるのは仕方ないしね。(^^)――微妙なサジ加減の差が明暗を分ける番組。


98/10/11 「なにさまっ!」

TBSドラマに出てくるアパート/マンションのセットは、画面右側がキッチン〜玄関で、左側がベランダというケースが多いのだけど、岸谷五朗のアパートは逆だった。ひょっとしたら、あれ、セットじゃないのかもしれないけど……。どっちでも良いか、そんなこと。

全体的に「ブラザーズ」を連想しちゃうシーンが多かったけど、ボクだけかな。吉田秋生さんの演出って、いまひとつ特徴がつかみにくいですね。誰か詳しい人いませんか?

脚本に書いてなさそうなギャグが多くて、特にバッティングセンターで、岸谷が長嶋一茂に向かって「お前、野球ヘタだな」って言うところは笑えた。とりあえず「PU-PU-PU-」第1話の江川より、良い味出してたかな。

設定的には新味に欠けるかな〜、と思ってみていたら、ラストで地味モードの松雪泰子が出てきて、来週も見たくなっちゃいました。子連れの松雪泰子っていうのは、なかなか新鮮なものがあります。ちょっと、「ディア・ウーマン」の大竹しのぶとカブるけど。(よく考えたら、岸谷がスポーツ入社なのも東山と同じだ。渡辺いっけいも出てるし)

なんか煮え切らないコメントが多いですね。来週見てから、また考えますです。(^^)


98/10/11 SPドラマ、新ドラマ一言感想

「烏鯉(からすごい)」
池端俊策さんの脚本がヘビーな内容で渋かったです。最近の池端さんの作品の中でも、ベストの出来なんじゃないでしょうか。松たか子は友情出演みたいな感じでしたね。

「踊る大捜査線SP」
澤田鎌作さんは本広克行さんに比べるとノーマルな演出をする人だけど、結構アイデアが豊富だったと思いました。ただ、ラストの逮捕シーンでヘリコプターが出てくるところは違和感があった。保坂直輝みたいな凶悪犯の物語じゃないんだから……。演出意図としては、本店の非情な姿勢を強調したかったんだと思いますが、ちょっと的外れな演出だったと思います。

「ショムニSP」
演出も脚本もテンションが下がってる。ただ、冒頭の旅館のシーンの映像処理とかに土方政人さんのテイストが出ていると思いました。

「必要のない人」 NHK・水10
演出は平凡だけど、内館牧子さんの脚本と、マツジュンが良い味出してる。(^^ゞ 全12話らしいので、この先いろんな展開がありそうです。

「Tears」 テレビ朝日・木曜深夜
第1話は見逃したけど、第2話はワケわかんない。途中でドラマの舞台が、本物の舞台になっちゃって、??? 子どものセリフが子供っぽくない脚本も、意図があったとは思えない。中途半端に凝ってるアングルと映像処理がむなしい。

「ワイン恋物語」 テレビ東京・金曜深夜
高校生が遊びで作った学園祭映画みたい。もう見たくないや。(>_<)

「お嬢様は名探偵」 NHK・土曜9時
やけに気弱な原田龍二がちょっぴり新境地開拓。(^^) 演出は「GTO」の赤羽博さん。AVEC所属。

「なっちゃん」 テレビ朝日・土曜深夜
片岡Kさんのドラマは、アングラ演劇っぽくて、ボクはあんまり好きじゃないんだけど、ホラーテイストの第1話は悪くなかった。で、舞原賢三さんが演出した第2話は、意外にもコメディ調のホラー。舞原さんは絵心もあるし、ロケ映像は綺麗なんだけど、屋内シーンになると色彩過剰で良くない。色付きの照明って、センス悪いと思うのボクだけかな。場末のキャバレーじゃあるまいし。――第2話は主演の木村優希より、窪塚洋介の方が目立ってた。


98/10/12 「チェンジ!」

演出:若松節朗
制作協力:共同テレビ

見ていて連想したのは、同じ若松さんが演出した「それが答えだ!」。どちらも藤原竜也が出ているっていうのは置いといて、泣きの部分での音楽の入り方とか、ハンディカムを使った長回しのカットとか。(浅野温子の家の内装・インテリアも三上博史の家に似ているような……) 阿部寛の土下座シーンは、さすが共テレって感じで、共テレファンなら、とりあえず満足なのでは。

この先、どの辺に重点に置いて物語が展開していくのか分からないけど、楽しめそうな予感はしますね。野村佑香のオバサン表情が予想以上にハマってるのにも注目。ただ、「凍りつく夏」に続いて、藤原竜也がアヤシイ奴に見えてしまうのは、ボクだけ? でも、なんか隠してるフシがあるでしょ。(^^)


98/10/12 「じんべえ」

田村正和、松たか子、クサナギ剛……新味なし。永山耕三さんの演出も「ブラザーズ」の第1話の印象に近いかな。――個人的にはどこに注目したら良いのか分からない作品。多分、視聴率の推移も「ブラザーズ」と同じくらいかもしれない。

永山さんって、音楽の趣味〜使い方がワンパターンで、一言で言うと「なんとなくクリスタル」世代の音楽観でしょ。そういうの、ボク自身は嫌いじゃないけど、そこから逸脱する要素が一切ないから、最近は食傷気味。まあ、立場的に見ても、守旧派と呼ばれても仕方ない世代なんだけど……。(^^ゞ

脚本は吉田紀子さん。過去の作品は「君と出逢ってから」「ふたり」「成田離婚」「めぐり逢い」など。演出・出演者が良かった「成田離婚」を別にすれば、他の作品は評価しづらいですね。語の展開の仕方が安直すぎるような気がして……。(~_~;)


98/10/12 「奇跡の人」

演出:山本和夫、大垣一穂
制作協力:ザ・ワークス

山崎まさよしが良いね〜。子供っぽい表情がハマってる。ただ、演出の印象は、月10の王道=地味。(^^) もうちょい何か仕掛けが欲しいかな。手が掛かってる車の転落シーンとか、そうゆーんじゃなくて……さ。(-_-;) コップでドレミファ……は悪くなかったし、ハーモニカも良かったんだけど、な〜んか足りない気がするのは、どうしてだろう。緊張感に欠けるのかな。

ザ・ワークスの大垣さんは、この9月まで、テレ朝水曜深夜の「せつない」をやってたんだけど、港のシーンとか、見覚えあるような……(^^) それにしてもザ・ワークス、最近よく見かけますね。テレ朝とか、TBSの昼ドラだとか。>「のんちゃんのり弁」

以前、この日誌で注目してた青木堅治が、ゲームソフト開発会社の同僚役で出てた。「インターネットで音楽を集めてる」って、言ってた人。


98/10/12 「美少女H2」

脚本:近藤てつき
演出:桜庭信一(フジの若手)

俳優の使い方やカメラワークなど、特に演出が良いとは思わなかったけど、基本的なアイデアと脚本は面白かった。高橋克実など脇役も豪華だった。少女の中で一番インパクトがあったのは、先週同様、小池栄子なんだけど、しらたひさこがポップな感じになってたのでビックリ。髪型か化粧を変えたんだろうか?


98/10/13 「走れ公務員」

演出:西谷弘
制作:フジテレビ、共同テレビ

何なんだ、これはぁぁぁぁぁ!

西谷弘さんは、去年の夏の「それが答えだ!」第3話以来、最注目の演出家で、今回が初のチーフ演出作なのに、同姓同名に別人なんじゃないかと思いたくなるほどヒドイ出来。一言で言えば、予算の少ない深夜ドラマみたいなチープな演出。shin-Dとか。

5〜6年前の日テレのドラマみたいな感じもある。最近だったら「三姉妹探偵団」とか。その心は、脚本イマイチ、カメラワーク中途半端、俳優の使い方は雑、ロケ地はお手軽、セットはショボい……。このドラマ、出演者の数がやたら多いんだけど、それで予算を使い果たしてしまったのだろうか。

今現在、日本で一番ドラマを作っているのは、フジでもTBSでもなくて、共同テレビなんだけど(ゴールデン6本、昼ドラ1本)、さすがに人材が不足しているのかも。エンディングロールを見ると、「協力」のところに、お馴染みのバスク、フジアール、ベイシスの他に、制作会社アズバーズの名前がクレジットされている。だからなのか、共テレ制作となっているのに、共テレらしさがまったく感じられない。

唯一、西谷さんらしかったのが、冒頭の就職氷河期で、本当にさとう珠緒が凍っていたところ。(^^) 来週は窪塚洋介が出てくるみたいだし、多少は改善されるのかもしれないけど。


98/10/13 「殴る女」

企画:石原隆
脚本:田渕久美子
プロデュース:岩田祐二
演出:小椋久雄(セカンドが高丸雅隆
制作:フジテレビ、共同テレビ
   (以上すべて「ニュースの女」と同じメンツ)

小椋さんの演出には“熱い”とか“泣き”の要素は一切ないし、コメディをやってもドタバタにはならない。しんみりとした情感と、ジ〜ンとくる感動がこの人の十八番。カテゴライズすると“アメリカン・ハートフル・コメディ”という感じかな。(当てずっぽうだけど、ニール・サイモンとかが好きなのかもしれない)

そんな小椋さんの持ち味が遺憾無く発揮されたのが、今年1−3月の「ニュースの女」(特に第5話)なんだけど、今回もそれに近いテイスト。ただ、鈴木保奈美、長塚京三、滝沢秀明のモノクロのポートレートを使ったオープニング・タイトルに匹敵するような要素が、このドラマにないのが残念。サントラも若干パワーダウンしてるかな。滝沢秀明みたいな若手がいないのも、印象を地味にしてるし……。

とは言っても、静かに始まるオープニング、吹越満が会社を辞めた理由を話すシーンなど、小椋ファンにはたまらないですね。極めつけはボクシング試合のシーン。音声をカットして静かなピアノ曲が流れる演出。小椋ワールドが炸裂してます。\(●^o^●)/

しかし、前の「公務員」や、この後の「ソムリエ」もそうだけど、リストラがらみのエピソードが多いねェ〜。(^^)


98/10/13 「ソムリエ」

企画:濱星彦(関テレ)
脚本:田辺満
プロデュース:大平雄司(関テレ)、稲田秀樹(共テレ)
演出:星護(セカンドが村上正典
制作:関西テレビ、共同テレビ
   (以上すべて「いいひと。」と同じメンツ)

「いいひと。」第1話と比べると、思ったより地味な演出でしたね。稲垣吾郎よりも、本間勇輔さんの音楽を主役と考えているのかな……、な〜んて考えながら見てました。音楽の使い方が、ものすごく丁寧だから。ある意味、これが星さんの王道ではあるんですけどね。「3番テーブルの客」でミュージカルをやっちゃう人だから。

個人的にヒットしたのは、久々に連ドラ登場の青木伸輔(即席のソムリエやってた人)。「変(HEN)」や「イタズラなKiss」で佐藤藍子を追っかけ回していたのが、好きだったんだけど、結構星さん好みのキャラクターだよね。

吾郎ちゃんと武田鉄矢の演技は、ちょっと硬い感じがしたんだけど、この先もっと良くなるだろうし、この先が楽しみ。武田鉄矢が星さんの世界をどこまで受け入れるのか、とか。ただ、脚本が「ショムニ」の高橋留美さんから、田辺さんに代ってしまった理由が、気になります。


98/10/14 「剣客商売」

制作:フジテレビ、松竹

見たのは最初の30分だけ。タイトルバックの映像がなかなか味わい深かったです。その後に続く京都ロケのシーンも、淡い色彩処理がなされてて悪くなかった。ただ、撮影所のシーンがメインになってくると、普通の時代劇っていう感じ。藤田まことがスケベなオヤジをやってます。(^^)


