午後3時半。朝から必死のパッチで走り、やっとの思いで捻出した休憩時間。
事務所は女子事務員2人と副所長。SDは俺だけ。シ〜ンと静まりかえっとる。
これからはじまるであろう激しい集荷タイムに備え、頭であれこれシュミレーション。
ケントをプカプカふかしながらリポビタンDを乾いた喉にグッと流し込もうとしていたところ。
「○○君(俺)、ちょっとちょっと・・・」
背後から副所長がヒソヒソ声で俺を呼んでる。
こんな風に副所長に呼ばれた時は、ほんまにロクでもない話しかないんですわ。
クレーム? コードミス? 荷物事故?だいたいそんなところ・・・
な、なんやなんや???
俺、何かヤバイことしたか?最近・・・(汗)
近所預け?ううんううん、してないしてない。
(↑お客様の指示もなく近所に不在宅の荷物を預けるのは縄文時代のSDがやることや)
玄関先放置か?ブルブルブルブル〜〜してないしてない。
(↑留守宅の荷物を勝手に洗濯機の中とか、物置に放り込んでくるなんて石器時代のSDのすることや)
じゃあ何や?
対応悪しか?
時間指定無視か?
うう〜〜わからん・・・記憶にないぞ〜〜 いちおうは・・・
呼ばれて振り向くまでの一瞬の間、頭の中はこんな事が高速で駆け巡ってました。
それでも何かヤバイのは確実なので、引き攣った笑顔で聞き返しました。
「な、何ですかぁ〜〜?副所長」
「○○君(俺)、8月中頃□□町2-3-603高橋さん(仮名)に豆乳配達したの覚えてるか?」
「宅配ボックスの中に・・・」
う・・・あ・・・
お・・思い出した・・・。したした。
留守で、1階の宅配ボックスに放り込んだわ。
お客さん、その旨記入したご不在連絡票に気づかんかったんやろか?
で、長期間入ったままになってたとか・・・?
「ああ、しましたよ〜〜。でも、紙パックに入ってる豆乳ですやん!クールちゃうし。」
確かに宅配ボックスにブツ放り込む時は品名注意せなアカンけど、紙パックの豆乳は問題ないやろ・・・
常温で到着してるし。賞味期限も先やろし。
ということで、強気に出ました。
「な、何か問題ありますぅ???」
お客さんがご不在連絡票に気づかなかったのは、これは不幸な出来事や。
誰も悪くない・・・ 誰も・・・ お客さんも・・・ そして、俺も・・・
し、しか〜〜し!
返ってきた言葉が・・・
「あのなぁ。自分、マンション間違えてるで・・・」
「え・・・?」(汗)
「高橋さん(仮名)宅の豆乳、
間違えて隣のマンションの宅配ボックスに入れてるで・・・」
「・・・・・」(大汗)
「さっき、ここのマンションの管理人さんから電話があったんや。」
「ウチのマンションには高橋さんなんていてないって・・・引き取りに来てくれって。」
「伝票出してきて調べたら、コレ、隣のマンションの住所やん・・・」
副所長、禿げたおでこがまた青くなってる・・・
「ハハハ・・・」
で、そ〜〜っと副所長の机の上に置いてある伝票のコピーを覗きこみました。
う・・ 確かに。住所あってる。
じゃ、俺、何で間違えたんやろ・・・?(謎)
暑さでボケでたんか?
「あの〜副所長、コレいつの話でしたっけ・・・?」
「8月の15日や。かれこれ3週間前や。」
隣のマンションの603は未入居。
しかも受け人高橋さん(仮名)も荷物が来ることを知らなかったらしい・・・
それでこんなに長期間宅配ボックスに入ったままになってたみたい。
ここで心配なのが猛暑の中を密室で3週間も放ったらかしにされた荷物の状態。
「・・・じゃ、豆乳どうなってるでしょ?」
「さ〜なぁ?」
これからこの荷物事故を処理しなければならない副所長。頭抱えて目がうつろになってます。
お、俺のせいで・・・気の毒に・・・
ここは禿げまして、ちゃうちゃう、励ましてあげんと。
「固まって豆腐なんかになってたらかえって喜んで貰えたりして・・・」
「ハッハッハ・・・」
女子事務が背後でうけてる。やった!
「オマエなぁ・・・・」
「笑い事ちゃうどー!」
副所長マジ切れ寸前・・・や、やば。
「ス、スイマセン・・・反省します。」
俺もここで止めときゃよかったんですが、ついつい・・・
「明日頭丸めてきますわ・・・」
調子乗り過ぎたか?
「オマエ、それ以上どうやって頭丸めるんじゃー!」
イエ、真面目に反省してます。以後キッチリ表札確認を怠りません。 |