98/10/14 「家族より愛をこめて」

脚本:金谷祐子
プロデュース:高橋萬彦(共テレ)他
演出:藤田明二(セカンドが松田秀知
制作:テレビ東京、共同テレビ

藤田さんは「美味しんぼ」などで知られるディレクター。冒頭の早回しなど、共テレらしい遊び心が随所にありました。賀来千香子のキャラは「まかせてダーリン」(98年TBS)に近いポップな感じで、他の出演者も、共テレっぽい顔ぶれがちらほら。谷啓や阿南健治(詐欺会社の人)は、同じ高橋萬彦さんがプロデュースした「それが答えだ!」(97年フジ共テレ)でも良い味出してた。

ただ、この枠は若者をターゲットにしないはずだったのに、視聴率不振で路線変更を余儀なくされたのかな。個人的には、「魚心あれば嫁心」(98年1−3月)のレトロっぽいところとか、嫌いじゃなかったんだけど。


98/10/14 「タブロイド」

脚本:井上由美子
プロデュース:山口雅俊
演出:河毛俊作(セカンドが石坂理江子
制作:フジテレビ
   (以上すべて「きらきらひかる」と同じメンツ)

基本的な演出に関しては、ある程度予想していた通りで、あえて比較すると、「きらきら」よりは「ギフト」や「ナニワ金融道」に近い感じ。

河毛さんは、音楽に対するこだわりが強い人なので、音楽の使い方に特徴が良く現れています。ただ、今回は音楽(サントラ)が弱いような気がします。特にシリアスなシーンでの音楽がいま一つピンと来ませんでした。

脚本は、第1話ということもあって、今回はジミめ。1話完結の物語と、連続する物語が同時並行で進行していくみたいです。出演者では、カッシー&京野ことみの「白線」コンビが、個人的に好き。(^^) アイドル役の水川あさみは、化粧が濃かったせいか「美少女H」の時とはずいぶん印象が違ってた。


98/10/14 「世紀末の詩」

脚本:野島伸司
プロデュース:梅原幹
演出:細野英延
制作:日本テレビ

映像処理の感じは、細野さんがかつて手がけた「家なき子」に近い。ただ、演出のトーン(特に音楽)がコロコロ変わって一貫性がないから、見ていて感情移入しづらかった。食べ物にたとえると、ざるそばとパフェを交互に食わされてる……という感じ。ファンタジーでいくなら、ファンタジックなトーンで一貫させるべきだったんじゃ?

クライマックスに掛かった「スタンド・バイ・ミー」も、なんか唐突で浮いてる感じがした。もし、この脚本を「殴る女」の小椋久雄さんが演出したら、もっと統一感のある世界に仕上げたんじゃないかな〜。

でも、竹野内豊は良かった。(^^) 「理想の結婚」の時に通じるマザコンっぽいキャラクターで、見ていて笑える。吉川ひなのはドラマ向きじゃないのかな。CMとかに比べて存在感が薄かった。松本恵は、このドラマを最後に引退するみたいなので残念。(T_T)


98/10/14 「板橋マダムス」

企画:清水賢治、瀧山麻土香(フジ)
脚本:橋本裕司
プロデュース:関口静夫
演出:河野圭太(セカンドが平野眞
制作:フジテレビ、共同テレビ

ピンク色のフィルターをかけた映像が気になった。空がピンク色になっているシーンとか、ラストのタイトルバックの感じとか、ちょっぴりユニーク。あくまでも、ちょっぴりだけど……。(^^)

ただ、脚本・演出は良くない。「ショムニ」もどきの音楽は、やたら派手なのに、俳優の演技や映像がそれに負けてる。登場人物の性格設定とか、俳優の演技方針の詰めが全般的に曖昧。だから、良い歳した俳優が熱演すればするほど、痛々しく見えてくるというか、「家族が見たら泣くだろうな〜」なんて、思ってしまった。

ちなみに、音楽自体の出来もあまり良くない。「ショムニ」は、ド派手な音楽だけじゃなくて、現代音楽〜ミニマル系の反復フレーズを、要所要所で効果的に使っていたけど、「板橋」の音楽には、そうしたデリケートさが感じられなかった。こうなると、やっぱり鈴木雅之さんは偉大だ、っていう話になっちゃうねぇ〜。(^^)


98/10/14 「必要のない人」

激戦の水曜10時台ですが、1本選ぶならこれですね。演出的には今一つ面白味に欠けるんだけど、第2話は、風間杜夫や森光子のコミカルなテイストが前面に出てきて、安定した世界を作ってる。それに、息子役の松本潤も、上手い下手は別にして、独特の存在感があってオイシイ。この人、粘着系の声が良いんだよねー。(^^)

内館牧子さんの脚本は、コミカルな表現に中にシビアな視点を織り込んでいて、良いです。家庭をかえりみないエリートサラリーマンっていう設定は、良くあるんだけど、そのエリートサラリーマンが職場でどんな問題を抱えているかまでを描いているところが、さすがです。単発ドラマ「烏鯉(にしきごい)」の池端俊策さんもそうだけど、企業社会と家庭を同時に描ける脚本家って、貴重ですね。


98/10/15 「外科医・夏目三四郎」

こりゃ、まいった。(^^) 「柊又三郎」みたいだな、と思って見ていたら、柴俊夫が100%同じキャラで出てきて、役名が杉又三郎だって。で、夏目三四郎が尊敬する医者が柊又三郎で、手術の前に南十字星に向かってお祈りをする……。要するに、主役を演じる俳優がショーケンから内藤剛志に代っただけで、それ以外は、み〜んなおんなじ。)^o^(

二番煎じも、ここまで確信犯だと感動的。「ショムニ」フォロワーに欠けているのは、この種の徹底性なのかも……。(^^)


98/10/15 「仮面の女」

脚本・演出:江崎実生
制作:TBS、大映テレビ

大映ドラマのパロディを見ているみたい。「スチュワーデス物語」に半陰陽(両性具有)を加味したストーリー、っていうのが今回のコンセプトなんだろうけど、問題点が多すぎる。

大映ドラマっていうのは、一見いいかげんそうに見えて、実はものすごく丁寧に作っているところが特徴なのに、今回はすごく雑に作っているように見える。石田純一が大映風の大袈裟な演技に向かないのは、ある程度予想できたけど、それを差引いても、全体的に演技が雑。「ストーカー」での陣内&雛形コンビの演技には程遠い感じ。

今回、脚本が石原武龍さんじゃないのも、原因の一つかもしれない。8月の製作発表時は、脚本は石原さんだったと記憶してるから、病気かケンカで降りちゃったのかな? まあ、テレビドラマで、演出家と脚本家が同じっていうのも珍しいんだけど。

それに、今どき「スチュワーデス物語」の世界を、再現させようと考える感性も理解できない。ボク個人の主観でいえば、大映ドラマの本質は「スチュワーデス物語」みたいな“笑い”にあるのではないと思う。あれは大映ドラマの中では、異端的な“ひょうたんからコマ”的な作品。

70年代の「赤い」シリーズとか、80年代の「スクールウォーズ」みたいな、“バカバカしいけど泣ける”っていうのが大映の王道でしょ。出生の秘密とか、運命の悪戯とか、……基本的なフォーマットは悲劇になっているのがミソでしょう。「ヤヌスの鏡」とか「アリエスの乙女たち」にしてもそう。それなのに、今回は最初っから笑いをねらってるみたいで、プロの仕事っぽくないんだよねぇ〜。

10年前の事故のシーンで、桜の花びらが舞っている映像は、「略奪愛・アブない女」と同じ。コンピュータグラフィックと合成しているのかもしれない。それから、大学での講義のシーンに学生役で南周平が出ていた。「家においでよ」(96年NHK)で印象に残った人だけど、その後あんまり見かけなかった。「学生1」みたいな役だから、来週からはもう出ないかもしれない。


98/10/16 「PU-PU-PU-」

日本に帰ってきて、若干持ち直したものの、やっぱりドタバタ系のエピソードとか演出がうざったい。60年代の青春映画じゃないんだから、カジノのシーンなんて出てくると嘘臭くなっちゃうよ。

だけど、脚本の那須真知子さんって、かなり力のあるライターなんじゃないかな? 森田剛が親父に殴られるシーンで、「オレがアイツの立場だったら、こんなところオレたちに見られたくないと思う」なんてセリフ、かなりセンス良いでしょ。青少年の心理が良く分かってる。

――手垢の付いたお決まりのシーンに、非凡なセリフを挿入するセンス。この人、ただ者じゃないって、思いました。(^^)

所ジョージが森田剛の家に訪問販売で押しかけてきたのを見て、息子の三宅健が、「きっと岡田准一の家にも押しかけると思う」って言って、泣くシーンとかも新鮮。自分の親が恥ずかしいっていう子どもの心理……。最近のドラマではあんまり見かけないから。――直後の「オレたちはダチじゃないか」とかいうくだりは失笑だけど。(^^)

それ以外のシーンでも、親子関係のビミョーな心理が結構リアルに描かれているだけに、ドタバタの部分を全部カットして、シリアスなタッチにしていれば、もっと良いドラマになったと思う。……惜しいよなぁ。


98/10/16 「あきまへんで!」

第2話になって、かなり持ち直してきた感じ。仕掛けが多すぎてゴチャゴチャしていた第1話と比べると、俳優の持ち味が良く活かされている演出だった。藤原紀香、内田有紀、二宮和也など、味のある表情を上手く引き出していたと思う。それに前回も書いたけど、カメラワークは相変わらず面白いし。

ジャニーズJrの二宮和也は、目付きに味があって、以前から役者向きだと思っていたんだけど、ちゃんとその期待に応える演技。「必要のない人」の松本潤もそうだけど、今クールは、めずらしくジャニーズJrのクオリティが高いよ。(^^)

大石静さんの脚本も、第1話のときは何をやりたいんだか良く分からなかったけど、やっと方向性が見えてきた感じ。家庭内で伝承されるシツケとか文化がテーマみたい。

ところで、ショウガ湯のエピソードを見ていて思い出したのが、松田聖子が主演していたドラマ「おとなの選択」(92年TBS)。そこでも「くず湯の作り方がわからない」なんてエピソードがあったけど、確かあれも、大石さんが脚本じゃなかったっけ? (^^)


98/10/17 「P.A.」

プロデュース:田中芳樹
脚本:野依美幸
演出:佐藤東弥(セカンドとサードは金田和樹、荻野哲弘
制作協力:5年D組
制作:日本テレビ

佐藤東弥さんは「金田一少年」や「サイコメトラーEIJI」のセカンド・ディレクターとして堤幸彦さんの演出を学んできた(と思われる)人。

そんな佐藤さんがチーフで演出した、4-6月の「LOVE&PEACE」は、従来の土9テイストにホームドラマ〜青春ドラマ的な要素を融合させた力作でした。正直言って刑事ドラマの部分は物足りなかったんですが、しっとりとした感情描写の部分は、従来の土9作品にはないもので、印象に残っています。

特に、事件がいっさい起こらない第10話なんかは、ちょっとした名作だと思います(ただし、演出はセカンドの大谷太郎さん)。再放送されたら見てみてください。(^^)

そんなわけで、今回の新作にも同じようなしっとり路線を期待していたんですが、第1話を見た感じでは、期待通りという感じです。榎本加奈子が毎回変身するという設定は「音無可憐」に似ているのですが、それとの違いはきっちり出ていたと思います。榎本の性格はクールな感じに設定されているし、コメディ〜ドタバタ的な要素もほとんどないみたいです。

1話完結ものなので、回によって評価が大きく別れそうな気がしますが、がんばって見ていけば1話か2話、良い話がありそうな予感がします。ただ、今回は大谷太郎さんが参加しないみたいなので、それがちょっと残念。ひょっとしたらチーフに昇格して、来年1-3月期のドラマに登場するのかな。(^^) でも、荻野哲弘さんも「LOVE&PEACE」で良い味出してたから、そっちにも注目してみたいです。

小室哲哉の音楽(サントラ)はイマイチかな〜。特に、泣き〜しんみり系の音楽が、ダサイと言うか古臭い感じ。globeのアルバムではもっと渋いピアノ曲とかやってるのに……、土9の視聴者をナメてるのかな〜。(笑)

(ビデオをちゃんと見てないので、この項、未完。)


98/10/17 「P.A.」追記

ビデオで、ちゃ〜んと見ました。(^^)

で、いきなり仮説なんだけど、これって、97年1-3月に放送された「木曜の怪談ファイナル〜タイムキーパーズ」(フジ共テレ)を下敷きにしてるんじゃないの? オープニングに昔風のナレーションが入るところとか、物語や登場人物の基本設定とか、1話完結の物語とは別に、主人公の成長物語が織り込まれているところとか。

「タイムキーパーズ」を見ていない人のために、ストーリーをまとめておくと、――滝沢秀明は母親の森久美子と2人で暮らす中学生。ある日、未来からきた東幹久&中山エミリと知り合い、ともに時空犯罪を取り締まる。で、それを通じて滝沢は成長する。最後にオチがあって、東は未来の滝沢の息子だった――と。

人物関係を比較していえば、榎本加奈子が滝沢秀明、岩城滉一が東幹久、池内博之が中山エミリ、森久美子が森久美子、がそれぞれ対応していると。あと、主人公に父親がいないというところも同じだ。「P.A.」も第1話のラストを見た感じでは、岩城が榎本の父親っぽいしね。

とはいっても、「P.A.」には原作があるみたいだから、細かくストーリーの比較をしても意味がないかもしれない。ただ、土9のスタッフが「木曜の怪談」を見ていないということはありえないから、まんざら見当違いというワケでもないと思う。活劇的な部分よりも、シリアスな感情描写の方に重点を置いているところも同じだし。

第1話についていえば、演出・脚本(ストーリー)、ともに今一つなんだけど、前にも書いたように、1話か2話良い話があればOKなので、期待してみます。あと、小室哲哉の音楽も、改めてじっくり聞いたら、そんなに悪くなかった。もちろん「タイムキーパーズ」の寺嶋民哉さんの方がもっと良かったけど……。

ところで、冒頭の飛び降り自殺(?)のシーン。「世紀末の詩」のパロディに見えたのはボクだけ?


98/10/18 「なにさまっ!」

先週、宿題にしたドラマだったんで、生でしっかり見ましたヨ。日本シリーズもブッ飛ばして……。

で、今一つ特徴がつかみにくい吉田秋生さんの演出なんですが、“わかりやすさ”を重視した演出だな、と思いました。具体的にいうと、 という感じでしょうか。最近はセリフが聞き取りにくいドラマが多いのですが、これはセリフに対するチェックが甘い演出家が増えたからかもしれないですね。その意味でいえば、ドラマ演出の王道を行く演出といえるのかも。

TVドラマっていうのは映画と違って、見ている人の状態が千差万別でしょ。モニターの性能やサイズも違うし、近くで子どもが騒いでるかもしれないし……。(^^) だから、映画よりもわかりやすさが要求されるんですが、それが逆にドラマの可能性を狭めてきた歴史もあるワケ。とはいっても、セリフが聞き取りづらくて良いって話にはならないし、難しいところですね。

物語の方もちょっとずつ面白くなってきましたね。それにしても、あの子役かわいかったなぁ。「ひとりぼっち」の濱田岳には負けるけど。あと、最後の最後に「美少女H」の内山理名が出てきた。山口智子を若くしてボケキャラにした感じ。(^^)


98/10/18 眠れる森でタブロイド

「タブロイド」
第5話くらいから急展開があるそうなので、今から伏線に注意してみてみると面白いかも。佐藤浩市が中央新聞から夕刊トップに飛ばされた理由と、真田広之の事件って、関係がありそう。

井上由美子さんって、登場人物の内面や過去を、謎解き風に明かしていくのが得意な人だから(「きらきらひかる」だったら鈴木京香と篠原涼子)、その辺の展開も楽しみ。また、井上さんは“嘘をつく人”を描くのも得意なんですが、今回のレギュラーの中で嘘をついている人がいるのかな〜?

「眠れる森」
これって、「眠れる森の美女」を下敷きにしているワケだけど、冒頭のナレーションをどう解釈したら良いのか、具体的にどこが重なってくるのか良く分からない。「お姫さまは、目が覚めたとき、どうして目の前にいるのが王子だと分かったのか」ってヤツ。

15年前に昏睡状態から目が覚めたとき、王子に気が付かなかった……という解釈するなら、童話とは逆の展開と解釈できる。ところが、現在の記憶がない状態を眠っていると解釈するのなら、眠りから覚めたとき(記憶が戻ったとき)王子の存在と苦労に気が付くワケでしょ。

それに、野沢尚さんとしては、人々が安易に自殺する現代の風潮に警告したいという意図もあるみたいだけど、ストーリーとどうリンクしてくるのか、まだ分かりませんね。


98/10/19 「美少女H2」

第2話「Please Mr.Tomorrow」
脚本:太田愛
演出:板谷恒一
出演:黒坂真美、仲根かすみ、吉井怜

失恋した女の子3人が、“ミスター・トゥモロー”を探して一晩を過ごすっていう物語なんだけど、内省的なセリフとひんやりとした情感が良かったです。

板谷恒一さんっていうのは、多分フジの新人だと思うんだけど、物語的には適度な起伏を付けながらも、演出のトーンに一貫性があって、良かったです。

脚本の太田愛さんも、「美少女H」の中では一番好きですね。飯野陽子さんが良いっていう意見もあるみたいだけど、少女マンガ的で甘ったるい展開に抵抗を感じるボクとしては、時間的にも世代的にも世界観が広そうな太田さんの方が好きです。今回のも、ちょっぴり黙示録的でしょ。(^^ゞ


98/10/21 「世紀末の詩」

物語的にはかなり良くなりました。ストーリーがスッキリして、何がやりたいのか分かりやすくなりました。ただ、演出がかったるいのは相変わらず。まあ、ボクの場合、この日テレ水曜10時枠で演出が良かった作品って、思い浮かばないんですけど……。相性が悪いんでしょうかね。

野島伸司さんの過去のドラマとの比較でいうと、今回の作品は94年の「この世の果て」(鈴木保奈美、三上博史)に一番作風が近いと思います。キリスト教ネタが多いところとか。ただ演出に関していえば、「この世」の方が良かったですね。脚本にしたって、過去のいろいろな物語の要素が複雑に絡み合っていた「この世」に比べると、今回の「世紀末」は構成要素がシンプルすぎて物足りない気もします。


98/10/23 「あきまへんで!」

1話、2話とは打って変わって、カメラワークがすっかりノーマルになってしまいましたね。カメラマンが代わったのかな? ただ、このドラマに関しては、ノーマルなカメラワークでも、特に問題・違和感はなかったですね。演出は3話連続でチーフの福澤さん。

二宮和也が思ってた以上に良い味を出してますね。


98/10/24 「P.A.」

第2話。冒頭から、榎本加奈子の表情が第1話と違ってコミカルなので、気にしてたら、最後まで第1話とは違うテイストに仕上がっていました。要するに、エピソード(回)によって、演出のテイストを使い分けるっていうのが、このドラマの演出方針みたい。第1話はシリアス〜しんみり路線で、第2話はコミカル〜活劇調。

多分、「LOVE&PEACE」が、いろんな要素を詰め込み過ぎて、印象が散漫になってしまったので、そのことに対する反省から、今回のような演出方針になったんだと予想してます。その意味では、進化する土9の最新型を見ているようで、興味が高まりました。


98/10/24 「35歳・夢の途中」

脚本:岡田惠和
演出:遠藤理史
出演:三上博史、有森成美、松村邦洋etc

岡田惠和さんの脚本としては、「ビーチボーイズ」「ランデヴー」の延長線上に属する作品でしたね。10代を主人公にした「若者のすべて」とか「イグアナの娘」の頃と比べて、すっかり作風が変わってしまいましたね。

クラス会の後の、海岸のシーン、良かったですね。この歳になると先が見えない……とかいうの。

ちなみに、この夜の海岸〜校庭のシーンですか、昼間に撮影したものを映像処理で夜っぽく見せかけていたみたいですね。物語の進行から考えたら夜のはずなのに、空が明るいので奇妙な感覚を覚えました。夜の光景を赤外線カメラで撮ってるような感じです。

演出は全体的にノーマルな感じだったんですが、部分的に手の込んだ映像処理がなされていたようです。インスト系のテーマ音楽とかは、いかにもNHKっていう感じでしたね。演出の遠藤理史さんについては、ボクは初めて見る名前なので良くわかりません。

ちょっと興ざめだったのが、ラストで有森が倒れるシーン。あれはなくても良かったような気がする。深読みすると、あんまりロマンティックな終わり方にしたくなかったので、倒れるシーンを入れたのかな、とも考えられる。でも、あそこで倒れるっていうのも、かなりロマンティックな死に方だったりするワケで、やはり、ない方が良かったです。

ちなみに、関東地区では「青い鳥」が再放送されてますが、「35歳」と同じようなテーマなのに、全然リアリティがないですよね。なんで逃避行しなきゃいけないのか、わかんないよ。>青い鳥(^^)


98/10/25 「BOYS BE…Jr」

な〜んか、つまんないですねこれ。第1話は面白かったんだけど、その後のは、脚本も、ロケも、セットも、演出アイデアも、み〜んな第1話の焼き直しで、もう飽きちゃったです。


98/10/26 「美少女H2」

第3話「死球(デッド・ボール)」
脚本・演出:行定勲(なんて読んだら良いの?)
出演:中沢純子、緒沢凜
制作協力:SUPLEX INC.

日本シリーズで放送時間が70分も遅れちゃったけど、がんばってチェックした人は得しましたね。2週連続でメランコリック系の佳作が続きました。特にMOKUという人のピアノ曲が終始効果的に使われていて、引き込まれました。

ただ、気になるところもいくつかあって、特に気になったのが映像処理。露出が極端で、輪郭がモワッとした感じ(もっと適切な形容ができる方がいたら教えてください)。こういうのは個人的に趣味じゃないんだけど、その点を別にしても、あれだけ派手に加工してしまうと、俳優の表情のニュアンスが死んでしまうような気がする。

だから、先週の作品からは出演者の存在感とか個性が伝わってきたのに対して、今週のは他の女優に代替可能なんじゃないかという感じがしちゃいます。これは、映像処理の問題というよりも、俳優の使い方・活かし方の問題だとは思いますが。

ところで、行定勲さんって、ボクは良く知らないんですが、確か「3番テーブルの客」をやっていたような記憶があります。ひょっとしたら、そのスジでは有名な人なのかもしれないです。ご存知の方がいらしたら教えてください。

中沢純子が緒沢凛に同性愛的な感情を抱くという設定なんだけど、最後の方のキスシーンは、ない方が良かったかも。唐突な感じで、緊張感とかがまったくないんだもん。(^^) 演出の良さで、つい見せられちゃったけど、よくよく考えるとストーリーも中途半端&意味不明だったりする。

な〜んか悪口ばっかりになっちゃったけど、基本的には好きな作品です。(^^ゞ


98/10/27 「走れ公務員」

第1話に比べると、俳優の使い方・活かし方に改善が見られるようです。ただし、窪塚洋介がゲスト出演した20日の第2話(演出:本橋圭太)なんかは、窪塚を中心にカメラワークを組み立てている感じがしました。まあ、それだけ主役が弱いってことなんでしょうね。


98/10/29 「眠れる森」

第4話。演出がセカンドDの澤田鎌作さんに代わって、かなりテイストが変わりましたね。一言で言うと“少年ドラマ〜特撮ドラマ”風になったといえば良いでしょうか。具体的に列挙すると、
  1. サスペンス風の、手の込んだカメラワークが増えた。

    特に終盤、キムタクが中山美穂を押し倒すシーンとかは、緊迫感があって、さすが澤田さんという感じ。その後、部屋の中に残されたキムタクの苦悩の表情を、顔上半分のアップで撮ってるところなども、座布団一枚っていう感じ。(^^)

  2. 音楽の使い方が派手になった。

    終盤、オーケストラ調の音楽がガンガン掛かるところがそうですが、個人的にはアンビエント・テクノ風の音楽が掛かっていたのが気になります。これって、サントラとかに入っていないような気がします。澤田さんといえば、「踊る大捜査線」でプロディジーの「ファイアースターター」を掛けていたことがあります(袴田吉彦がプロファイリングチームの役で出てくる回)。プライベートでもテクノが好きなんでしょうかね。
ボクとしては、澤田さんの少年ドラマ路線の演出は大当たりなんですが、中江功さんのソフトな演出の方が好きな人もいるのかもしれません。


98/10/31 「P.A.」

セカンドDの金田和樹さんが演出した第3話は、シリアス調と活劇調のバランスがほぼ半々。「エピソードによって演出方針を使い分け説」を唱えていたボクとしては、ちょっと拍子抜けしちゃいました。金田さんって、いまひとつ捕らえどころのない演出をする人ですね〜。(~_~;)

事件を追っているうちに涙ぐましい人間模様が明らかになるっていう展開は、「はぐれ刑事純情派」みたいですね。泣きのエピソードが臭いから、なおさらそう思っちゃう。(~_~;) 「タブロイド」もそうですが、おいしいエピソードは後半にとってあるのかな……という気もします。

今週は「美少女H」の水川あさみが出てたけど、出番はそんなに多くなかったです。


98/11/01 「BOYS BE…Jr.」

演出:木村ひさし
出演:生田斗真、愛里

先週、悪口を書いたら、まるでそれに答えるかのように変化がありました。助監督とクレジットされていた木村ひさしさんが昇格したようです。この人は日テレの人なのか、そうでないのかは良くわかりません。

前回までにはなかったようなセットとか映像処理があったので、結構新鮮に楽しめました。ただし、どちらかというと、演出上の仕掛けよりは俳優の持ち味を活かすことに重点を置いた演出っだったように思います。単純に生田斗真と愛里が素材として面白かったということなのかもしれないですが。

ただ、ワンパターンの脚本は、何とかして欲しい。(~_~;)


98/11/01 「なにさまっ!」

演出がTBSの若手の片山修さんになったせいか、奇をてらったアングルとかカメラワークが目に付きました。とはいっても、ドラマ全体の印象が変わるほどじゃないので、大多数の人にとっては、どうでも良い話なんですけど……。


98/11/02 「じんべえ」

こちらも、演出が超大物の永山耕三さんから、中堅〜ベテランクラスの木村達昭さんに代わりました。その結果、手の込んだアングルやカメラワーク、映像処理が増えました。って、「なにさまっ!」と同じこと書いてますね。(^^)

木村さんは最近作風が変わったんでしょうかね。「美少女H第2話」や「ボーイハント」の時もそうでしたが、カット割りとかアングルに絵心を感じることが多くなりました。


98/11/02 「美少女H2」

第4話「サヨナラに今日は」
脚本:加藤美知代
演出:有田晃之
出演:田中千絵、白竜

有田晃之さんは「美少女H」で注目した新人演出家なんですが、ボクが予想するに、5年後のフジテレビを背負って立つ存在になるんじゃないでしょうか。

今回も、脚本は今一つ新味に欠ける内容なんですが、演出の良さだけで見ごたえのある一作になっていました。田中千絵にしても、白竜にしても、素材としての面白さ以上のものは持っていない人たちだから、その分演出の善し悪しが問われる作品だったと思います。

有田さんの演出で特にすばらしいのは、カット割り〜カット編集のセンス。――ひとつ一つのカットを切り換えるタイミングが絶妙で、なおかつ絵心のあるカットがたくさんあるから、見ている方はグイグイ引き込まれちゃいますね。その上、音楽の使い方もセンス良いし、俳優の表情の捕らえ方も上手いから、“大物の予感”がします。

ところで、今回使ってた音楽で一つ聞き覚えがある曲があったんですが、ひょっとしたら1〜2年前の向田邦子ドラマで掛かってた曲かも。っていうことは、千住明さんの曲かな?

それにしても、3週連続でメランコリック系の力作が続いていますね。(^^)


98/11/04 「世紀末の詩」

古賀倫明さんが演出した先週の第3話は見れませんでした。で、今週の第4話。音楽は相変わらずイマイチだけど、演出は良くなってきたなぁ……なんて思いながら、エンドロールを見ていたら、演出:大谷太郎だって。\(^o^)/

大谷さんは、日テレの若手演出家の中で、ボクの注目度ナンバー1の人。やっぱ、違うよなぁ……なんて、改めて感心してしまいました。

特に、谷啓が娘に別れを告げる病室のシーン。あのシーンの感動の大半は演出の巧みさ(カット割りの素晴らしさ)にあったといっても過言ではないと思います。他の登場人物が発言している時でも、谷啓と娘のアップだけを交互に追いかけていくカット割り。それが、1、2話からは感じられなかった高い緊張感を生み出していました。

こういう演出ができる大谷さんって、やっぱスゴイ。改めて惚れ込んでしまいました。)^o^( 大谷太郎さんは、フジの有田晃之さんと並んで、現在、最注目の演出家の一人です。


98/11/06 「PU-PU-PU-」

第5話は「青い鳥」「ランデヴー」でお馴染みの土井裕泰さんが演出。全体的にドタバタ色を抑えて、落ち着いた感じに仕上がっていました。特にシリアスなシーンが続く後半は「ランデヴー」を思わせるような、ゆったりとしたリズム感もあって、土井さんらしさがきちんと出ていたと思います。映像処理の傾向も、ロマンチックな感じになっていました。

また、主役格の5人の表情がいつになく魅力的に見えたのも土井さんの功績でしょうか。特に良かったのが山田麻衣子と三宅健。山田麻衣子の場合は「青い鳥」の印象が強力だったのでそれほどでもなかったんですが、三宅健に関しては予想外に良い表情が多くて、ちょっとというか、かなり見直しちゃいました。(^^)

良い表情というのも曖昧な形容なんですが、今回の三宅健の場合は、自然な表情というよりは、キッチリと作り込んだ形跡が感じられる表情なんで、ビックリしています。カット割り〜カメラワークなどを見ても、三宅健を積極的に撮っているようなフシもあったし、土井さんの評価も高いんじゃないでしょうか。監督と役者が真剣勝負しているような……そんな手応えを感じました。

それにしても三宅健って、昔、土曜9時枠で見たときには、煮ても焼いても食えないっていう感じだったのに。人間変わるときは変わるもんなんですね。――土井さんが演出する回は、今後もあるんでしょうかね。気になります。


98/11/07 「すばらしい日々」

脚本:加藤美知代
演出:板谷恒一
プロデュース:樋口徹

今年のフジテレビヤングシナリオ大賞の受賞作。ボク自身はチェックし忘れたのですが、ビデオを貸してくれる人が見つかったので、見ることが出来ました。脚本と演出の2人は、最近「美少女H2」でチェックしたばかりの人だったので、見れてホントに良かったです。(^^)

脚本〜物語に関しては、焦点が絞り込めていないような散漫な印象を受けました。「ビーチボーイズ」「ランデヴー」みたいな、散文的な群像劇をねらったのかもしれないけど、それならそれで、ある種の仕掛けが欲しいですよね。100万円で若い男を買うみたいな……。(^^)

でも、板谷恒一さんの演出は良かったです。この人は俳優の表情の捕らえ方が上手いですね〜。たとえば、冒頭のバス内のシーン。鳥羽潤の表情のアップで、このドラマのテイスト〜方向性みたいなのが、明確に伝わってきました。また、印象的な表情アップをカット割りの中で、効果的に配置するセンスもなかなかでした。

個人的に印象に残ったのは、森廉がらみのカット。穴を掘っているシーンとか、軽トラの後ろに乗ってドライブ(ピクニック?)しているシーンなど。それに水泳大会の後の宴会シーンも良かった。14日の「P.A.」を含めて、久しぶりに森廉をたっぷり見たので、やたら新鮮に見えました。

それ以外では、ドラマの後半、鳥羽潤と靴屋の息子が部屋の中で会話しているシーンなども緊張感があって良かったです。靴屋の息子(妻夫木聡)の場合は、終盤の雨の中のシーンでも、力のこもった表情アップがあって、板谷さんの演出家としての力量〜センスの良さを感じました。

夕陽のシーンは、同じ板谷さんが演出した「美少女H2」のワンシーンを連想しちゃいましたが、悪くなかったです。(^^)

ただ、全体的に気になったのは、セリフが聞き取りづらかったこと。脚本の問題なのか、演出の問題なのか、判断が難しいんですが、BGMや効果音が全体的にうるさすぎると思いました。ボクの場合、見ていて、各登場人物の関係やストーリーがいまひとつハッキリしなかったんですが、その理由の一つは、この辺にあると思います。

効果音といえば、後半、夜の橋の上のシーン。重要なセリフのところで効果音(川の音)が消えちゃう演出がありましたが、ボク自身は、その部分がそんなに重要なシーン(セリフ)だとは思えませんでした。この辺は演出家の台本解釈によって違いが出るところでしょう。まあ、今回の場合、脚本自体がどこが重要なのかハッキリしてないとも言えるんですが……。(^^ゞ

ところで、プロデュースの樋口徹さんって、FCC所属の演出家だけど、ひょっとして板谷さんもFCC所属だったりするんだろうか?


98/11/08 「BOYS BE…Jr.」

今週の主演は「ぼくらの勇気・未満都市」「ドン・ウォリー!」などで見覚えのある相葉雅紀。正直言って、オープニングで顔を見たときは「コイツ嫌い」とか思ってたんですが、ドラマを見てたら、結構表情にメリハリ〜ニュアンスがあって、見直しちゃいました。ただ、ドラマ終了後のインタビューとか見てたら、「やっぱ、この顔嫌い」って思っちゃいました。まあ、俳優として見た場合、これは誉め言葉でしょうね。(~_~;)

演出は猪俣隆一さんに戻っちゃいましたが、演出スタイルは先週の木村ひさしさんに近い感じで、相葉雅紀のアップを中心に、カットを組み立てていたようです。1〜4話のスタイルから脱却しているので、興味深く見れました。ただ、ストーリーは相変わらずつまらないです。(^^ゞ

それから、脚本のクレジットを見たら「美少女H」でお馴染みの近藤てつきさんになってました。また共演の女の子は、あんまり印象に残りませんでした。


98/11/09 「チェンジ!」

このドラマも、シリアス部分とコメディ部分のバランスが悪いですね。特に“泣き”のシーンでかかっているオーケストラ曲が、大河ドラマみたいな、やたら重厚な曲なんで、もったいないです。

でも、その曲はかなり良い曲で、個人的には今クールの劇伴の中ではイチオシにしたいくらいです。音楽のクレジットは、大島ミチルとあるだけですが、サントラ盤は出るんでしょうかね。入手したいのですが、詳細をご存知の方がいたら教えてください。m(__)m


98/11/14 「なっちゃん家」

他の掲示板等で指摘されているように、演出が「美少女H2――死球」の行定勲さんでした。オープニングからして「妙に雰囲気あるな〜」なんて思ってたので、そのあとのクレジットを見て、思わず気合が入ってしまいました。(^^)

個人的にストーリーとかはあまり興味が持てなかったし、役者の撮り方・使い方とかも特に上手いとは思わないんですが、映像と音楽(MOKU)の説得力だけで、圧倒されちゃいましたね。光の使い方とかも上手いんですが、ロケ地の選定や屋内セットの小物などに対するこだわりの強さみたいなものも感じました。「手間ヒマ掛かってるねぇ〜」なんて思いながら見てました。

ただ、11/7の「すばらしい日々」についても同じことが言えるんだけど、どうしてこうもストーリーが分かりづらいんだろう。見ていて疲れちゃう。(^^ゞ

映画系の人って、こういう分かりづらい脚本を好むみたいだけど、ボクみたいな凡人は単純に、視聴者に不親切……って思っちゃいますね。分かりづらくすることによって、作品に高尚なニュアンスが出てくるとでも思っているのだろうか? よく、簡単に言える事をワザと小難しく言って悦に入ってるインテリかぶれの人っているでしょ。それと同じような感じがしちゃいますね。


98/11/18 「世紀末の詩」

先週の三上博史のやつも面白かったけど、今週もなかなか良かったですね。このところ、コメディ色が後退してシリアスなトーンが強くなってきているみたいですが、それが功を奏しているみたいです。演出の古賀倫明さんは第3話に続いて2回目だけど、ボクは第3話を見逃してるので、今回がお初です。で、結論からいうと、演出的には今までの中で一番違和感なく見れました。

このドラマの最大のネックになっているのは、音楽(サントラ)だとボクは思っているんですが、今回はピアニストという設定があったので、クラシックのピアノ曲をBGMでガンガン使っていました。

たとえば、南果穂が土手で高校時代の出来事を語るシーン。息子の藤原竜也が弾くピアノ曲とシンクロさせて、良い雰囲気を出してましたが、他の回ではこういう演出はできないでしょう。(^^) それにしても、藤原竜也。病的な役が良く似合うね〜。「チェンジ!」でやってる好青年役のほうは、すっかりかすんじゃいました。

かすんじゃったといえば、もう1人のピアニスト役の徳山秀典。「ぼくらの勇気・未満都市」のインパクトが強すぎて、「GTO」とかはイマイチだったんですが、この人もフツーの役とかは似合わないみたい。それに比べたら、今回は悪くなかったけど、もっと腹黒いキャラクター設定だったら、藤原竜也と良い対比になったのに……。

ラストのエンドロールでは、ドラマ内で語られた過去のシーンが出てくるというのが、このドラマの定番パターンみたいです。だから、土手での告白シーンを見た時点で、「音楽室のエピソードがエンドロールになる」って思った人も多いと思います。ボクもそう思いました。

……で、実際その通りだったんですが、まさかエンドロールのためだけに、新しい役者が2人も出てくるとは、予想できませんでした。しかも、女の子の方は「美少女H」の本宮純子でしょ。ビックリしました。(^^ゞ


98/11/18 本広克行さんはROBOTだった!

この日発売の「ザ・テレビジョン」に、本広克行さんのインタビューが載ってました。発言内容自体は、他の雑誌などで読んだことが多かったんですが、ボクが興奮してしまったのはプロフィールのところ。現在は制作会社「ロボット」に所属だって。(こんなことに興奮するようになったら、人間お終いかもしれません)(-_-;)

ROBOTって、プロデューサーの原田泉さんがいる、得体の知れない制作会社でしょ。下山天さんや片岡Kさんとかを引っ張り出してきて、ヘンテコなドラマばっかり作ってる。ボクが注目したきっかけは、「木曜の怪談」でやってた単発ドラマ「マリオ」(95年、主演:堂本光一、演出:下山天)。カミセンが出てくるタイトルバックの制作もROBOTだった。有名なところでは岩井俊二監督の「打ち上げ花火……」もROBOTだったと思う。

そういや「踊る大予告編」は、「制作協力:ROBOT」ってクレジットが入っていたけど、そういうカラミだったんですね。どなたか、ROBOTに関する情報をお持ちの方がいたら、教えていただけないでしょうか。


98/11/19 「渡る世間は鬼ばかり」

とうとう「幸楽」のお父さん(角野卓造)まで、インターネットにハマッちゃいましたね。よく考えてみれば、今期のドラマで、一番パソコンの画面の映像が出てくるのは、「渡る世間」かも。

タキさん(野村昭子)が、バリバリのパソコンユーザーっていう設定で、「岡倉」の経理もパソコンでやってるって言ってたけど、ひょっとして、橋田センセイもインターネットとかやってるのかな? う〜む。うかつなこと書けないかも……。(^^ゞ


98/11/20 「PU-PU-PU-」

原案:那須真知子
脚本:武田百合子
演出:吉田健

先週の第6話から、上のようなクレジットになってしまいましたが、これって、トラブって那須さんが脚本を降りちゃった……っていうことなんでしょうね。「おいしい関係」で野沢尚さんが降りちゃったときも、似たようなクレジットだったし。――このドラマに関しては、脚本と演出の間にチグハグなものを感じていたから、なんとなく納得できる結果なんですが……。

話は変わって、ここで訂正を一つ。前回、第5話のコメントを書いた時、第4話を見ていなかったんですが、その後見てみたら、第4話も土井裕泰さんが演出してました。前回のコメントでは三宅健が良いと書きましたが、第4話はそうでもなくて、どっちかっていうと岡田准一の方が目立っていました。

ただ、ボク個人の好みの問題もあるんですが、岡田の方は天性の資質だけで演技しているような印象で、ちょっと荒っぽい感じがしますね。キャラクター設定が単純すぎて面白くないっていう側面もあります。それに比べると、三宅健は、以前の出演作からは感じられなかったキメの細かさが感じられて、成長の痕が感じられます。この印象は第7話まで見た現在でも変わっていません。

で、演出が吉田さんに戻っての6〜7話ですが、5人の表情を捕らえたカットが増えてきている傾向は、そのまま引き継がれているみたいです。ただ、吉田さんはオールディーズをBGMに使うのが好きみたいなので、若干ドタバタ色が強まっています。あと、CMに入る前に無気味な映像処理や効果音を入れるのも、吉田さんのこだわりみたいです。(^^)


98/11/20 「あきまへんで!」

演出がチーフの福澤克雄さんに戻っての第7話。第3話以降、カゲをひそめていたステディカムを使った映像が復活していました。貴島誠一郎PがTV誌で、視聴率低迷の原因として第1話冒頭のステディカム映像をあげていたので、もう2度と見られないと思っていたのですが。

とはいっても、1〜2話のような派手な動きとかは控え目にになっていて、表情のアップから引いていくカットなど、さり気ない使い方をしていたようです。個人的には、1〜2話の時よりもセンス良いと思いました。あと、いくつかのシーンで、鈴木杏ちゃんのアップが効果的に使われていました。

「タイタニック」のパロディとかは、福澤さんらしいと言うべきなんでしょうね、きっと。(^^)


98/11/21 「P.A.」

第6話はサードDの荻野哲弘さんの初演出回。全体的にアイデアが豊富だったという印象を持ちました。特に派手な演出を好む人みたいですね。(^^) 稲妻みたいな照明や「バシッ」とかいう効果音は、シリーズ中、一番多かったんじゃないんでしょうか。ちょっとしつこい感じもしました。(^^)

良かったのは、物語中盤、ビルの屋上で岩城滉一と意味深な会話をする定番のシーン。広角レンズを使ったりして、印象的なカットが多かったです。

でも、家業を守るために行方不明の娘を演じるって、先週と同じじゃん!(笑)


98/11/22 「BOYS BE…Jr.」

この番組、最近は吹き出しが出てきたりして、だんだんマンガっぽくなってるんだけど、脚本がイマイチな上に演出方針が中途半端だから、印象が散漫になってしまう。笑いをとりたいなら、もっとナンセンスなギャグに徹するべきだし、逆に、今週のやつなどはシリアス風で通してたら面白くなったかもしれない。だいたい正味15分のドラマにいろんな要素を詰め込んじゃいけないよ。(^^ゞ

今週主役の山下智久っていうのは、初めて見る名前&顔なんだけど、見ていたら、なんで主役に選ばれたのかそれなりに納得できた。要するに、ドラマ栄えする顔かどうかっていうことでしょ。アップで写したときに、意味ありげに見える顔とそうでない顔があるってこと。(ボクが知らないだけで、実はものすごく人気がある人だったりして。)

一緒に出ていた長谷川純は「眠れる森」、宮城俊太は「あきまへんで!」でチェックしたばかりだったから、比較しながら見ちゃったけど、3人の中では山下智久が一番面白い顔(意味ありげな顔)をしていた。――何が言いたいのかというと、演技力とは別の次元で、ドラマ向きの顔っていうのがあるんだな……ということです。

前田亜季は「ひとりぼっちの君に」の方が良かった。キャラクター設定がアイマイだから、本来の持ち味が引き出せてないように見えた。オープニングのカットは面白かったけど。

この番組がいつまで続くのかわからないけど、毎週見てたら、かなりジャニーズ・ジュニアに詳しくなっちゃうね〜。世間一般の常識で見れば、現時点でも十分に詳しいんだけど……。(笑)


98/11/22 「なにさまっ!」録画失敗

バレーボールが1時間も延長してしまったため、録画を失敗してしまいました。新聞には最大延長9:14って書いてあるのに、どうしてこうなってしまうのだろう。

延長されるだけでも、かなり迷惑なのに、こんな仕打ちをされちゃうとね……。なんか、こんなドラマを、苦労しながら見てる自分がバカらしくなっちゃいましたね。録画を失敗して残念という気持ちよりも、視聴意欲がなくなりました。

こういうのって、放送法とかに引っ掛からないのかなぁ? 大事件とか災害じゃないんだから、局の都合だけで新聞発表と違うことやっちゃって良いの? 誰か暇な人で、裁判でもおこしてくれる人はいないですかね。法律で規制した方が良いよ。1週間以内に再放送を義務づけるとか。


98/11/23 関係者からのメール

このところ、このページで赤字で書かれている方々からメールをいただくことが増えました。(増えたといっても、まだ数人ですが……)どうやらこのページを読んでいる関係者が、少なからずいるような予感がして、ちょっと緊張しています。そいうえば、最近ボクの文章にエクスキューズが増えてるかも……。(^^ゞ

でも、この種の自己満足になりがちなホームページには、ある程度の緊張感が必要だと思うので、良いことかなと……。(笑) 業界関係者の方で、このページをお読みになっている方がいらしたら、ぜひご意見をお聞かせください。内容によっては、許可を得た上でホームページ上で公開することも考えていますが、そうするとかえってメール出しづらくなっちゃうかな……。(^_-)

演出をちゃんと分析するのであれば、本来、1本のドラマを2〜3回繰り返して見てから、コメントを書くのがベストだとは思うんです。でも、それは時間的に不可能なので、おおざっぱな印象で書いているというのが現状です。そこのところを、ご理解いただいた上で、いろいろ指摘していただけると、うれしいですね。(^^)

……あ、別に、苦情とか抗議のメールは届いていないですよ、今のところは……。(^o^)


98/11/23 「チェンジ!」

今週は面白かったですね。娘サイドのエピソードが中心になったのが良かったのか、P兼Dの杉山登さんの青春ドラマ趣味が全開してました。(^^) 藤原竜也と同居するところなどは、青春ドラマの典型的なパターン。"同居もの"ってやつですね。

杉山さんは、「名探偵保健室のオバサン」(97年1-3月)の8話と9話を演出したことがあって、その際、三宅健と京野ことみの恋愛感情に重点をおいた演出をしてたんです。で、その時以来、ボクの頭の中には「テレ朝の杉山さん=青春ドラマ好き」というイメージがあったんですが、今週はまさにイメージ(期待?)通りの出来栄え! (^^)

笑いの部分と十代の心情を描いた部分のバランスも良くて、ボクが好きだった「放課後」(92年フジ、主演:観月ありさ・いしだ壱成、演出:星護小椋久雄)を思い出しました。思うに、杉山さんとしては、共テレのスタッフと仕事することによって、「ボクたちのドラマシリーズ」みたいなテイストを志向していたのかもしれないですね。

いままでパッとしなかった藤原竜也も、急に面白くなった。「凍りつく夏」「世紀末の詩」にはなかったコミカルな味が出てたけど、これも杉山さんの功績でしょう。急に来週が楽しみなドラマになっちゃいました。(^^)


98/11/23 「じんべえ」

田村正和と松たか子のラブシーンは気持ち悪そうだから見たくないし、田村&高島礼子の部分もありきたりで興味持てないんですが、演出に関しては妙に安定感が出てきましたね。特に古着屋の店長が出てこなくなってからは、ストーリーも演出も月9の王道〜永山ワールド全開っていう感じなんですが、なぜだか新鮮な感じもします。

主題歌のピアノ・バージョンを多くのシーンで使っているからなのか、しっとりとしたトーンがドラマ全体に一貫して、心地良いです。今期は演出のトーンがちぐはぐなドラマが多いので、このドラマの一貫したトーンは印象に残ります。中途半端にギャグとかやらないところが良いですね。個人的には月9の王道って、あんまり好きじゃないんだけどね。


98/11/23 「奇跡の人」

演出のクレジットを見逃しちゃったんですが、分かる人いませんか? 国本雅広さんか伊藤寿浩(←名前違ってるかも)さんだと思うんですが、いつもよりも演出に緊張感があったような気がするので、気になります。

ストーリーは「眠れる森」に良く似ているんですが、こちらは謎解きの構造も単純だし、人物描写もB級っぽいよね〜。


98/11/23 「美少女H2」

水川あさみが主役を務めるのはこれが2作め。最初の5分くらいが文芸調の演出だったのに、途中から急にコメディになってしまった。ラストで再びシリアスっぽくなったりして、ワケわかんなかったです。(^^) 水川あさみにしても、前回の「十七歳の記録」(脚本・演出:大森美香)に比べて、表情に味がなかった。

冒頭に出てきたおじいさんのシーンが妙に和風で情感があって、8月ごろにやった小池栄子が主演した回(演出:樋口徹)を連想しました。で、ラストのエンドロールを見てたらこの回も樋口さんだった。(^^) ああいう和風のテイストが好きなんですかね、樋口さんは。


98/11/24 「殴る女」

演出の完成度という点では、今期の中でダントツなんじゃないでしょうか。具体的な特徴については第1話の時に書いたので繰り返しませんが、試合のシーンを省略しちゃうところなんか、確信犯、確信犯! このドラマに必要なテイストと不必要なテイストが何なのかが、良くわかっています。

笑いの部分も徹底してて、決してドタバタっぽくしないで、スタイリッシュにまとめる技術はかなり高度だと思います。笑えないコメディが多い今期のドラマの中で光っています。和久井映見のコミカルな演技も、新境地開拓でしょう。ファーストの小椋久雄さんとセカンドの高丸雅隆さんとで、ほとんど違いが見られないところも、一枚岩っていう感じですね。(^^)

だけど、ストーリーはつまらなくなってる。第1話で提示された「自分の居場所」というテーマが希薄になって、「スポ根」+「4角関係」みたいな傾向が強くなってるようです。「自分の居場所=恋愛」という方向に行くのだけは勘弁してほしい! (^^ゞ

「自分の居場所」というテーマに関しては、NHK水10の「必要のない人」(脚本:内館牧子)が深く掘り下げているので、こっちの方はかなり見劣りしちゃいますね。

ところで、今週出てきた高校生。どこかで見覚えのある顔だと思ってたら、目黒正樹(松方弘樹の息子)だって。どおりで、見覚えあるわけだ。(^^ゞ


98/11/24 「ソムリエ」

先週までADとしてクレジットされていた徳市敏之さんが演出。クライマックスの教会のシーンで音楽を掛けないなど、星さんとは違う静かなテイストの演出(?)を試みていたみたいです。セカンドDの村上正典さんが演出した回にも、同じような傾向がありますね。屋外シーンに趣があるところとか。

98/11/25 「タブロイド」

青島ビンゴ事件と一話完結の事件を同時並行に描いているからなのか、一話完結の部分がどうしても物足りなくなります。今週の事件にしても、サルことカッシーの心の変化があんまり描かれていないから、「カメラマンを辞める」→「被害者の顔写真を撮る」という心境の変化が唐突に見えてしまいます。

あの程度の事件で、すぐにカメラマンを辞めるとかいう展開になるところも、青春ドラマや刑事ドラマみたいで、なんかリアリティがないですね。物語の構造だけみれば、裏番組の「はみだし刑事」と差がないと思いました。

ただ、被害者の病室でのカッシーの演技は、萎縮した子供みたいな芸風で、新境地開拓。石坂理江子さんの演出とカッシーの演技がピッタリかみ合っている感じがしました。これが「はみだし刑事」だったら、間違いなく暑苦しい演技/演出になっていたことでしょう。(^^)


98/11/25 「世紀末の詩」

ドラマの前半、大江千里が竹野内に過去の話をするシーンでの緊張感を見て、演出はきっと大谷太郎さんだと思いました。(^^) 表情の緊張感、演技やカット割りの間が生み出す緊張感。これが大谷さんの持ち味と言えるかもしれません。

大江千里の娘役の池脇千鶴も良かったですね。この子の顔には見覚えがあると思って調べて見たら、8代目のリハウスガールだって……。終盤、竹野内や山崎努らと母親の真実を探り当てるくだりでの表情が良かったです。これも、大谷さんの功績だと思います。

ラストでは、竹野内と木村佳乃のキスシーンがありましたが、この時の木村佳乃の表情も、過去の作品では見たことのないような力強さがありました。大谷さんって、俳優に対してどういう演出〜接し方をしているんだろう。

それにしても、どうして野島伸司さんはこの企画を日本テレビに持っていったのだろうか? 同じ台本で共テレの落合正幸さんとかが演出してたら、もっとスゴイ作品になってたような気がするんですけど……。特に今週の死体の冷凍保存みたいな話は……。(^^)


98/11/26 オススメのホームページ

日本テレビのディレクターがホームページ上でエッセイを書いています。ドラマの制作課程とか、スタッフの仕事内容などが丁寧に説明されています。また、撮影の裏話など興味深い話がたくさん書いてあるので、ぜひ一度のぞいて見てください。「シナリオ登龍門」の台所事情の話なんて、かなり面白いです。ただし、結構分量があるので、モニター上で全部読むのはツライかもしれません。ボクはプレーンテキスト保存したものを、印刷して読みました。

ディレクターKの「知ってるつもり?」
URLは、http://intertv.or.jp/special/drk/index.htmlです。

ディレクターKさんの名前は明かされていませんが、「shin-D」でP&Dをやってると紹介されているので、金田和樹さんだと思います。最近はほとんど更新されないないみたいで、そのうちなくなってしまうかもしれません。お早めにどうぞ。(^^)


98/11/28 「P.A.」

今週は金田和樹さんが演出。先週の荻野哲弘さんとは打って変わって、ノーマルで地味な演出でした。画面の色調もノーマルな感じだったし、手の込んだアングルとか映像処理とかもあんまりなかった。こうした傾向は、金田さんの趣味なのかな?

まあ、地味とは言っても、他の回と比較した場合の話なので、他の枠のドラマと比べれば充分に派手なんですけど。

ラストの劇場内でのクライマックスシーンは、セリフの展開に応じて照明とかがガラリと変ってしまうなど、よく考えると不自然なんだけど……。(^^) 個人的にはシリアスなシーンとかに、もっと緊張感が欲しかったです。

岩城滉一と萬田久子がそれぞれ、20年前に舞台を見に行ったと発言してて、最終回に向けての新展開ありでした。また、榎本加奈子と母親との親子関係にも変化があったんですが、なんか唐突すぎてピンとこないですね。「生まれ変わっても、自分でいたい」とかいうキーワードも、榎本の内面がきっちり描かれていないから、空回りしている感じ。もったいない。


98/11/28 「青い花火」

脚本:鎌田敏夫
演出:若泉久朗

予約録画する際、テープの残料を間違えたため、前半30分しか見れませんでした。(T_T) でも、少女役の松尾れい子がスゴ過ぎて、かなりびっくりしています。“なっちゃん”こと田中麗奈を、もっと不良っぽくした感じと言えば良いのでしょうか。

手元のスター名鑑によれば、ソニー・ミュージック・アーティスツ所属で、過去の出演作は、映画「水の中の八月」「ユメノ銀河」、TV「おんなは全力疾走!」って、書いてありました。それにしても、目線のインパクトがスゴ過ぎ!

ただ、最後まで見ていないので、はっきりしたことは言えなんですが、心に傷を持った人がAV業界に集まる……っていう設定は、ちょっと古臭い気がしました。

若泉さんの演出は、NHKにありがちな、文芸シネマ風っていうんですか、そういう感じでした。別の形容をするなら、お金と時間が掛かっている「美少女H2」というか……。(^^) きれいな映像も良かったですが、個人的には松尾れい子の存在感の方が印象に残っています。


98/11/29 「中学生日記」

タイトル:「私が男の子になったら」
演出:吉國勲

たまたま最後の10分くらいを見ただけだけど、面白かった。女の子が3人、学ラン姿で出てきて、「放課後」とか「変(HEN)」みたいなヘンテコな世界。演出もけっこう凝っていて、ファンタジックな雰囲気が良く出てました。

「中学生日記」は、名古屋近辺に在住する素人の中学生が本名で出てくるドラマなので、俳優の表情をアップで撮ることは少ないんだけど、この回はけっこう魅力的な表情アップが多くて、良い感じでした。

今回に限らず、「中学生日記」には、ときたま面白いものがあるんだけど、そのために毎週チェックするのは大変なんで、普段は見てないです。(^_^) ただ、過去に気に入った作品の大半は、吉國勲さんが演出した作品だったりします。再放送が今週の木曜(12/3)夕方にあるので、もう一度チェックしてみる予定。興味を持った方がいたら、見てみてください。


98/12/01 「走れ公務員」

久しぶりに見たんですが、1話や3話と比べると、西谷弘さんの意地みたいなものが感じられる出来映え。

西谷さんは、去年の「それが答えだ!」、今年の「恋はあせらず」以来、注目の演出家だったんですが、初のチーフ演出作の「走れ公務員」は、西谷さんらしさが感じられなくて、ガッカリだったんです。

今回もコメディ部分とかは、相変わらずつまらない。西谷さん自身、コメディは苦手なのかもしれない。しかし、シリアスシーンの表情の捕らえ方(特に金子賢と直瀬遥歩)や、屋外シーンでのカメラワークには、西谷さんらしいセンスの良さが垣間見れて、妙に感動しちゃいましたよ。……同姓同名の別人じゃなかったって。(^^ゞ

来週は最終回だけど、演出はどっちなんだろう? 本橋圭太さんかな。


98/12/01 「ソムリエ」

クライマックスの屋上のシーンがスゴかった。柵もなんにもなくて、街並みと地平線が広がっている光景。高所恐怖症の人が見たら、恐くなるかもしれないです。(^^)

村上正典さんは、ときどき、こういうインパクトのある映像(構図)をモノにする人ですね。97年1-3月の「タイムキーパーズ」(出演:滝沢秀明・東幹久・中山エミリ)でも、ラストシーンで、カッコ良い構図があったっけ。篠原涼子がゲストで出てきた回。


98/12/03 「外科医・夏目三四郎」

久しぶりにちらっと見たら演出が六車俊治さんで、名前の下に「テレビ朝日」とクレジットが入っていた。以前、深夜ドラマで見掛けた、変わった名字の人なんだけど、テレ朝の社員だったんだ。ゴールデンの連ドラを演出するのは、これが初めてかも。で、演出ですが、屋上のシーンとか暗い病室のシーンとかで、手の込んだ映像が目立ちました。……若い演出家が演出を任されたりすると、ありがちなことなんだけど。


98/12/03 「中学生日記」

再放送で最初っから見ました。冒頭から主役の3人が男の子姿になっていて、物語としてはちょっと不親切。ただ、オープニングとラストは「美少女H2」みたい雰囲気で面白かった。学校内のシーンがいつもの「中学生日記」みたいだったのが残念かな。


98/12/06 「BOYS BE…Jr.」

出演:小原裕貴、古屋暢一、大坂俊介、初めて見る女の子
演出:永井英樹

普段はADでクレジットされている永井さんが初演出。出演者の表情をかなり丁寧に捕らえていて、ちょっとチェックしておきたい人ですね。特に脇役の古屋・大坂のアップが会話のシーンで効果的に挿入されていて、主役の小原より印象に残りました。

ゲストの女の子はあんまり印象に残っていません。3ヵ月も同じスタッフと仕事をしていると、ゲストよりもレギュラー陣の方がコミュニケーション量が多い分、その差が作品に反映されてくるんだと思います。


98/12/07 「美少女H2」

タイトル「(Just Like) Starting Over」
脚本:????田口浩正
演出:田口浩正
出演:しらたひさこ、水川あさみ、田口浩正

俳優の田口浩正さんは、映画「MIND GAME」で監督デビューしていますが(ボクは未見)、ドラマの演出は今回が初めてです。既に他の掲示板でも話題になっていますが、良かったですね。クリストファー・ドイルみたいなハンディカム映像、シリアスシーンでの間の取り方、しらたひさこと水川あさみのいきいきとした演技。……どれもが水準以上の出来だったと思います。

ハンディカム映像に関していえば、実際にハンディカムで撮影してたかどうかは不明ですが、アマチュアっぽいラフさとプロフェッショナルな完成度の高さの2つが、両立していたと思います。ドラマ内で彼女たちが撮影してる映像と、そんな彼女たちを捕らえる映像とが、区別つかないような撮り方/編集。……本来は良くない撮り方かもしれないと思いましたが、編集のリズム感の良さで納得させられちゃいました。(^^)

もう一つ注目したいのは、2人の主役の演技。とにかく表情とか身のこなしがいきいきとしていて、田口さんの演出家としてのセンスの良さ、女優の使い方の上手さが感じられます。

ただし、よ〜く考えてみたら、これには裏(?)があって、田口さんは7月からスカイパーフェクTVでやってる「美少女H・基礎女優講座」に出ているんですよね。だから、美少女H組の女の子たちとは半年近い面識があるわけで、初対面というワケではないんですね。むしろ半年にわたる「基礎女優講座」の経験・蓄積を活かす形で今回のドラマが作られたと見るべきでしょう。

実際、田口さんはフジテレビのホームページ上で、十分な打ち合わせができたとか、「基礎女優講座」の女の子の中でも、しらたひさこと水川あさみは、間の取り方などのセンスが良い、などと発言しています。
(http://www.fujitv.co.jp/jp/sinya/pub/98-330.html)

ただ、一つ難点をいうと、最近はジョン・レノンネタが多いから(「世紀末の詩」「いちばん大切な人」)、率直に言ってちょっと食傷気味です。今回のストーリーにしたって、わざわざジョン・レノンを持ち出してくる必然性は感じられないし、どこかピントはずれな印象が残ります。

田口さんは上記のホームページ上で「僕のようにジョン・レノンを良く知る世代と、彼のことを知らない若い世代の方が、共に何かを感じとってもらえるようなものにしたつもり」なんて言ってるけど、このドラマを見てジョン・レノンのCDを買いにいく高校生がたくさんいるとは思えないなぁ……。それに田口さんの場合は、映画が「マインド・ゲーム(ス)」でドラマが「スターティング・オーバー」でしょ。やっぱ、TOO MUCHだよっ!(笑)


98/12/12 「少年たち」

脚本:矢島正雄
演出:岡崎栄(1,3話)、吉永証(2話)
出演:上川隆也、麻生祐未、相葉雅紀、山下智久、吉野紗香、高橋一生etc

最近、このホームページで好意的に取り上げた相葉雅紀(11/8)と山下智久(11/22)がそろって出演してたりして、ちょっと因縁めいたものを感じる作品。(~_~) 演出の岡崎さんは「大地の人」「流通戦争」「父帰る」を手がけた人で、上川隆也とは「大地の人」以来久々の組み合わせ。でも、見ていて連想しちゃうのは「青の時代」なんだけど……。(笑)

脚本に関しては、いろんなテーマを盛り込みすぎて、中途半端な感じがします。萩原流行が演じる父親の検事も、「教師びんびん」みたいな類型的なキャラでリアリティに欠けてます。少年たちの内面の描写〜変化も、あまり良く伝わってきません。

演出も全体的に地味&単調で、ところどころに入る笑いのシーンもいまひとつ。また、地方都市を舞台にしているせいか、レトロというか70年代TBSっぽい印象が残ります。音楽の感じもそれっぽい感じです。

ただ、上川隆也や少年たちの表情をていねいに撮っているので、個人的にはそこに注目して見てました。とにかく、表情のアップで物語にニュアンスを付けるシーンがやたら多かったです。その意味では、このドラマの見所は面接室のシーンにあるといえるでしょう。上川のアップと少年たちのアップを交互に捕らえていく部分は、見ごたえあります。

特に、必ずしも上手いとはいえない少年役の顔を、ばんばんアップで撮っていくあたりは、なかなか思い切りの良い演出だったと思います。実際、面接室のセットが2パターンあるほか、応接室みたいなセットもあって、力を入れているのが良く分かります。

一番印象に残ったのは吉野紗香で、表情にしてもセリフにしても新境地開拓でしょう。山下智久にしても、上手いとは思いませんが、(以前指摘したように)意味ありげな顔をしてるので、違和感なく見れました。相葉雅紀に関してはちょっと捕らえどころのない感じなんですが、“実はお坊ちゃま”みたいなニュアンスはそれなりに出ていたと思います。(関係ないけど、この人、顔が歌舞伎向き)

まあ、この辺はキャスティングの勝利というべきなんでしょうね。犯罪少年役の4人に関しては、セリフが少ないので、表情優先でキャスティングしたのかもしれないです。ただ、「美少女H」や「学校の挑戦」に出ていた高橋一生は、茶髪が似合ってないような気がしましたが、これはボクの主観の問題かも。

来週の第3話(最終回)は、合宿シーンが中心になるみたいなので、1〜2話とは違った展開・演出が見れるかもしれないですね。(^^)


12/14 「美少女H2」

タイトル「HOLY GHOST」
脚本:浅野有生子
演出:関卓也
出演:仲根かすみ、緒沢凜、妻夫木聡、徳山秀典

通常はプロデュースでクレジットされている関さんが演出するのは、4回目くらいなんだけど、いまひとつインパクトが弱い人ですね。今回の作品にしても、あえてコメントしたいと思う部分が見当たらないんですね。仲根かすみのコミカルな演技に違和感があったっていうことくらい。(^^) エンドロールの後にエピローグが入るところとかは余韻が残って良かったけど、よくある手法だから、取りたてて騒ぐほどでもないし。

ところで、仲根かすみって美少女H組の中では一番人気なんだろうか。少なくてもYahooやgooで検索してみたら、仲根かすみが一番ヒットするみたい。ボクも第0話を見たときから好きだったんでアレなんですけど、なんか不思議な気分。黒坂真美とかの方が人気あると思ってたんだけど。ネット受けするタイプなのかな。仲根かすみって。(^^)

しかし、今回は共演の男優の方に驚いた。妻夫木聡(なんて読むんだ?)ってヤングシナリオ大賞の「すばらしい日々」に出てた人でしょ。今回も素で演技してるっていう感じだったけど、岡田義徳みたいなタイプかもしれない。徳山秀典の方はおなじみの顔。「世紀末の詩」の時に書いたけど、カジュアルな役は似合わないと思いました。一癖ある役の方がハマるタイプだと。

とはいっても、このドラマで一番面白かったのは徳山秀典の演技。ラストで“早とちりナンバーワン”とかいって緒沢凜の前に登場したときのシグサとか表情なんですが、妙に手が込んでいて、よ〜く考えてみると「GTO」の反町の芸風にソックリ。ちょっとぎこちないんだけど、研究熱心なところに好感持ちました。(^^)(徳山は「GTO」にレギュラー出演。念のため)


98/12/15 「殴る女」最終回

ドラマ関連の掲示板では、やたらと盛り上がっている作品ですが、以前書いたように、ボクはこのドラマのテーマやストーリーをそんなに評価していないので、改めて書くこともないんです。

最終回になって、思い出したように出てきた「自分の居場所」のエピソードも安直な感じだし、転職で悩んでる人が見たら、納得しないだろうなと思っちゃうんですねぇ。あと、個人的な好みの問題だとは思いますが、和久井&吹越を見ていると、「オマエら、良い歳して青春ドラマみたいなことやってるなよ!」って言いたくなる。特に和久井映見の鈍感さは、中学生の初恋物語だったら可愛いけど……。自分が石黒賢の立場だったら、キレちゃうと思います。

そこで、作品の評価とは別の話題を一つ。

X-JAPANのヨシキの弟が出てたって話、知ってますか? パラダイス・ジムの若手の1人で、「ニュースの女」でもADみたいな役をやってた色黒の青年。和久井映見の結婚指輪の入ったティッシュをゴミ箱に捨てちゃった人。あの人がヨシキの弟だそうです。林光樹(コウキ)という名前です。……たまには、こういう話題も良いでしょ。(^^ゞ


98/12/16 「タブロイド」最終回

「真鍋(真田広之)って、ただの八つ当たりじゃん」と思いながら見ていたのはボクだけじゃないと思いますが、そんな視聴者に対するエクスキューズがやたら多いセリフ〜脚本でした。最後の方のナレーションがイイワケっぽくて、説明過剰に思えましたが、そうでもしないと収まりがつかないストーリーだとも言えるでしょう。

基本的な感想は以前に書いているので、改めて付け加えることはありませんが、ラスト2回くらいは演技〜演出に緊張感があって良かったです。1話完結のストーリーがなくなったぶんセリフ量が減って、演出に余裕ができたのかな? それにしても、ともさかりえの娘とか、京野ことみの恋愛感情とか、佐藤浩市の過去とか、光が当たらないまま終わったネタが多すぎて、もったいない。


98/12/16 「世紀末の詩」

山崎努が過去を語るシーンは迫力ありましたね。山崎さんの両目をアップで撮ったカットなど、大谷太郎さんのセンスの良さは以前も書いた通りです。

また、竹野内と杉浦直樹が山崎のかつての恋人を説得するシーンにも、緊張感がありました。BGMが途切れるタイミングが絶妙です。ラストで、車から実の娘(吉川ひなの)の姿を目にするシーンも良かったです。――このドラマについてボクが書いていることって、毎回同じですね。(^^ゞ


98/12/17 「眠れる森」

オープニングのタイトルバックがすごかったですねぇ。異様な目付きのキムタクのアップから、そのまま同じオーケストラ曲でタイトルロールへ。最後まで主題歌は出てこないと。\(^o^)/ 

演出は澤田鎌作さん。伝説になりつつある「踊る大捜査線・第10話」のエンドロールを思い出しました。あのときもジーザス・バージョンのままエンドロールに入っちゃったんですが、途中から主題歌に変わっちゃいましたね。亀山千広Pに「主題歌も少しは掛けろ」って言われて作り直したそうです。(^^)

今回も「踊る」と同じくラスト前の回だけど、セカンド・ディレクターにとって、ラスト前っていうのは最後の仕事だから(最終回はチーフがやるのが通例)、気合いが入るんですかね。(^^)

このオーケストラ曲がドラマ内でガンガン掛かるようになったのは、澤田さんが演出した第4話からだし、予想するに、澤田さんはこのオーケストラ曲が大好きで、一度フルレングスで掛けてみたいと思っていたのかもしれないですね。タイトルロールを見ながら(聞きながら)、サントラ欲しいなって思っちゃいました。それにしても、思い切りのいい演出をする人ですね、澤田さんは。

もう一つ、キムタクが警察署から出てきて早朝の都内を歩くシーンも、「美少女H」みたいな映像処理でした。このドラマのテイストから若干浮いてるような感じもしましたが、こういうところも思い切りが良いですね。そういえば、澤田さんはキムタクと相性が良いのか、キムタクがらみで印象的なカットは澤田さんの演出回に多い気がします。


98/12/18 「PU-PU-PU-」最終回

脚本が那須真知子さんから武田百合子さんに代わって、脚本のクオリティは明らかに落ちちゃいましたね。最後は御都合主義&予定調和。まとめに入ろうとしている司会者みたいなセリフも多かったし。(^_-) 森田剛の家族設定は「エデンの東」を下敷きにしていたみたいですが、そういうところからして、最近のTBSの企画力の貧困さを象徴している作品でしょうね。

でも、カミセンの3人は予想してたよりも、がんばったと思います。第5話くらいからだんだん良くなっていったし。江川も悪くなかった。一茂には負けるけど……。あと、岡田准一の妹役だった倉沢桃子。1年前に昼ドラに出てた頃から気になってた子です。このまま順調に仕事が入りそうな気がします。


98/12/18 「あきまへんで!」最終回

このドラマに何が足りないのか考えてみました。ドラマ内のテレビの画面に同じスタッフの「長男の嫁」が写っていましたが、「長男の嫁」に比べると、登場人物のキャラクターの特徴や対比が不明確ですね。たとえば、藤原紀香と内田有紀の性格の違いを問われても、答えられないでしょ。

「長男」の場合は、常識的な性格の浅野ゆう子と石田純一を主役に据えて、周囲の極端な性格の脇役とのからみを描いていましたが、「あきまへんで!」は、登場人物がみんなドタバタ系の性格設定なんで、見ていて飽きちゃうんですよね。

ただ、清弘誠さんが演出した先週の12/11放送分では、内田有紀のシーンに力のこもったシリアス系の演技〜演出が多くて、印象に残っています。このドラマで特をしたのは内田有紀と二宮和也(カズヤじゃなくてカズナリだって)かな。(^^)


98/12/19 「少年たち」

ストーリー的にはどうしょうもないですねぇ。御都合主義的な予定調和の世界。いろんなエピソードを詰め込みすぎているって話はこないだ書いたけど、少年や親たちの心境の変化が段階的に描かれていないから、すべてが唐突に見えちゃう。1クール3ヵ月のドラマだったら、もうちょっと丁寧に描き込めたかもしれないです。

ただ、登場人物/出演者のキャラが面白いから、その意味では面白かった。ジャニーズの2人もそれなりにハマっていたし、黒沢年男のヤクザも物語としては安直だけど、演技自体は悪くなかった。

それにしても吉野紗香は良かったですね。「勝利の女神」で初めて見たときは、一見美少女だけど良く見ると……、という感じだったんですが、「冬の蛍」(97年NHK 脚本:鎌田敏夫)あたりから、アクの強い部分を役柄に活かせるようになってきました。「私バカだけど、それだけじゃないもん」とか、迫力ありましたね。ストーリー的には問題ありだけど。(^^ゞ


98/12/21 「じんべえ」最終回

ラストシーン。松たか子を追いかける田村正和に主題歌がかぶさって、2人の目が合った瞬間に主題歌が止まる。しかも舞台はニューヨーク。……お家芸ですね。(^^) いまひとつ感情移入できなかったですけど。「お前ら親子だろう!」……って。(笑)


98/12/22 「ソムリエ」最終回

星護さんも「TVライフ」のインタビューで言ってたけど、星さんの作品にしては地味な印象のまま終わっちゃいましたね。ラストの戦場のシーンは、発想が星さんらしいと思いましたが。(^_-)


98/12/23 「世紀末の詩」最終回

何が言いたかったのか良く分からないし、分かりたいとも思わないのですが、ラストに「LOVE」が掛かると、何となく余韻が残るんですよね。山崎努が吉川ひなのにプレゼントを渡すシーンは、切なくて良かったですね。あのシーンのまま「LOVE」が掛かってエンドなら、良かったのに……。(^_-)

個人的には、名字に「野」が付く大物脚本家は好きじゃないんだけど、今期は2人ともがんばったと思います。2人とも、リアルな人間描写を追求するより、非現実的な設定で作劇の妙を追求する方が良いみたいです。2人仲良く第1話と最終回をハズしているし。(笑)


98/12/23 「必要のない人」最終回

実は今期のドラマの中では一番好きだったりするんですが、演出的には地味すぎて残念でした。内館牧子さんの脚本もラストの2話で、急に物分かりが良くなっちゃう予定調和的な展開だったりするんですが。個人的に子供役の野波麻帆と松本潤が好きだったりしたんで、最後まで楽しめました。脇役とかもきっちり描いていたし。

最後に来て急に予定調和になっちゃうのは、同じ内館さんの「愛しすぎなくてよかった」と同じなんですが、中盤の出口の見えない展開に深みがありました。自分が必要とされる場所が「殴る女」みたいに簡単に見つかってしまうと、ドラマとしての面白味に欠けますから。今年は内館さん、良い仕事をしたなと思います。

ただ、2本とも演出や視聴率に恵まれていないので、そこが残念。来年は日テレ土曜9時枠とかに挑戦して欲しいなぁ。あの枠は毎回脚本がイマイチだから。(^^ゞ 内館さんが描く榎本加奈子とか堂本剛って、見てみたいと思いませんか?


98/12/23 「'98杜の都恋物語」

脚本:清水喜美子
監督:牧時範
出演:山口紗弥加、岡田義徳
制作:東日本放送、国際放映

大学生と女子高生が出会って、恋に落ちて、男がガンに罹って、女が妊娠して、中絶するかしないかでヒトモメあって、男が死んで、女が出産して……というお話。これを1時間に詰め込んであるから、せわしなくて、あんまり感情移入できなかったです。(^^)

映像とかカメラワークはかなり凝っていて、病院の屋上シーンでの広角レンズとかはちょっと印象に残りました。ただ全体としては、「ハヤリの映像手法を一通り試してみました」というような感じで、アイデアが空回りしているように思いました。ただ、脚本の展開が忙しいので、演出の方もじっくり撮る余裕がなかったのかもしれません。(^^;;


98/12/24 「眠れる森」最終回

いやいや、参りました。意外な結末だって言うからいろいろ邪推してたのに、めちゃくちゃオーソドックスな結末じゃないですか。別の意味で、ダマされたっていう感じ。(-_-;)

引っかけばっかりで、未解決のエピソードも多いし(原田美枝子の失踪事件とか、美那子のボーイフレンドの水死事件とか)、ラストのキムタクなんか「高校教師」のパロディだか何だかわからないけど、まったくもって意図不明。あの結末で何が言いたいんだろう?

ただ演出は良かったですね。似たようなストーリーの「奇跡の人」と比べても、映像の完成度の高さはピカイチだし。陣内さんも最後の最後に良い演技が拝めました。ただ、仲村トオルの豹変ぶりにはちょっと疑問が残ります。思いっきり悪人ぽい演技だったけど、脚本の野沢尚さんは、ああいう演技を想定して書いていたんだろうか? そうでないのなら演出ミスだと思います。

<追記>
脚本を読んだ人の話によれば、ト書きに、悪人っぽくなるような指示が書いてあるそうです。(^^) あと、キムタクがラストで死ぬのは、本人の希望だったみたいです。


98/12/24 「Tears」

「眠れる森」最終回を見た後の脱力状態の時に見たんですが、いきなり「演出:行定勲」なんてテロップが入ってきたんで、思わず気合いが入りました。(笑)

撮影・音楽などのメンツは、いつもの行定組。ただ、映像的には比較的ノーマルな感じでした。行定さんについては、以前、俳優の使い方がイマイチ……なんて書いたんですが、今回は、主演の小橋賢児の表情とかを丁寧に撮っていたようです。それにしても小橋賢児。妙に風格があって、俳優としての成長を感じました。

20日の「BOYS BE」の今井翼もそうだけど、路上でケーキ売りのアルバイトって、クリスマス・シーズンの単発ドラマの定番ですね(たいていはつまらないんだけど)。去年は雛形あきこがテレ東のドラマで売ってたような気がする。


98/12/25 「天国まで響けボクのシンバル!」

内容的にはあんまり興味なかったんですが、TBSの戸高正啓さんは注目している演出家だったんで、見ました。そしたら、子役がいっぱい出てきて(当たり前!)その中に1年前の朝ドラ「甘辛しゃん」に出ていた比嘉タケルがいたので、ちょっと得した気分。

戸高さんの演出には、これといった派手さはないんだけど、芝居やカット割りのリズム感がボクに合うからなのか、ドラマの世界にいつもすんなりと入っていけます。


98/12/27 ドラマアカデミー賞 新ドラマ

今回のドラマアカデミー賞は、緊張感に欠けましたね。だって、見る前から結果が予想できちゃってたから。(^^) ただ一つだけ、重大な(?)問題があって、それは撮影賞のところで「剣客商売」のことが、まったく触れられていないこと。

ボクも、数回ちらっと見かけただけなので、内容とかはまったく分からないですが、映像のクオリティはかなり高かったです。昔見た、市川雷蔵の映画みたいな重厚な映像美を作り出していたと思います。「TVステーション」のベスト5投票では、この点に触れている人もいて良かったのですが、ドラマアカデミー賞の場合、それなりに有名な賞なので、触れておいて欲しかったです。(^^)

撮影に関しては、同じくちゃんと見ていなかった「板橋マダムス」も結構ユニークな感じで、一見の価値はあったと思います。照明をなるべく被写体の正面に当てないようにして、その代わりカメラの感度を上げて撮っているような感じ。だから、背景とか窓際が真っ白になってたりしました。

話は変わって、1月からの新ドラマについてですが、まだデータとかがハッキリしない作品もあるので、年明けにコメントしたいんですが、日テレが良い感じですね。堂本剛の“もし人生をやり直せたら”にしても、中村雅俊の“夜逃げ屋”にしても、良いトコついてるなと思います。

中森明菜のサスペンスにしたって、CMでブームタウン・ラッツの「哀愁のマンデイ」を使っていたりして、ちょっと良い感じ。しかも、演出が「渡部ストーカー」「スウィートデビル」の上川伸廣さんだから、かなり期待できそうです。

逆に枠が多いTBSやCXに変なのが多くて、「ママチャリ刑事」とか「お水の花道」とか、いかにも安直そうな題名が並んでいて、こんなんで視聴率取れるのか、心配になります。「天使のお仕事」なんて、発想が「新春隠し芸」のレベルなんでは……。ダイジョーブ?(^^)


98/12/28 「校長がかわれば学校が変わる2」

脚本:鶴島光重
演出:小野田嘉幹
出演:加藤剛、中田喜子、今井翼、後藤理沙、本城裕二
制作協力:松竹株式会社
制作:劇団俳優座、TBS

ストーリーは古典的な不良少年の更正物語で、しかも、1年前の前作とほとんど同じ展開だから、新味には欠けます。でも、演出はかなり良かったと思います。一見地味に見えるけれど、よ〜く見るとカメラワークとかアングルが丁寧に作られていて、絵心を感じました。

セットというのは天井がないのが普通なので、天井が映ってる屋内シーンは全部屋内ロケと考えて良いのですが、このドラマの場合、廊下・教室・校長室から校長の自宅まで、全部ロケだったようです。だからなのか、ローアングルのカットが(屋外シーンを含めて)やたらと多かったです。

オールロケなんていうと堤幸彦さんの「ぼくらの勇気・未満都市」や「ケイゾク」みたいな作品を連想しちゃいますが、こういう地味な作品でも、独特の臨場感があっていいですね。特に廊下をローアングルで撮ったカットなどは、なかなか味わい深かったです。あと、1カメで撮っているせいか、ひとつひとつのカットの説得力も高かったです。

今井翼がツッパリというのは、ちょっと違和感があるけど、結構がんばっていたと思います。表情のアップで芝居をする部分も多くて、ちょっと重荷っぽい感じもあったのですが、「怪奇倶楽部」以来の顔見知りだし(笑)、ボク的にはオッケーかなと。(^^) 役者としては、このレベルから上達するかどうかが正念場じゃないでしょうか。

その他では、ポカリスエットのCMや「世界で一番パパが好き」でのゲスト出演で知られる後藤理沙にも注目していましたが、今回は単にカワイイというだけで、それ以上のインパクトに欠けていたように感じました。(^^;;

この演出のクオリティをキープしてくれるなら、来年も第3弾を見てみたいです。……でも、脚本はもうちょっと工夫してね!(^^)



トップページに戻る